yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

宣誓

2016-04-30 05:16:23 | 文化
東京都のおまわりさんは、警視庁 警察学校の入校式において宣誓をするそうです。すなわち、

私は日本国憲法
法令
条例その他の諸法規を忠実に擁護し
命令を遵守し
警察職務に優先して
それに従うべきことを要求する
団体又は組織に加入せず
何ものにもとらわれず
何ものをも恐れず
何ものをも憎まず
良心のみに従って
公正に警察職務の遂行にあたることを
厳粛に誓います。

「何ものにもとらわれず良心にのみ従って行動する」というのが特にいいと思います。立派な宣誓文です。   
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「偉い」 考

2016-04-27 05:28:02 | 文化
「偉い」には色々な意味があるようです。一般的には、業績や技芸・学識・才能・社会的地位が高く、また人格が高いので尊敬されるべきことに対して使うでしょう。人それぞれの価値観は異なりますから、尊敬に値する事項も人により異なるでしょう。また世間では「偉い」とまでは言われなくても、優れた人、立派な生き方をしている人は大勢います。
しかし、「お偉いさん」となると、マイナスイメージもあります。
「お偉いさん」は地位が高く、権力を持っていますが、過去の栄光や現在の地位にこだわって、現在の自分に対する他人からの評価の認識に乏しく、自省や革新をする意識がなく、周囲への気配りができず、空気が読めず、おもいやりのない困った人というイメージがあります。

また、「偉い」には、「えらい目にあった」とか「えらいことになった」とか、「えらい所で出会った」など、「予期せぬひどい事態」を表すこともあります。その他にも「えらい物ができた」「えらく頑張った」など、「すごい」とか「大変に」という意味にも使われています。
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祝 井山裕太氏 囲碁 七冠達成

2016-04-24 05:11:42 | 文化
去る4月20日に囲碁棋士、井山裕太氏(26歳)は、 十段のタイトルを奪取して、囲碁の7大タイトルを独占する快挙を成し遂げました。日本で最初の囲碁七冠です。
囲碁の七大タイトルは棋聖、名人、本因坊、十段、天元、王座、碁聖です。井山さんの特長は、集中力、飛躍力、逆転力、全体洞察力などと言われています。井山氏は、師匠の家から遠いこともあり、インターネット対局により棋力を高めたそうであり、ネット社会が生み出した
快事ともいえます。今後の益々の活躍を祈念します。

一方、将棋界では羽生善治氏が1996年に、25歳で七冠を達成しました。将棋の七大タイトルは、竜王、名人、棋聖、王位、王座、棋王、王将です。

囲碁や将棋で七冠という前人未踏の快挙を成し遂げた二人の年齢が25歳とか26歳ということから、囲碁や将棋の強さは、この時期にピークがあることがうかがえます。また、井山七冠、羽生七冠と同時代のライバル棋士は、多くの負けを喫したことになり、気の毒ともいえます。
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巌頭之感 藤村操

2016-04-21 05:49:15 | 文学
北海道出身の旧制一高生、藤村操(16歳)は明治35年5月22日に「巌頭之感」を遺して、日光華厳の滝に身を投じました。前日の21日に一高の寮から制服制帽で失踪していたと阿部次郎(「三太郎の日記」の著者)が証言しています。厭世観によるエリート学生の死は「立身出世」を美徳としてきた当時の社会に大きな衝撃と影響を与え、後を追う者が続出したそうです。

巌頭之感

        悠々たる哉天壤(てんじょう)
        遼々たる哉古今
        五尺の小躯を以て此大をはからむとす
        ホレーショの哲學 竟(つい)に何等のオーソリチィーを價するものぞ
        萬有の眞相は唯だ一言にして悉(つく)す、曰く「不可解」。
        我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
        既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。
        始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。
                    (明治36年5月22日)

「不可解」故に死を選ぶという事は、不肖のごとき凡人の理解を超えることです。
藤村操のように裕福な家庭で育ち、非常に優秀で前途有為な若者が、あたら命を落としたのはまことに残念なことでした。
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北東アジア送電網構想

2016-04-18 05:27:26 | 文化
2011年の東日本大震災の約2年後から、ソフトバンクの孫正義社長が提唱している構想です。それは、モンゴルの草原で風力発電や太陽光発電を行って電気を生み出し、日本で使うという壮大な計画です。これにはロシア・モンゴル・中国・韓国・日本を含む大送電網の建設が前提です。中国と韓国、韓国と日本の間は海底電力ケーブルで接続します。大陸内は長大な架空線が適当ですが、箇々の技術は既に開発されており、解決可能と思われます。このような大規模システムが安定的に運営されるためには、まず域内の平和が前提条件です。エネルギーの安全保障の観点から、ロシアや中国が送電網の維持に継続して協力するという体制が不可欠であり、私は、この点に大きな懸念をおぼえます。しかし最近、孫社長は、中国最大の送電会社・国家電網公司、ロシアの送配電会社・ロシア・グリッド、韓国電力公社と、国境を越えて送電網を結ぶ事業化調査をすることに合意しました。太陽光や風力など自然エネルギーで作った電気を北東アジアで相互に融通する計画ですが、2020年頃の事業化をめざしているということです。原子力発電に頼ることのない社会の実現も夢ではなく、大いに注目すべき事業と思われます。
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真剣師

2016-04-15 05:45:11 | 将棋
将棋・囲碁・マージャンなどで、賭博をして生計を立てる人を真剣師といいます。将棋の真剣師は、ごく最近までいました。たとえば、大田学、加賀敬治、小池重明(1947~1992)、花村元司(1917~1985)など。真剣師はプロ並みの実力がありましたが、現代では将棋の真剣師は姿を消したようです。
花村元司氏は東海の鬼といわれ、戦後、付け出し五段で日本将棋連盟のプロ棋士になり、A級八段にまで上りました。弟子には森下卓八段、深浦康市八段がいます。
小池重明氏はアマ最強といわれました。金銀玉が塊になって敵陣を目指して進み、相手が勝ちにくい態勢を作って勝利を得ることもありました。また、秒読みを得意として、相手の持時間が少なくなって、ミスをするのを誘うという戦術もとりました。真剣師には早見え、早指しの人が多いようです。何しろ沢山勝たないと多くの掛け金が獲得できないからです。このように真剣師は、あらゆる手段を使って勝つ事にこだわりました。
小池氏が今も存命であったら、コンピューター将棋とどのように戦うであろうか、という点にも興味があります。なお現在、「電王戦2016年」でコンピューターと戦っている山崎隆之八段・叡王は「1分切れ負け将棋のチャンピオン」で、早見え早指しに長けていますから、時間攻めでコンピューターと戦う戦術も有効かも知れません。(1分切れ負け将棋)の1分には、駒を動かす時間と相手のチェス・クロックを押す時間も含まれていますから、山崎八段の速さは驚くべきものです。
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三高 序歌

2016-04-12 05:28:40 | 文化
私は旧制高校世代ではありませんが、若い頃、三高(第三高等学校、現・京都大学)の寮歌に酔いました。下記はその中の一つ、序歌です。岩崎眞澄作詩、櫻小路春光 作曲

あヽ永劫の「時」の歩みに
今くれゆくかわれらが青春
若き生命(いのち)の影にまたヽく
不断の光と不滅の追憶(おもひで)
夢ひき結ぶ學びの庭に
悲しき思ひを胸にひめつヽ
心しづかに友よ歌はむ

ついでに、行春哀歌の前口上

われらがはなやかに美(うる)はしかりし青春の饗宴(うたげ)は、
かくもしづかに、またかくもあわたゞしげに盡きなむとす
友よ、さらに新しき盃をもとめながら、われらとも
にうすれゆく日のかげにこの哀歌を声ひくヽ誦(しょう)せむ。

一、 静かに来たれなつかしき
友ようれひの手をとらん
くもりてひかる汝(な)が瞳(まみ)に
消えゆく若き日はなげく

五  あヽ青春は今かゆく
   暮るヽにはやき若き日の
   うたげの庭の花むしろ
   足音もなき「時」の舞

    
九、  友よわれらが美(よ)き夢の
去りゆく影を見やりつヽ
離別の酒を酌みかはし
わかれのうたにほヽゑまん

「三高歌集」 三高同窓會 昭和27年
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負ける 考

2016-04-09 05:07:05 | 文化
思うに「負ける」ことにも意味があるようです。一般的には「勝つ」の反意語として使用されますが、他に「負ける」は、「価格の値引きをする」という意味にも使われます。余談ですが私の郷里では、「値引きをする」ことを「勉強する」とも言います。「勉強する」だけでは、やや意味がわかりにくい所もあります。つまり努力して値引きをしてお客様を喜ばせると言う意味からきた言葉なのでしょう。
ところで、新国立競技場を設計した隈研吾氏は、この競技場のコンセプトを「負ける競技場」と語りました。自己主張をせずに周囲の景観に溶けこみ、環境にやさしい木造建築を、という概念だそうです。このコンセプトは、1964年の東京オリンピックのために建造された国立競技場と対極の概念です。旧国立競技場は、丹下健三氏が設計した斬新なデザインの競技場であり、周囲を圧倒して目立つ「勝つ競技場」であったと隈氏は言います。1964年と2020年との間には56年の時の隔たりがありますが、物の考え方の違いに時の移ろいを感じます。
 「負けるが勝ち」とか「損して得とれ」という言葉もありますが、「勝つだけが善」とは言えない価値観があります。「負ける」ということの中に、相手に対する癒しや安らぎ、その人を鼓舞したり自信を与えるといった側面があるように思われます。「負ける」、つまり他人に対して譲歩して、他人を褒めてあげてやる気を引き出す。こうしたことは教育の要諦の一つではないかと思います。
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あご足つき、吐月峰

2016-04-06 06:04:45 | 文化
あご足つき、吐月峰は、私には聞き慣れない言葉です。
「あご足つき」は、交通費、食事代が付いている事。寄せ芸人の間の隠語だそうです。タレントやルポライターなどにとってはギャラと共に重要な関心事かも知れません。私が住む地域でも、噺家を招いて寄せのイベントがありますが、幹事さんは、あご足などの費用の捻出に苦労されているようです。
吐月峰(とげっぽう)は現代では、あまり見かけない煙草道具(写真 下)の中にある竹製の灰吹きです。古い推理小説を読んでいたら、この言葉が出ていました。


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遊三樹酒亭 菊池渓琴

2016-04-03 06:15:46 | 文学
幕末明治の漢詩人、紀州の菊池渓琴(1799~1881)の七言絶句です。正式な題は三樹亭ニテ摩島子毅とトモニ同じく賦ス

三樹ノ酒亭ニ遊ブ

烟濃山淡映晴沙
日落春樓細雨斜
朦朧三十六峰寺
箇々鐘聲緩出花

烟(けむり)濃(こま)ヤカニ山淡クシテ晴沙ニ映ズ
日落チテ春樓細雨斜ナリ
朦朧タリ三十六峰ノ寺
箇々ノ鐘聲緩ヤカニ花ヲ出ズ

「訳」
   春の一日、心通う友達とうち連れて鴨川のほとり、三本木の酒楼に上れば、靄が濃く立ちこめてきて、山色が淡く薄れ、晴天の川砂の明るさとの対照が美しい。やがて日が沈むと楼外は小雨となり、細かい雨足が斜めに、わずかに風が吹いているもようである。おぼろに霞む東山三十六峰の寺々から晩鐘の音が一つ一つゆるやかに花の雲の間から洩れ聞こえてくるのである。

「鑑賞」
  詩の好きな親友、摩島子毅と京都三本木の料亭に遊んだ折の作。この詩は菊池渓琴が到達した最高の境地を示している。起・承・転・結の運びにより、みごとに時間の推移による景色の変化を見せている。起句は淡彩の山と日ざしの明るい川原を対映させており、承句では、いつしか日も暮れて降りだす小雨、転句では、その雨にけぶる三十六峰のおちこちの寺、それをうけて、結句では花の雲間からゆるやかに鳴りいでる寺々鐘の声に耳を澄ますという光景をよく詠じている。作者の感性の繊細さを感じさせる詩である一方、しなやかさはあっても弱さがない、骨のある詩としてまとまっている。

   「吟剣詩舞道漢詩集 絶句編」 日本吟剣詩舞振興会
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