yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

漢詩 石川忠久 詠杜牧

2023-02-06 06:14:37 | 日記
石川忠久先生の漢詩を紹介します。
 
          詠杜牧

誰道青春徒酔沈
多情字字盡千金
鬢絲霜葉茶烟裏
写得風流才子心

「読み方」

        杜牧ヲ詠ズ

誰カ道(い)ウ 青春徒(いたず)ラニ酔沈ス
多情ノ字字尽ク千金
鬢絲霜葉茶烟ノ裏(うち)
写シ得タリ 風流才子ノ心

       「鑑賞」

    鬢糸、霜葉、茶烟は杜牧の詩の中に使われている語です。
    「茶烟鬢糸(さいんびんし)」は後世、成語となりました。淡白に余生を過ごすことを指します。


石川忠久「學士会会報」No. 958 2023-Ⅰ   


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名香

2020-11-21 06:33:36 | 日記
僧侶で仏教学者の千葉公慈氏が、一度は嗅いでみたい香りを3つ挙げられています。伽羅香、竜涎香、蘭麝待で、名香といわれるものです。「伽羅香」は、
沈香という香木のなかで、特に上質の物が伽羅(きゃら)と呼ばれました。
熱帯アジアを原産としています。
「竜涎香(りゅうぜんこう)」、別名アンバ-グロス(英語名)は、マッコウクジラの腸にできる結石です。ギリシャの海岸などに流れついて、その香りが珍重されました。中国では、深海にひそむ竜が安息の眠りの中で香り高い涎をたらしたと考えられ竜涎香といわれました。クレオパトラや楊貴妃が愛用していたとされます。現在、人工の竜涎香も出回っていますが、天然の竜涎香は稀少で、その香りの高さから支持されており、大変高価なものだそうです。
「蘭奢待(らんじゃたい)」は、沈香(じんこう)の一種です。奈良時代、聖武天皇が唐から入手され、東大寺の正倉院に収蔵されました。「蘭」の字の中には「東」があり、「奢」の字の中には「大」、「待」の字の中には「寺」があることから、蘭奢待は「東大寺」の隠語ともいわれ、その香りは時の最高権力者のみに楽しまれました。今日まで、足利将軍の足利義政公、織田信長公、明治天皇等だけがこの香を利(き)かれ、切り取った場所にはそれぞれ付箋が付けられました。超上質な香りといわれます。


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花押

2020-11-06 06:13:33 | 日記
花押は、署名用の氏名を図案化したものです。起源は、中国、南北朝、南朝の斉の時代(479~502)に遡ります。日本の花押の最古の例は10世紀の中葉(平安時代)といわれます。主に武士が使用し、戦国時代には花押の様式が多様化しました。中でも織田信長の花押は、芸術的で洗練されたものです。(写真 下)この花押は、至治の世を象徴する霊獣、麒麟の「麟」の字を形象したものと言われます。時代が下ると次第に使用されなくなりましたが、明治以後、歴代の総理大臣などの政治家が使いました。閣議の後の大臣の署名には、現在も花押が書かれているそうです。河野太郎行政改革担当大臣によれば、閣議後の署名には、脱はんこは行わず、花押を存続する予定だそうです。デジタル化と花押の組み合わせには違和感をおぼえます。。



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