yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

パソコン・ソフトの弱点

2013-02-28 06:08:49 | 将棋
将棋のパソコン・ソフト」は長足の進歩を遂げ、とうとうトップ・プロを負かす程になりました。 2012年の1月には故・米長邦雄永世棋聖がパソコン・ソフト「ボンクラーズ」に敗れました。2013年の3月には、パソコン・ソフトとの第2回目の対決となる第2回電王戦が企画されており、プロ側は三浦八段をはじめとする5人のプロが参加するということです。
僭越ながらパソコン・ソフトの弱点を推理してみました。パソコンは過去のプロ棋士の棋譜をほとんど記憶しているので、プロと雖も、人間がパソコンに勝つのは容易なことではないと思われます。
私の考えは、前例のない局面にパソコンを誘いこむことができれば、パソコンの弱点をつくことができるのではないかという事です。パソコンは多くのことを記憶していますが、独創的な手を編みだすことは不得意かも知れません。
嘗て、米長さんが2手目「6二玉」というプロがほとんど指さない手を使って優勢を築きました。
今回、パソコンと対決する三浦八段は次のように言っています。
「先に有利になる必要がある。コンピューターは不利になると勝負手を繰り出してこない印象がある。相手が手の施しようのなリードを奪い、ある程度持ち時間を残して戦いたい。」 なお、勝負手とは常識を越えた強い手です。
パソコンは100手詰めの詰め将棋を僅か2秒で解くという、優れた詰め能力を持っていますが、パソコンでもよく記憶していない未知の局面に引っ張り込んだり、入玉(自分の玉を敵陣に乗りこませる)局面に導くことが、人間が有利に戦う一つの手段かも知れません。パソコン・ソフトは優れた能力を具備していますが、創造力や大局観の把握の部分で人間に及ばない可能性があります。パソコンがプロを上回る時代には、「パソコンはプロの棋譜を参考にしない時である」とも指摘されています。
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「ビルマの竪琴」 歌と竹山道雄

2013-02-25 06:29:12 | 文化
故・竹山道雄氏が、昭和34年に書いた有名な「ビルマの竪琴」の中に、日本軍の小部隊が歌う話があります。この小部隊は歌うことにより団結し、士気を鼓舞したということです。彼らが歌った歌は次のような歌です。
「荒城の月」「菜の花畠」「朧月夜」「巴里の屋根の下」「埴生の宿」「蛍の光」「春爛漫の花の色」「秋の月」「からたちの花」「野なかの薔薇」「嗚呼玉杯に花うけて」「庭の千草」「故郷の空」「都の空に東風(こち)吹きて」「あふげば尊し」「海ゆかば」
戦場にいることを忘れさせるような国境を越えた粒ぞろいの名歌ばかりですが、この中に一高寮歌が3つもあります。「春爛漫(明治34)」「嗚呼玉杯(明治35)」「都の空に(明治37)」などです。竹山氏が一高を卒業して一高教授になり、後に東大文学部や教養学部教授になった経歴と関係があると思われます。
アジアの仏教国、ビルマと日本には、仏教という共通の宗教がある上に、民族の気質が穏やかで誠実であることなどの類似点が多くあります。今日に至るまで、ビルマが親日的なのは、「ビルマの竪琴」という良書があった事や、その主人公、水島安彦上等兵のような人物がいたことも一因ではないでしょうか。

竹山道雄 「ビルマの竪琴」新潮文庫
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吉田松陰の教え

2013-02-22 07:06:37 | 文化
幕末の思想家、教育者であった吉田松陰は「至誠天に通ず」を信条とした偉人です。
「至誠にして動かざる者は未だ有らざるなり。」

幕末のわずか1年あまりの間(1858-1859)、粗末な松下村塾で、久坂玄瑞、高杉晋作、品川弥二郎、山縣有朋、吉田稔麿、前原一誠などを指導しました。彼らは後に長州を動かし、さらに明治政府の中心となった人々です。松陰は塾生にも敬語で話しかけるほど礼儀正しい先生でした。そして塾生の長所を実に的確にひきだし、非常に褒め上手でした。それも「天下一」とか「防長随一」(毛利家の領国、周防、長門で一番という意味)という風に、途方もなくおだてて、塾生を感激させるというものでした。中でも「識の高杉、才の久坂」の二人は、松下村塾の双璧と言われました。他に吉田稔麿(としまろ)らもおり、多士済々でした。
 さて、当時、若年であった伊藤博文については、長所を探すのに困ったそうです。そして松陰が言った言葉が「君には周旋の才能有り」でした。周旋とは、交渉力とか説得力のことです。伊藤博文は松陰のこの一言をよく覚えていて、政治の道を志したということです。そして、政界で頭角を現し、遂に、初代の総理大臣になりました。
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けいたい電話のマナー

2013-02-19 06:27:16 | 文化
誰もが持っているけいたい電話ですが、昨今はマナー違反も多くあるようです。けいたい電話を、職場や公的な場に持ち込むのは違反でしょう。重要な仕事の最中に、呼び出し音が鳴るのは失礼なことです。
ところで囲碁界ではこの度、画期的な取り決めをしました。日本棋院は「対局管理規定」を改正し、対局中に呼び出し音や振動音が1回聞こえたら警告、2回聞こえたら負けが確定する、という厳しい規則です。もっとも、中国や韓国のプロ碁界では既に採用されているそうです。将棋界ではどうなっているのか分かりませんが、真剣勝負を行う場や公的な場所では、けいたい電話は相応しくないことは容易に想像されます。
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妖霊星

2013-02-16 06:27:59 | 文化
妖霊星(ようれいぼし)は、日本では彗星の別名として使われる事があります。この言葉には「あやしい星、不吉な星」というニュアンスがあります。彗星は太陽の周りを公転する星の一種で、地球から見ると箒のような形なので「ほうき星」彗星と呼ばれます。ハレー彗星(またはハリー彗星)は76年周期で地球に接近しており、古来、文献にあります。
1301年 鎌倉時代の「鎌倉年代記」に、北条貞時はこれを見て気がふれたとか。「太平記」には、北条高時が「妖霊星」と歌ったという記述もありますが、やがて鎌倉時代は終焉を迎えました。
1811年  大彗星が出て、ナポレオンはこの星の出現を見て吉兆と思い、ロシアと北ヨーロッパ遠征を決意したと言うことです。この大彗星の出現は、有名な「戦争と平和」の映画にも描かれていました。
1858年2月ドナティ彗星が現れた時には、妖霊星と言われて恐れられました。実際、コレラの流行などもあり、やがて幕末の動乱、明治維新(1868)となりました。
 ドナティ彗星はイタリアの天文学者、ジョヴァンニ・ヴァッティスタ・ドナティが見つけたといわれ、このように命名されました。ハレー彗星と異なり、公転周期は一定ではなく非周期といわれています。
 古来、彗星の発現は凶兆といわれて恐れられましたが単に天文現象の一つです。
今年の3月中旬からバンスターズ彗星が、姿を見せ始めることになっていますが、禍ではなく福をもたらすことを祈りたいと思います。


1986年3月8日に撮影されたハレー彗星
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佳賓好主 佐藤一斎

2013-02-13 05:58:54 | 文学
佐藤一斎が賦した七言絶句です。

佳賓好主

月訪梅花為好主
梅邀月影作佳賓
佳賓好主両雙絶
管領黄昏一刻春


月ハ梅花ヲ訪(と)フテ好主ト為シ
梅ハ月影ヲ邀(むか)ヘテ佳賓ト作(な)ス
佳賓好主両ツナガラ雙絶(そうぜつ)
管領(かんりょう)ス黄昏一刻ノ春

「訳」

月は満開の梅花を訪ねて来て、好い主人であるとし、一方、梅の方では、月影を迎えては、よい賓客であるとしている。明るく照らし出す月影、芳香を漂わせる梅の花、この賓客と主人とは好一対のすぐれた風景である。かくしてこの月と梅花は、春のたそがれどきの一刻を、わがものとしているのである。
佐藤一斎(1772-1859)は江戸時代末期の学者、儒官として昌平黌の官舎に住み教育に情熱を傾けました。「言志四録」は有名です。

「吟剣詩舞道漢詩集 続 絶句編」吟剣詩舞振興会

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ILC プロジェクト

2013-02-10 07:05:25 | 文化
ILCプロジェクトとは国際リニア・コライダー計画(International Linear Colider)を言い、スイスのCERNにある環状の加速器に対して、約30kmの直線状の加速器であることが特長です。高速の粒子を曲げることなく加速する型ですから、容易に高性能の加速ができるのです。しかも、CERNでも使われた、我が国が持つ超電導技術(磁石および電線)とセンサー技術がそのまま使えるのです。
ILCの建設の目的は、ヒッグス粒子のような素粒子の再確認とともに、宇宙創生(ビッグバン)の直前(超微少時間前の一瞬、10のマイナス27乗秒間)に起きた現象を解明し、宇宙の成り立ちや、宇宙空間の中に莫大な量で存在するダーク・マター(暗黒物質)の本質の解明にあるそうです。
これを日本に誘致する計画があり、日本の出資金は約4800億円と言われています。現在誘致には岩手県と佐賀県が名乗りをあげています。
ILCのような最先端の科学施設を誘致すると、周辺の地域にアメリカのシリコンバレーのような最先端技術をもつ企業や研究施設が誕生する可能性があり、この科学技術エリアがもたらす技術研究および経済効果は計り知れないほど大きいと期待されます。日本がこのような設備を持つと世界中の一流科学者も集まってきますし、日本の誇りともなり、青少年に大きい夢と希望を与えることにも寄与すると考えられています。
2020年の東京オリンピックの誘致も結構ですが、科学立国を目指す日本は、ILCのような先端科学設備を誘致するも大事なのではないでしょうか。岩手県は地震地帯でもあり、寒冷地です。佐賀県は地震も少なく気候が温暖な上、国際都市の福岡が近いので、国際的なアクセスも良く、国際的な活動の中心となるには、より相応しいのではないでしょうか。こうした誘致活動には科学外交が必要だそうですが、日本にはノーベル物理学者も多くおりますので、産・官・学が力を結集して誘致活動を行って欲しいものです。
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骸骨を乞う

2013-02-07 07:24:39 | 文学
「骸骨を乞う」は「史記 項羽本紀」にある古い言葉で、退官を願う時に使われたということです。この表現は、すべてを国家に捧げ尽くしたため今の自分はもう残骸に過ぎない、その残骸を引き取って引退したい、という場合に使われます。
保科正之公(初代会津藩主)は、見事に骸骨を乞うことのできる生涯を送りました。徳川家光公(3代将軍)と家綱公(4代将軍)に仕えて幕政を総覧し、老齢で失明同様になるまで職を辞すことがありませんでした。
「会津藩家訓」や「什の誓い」などで教育された旧会津藩士およびその子弟たちには、会津武士道をそれぞれの人生において実践し、「骸骨を乞う」ことのできた人物が多くいました。山川浩(陸軍少将、その他を歴任)、山川健次郎(東大総長になり、白虎隊総長と言われました)などです。毅然と生きて、毅然と死んだ立派な明治人でした。
 退職金の僅かな減額を惜しんで、神聖な職場を早期に辞するような教職員や警察官がいるそうです。
「骸骨を乞う」事とは対極にあるなさけない行動のように思われます。

      中村彰彦 「会津武士道」PHP研究所
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テロからの脱出

2013-02-04 07:16:06 | 文化
アルジェリア人質事件で標的になった企業「日揮」の社長、川名浩一氏は、社員がテロから脱出できた条件を次のように語っていました。それは「忍耐、判断力、勇気、運である」と。
この事は、「運」が生還の重要な要素になったという、救いの無い事件であった事を意味します。
武装して突然、襲って来る敵から逃れることができたのは奇跡とも言えます。生還した日本人に関する次のような話もありました。事件が起きた時、その日本人の部屋がノックされて、アルジェリア人の同僚が入ってきました。彼は日本人の頭にマフラーを巻いてターバンのように見せかけ、また口から首にかけてはレッグウォーマーで覆いました。こうして、一目で日本人とわかることがないようにしてくれました。そして、2人のアルジェリア人が彼を取り囲むようにして、命懸けで、日本人宿舎から脱出させて安全な別会社にまで避難させてくれたということです。この日本人はこうして助かりました。この日本人は日頃から、アルジェリア人の同僚と親しい人間関係を築いていたのでしょう。その絆が彼の命を救ったのです。
アルジェリアの発展を支援するという使命と志と誇りをもって、酷暑・乾燥の地で奮闘した
日本人には、テロに狙われるような落ち度は全くありませんでした。この世からテロが無くなることを願うのみです。
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豆まきの由来

2013-02-03 16:01:55 | 文化
  平安時代、宇多天皇の御代(888-896)に鞍馬山の鬼が都へ出てきたので困っていました。その時に毘沙門様のお告げあって七人の博士が49日の間祈祷をして鬼の出てくる穴を封じて、3石3斗の豆を投げつけて追い払ったという伝説から豆まきが始まったとのことです。
今日では一般的には、節分の夜に、「福は内、鬼は外」と大きな声で言いながら豆を投げつけて鬼を追い払うと一年間無病息災で過ごせると言われています。
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