yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

東照公遺訓

2012-06-29 05:57:33 | 文学
徳川家康公の遺訓を紹介します。

人の一生は 重荷を負うて
遠き道をゆくが如し いそぐべからず
不自由を常と思へば不足なし
心に望み起こらば
困窮したる時を思ひ出だすべし
堪忍は 無事長久の基(もとゐ)
怒りは敵とおもへ
勝つ事ばかり知りて
まくる事をしらざれば
害其の身にいたる
おのれを責めて 人をせむるな
及ばざるは 過ぎたるにまされり

江戸三百年の太平の世の基を築いた東照神君・家康公の言葉には、今の世にも通ずる重みがあります。

私は「不自由を常と思えば不足なし」以下の言葉に、とりわけ感銘を受けました。
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小出義雄監督の指導法

2012-06-26 06:49:52 | 文化
マラソンの高橋尚子選手と有森裕子選手を育てた小出義雄監督の指導法を紹介します。小出監督は弟子の良い所を伸ばす、悪い所は言わない。これが彼の指導方針の基本です。人間は褒められると大きな力を発揮するという人生哲学の実践です。褒められるとやる気が出るというのは真理です。こうして、高橋尚子選手はシドニー五輪で金メダル、最初無名の選手であった有森裕子選手はバルセロナ五輪で銀メダルを取ったのです。

力量の卓越した指導者が、自分の力量を誇示しながら弟子を叱咤激励して育てるという手法も多く見られます。こうした手法は時に弟子がやる気を無くしてしまいます。叱咤激励方式は、良い指導方法ではないと愚考します。

かつて、連合艦隊司令長官であった山本五十六元帥もこう言っていました。
「言って聞かせ、やってみせ、やらせてみせて、褒めてやらねば人は動かじ。」
戦争に勝つには、戦士がやる気になって100%以上の力を発揮することが不可欠なのでしょう。
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光速を超える粒子はなかった

2012-06-23 05:49:56 | 科学
先日、スイスのCERNで素粒子を研究するグループが、ニュートリノが光速を超える速度で飛んだという観測結果を発表して話題になりました。私が予想した通り実験にミスがあり、「光速を超えたという観測は誤りであった」と、去る6月8日に発表されました。この実験に於けるミスの一つに、計測に使った光ファイバーのコネクターの接続部に緩みがあったと言っています。あまりにお粗末なミスに唖然としたのは私だけではないと思います。100年以上、物理学界で信じられてきた、アインシュタインの相対性理論に異を唱えようとした、現代最先端の科学者の力量が、この程度のものとは残念な事です。
このニュートリノに関連することですが、東大のチームは、岐阜県神岡の地下にあるスーパーカミオカンデを使って、ニュートリノに質量があることを実験的に確認しました。ご承知の通り、アインシュタインの理論では、質量のある物は光速を超えて飛ぶことが出来ません。
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難しい日本語

2012-06-20 05:46:22 | 文化
ある本を読みましたら、不適切な日本語が広範囲に使われていることが指摘してあり、私は大いに反省させられました。

 あいまいで知性のない表現:
    「テレビでこう言っていました。」
    「みんなが言っています。」
 外国語の多用:
    「エレメント」「ストレングス」「インセンティブ」、日本語で言えるのに。
 自己中心的な表現:
     「よくわからないのですが」
     「どこがいいのか、さっぱりわかりません。」
     「つまり、どういうことですか。」
     「○○に決まっている。」
     「話は違いますが」
     「そういえば、私もこの前・・・」
 場違いな表現:
     「やばいですよ」 (下品)
     「あがり、お願い」 (業界用語を知ったかぶり)
     「仕事をやらさせていただきます」
     「本を読まさせていただきます」(バカ丁寧でおかしい)
     「手紙を出ささせていただきます」
     「そんなもんだよ」   
     「そんなこと、わかっている」

 ワンパターンな表現:
     「今の若者は」 
     「幕末の志士たちは・・」   
     「○○人は・・」(イタリア人は、などと思慮なく一括りにする)
     「政治家は自分のことしか考えていない」
「日本人の心のふるさと」
「これだから、日本人はダメなんだ」
「弱者の立場に立って考えたら」
「地球環境のために」
「ソッコー」
「かわいい」
「なにげに」(「なにげなしに」が正しい)
「あの人はすごい」(どこがすごいのかわからない)
理性のない表現
     「むかつく」
     「こんな仕事やってられない」
     「わからないから教えてください」
     「君にはわからないだろうけど」
     「そこを何とか」

上記の例は、どこがおかしいのか私にはよくわからない言葉もありましたが、具体性や知性が感じられない表現であると、筆者は指摘しています。

日本語は、単語を「テニヲハ」という助詞でつないだ膠着語です。揺れ動く感情を連綿と綴るのには適していますが、過剰な水分を取り除くと骨格となる論理が見えないことがあるそうです。それに反して英語は、主語・述語・目的語が明確です。

さて、2008年に放映されたNHKの大河ドラマ「篤姫」を、最近、全編通して見直しました。江戸城大奥で使われている日本語は、丁寧、明晰で、しかもゆったりと美しく発音されていました。ここには雅で格調の高い上品な日本語がありました。
「とんでもございません」などという誤用はなく、正しく「とんでもないことでございます」
と言っていました。古来の美しい日本語をたっぷり聞くことができました。

         樋口裕一 「バカに見える日本語」 青春出版社
   
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英雄と血液型

2012-06-17 05:51:12 | 文化
日本人の血液型は、A,B.O.AB型と言われていいます。
日本人全体における血液型の分布は、A型が39%、O型が29%、B型が22%、AB型が
10%です。ざっと4:3:2:1の割合です。
血液型で人の性格や資質を一律に分類することはできませんが、血液型の種類によってある程度の類型があるような気がします。偏った見方かも知れませんが、例えば、下記のように血液型による性格の分類がよく言われています。

A型:真面目で几帳面、神経質、忍耐強く、諦めない、協調性があり計画的。
       (典型的な日本人の型ではないかと思います。)
B型:明るく、自由、独立独歩、奔放、自己中心、ルールに縛られるのを嫌う、楽観的
        (A型の対極にあると思われます。)
O型:活発で行動的、自己主張が強い、大らかで気さく、小事にこだわらない
AB型:常識的で冷静。A型とB型の特徴を合わせもつので二重人格と言われることもある

さて、古今の英雄の血液型ですが。
豊臣秀吉 O型
織田信長 A型 (遺髪から鑑定)
徳川家康 不明ですが、AB型ではない。(子供の二代将軍徳川秀忠がO型なので)
伊達政宗 B型

なんとなくわかる気もしますが、疑問もあります。
私の家族や親しい知人などは、上記の血液型と性格分類が一致している点が多く、おおむね納得できます。

血液型の種類はあまりにも少なくて、決定的なことがわかりにくいので、最近では犯罪捜査には専らDNAが使われており、大きい成果を挙げているようです。DNAは10の60乗もの型があるそうですから、全く同じDNAを持つ人がいる確率は極めて少ないことがわかっています。
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古代のナデシコ

2012-06-14 06:08:48 | 文化
シベリアの永久凍土地帯で発掘された3万2000年前の種子から、このほど真っ白なナデシコの花が咲きました。(写真 下)
永久凍土が冷凍庫の役割を果たしていたのです。 かつて日本でも千葉市の縄文遺跡で見つかった約2000年前の種子が発芽し、古代ハス(オオガハス)を咲かせて世界中を驚かせましたが、今回のナデシコは遙かに古く、まだマンモスが地上をのし歩いていた時代の遺物です。
小動物のリスには、木の実や草を冬眠用の巣穴に貯蔵する習性があります。このナデシコの種子は北東シベリアのコリマ川下流域の発掘現場で、地下38メートルのリスの巣穴から見つかったということです。種子をまいても発芽しなかったので、ロシア科学アカデミー細胞生物物理学研究所のバイオテクノロジーの研究者たちは、雌しべの根元にある胚珠を解凍して細胞を取り出し、クローン技術を使って培養したところ、1年後にスガワラビランジという種類のナデシコがよみがえったということです。
         (米科学アカデミー紀要)


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十返舎一九

2012-06-11 05:56:00 | 文学
十返舎一九(1765-1831)は江戸時代の大衆作家、浮世絵師で、滑稽本「東海道中膝栗毛」の作者としても有名です。その本の中に次のような言葉、例えば「腹が北山」が、あります。「北山」とは京都盆地は北の方角には山が無く、空が透けて見えることから、空腹という洒落です。
また、一九は死を予感して、死の前日に頭陀袋(ずだぶくろ)に線香花火を沢山詰めておき、それを首にかけておきました。死後それを一緒に火葬したので、火葬場でみんなを驚かせたそうです。
辞世の句もふるっていました。
「此世をば どりゃおいとま線香の煙とともに灰左様なら」。洒脱な人生をおくった一九は地下鉄の駅で電車から降りるような飄然とした最期であったそうです。
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心柱制震

2012-06-08 05:51:36 | 文化
去る6月22日に、世界最高、634m高さをもつ東京スカイツリーが開業しました。そこに地震対策として五重塔の心柱(しんばしら)の技術が使われていると聞き、驚きました。そう言えば地震国日本において、五重塔が地震で倒壊したという話は聞いたことがありません。心柱は日本古来の匠の技で素晴らしい制震技術です。心柱と塔などの構造体は地震に起因する揺れ方が異なります。二つの揺れが互いの揺れを弱めるように作用するのだそうです。江戸時代に建てられた日光東照宮にある五重塔の心柱は塔の第四重から吊り下がっており、心柱は宙づりで地面から6cm程浮いているそうです。
東京スカイツリーの場合はやや異なります。心柱に相当する柱はありますが、これは円筒の中におさまっており、円筒と心柱はいたるところで固定されています。つまり円筒とスカイツリーの鉄骨構造は固定されていることになります。この塔は、マグニチュード8の直下型地震にも耐えられるように設計されているということです。
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縦に書いて 縦に考えよう

2012-06-05 05:04:04 | 文化
古来、東洋人は文字を縦に書き、紙の中に「天と地と正中線を持つ、一つの独立した世界」を見出してきました。
手紙、葉書、賞状、正式文書、公文書、辞書、六法全書はすべて縦書きであり、新聞もそうです。ただし、ビジネスの世界では、パソコンが普及したためか、横書きが縦書きを席巻しています。

表題の意味について訝しく思った読者がおられることと思います。早い話、90度回転するだけで縦は横になり、横は縦になりますので 本質的には「縦も横も変わらない」という考え方もあります。しかし、実際には、縦を90度回転させても横にはなりません。印刷活字で一般的な明朝体をよく見ると縦画は太くて横は細いのです。清の時代に卓越した書論を遺した笪重光(だつちょうこう)は、「筆の執使は横画に在り。字の立体は堅(縦)画に在り。」、「筆の運用による文字のバリエーションは横画が作る。それに対し、縦画は文字を立ち上げる」、「文字の横画と縦画は役割が違う」と言っています。縦と横では言葉が喚起するイメージも違います。「横槍」「横恋慕」「横取り」など、横にまつわる言葉は負のイメージを喚起させます。それに対し、縦にまつわる言葉はあまりありません。このように、縦と横は違うと考えられています。
では縦と横はどのように違うのでしょうか。縦とは、天地を結ぶ方向です。天がない所に縦はあり得ません。そして横とは縦に直角に横切る方向です。天地が意識されて初めて縦ができ、そして横ができるのです。縦書きとは「天地に働く重力を受け止めること」、「天を意識すること」、「天との対話」を意味します。「縦書きで書く時、私達は必然的に天を意識せざるを得なくなり、気が重くなります。そこに緊張感が生まれるのです。」
若い人の話でも「縦は気が重い。しかし縦は文章がまとまる。横は気楽に書ける。しかし、収拾がつかない。」とありました。
東アジアの言葉は基本的に、「縦に書き、縦に話す」という構造を持ちます。我々にもこれが自然なのでしょう。
かく言う私のブログは横書きですので、首尾一貫しておりませんが、パソコンを使った現代の文章の慣習に従って横書きを採用させていただいています。

石川九陽「縦に書け 縦に考えよ」 学士會報
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がれき防潮堤

2012-06-02 05:11:36 | 文化
細川元首相が東日本大震災で発生した 大量のがれきを利用して、被災地に長さおよそ300kmの防潮堤を造るよう提案したのに対し、 野田首相は前向きな姿勢を示した、という報道がありました。 細川元首相は「(がれきで)緑の防波堤を造っていくと、福島の端から岩手までになって、全長300kmにわたる緑の森の長城プロジェクトになる」と語ったそうです。
がれき処理と緑のベルト形成、防潮もできる一石三鳥の話です。国民1人当たり1口500円の出資で可能という試算もあり、応援したいと思います。
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