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yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

「反捕鯨」是か非か

2014-09-29 05:31:40 | 文化
既に、以前より広く議論されて来たことかも知れませんが、私には「反捕鯨」という主張に合理性があるとは思えません。

反捕鯨を主張する国は欧米諸国、オーストラリア、ニュージーランドなど49ケ国です。
一方、捕鯨支持国は日本、ノルウェー、アイスランドなど39ケ国です。

捕鯨支持国は数で劣勢ですし、支持国の中心となっている日本も国際会議では発信力が少ないように見受けられます。

反捕鯨国の欧米では、牛や豚をして食用にしています。同じほ乳類の鯨を捕るのがいけないというのは首尾が一貫していません。近年は、動物の食肉化・工程が分業しているので一般の人が現場を目撃する機会が少ないし、食肉店に行くと誰でも、牛や豚の肉を労せずして購入することができます。
 一方、鯨の場合は、鯨が大型・重量であるため、海上または捕鯨船上で鯨のを行わざるを得ません。この現場を見る機会のある人は、動物に残酷な仕打ちをしていると思うかも知れません。しかし牛や豚や羊を殺すのは容認されて、鯨を殺すのは認めないというのは、一方的な言い分ではないでしょうか。

反捕鯨の急先鋒であるオーストラリアも、かつては捕鯨を行って、鯨油を利用したという歴史があるそうです。近年は、オーストラリアやニュージーランドの周辺の海域に、多くの日本の捕鯨船が出動したので鯨を大量に捕られるのが気に入らないのでしょうか。

日本は欧米人が牛を食べる習慣やこうした食文化を批判してはいないと思います。一方、日本人は古来、鯨を食べる習慣があり、捕鯨により生計をたてている人がいます。
世界各地の多様な食文化、多様な価値観を、他国が一方的に否定するのは公平を欠くのではないでしょうか。

それに、地球上には鯨が増加し過ぎて、大量の魚を食べるので、魚の生存にとって鯨の存在は脅威となっているとも聞きます。鯨が絶滅危惧種にならないように節度のある捕鯨をすることは可能です。調査捕鯨の量云々を議論する以前に、「反捕鯨には合理性が無い」という主張を何故、日本がしないのか、私には疑問に思えます。
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刑事 コロンボ

2014-09-26 05:47:17 | 文化
刑事 コロンボ」は、1970年代に制作され、アメリカで放映されたテレビ・ドラマの題名です。「刑事 コロンボ」日本でも人気がありました。「刑事 コロンボ」は全69話です。
コロンボは、中学校の英語の授業で習った “in 1492 Columbus discovered America”のColumbusのイタリア語読みでしょう。イタリア系アメリカ人と思われます。動の「マクロード」
静のコロンボと言われ、二人は対称的です。共通するのは悪を憎むことと、人間性がすばらしいことです。最近、69話のうち25話の再放送を見て、この映画が好きになりました。
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「選択と集中」の危うさ

2014-09-23 05:20:21 | 文化
「選択と集中」と聞くと、一見、合理的な概念に思えますが、今の日本に危うさを感じとり警鐘を鳴らす学者がいます。「首都大学東京」の社会学者、山下祐介準教授で、次のように述べています。

事実誤認に基づく曲解があると、それにとどまらず「選択と集中」という危うい発想が生まれる。これが、人口減少時代の私たちが目指すべき当然の目標になってしまっていることである。はたしてこの価値は本当に信用して大丈夫なものなのだろうか。「選択」という語で社会学者が気になるのは優生思想である。選択は進化論の中心概念だが、この発想こそ、先の世界大戦で大量虐殺を導いた元凶だった。ナチスドイツによるユダヤ人虐殺がその典型だが、我が国のふるまいもその例にもれない。「選択」の言葉には排除の論理が潜んでおり、とくにその民族概念への展開はおぞましい危険思想を生んだ。にもかかわらず、今また、この危うい思考法が我が国を主導する概念の一つになっているように思える。前述の「すべての町は救えない」にも、そこにすでに奢りと排除が現れているではないか。自分が「排除される」とは思ってもいないからこそ「排除もやむなし」の選択も容認される。だが、「選択と集中」の先におそらく、この国のために役に立つものと役に立たないものとの選別と排除が待っており、めぐりめぐって誰もが排除される側に陥る危険が潜んでいる。「地方はいらない」どころか、「働けない年寄りはいらない」にさえなるかもしれないからである。(中略)
「選択と集中」は、都市のもつ数の論理で多様な社会を一掃し、少数派(村や町、中小都市)を排除して、画一的な社会へと切り替えていこうとする傾向性をもつもののようだ。では、選択と集中ではない、別の主導概念はいかに見出せるのか。私たちはここに、「多様性」や「持続と共生」「回復力(レジリエンス)」のような理念をはっきりと対置させねばならないようだ。

 「學士會会報」 No.908 2014-Ⅴ
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北陸新幹線

2014-09-19 05:34:47 | 文化
北陸新幹線が2015年3月14日に開業する予定という発表がありました。北陸新幹線の内、東京、長野区間は、1997年から長野新幹線として営業しています。2015年に長野、金沢間
が開業すると東京と北陸が短時間で結ばれることになります。東京、富山間は130分、東京、金沢間は148分という速さです。
 さて、北陸から関東側に向かうとき、北アルプスの立山山塊の壁があり。海側は越後の親不知の隘路があるため、古来より人の往来を著しく困難なものにしてきました。
 戦国時代の末期、豊臣秀吉に圧迫された佐々成政の軍勢100騎は、厳冬期に後立山連峰の針ノ木峠を越えたという伝説があります。また一説には、糸魚川を通って駿河の徳川氏に助けを求めたともいわれます。江戸時代には金沢の前田家の大名行列は参勤交代のため、13泊14日をかけて江戸に上ったとのことです。親不知の険は干潮時に、波よけ人足で人垣を作って通り抜けたともいわれます。前田家の参勤交代は一大プロジェクトでした。1回当たりの費用は現代に換算して約2億円ともいわれます。
 北陸新幹線でから金沢から東京まで、約2時間半というのは驚くべき文明の進歩です。
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難しい日本語

2014-09-16 05:16:08 | 文学
日本語を正しく使うのは難しいと思います。次の言い方には問題があるそうです。どこに問題があるのか、一見わかりにくいものもあります。

決着がつく
違和感を感じる
遺産を残す
後遺症が残る
過半数を超える
留守をまもる
従来より
あとで後悔する
お体をご自愛下さい
第一日目
すべてを一任する
連日暑い日が続く
古来から伝わる
募金を集める
炎天下のもとで
かねてからの懸案事項
犯罪をおかす
最後の切札を出す
嫌悪感を感じる
元旦の朝に

重ね言葉など、くどい言回しが該当するようです。順に、正しい言い方を推測してみました。
  ( )内は問題のある言い方

決着する              (決着がつく)
違和感を覚える           (違和感を感じる)
遺産がある             (遺産を遺す)
後遺症がある            (後遺症が残る)
過半数になる            (過半数を超す)
留守を預かる            (留守をまもる)
従来                (従来より)
後悔する              (あとで後悔する)
ご自愛下さい            (お体をご自愛下さい)
第一日、あるいは一日目       (第一日目)
一任する              (すべてを一任する)
連日暑い              (連日暑い日が続く)
古来                (古来から伝わる)
募金する              (募金を集める)
炎天下               (炎天下のもとで)
犯行におよぶ            (犯罪をおかす)
懸案事項              (かねてからの懸案事項)
最後の切札とする          (最後の切札を出す)
嫌悪感を覚える           (嫌悪感を感じる)
元旦                (元旦の朝に)

話は変わりますが、最近、テレビを見ていますと、特に天皇や皇室に関して敬語がきちんと使われていない事が多く、まことに聞き苦しく思われます。かなりの知識人でも敬語を使えないのには驚きます。天皇陛下が、どこどこにいらっしゃったという場面に於いて、「天皇が来て下さった」という発言があり、唖然としました。「陛下がお越しになった」「陛下がご臨席された」とか「陛下がお出ましになった」でなくてはならないでしょう。言葉の
乱れは国の乱れにつながるかも知れません。
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詩碑除幕式即事 石川先生

2014-09-13 05:40:05 | 文学
 漢詩の石川忠久先生が雑誌に発表された漢詩を紹介します。


詩碑除幕式即事

甲午清明前十日
鷗盟相計樹新碑
詩拙書粗我常分
天公何意雨絲絲

甲午ノ清明前ノ十日
鷗盟相ヒ計リテ新碑ヲ樹(た)ツ
詩拙ク書粗ナルは我ガ常分
天公何ノ意ゾ雨絲絲タリ


 「訳」

今年の清明節の前の十日
鷗盟が語り合って新たに碑を樹てた
詩は拙く書が粗末なのは私の至らぬところ
天の意はわからないが雨がしとしと降ることだ。


「鑑賞」
 即事は、場面に即して詩を作ること。
 鷗盟は、老人の風雅の交わり
 転句、詩も書も名人でいらっしゃる石川先生はおおいに謙遜されました。
 杜牧の「清明」に「清明の時節雨紛紛」の句があります。今年の清明は
 雨絲絲タリであったのでしょうが、夏の雨は猛烈な豪雨でした。

    「學士會会報」 No.908 2014-Ⅴ
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多様性

2014-09-10 06:42:04 | 文化
いろいろな個性を持つことが「多様性」ですが、最近では生物多様性が有名です。変化の激しい時代においては、人間にも多様性が重要と思われます。同志社大学の学長の村田晃嗣先生は雑誌の随想の中で次のように述べられています。

 グローバルな人材を育てるためには、長期的な視点で人材を育てることが重要なことといえます。その人材育成のキーワードは「多様性」です。

同志社大学の特徴は、京都、私学、キリスト教主義です
  京都は、ローカルにしてグローバルな都市です。
  私学は、市民社会を支える賢明で自立した市民の教育という創立者・新島襄の教育理念が
   明確です。
  キリスト教主義は、世界に22億人もいるキリスト教徒が信ずるキリスト教を伝道していま
  す。

 京都、私学、キリスト教主義というユニークな組み合わせが人材
育成の三つの柱になって、それぞれの柱が人材の多様性をはぐくむ要素を持っています。

政治のレベルにおいても、多様性を維持できるのかどうかは非常に大切な視点です。多様性の
ない政治は活性化できません。例えば、政党政治において、二大政党制の是非が議論になりますが、二大政党制か多党制かということよりも政治に多様性があるかどうかが大事なことなのです。
 グローバル化が進む世界にあっては、政治外交の面でも経済の面でも多様性のない組織や集団は活力を失い対応できなくなっていきます。

 エンジニアの世界においても、国、市場、社会など多種多様なニーズに適合した技術力や視野をもち、それらに応じた課題解決が求められています。言語的にコミュニケーションができても、その背後にある仕事の進め方やマインドセットが違っていれば経営は難しくなります。
グローバル化社会において、異なる文化、人種、性別や宗教などの多様性を受け入れ、エンジニア一人ひとりが多様化することが重要だと思います。

 グローバル化するということは、次の瞬間にどのファクターが強くなってどのファクターが
弱くなるのか、先がますます読みにくくなるということです。だからこそ多様なファクター
をわれわれの中に取り込んでいくこと、その上で様々なプレイヤーと共働(コラボレーション)
することが、グローバル化時代を生きていくうえでの大切な課題となっているのです。

「多様性」に加えて、「柔軟性」にもよく似た効用があるように思われます。

村田晃嗣 「グローバル化時代を生きていくうえで」 電気学会誌 Vol.134 No.9

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吉田調書の公表

2014-09-07 06:43:26 | 文化
福島原子力の所長で、原発事故の際に現場で陣頭指揮にあたった故・吉田昌郎氏に対して、政府の事故調査委員会が、約29時間に亘り聞き取り調査をしました。これをまとめた文書を「吉田調書」といいます。吉田氏の希望が尊重されて当初は、この文書は非公開とされていましたが、既に複数のメディアから、部分的に公開がなされており、断片的な情報から誤った認識が広まる恐れがあることから、政府は調書を公表することにしました。やや遅いような気もしますが、情報公開は良いことだと思います。吉田調書の中には、多くの真相と汲むべき重要な教訓が含まれています。例えば、次のような事柄だそうです。

・ 技術と作業を知らない部外者が現場に介入することは有害無益である。
・ 危機対応の組織的なしくみがなく、所長にすべての権限と責任と判断が求められ、機能
不全があった。
・ 第二原発への総員待避を指示した事実がないのに、勝手に、安全な第二原発に待避した者がいた。後でかえりみると、やむを得ないことであった。(危険回避という意味ではそれで良かった)
・ 有能なスタッフに恵まれ、最善を尽くしたつもりだが、それでもこのレベルの仕事しかできなかった。
・ 「多数の事故死者が出た」という誤報に接した時、自分も腹を切る覚悟であった。

悲痛な叫びです。事故の教訓を踏まえて、原因の究明と再発防止ための十分な対策が終わっていないのに、日本中で原発の再稼働を進めるのは疑問だと、私は思います。

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秘すれば花

2014-09-04 05:08:18 | 文化
室町時代の猿楽師 世阿弥が書いた「風姿花伝」にある言葉です。
「秘すれば花なるべし、秘せざれば花なるべからず」

「風姿花伝」は芸上達のためのアドバイスと興業成功のための方法論を具体的かつ詳細に
記した本です。

芸の奥義は秘するべきであるとしています。また、「花と面白きと珍しきことの三つは同じ
心なり」ともいわれます。
「意外性が感動なり」ともいいます。

芸も剣道も奥義を公開するようなことは少ないようです。芸とか技というものは、教えてもらうのではなくて師から盗んで体で覚えるというような伝統があるようです。

禅宗では、不立文字であり、将棋の師も弟子と対局をして教えることはあまりないそうです。
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昭和天皇実録

2014-09-01 04:56:23 | 歴史
去る、8月21日に「昭和天皇実録」が完成したということです。第124代 昭和天皇は、神話上の天皇を除くと、歴代の天皇の中で、在位期間が62年(1926~1989)と最も長い天皇です。1982年の園遊会で、天皇と柔道の山下泰裕氏の間に次のような会話がありました。「どう?柔道は、ずいぶん骨が折れますか?」「はい、2年前に骨折いたしまして」このやりとりに園遊会はどっと沸いたということです。激動の時代を過ごされて今は亡い天皇のお人柄を彷彿させる光景であったことでしょう。
「昭和天皇実録」は、昭和天皇の日々の出来事を日記体に記述した本です。合計61冊の和綴じの本です。1万2千ページにおよぶ大作ということです。これは、今上天皇、皇后に献上され、天皇から「実録が完成したことをうれしく思います」という趣旨のお言葉があったそうです。
編集作業は、昭和天皇の崩御の翌年に宮内庁で開始され、約24年5ヶ月で完成しました。非常勤を含めて合計112人の職員が関わり、経費(人件費をのぞく)は約2億2千万円かかったということです。今後、入札により出版社が決まり、5ケ年計画で公刊されるそうです。大正天皇の実録と異なり、黒塗りの部分はなく、口語体で記述されたとのことです。公式記録ということでもあり、近代史の研究の重要資料になると思われます。終戦時に天皇がどのようなことを言われたかなど興味が尽きません。歴史は、事実がどうであったかが最も重要です。大変な記録が完成したものです。劇作家の寺山修司氏は、「一番面白い劇は何か」ときかれたら「歴史」と答えるということです

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