無自覚、無節操、無教養、無神経、無頼、無心など、とかく「無」が付くとマイナスイメ-ジがありますが、司馬遼太郎は日本人の特性として、「無思想、無宗教」が挙げられると言います、無思想も無宗教にもいい点が数多くあります。無思想結構と無宗教結構の世界では紛争が起きにくく、平和を保てる場合が多いのです。欧米やイスラムといった一神教の世界では、信ずる宗派が異なるというだけで、殺し合いが起きたりしています。日本では、山や川や岩など自然と万物に神が宿り、八百万(やおよろず)の神がいらっしゃって、皆が互いを尊重して平和に暮らしています。無宗教の方が、この点に於いては優れているのではないでしょうか。
また、日本人は無思想でもあるかも知れませんが、「無思想という思想」が日本では優勢ともいえます。なまじ急進的な思想が蔓延すると、人々はそれに熱中したり熱狂することもあり、時に争いの火種になります。司馬遼太郎さんも、熱中と熱狂を好まれませんでした。
司馬遼太郎 「この国のかたち」 文春文庫
また、日本人は無思想でもあるかも知れませんが、「無思想という思想」が日本では優勢ともいえます。なまじ急進的な思想が蔓延すると、人々はそれに熱中したり熱狂することもあり、時に争いの火種になります。司馬遼太郎さんも、熱中と熱狂を好まれませんでした。
司馬遼太郎 「この国のかたち」 文春文庫