yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

芭蕉 古池や

2013-12-30 05:48:03 | 文学
「古池や蛙飛びこむ水の音」は芭蕉の有名な俳句です。この句により、芭蕉は蕉風の俳諧を確立したといわれています。松尾芭蕉(1644~1694)は伊賀の人、俳人、「さび・しをり・軽み」を唱え、発句を俳諧という文学にまで昇華させました。1680年から1694年まで深川(現在の江東区)の芭蕉庵に住み、貞享3年(1686)の芭蕉庵での句会の際に、この句を作ったと言われています。

   古池や蛙飛びこむ水の音
この原句は
  古池や蛙と飛たる水の音
 と、されています。原句の「とびたる」には完了の意味があり、これを「飛びこむ」と平易な現在形にしたことによって、臨場感のある表現になり、余韻の利いた名句になったのではないでしょうか。

  古池や蛙飛び込む音がする

 これは同じ状況を表現したものですが、ただの散文になってしまい、俳句としては失格であると聞いたことがあります。

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尚文昌武 浦和高校

2013-12-27 07:31:24 | 文化
「尚文昌武」は埼玉県立浦和高校の校是です。浦和高校は全国屈指の公立の進学校ですが、文武両道を重んじ、1895年に旧制浦和中学として創設された男子校です。校是の「尚文昌武」は1897年に第二代校長の藤井宜正が決めました。昔からよくいわれていた「尚武」を二つに分かち、そこに文昌(文さかんなり)を入れた造語だそうです。また、「勉強」「部活」「行事」と三兎を追うという、なかなか欲を張った目標を掲げています。この度ラグビー部は、宿敵の深谷高校に勝つために戦術を研究し、12月27日開幕の全国高校ラグビー大会(於・大阪花園ラグビー場)への出場を54年振りに決めました。卒業生には、宇宙飛行士の若田光一さんや、日本サッカー協会元会長の犬飼基昭さん、天皇陛下の心臓手術の執刀医を務めた天野篤さんなど、広い分野で活躍する著名な人材を輩出しています。
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ワインの方程式

2013-12-24 06:14:14 | 文化
私はワインを少しだけ飲むだけでも顔が赤くなりますが、毎日嗜む方も多いと聞きます。ワイン市場は巨大であり、ワイン評論家やワイン・ソムリエという職業もあるということです。

1984年にプリンストン大学の経済学者のオーリー・アッシェンフェルター氏は、ワインの質に関する方程式を発表しました。ぶどうの果汁が濃縮され、酸味が減る最適な条件になることに注目したということです。即ち、ワインの方程式は次のような式になります。

ワインの質=12145+0.00117X(冬の降雨量)
+0.0614X(育成期平均気温)
―0.00386X(収穫期降雨量)
この式は、多くのデータを基に統計学の回帰分析という手法を使って決定したものですから、ワインの品質が、かなり正確に示されるそうです。しかし一方でワインの価格の決定にも影響があるらしく、不満の声もあるそうです。ところで、「これと異なる別の方程式を発表するというニュースが原因となって犯罪が起きた」というドラマ(フィクション)もありました。

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地磁気の逆転

2013-12-21 06:34:12 | 科学
地球は北極と南極を磁石の極とする大きい磁石と言われています。古来より磁石や羅針盤が航海や登山に使われ重要な役割を果してきました。この地磁気の方向が、時に変化するという話を聞いて驚きました。これに関して本蔵義守氏(ほんくら)は次のように書いています。

地磁気が生まれる理由の問題は、地球電磁気学の難問として多くの研究者を魅了し続けてきた。これは古地磁気学という学問の分野である。ところで、磁石は常に北を指すわけではなく、磁場の原因となる双極子磁場は、方向が頻繁に反転する。これは地磁気逆転という現象であり、これを最初に発見したのは日本の故・松山基範博士(元・京大教授)。すなわち、世界の磁気学界では、260万年前から78万年前の逆転期を「MATSUYAMA」と呼んでいる。しかも逆転間隔が極めて不規則らしいということ。地磁気の理論研究であるダイナモ理論の立場からは、磁場の生成・維持だけでなく極性がランダムに反転することも説明できなくてはならない。地球の内部は、中心に向かって地殻・マントル・核に大きく分けられる。地球ダイナモでは、薄い地殻はマントルに含めて扱う。中心核は主として鉄から成り、さらに固体の内核とそれを取り巻く液体の外核に分けられる。外核は液体となっているが、内部で熱対流が生じる。そこに磁場があれば対流との相互作用によって電流が生じる(ダイナモ作用)。この電流は磁場を作る。この磁場がもとの磁場と同じであれば、対流が続く限り磁場は存在することになる。これが地球磁場生成・維持の基本メカニズムである。磁場生成過程の理解には円板ダイナモと呼ばれるモデルが役立つ。これだけでは、磁場が逆転することを説明できなかった。故・力武常次博士(元・東大教授)は、円板モデルを二つつないだモデル(力武モデル)を考案した。このモデルを使って数値計算を行うと磁場の逆転が説明できた。1958年のことである。以上の説明だけでは、「地磁気がなぜ逆転するか」に答えることができなかった。難しい問題である。地球というシステムに内在する性質なのである。では地磁気逆転が人類に影響を及ぼすことはないのだろうか。逆転時は磁力が弱いので、例えば地球に降り注ぐ宇宙線や太陽からの荷電粒子の影響が強まることが予想される。しかし、今後数百年は心配に及ばない。磁場が逆転を始めたとしてもすぐには磁場が弱くなるわけではないのだから。

             本蔵義守 「學士會会報」No.903 2013―Ⅵ

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すぐやる課

2013-12-18 06:44:50 | 文化
  千葉県松戸市に「すぐやる課」というのがあるそうです。「すぐにやらなければならないもので、すぐにやり得るものは、すぐにやる」と唱えた市長の方針で設立され、市民の多くの要望を処理してきたそうです。私が住む千葉市においても、この頃、市役所の対応は、かなり迅速であると感じています。昔はお役所仕事というのは、遅いとよく言われたものですが、最近は随分改善されてきたのではないでしょうか。
さて、我が身を振り返ってみますと、必ずしも直ちに実行とは言えないことが多々あります。「すぐやる姿勢」を見習いたいと思います。

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名槍日本号 松口月城

2013-12-15 07:05:19 | 文学
松口月城(1887~1981)は、医師、作詩家。名は栄太、月城は号。福岡県有田に生まれ熊本
医専を卒業、医師のかたわら詩作にふけり、多くの漢詩を残しました。
黒田藩の母里太兵衛(もりたへい)が福島正則所有の名槍日本号を賭けて大杯を飲み干した故事と、当時の武士の心情を賦した七言絶句を紹介します。

名槍日本号

美酒元来吾所好
斗杯傾盡人驚倒
古謡一曲芸城中
呑取名槍日本号

  名槍日本号

美酒元来吾ガ好ム所
斗杯傾ケ盡クシテ人驚倒
古謡一曲芸城ノ中
呑ミ取ル名槍日本号

「訳」

美酒はもともと自分の好むところである。すすめられるままに、大杯になみなみと注いだ酒
を呑み尽すと、座に居る者どもは皆倒れんばかりに驚いた。黒田節の歌われているこの城の陣屋で、見事斗杯を呑み尽して、約束の名槍日本号をわが物にしてみせようぞ。
 「黒田節」は、元来筑前黒田藩の武士が歌った祝い歌です。名称の「黒田節」は黒田武士のあて字。

   黒田武士(黒田節)

酒は飲め飲め 飲むならば
日の本一のこの槍を
飲みとるほどに 飲むならば
これぞまことの黒田武士

峰のあらしか 松風か
たづぬる人の 琴の音か
駒引きとめて 立ち寄れば
爪音たかき想夫恋

さて、来年のNHKの大河ドラマは、筑前藩の藩祖、黒田官兵衛の話です。

吟剣詩舞振興会 「吟剣詩舞道漢詩集 続・絶句編」

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888の8乗

2013-12-12 07:03:42 | 科学
江戸時代の人々は数学好きで、和算の入門書「塵劫記」が愛読されたということです。「塵劫記」は吉田光由(みつよし1598~1673)が著し、初版は江戸時代の初期1627年でした。日本各地で、数学の問題が考案され、算額という額が神社に奉納されました。
山形県、鶴岡市の遠賀(おが)神社には、次のような算額があるそうです。(レプリカの写真 下)これは日本で3番目に古い算額で、元禄8年(1695年)に奉納されました。

問題:ある数の8乗が、3866垓(がい)3727京9427兆989億9008万4096である。
   この数はいくつか。
すなわち、「386637279427098990084096」という23桁の整数の8乗根を求める問題です。
江戸時代の人は算盤を使った「開平法」を知っていたのでしょう。例えば、361のルートを計算すると19を求めることができます。上記の23桁の整数のルートを3回計算すると888が求められるはずです。

私は電卓(10桁まで)や、エクセル(11桁まで)で試みましたが解答できませんでした。そこで、インターネット上の高精度計算サイト(下記 URL)で桁数を26に設定して888の8乗を求めましたら、確かに23桁の数値を得ることができました。
http://keisan.casio.jp/calculator
 思えば、ニュートン(1642~1727)が生まれる以前から、数を考えることを楽しみ、追求していた江戸の人々。日本人の数学への純粋な心意気を感じます。


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文明と未開

2013-12-09 06:13:52 | 文化
日本の近隣には、人口や経済力や武力は大きくても、文明国とは言い難い国があります。私には荷が重いテーマですが、文明と未開はどこが違うかを愚考しました。

文明国にあるもの
1.公平と平等  ゜「公平」を簡単にいうと、努力に応じた成果(または報酬)が得られることだと思います。
2, 自由     思想、信条、信仰、政治的行動、言論、表現、情報公開・収集
      など多岐に亘る自由があります。          
3, 法とルール  民主的に決めた法とルールを守ることが当然と考える人が住む。
4, 個人と個性と多様性を尊重   個人は皆、それぞれ異なることを互いに認め、特定の
      思想、価値観を他人に強要しないこと。                  
5, 寛容と思いやり・友愛
6, 倫理・道徳・良心  悪いことをしない、うそをつかない、だますことをしない、
汚職をしない、約束を守る、公のために尽くす。
7. 合理性と科学を根拠に意思決定と判断   理性が優越する世界を尊重する。

教育の目的の一つは上記の7項目などを教えることではないでしょうか。
フランスは18世紀末から既に「自由」「平等」「友愛」を標榜する国でした。(三色の旗)

「未開」は上記の項目のどれかが欠けているか乏しい国だと思います。
 例えば「歴史認識」「価値観」「顔つき」「皮膚の色」「性」「国籍」「信仰」は個人固有のものです。これらが自分と異なる場合、それを材料にして、他人(異なる人々)を批判したり、非難したり、差別したり、自分と同じでなければならないと強要することなどが、ままありがちです。
これはおかしなことです。このような、おかしなことが公然と行われるのが「未開」の例ではないかと思われます。

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夜坐  藤田東湖

2013-12-06 06:48:49 | 文学
藤田東湖(1806~1855)水戸藩の儒臣、幕末の尊皇攘夷論者、行動は激烈でした。安政の地震の際に小石川の藩邸で遭難しました。ここでは、七言絶句を紹介します。

夜坐

金風颯々醸群陰
玉露溥溥滴万林
独坐三更天地静
一輪明月照丹心

  夜坐

金風颯々群陰ヲ醸シ
玉露溥溥(たんたん)万林ニ滴ル
独坐三更天地静カナリ
一輪ノ明月丹心ヲ照ラス

「訳」

秋風があたりをざわめかして通り過ぎると、そのたびに昼のように明るい地上に黒い葉影が重なりゆれ、いっぱいに置いている玉をもあざむく白露がぽたぽたと、あたり一面の木立からしたたり落ちる。夜はいよいよ更け、いよいよ静かである。ただ月のみが、この幽居に独り坐している私を訪い、一点の曇りもないこの真心を照らし慰めてくれることである。

吟剣詩舞振興会 「吟剣詩舞道漢詩集 絶句編」
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英語は難しい

2013-12-03 07:06:08 | 文化
英語が不得意な者の僻みかも知れませんが、私など、日本人の多くが英語に費やした膨大な時間とパワーに比べて、その成果が小さい傾向にあることに暗澹とします。折しも11月21日の「朝日新聞」にこれに関連した記事を見つけました。

東大教授で英語学者の斎藤兆史(55)は「日本人にとって、英語はものすごく難しい言語」という。文法も、語順も、発音も、文字も日本語とは違う。背景の文化もちがう。しかも日常生活では英語はほとんど必要ない。そんな国で英語を学ぶのは、並大抵のことではない。英語に苦労させられるのは、むしろ当然のことだ。我々は頑張っている同胞の英語をチェックする事に忙しい。(中略)発音や文法はどうでもいいとはいわないが、大事なのは、中身、内容のはずなのに。(中略)英語学習というと、よく「読む・書く・聴く・話す」の4技能をバランスよくとか「総合的に」などといわれる。でもきれいごと過ぎないか。読むのが好き。話すのなら任せておけ。書くのは苦手。そんなふうに得意不得意があるはずだ。日本語でもそうなのに。英語を使う場に立って初めて、主張したり議論したりする経験が不足していたと実感した人たちを取材した。英語教材をいくら勉強しても、そこに「言いたいこと」は書いていない。
 言いたいことを言う力をまず鍛える。日本語で出来ないことが、英語で出来るはずはない。

 これを読んで、英語を学ぶ前にやることがあると私は思いました。日本人として外国人に接するには、まず、日本語(国語)を学ぶこと、社会常識、歴史を学ぶことが大切なのではないでしょうか。
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