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 数学研究の意味

2024-08-11 07:21:29 | 文化
世に数学の難問は色々あります。円周率を何桁も求めること、巨大素数を  
   求めることなどで、人類は今も挑戦を続けています。コンピュ-タ-の進歩により、円周率は100兆桁、巨大素数は2342万9425桁まで求められました。
   これを上回る巨大素数を求めると、10万ドルの懸賞金を与えるという人まで現れています。
    ところで、これらを求めて何の役に立つのかという疑問も湧いてきます。巨大素数は現代の文明を支えている情報技術分野で暗号の生成に必要なのだそうです。
また、難しい数学の難問を解いている時に、ふと疑問も湧いてきます。
     何でこんなことをやらねばならないのか、将来一体、役に立つのであろうかと。

     数学者の藤原正彦氏は、「数学者の言葉では」という著書の中に下記のこと を書いています。
      「役に立たない」というのは、「価値がないということではない」と、した上で、狡猾な答であるかも、と慎重です。「価値がないということではない」ということは、価値がないことを否定しているだけで、価値があるとは言っていません。価値があると言い切ってしまうと「どんな価値があるのか」という新たな追求が始まるでしょう。さらには「価値とは何ぞや」という難しいことにも発展しそうです。故に、あいまいな言葉で妥協を計っている狡猾な答だと、氏は謙遜されています。
フランスの有名な数学者、ポアンカレ-は、「真理の探究こそが人類の目標である。数学はそれを達成する手段の一つである」と、喝破しています。単純明快な答です。
       不肖は以下のように考えています。数学の勉強は論理的思考方法を身につける修練の場である。現に数学研究の進化は、物理学・工学・化学の進歩の基盤となっています。
       アインシュタインの相対性理論は、リ-マン幾何学、テンソルなどの高等数学を駆使して記述され、成り立っています。また、微分積分、フ-リエ変換、複素数、群論などの数学の発見と応用は、工学の進歩にも大いに貢献しています。
       
         藤原正彦「数学者の言葉では」 新潮文庫
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