「般若心経」と「金剛般若経」は、仏教の真髄である最高の知恵「般若」や「空」というものを述べた重要な経典でしょう。「般若心経」は正式には「摩訶般若波羅蜜多心経」といい、原典はサンスクリット語ですが、唐の玄奘三蔵(三蔵法師)が漢訳した266文字が有名です。「金剛般若経」は「金剛般若波羅蜜経」というのが正確な言い方であり、原典はサンスクリット語ですが、西域生まれの高僧、クマーラジーヴァ(鳩摩羅汁)が漢文に訳しました。第32節に、師(世尊)が修行僧の長老、素菩提(スブーティ)に語った言葉があります。
一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如電 応作如是観
一切ノ有為法ハ、夢・幻・泡・影の如ク 露の如ク、マタ、電ノ如シ マサニ、カクノ如
キ観ヲ作スベシ。
訳
「この現象界というものは、夢・幻・泡のようなものにて、影・露・電のようなものである。このように考えるのが良い」
解釈は難しいところがありますが、英文学者の野尻抱影氏は、この文から自分のペンネームを決めました。
中村元 訳註「金剛般若経」岩波文庫
一切有為法 如夢幻泡影 如露亦如電 応作如是観
一切ノ有為法ハ、夢・幻・泡・影の如ク 露の如ク、マタ、電ノ如シ マサニ、カクノ如
キ観ヲ作スベシ。
訳
「この現象界というものは、夢・幻・泡のようなものにて、影・露・電のようなものである。このように考えるのが良い」
解釈は難しいところがありますが、英文学者の野尻抱影氏は、この文から自分のペンネームを決めました。
中村元 訳註「金剛般若経」岩波文庫