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yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

一枚の礼状

2025-02-27 06:17:14 | 将棋
将棋の加藤治郎九段は弟子達に基本的な礼儀作法をしっかり教えました。加藤九段は日本将棋連盟の会長を2期勤めましたが、引退が早かったので弟子は僅かに三人で、木村義徳八段、原田泰夫九段、真部一男九段(追贈)だけです。一般的には、プロの将棋の師匠が弟子に将棋を直接教えることはとても少ないと言われています。入門の時に将棋の力をみるために一局、辞めて郷里に帰る前の餞に一局、合計二局だけなどとよく言われます。この点、早稲田大学出身で大学卒初の専門棋士になった加藤九段は、社会常識に富んでおり、当時、若いプロの棋士が、しっかりとした社会常識を持つべきだという信念があったのでしょう。弟子達に礼儀作法をきっちり教えた当時としては珍しいタイプの師匠でした。例えば、「君たちは職業柄お客さんから酒食の接待にあずかったり、金品を贈与されることが多い。そのような時には帰宅したら直ぐに礼状を書くように。」と教えたそうです。将棋界のプリンスと言われた好青年、真部一男九段は師匠のこの教えを忠実に守り、一枚の礼状も欠かすことがなかったそうです。
礼状一枚を書くことは、社会人として当然のことと思いますが、実行するのは、ともすれば面倒な場合もあります。今は礼状の代わりに電話や電子メールを使っても良いのではないでしょうか。
先般、不肖私も拙い書物を書き、知人・友人に謹呈したことがあります。さすがに小学校から大学まで、ほとんどの学校の先生方からは速い時期にきちんと礼状をいただきました。また、中には耳の痛い感想文をくれた友人もありますが、読む時間も興味も無いのに、一方的に本を送られても有り難くないという人もいるのでしょう。知人・友人の中には「届いた」の連絡もなく、また「ありがとう」の一言も無い人が数人ありました。こうした些細なことにもその人の社会常識の有無と行動力、人間の風韻(人間性)、礼儀作法をわきまえた人かどうかが現れるもののようです。


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一般と例外

2025-02-24 06:12:35 | 文化
ある文章について、一般的解釈と例外的解釈が存在すると仮定します。 一般的解釈とは大部分の人がする解釈だろうと思います。 例外的解釈は少数の人がする解釈ではないでしょうか。
さて、「ある文」が法律の条文だとしますと、人によって、解釈が異なると困ったことになります。例えば、「ごく少数とは言えない」人が一般と異なる解釈をしたら、この法律は問題ではないでしょうか。しかも、一般的解釈と例外的解釈との分別を、行政担当者が行えるとしたら、この法律は非常に問題だと思われます。法律とは大部分の人が同じ解釈をするように表現されるべきではないでしょうか。「丁寧に説明してやっとわかる」ものでは困るでしょう。
法律も含め、文章とは特段の説明をしなくても、殆どの人が読めばわかる程度のものであって欲しいと思います.



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ふるさとは今もかわらず 新沼謙治

2025-02-21 06:17:16 | 文学
岩手県大船渡市出身の歌手、新沼謙治氏(66才)は、東日本大震災(2011年)
で実家を罹災し、多くの友人知人を失いました。またその同年の秋に愛妻、 博恵さんをガンで亡くされました。新沼氏は、この悲しみを乗り越えてふるさとの明るい未来を願いながら、名歌「ふるさとは今もかわらず」を作詞、作曲され、2012年に自ら歌唱してCDを発売されました。新沼氏の愛妻の旧姓湯木博恵さんは、かつてバドミントンの世界女王に4度も輝いた素晴らしいアスリ-トでした。バドミントンを楽しんでいた新沼謙治氏とは、バドミントンが縁で結婚に至ったということです。
朴訥で誠実そうな新沼謙治氏を好ましく想い、不肖も彼の歌を愛唱しています。


 ふるさとは今もかわらず
爽(さわ)やかな 朝靄(あさもや)の中を
静かに 流れる川
透き通る 風は身体(からだ)をすりぬけ
薫る 草の青さよ
緑豊かなふるさと 花も鳥も歌うよ
君も 僕も あなたも ここで生まれた
ああ ふるさとは 今もかわらず

この町で あなたに出逢えて
本当に よかった
ありがとう ふるさとの青空よ
友よ 君に逢いたい
緑豊かなふるさと 花も鳥も歌うよ
君も 僕も あなたも ここで育った
ああ ふるさとは 今もかわらず

みんなで声を かけあって
力合わせて 生きてきた
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一元論

2025-02-18 06:27:22 | 文化
一元論は、一つの実体から現実が成り立っていると主張する形而上学の諸説を言います。
イスラム教とキリスト教は一神教であり、一元論的宗教の代表と言えるのではないでしょうか。太平洋戦争以前の一時期、日本も天皇を元とする一元論に基づいていたといわれています。
さて、多元論と言えば、元来、日本は八百万の神がいる多神教であり、山などの自然を崇める自然崇拝もあり、いわば、多元論の国です。互いに激しく争うことの少ない穏やかな国柄と言えるのではないでしょうか。

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寒梅 新島襄

2025-02-15 06:29:50 | 文学
新島襄が賦した五言絶句です。

寒梅

庭上一寒梅
笑侵風雪開
不争又不力
自占百花魁


庭上ノ一寒梅
笑ウテ風雪ヲ侵シテ開ク
争ハズ又力(つと)メズ
自(おのずか)ラ百花ノ魁(さきがけ)ヲ占(し)ム

「訳」

庭さきの一本の早咲きの梅が、平気で風や雪にもめげずに咲いたことだ。
まるで微笑むかのようである。
一番咲きを競おうとしたのでもなく、無理に努力したのでもない。自然にあらゆる花のさきがけとなってしまったのである。

新島襄は、上州安中藩、板倉家の江戸一橋邸で生まれました。父・民治は藩の右筆(ゆうひつ)であり、幼児から漢学を修めていました。後に同志社大学を設立した人物です。
因みに、梅は松、竹とともに「歳寒三友」と言われています。

「吟剣詩舞道漢詩集 絶句編」吟剣詩舞振興会

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感受性の維持

2025-02-12 07:06:26 | 文化
高い感受性を維持するのは難しいことだと思います。
NHKの人気キャスターのUアナウンサーが自著の中で次の詩を紹介しています。二日酔いの朝、必ず読む詩。

 「自分の感受性くらい」

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

茨木のり子さんの詩。
酒を飲んで、言い訳をし、的外れな愚痴を述べて本質と向きあわずに逃避した翌日、いやでも目にいれることにしている。

言葉の力で、自分の心が多少なりとも動く、そのくらいの、感受性は失いたくないなと思って。

日々、自戒と自己管理、プロとしての姿勢に敬意をいだきます。

       有働由美子「ウドウロク」 新潮社




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漢江 杜牧

2025-02-09 06:25:33 | 文学
晩唐の詩人 杜牧の七言絶句 「漢江」です。

漢江

溶溶漾漾白鷗飛
縁浄春深好染衣
南去北來人自老 
夕陽長送釣船歸 

溶溶漾漾(ようようやうやう)白鷗飛ブ
縁浄(きよ)ク春深クシテ衣ヲ染ムル
南去北來人自ヅカラ老ユ 
夕陽(せきよう)長ク送ル釣船(ちょうせん)ノ歸ルヲ


 「訳」

水流が盛んで波は動揺し上を白鷗が飛ぶ。
水の緑は清潔で春色深く着物も染まるばかり。
南に行ったり北に来たりする中に人は年を取ってしまう。いつでも変わらない風物は夕日に送られて帰途につく魚釣り舟で感慨を禁じられない。

漢江(漢水)は湖北省の武漢で長江に合流する支流です。

「鑑賞」
 老いてゆく杜牧が春の川辺に佇んでおり、その後姿に孤独が漂っています。

    「杜牧 漢詩大系 14」 集英社
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漢詩 石川忠久

2025-02-06 06:30:05 | 文学
石川忠久先生の漢詩「金婚有感」を紹介します。先生は2022年、90歳で逝去されました。ご冥福を祈ります。
   金婚有感
北国始知童稚日
東都共唱好逑篇
爾来五十年間絆
元是三千里外縁
幾歴浮沈到偕老
久成伉儷喜双全
平生叙嘯奚疑句
余命相携聊楽天

「読み方」
北国始メテ知ル童稚ノ日
東都共ニ唱(とな)フ好逑ノ篇
爾来五十年間ノ絆
元是レ三千里外ノ縁
幾(いく)タビカ浮沈(ふちん)ヲ歴(へ)テ偕老ニ到リ
久シク伉儷(こうれい)ト成りテ双全(そうぜん)ヲ喜ブ
平生叙嘯(じょしょう)ス 奚疑(けいぎ)ノ句
余命(よめい)相イ携(たずさ)エ聊カ天ヲ楽シマン

「鑑賞」
「好逑」(詩経にある)、「伉儷」は、つれあいの意味。
「奚疑ノ句」は、陶淵明の「帰去来の辞」にあります。
石川先生が金婚をむかえられたのは、76歳(2008年)と推測されますので、金婚の後、約15年を奥様と共に過ごされたことになります。

  石川忠久 「学士会 會報」No 953 2023-Ⅰ
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知らざるを知らずと為せ 是知る也

2025-02-03 07:13:31 | 文学
「論語 為政第二」の中に、次の文があります。
    子曰、
    由、誨女知之乎、
    知之為知之、不知為不知。是知也
   
    「読み方」  
   子ノ曰ワク、
   由(ゆう)ヨ、
      女(なんじ)ニ之(これ)ヲ知ルコトヲ誨(おし)エンカ。
      コレヲ知ルヲコレヲ知ルト為シ、知ラザルヲ知ラズト為セ。
      是レ知ルナリ。

       「訳」
      先生がいわれた、「由よ、お前に知るということを教えようか。
      知ったことは知ったこととし、知らないことは知らないとする、それが
知るということだ。」

      人はこういう世界、このような問題があることを、これまでずっと知らな かったのかと、愕然とすることがある。「知らないことは知らないこととする、それが知るということだ」。限界や輪郭を知ってはじめて人はおのれの知のありようを知る。謙虚という徳が知恵の裏張りをなす。

         金谷 治 訳注 「論語 為政第二」 岩波書店
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