yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

次の一手

2011-06-30 06:16:50 | 文化
私は毎週、新聞紙上に出題される将棋の「次の一手」問題に挑戦して、既に約十年続けております。正解できることが多いのですが、一年に1、2問失敗します。一年間に出題される問題は約100問ですから正解率は、約98.5%ということになります。
勝負や人生において「次の一手」を決断する場面が多々ありますが、その決断はいつも難しいものではないかと思います。
さて、近頃、ホリスティック医学(全人医学)を推進されている医師が書いたエッセイを読みましたら、彼の治療方針は次のようなものでした。
1. 歴史上の先例に学ぶ。
2. 平常心に立ち返る。
3. 戦局を一瞥する。
4. ひらめく。
5. 不屈の意志を以て遂行する。

上記は診察の極意を示したものと思いますが、将棋などの勝負の世界にも共通する指針ではないかと思いました。将棋の加藤一二三 元名人も「直感と精読」ということをよく言われています。日頃、過去の戦いを調べる研鑽を積んでいると、直感やひらめきが出るようになります。こうした直感によって閃めいた「次の一手」が妥当であるかを、深く詳しく読んで、「次の一手」を決めるということではないかと思います。歴史に学び、直感を磨いて新たな指針を決める、これは様々な事に言えるのではないでしょうか。

            帯津良一 「一瞥による直感」 学士會会報
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難読漢字 (2)

2011-06-27 05:24:14 | 文学
先日の新聞に、下記が読めますか、というクイズがありました。使われている漢字は小学校で習う簡単な文字ばかりでした。
天牛
水馬
音呼
章魚
飛白
小半
年魚
小火
水雲
木通
徒花
心太
札片
「たこ」「ところてん」など、一目でわかったのもありましたが、調べて初めてわかったのもありました。正解は上から
かみきりむし
あめんぼ
いんこ
たこ
かすり
こなから
あゆ
ぼや
もずく
あけび
あだばな
ところてん
さつびら

また、次のようなクイズも提出されていました。
各問題で□に共通する漢字を考えるものです。(答は末尾)
第一問 独□、□算、□技、出□
第二問 音□、□取、筆□、□金
第三問 □度、□合、□市
第四問 □末、□見、□謝
第五問 □雨、□計、当□
第六問 仕□、生□、興□

読めない漢字がいろいろあるのに愕然としました。「日本語の読み書き」は難しいというのは本当です。テレビでよく見る名字、纐纈(こうけつ)や五百旗頭(いおきべ)や福島県の地名、橲原(じさはら)などは難しいです。

さてクイズの答ですが、たぶん下記だと思います
    第一問の答   演       
    第二問の答   頭       音頭(おんど)や頭取(とうどり)が難しい
第三問の答   都       都度(つど)が難しい
    第四問の答   月       月見(つきみ)が難しい
第五問の答   時       時雨(しぐれ)が難しい
第六問の答   業       仕業(しわざ)生業(なりわい)が難しい
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大道詰将棋

2011-06-24 05:49:11 | 将棋
大道詰将棋(だいどうつめしょうぎ、大道棋とも言います)は街の道端や縁日などで出題されていた詰将棋です。一見、簡単に詰むように見えますが、意外な受け手があってなかなか詰まないという特徴があります。下に例題を示します。






8九香打、9一玉、8二香成で簡単に詰むように見えます。ところが、8九香打に8三銀
と合駒する意外な受けがあり、簡単には詰みません。同香、9二玉、8二と、8三玉と逃げ
られると失敗です。ここで「あっ」と驚いた時は既には手遅れで、たちまち5手分500円の指導料を巻き上げられてしまう仕掛けです。しかし、勝ってもたばこ一・二箱しかもらえないので、考えてみれば不公平なのですが、見ている間に多くの腕自慢が引っかかります。こうした人は実はサクラなのかも知れませんが。
大道棋は賭博の一種で、一手100円程度の金額を賭けます。一手はわずかに100円ですが、合計10手続けると1000円を支払うことになります。道端での将棋の商売は大正時代に始まったと言われており、私が学生の頃(昭和40年代)には上野公園などでよく見ることができました。しかし、現代は全国的にもほとんど見られないのではないかと思います。
 上記の大道棋の例題の正解は、8九香、8三銀、8二歩、9一玉、9二歩、同銀、8一歩成、同銀、9二歩、同玉、8三香成、9一玉、9二歩、同銀、8二成香まで15手詰。思いの外に長い手順となっています。
また、大道棋には玉が二つある型(攻め方にも玉がある)双玉型という種類があります。これは、うっかりすると相手の玉の蔭に香車や角があって、相手の玉が移動した時に蔭にいた香車や角によってこちらの玉が取られてしまう、危ないしかけのある詰将棋作品があります。たかが詰将棋ですが、意外な合駒や双玉の仕掛けの罠などを秘めた奥深いものがあります。

    形幅清  「大道棋奇策縦横」全日本詰将棋連盟
    鶴田諸兄  「大道棋双玉集」 詰将棋パラダイス
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交流電流計を製作

2011-06-21 06:26:25 | 科学
夏季の節電の要請もあり、節電意識が高まってきた昨今です。家庭の電気製品が、それぞれどれだけの電力を消費しているかを実際に測定することが、節電計画を立てる上で基本情報になるのではないかと考えました。往年のラジオ少年であった不肖私は、こういうのが十八番ですので、部品を集めて交流電流計(下図)を製作しました。(現在田舎に住んでいるので部品を集めるのに苦労しましたが。)
測定した交流電流を100倍すると、電力が計算できます。例えば、オーブントースターは、13アンペアと測定されました。従って消費電力は1300Wということになります。多少、誤差はあるかも知れませんが、他の電気製品も測定して節電計画を立てる上で参考にしたいと考えています。


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リニア中央新幹線

2011-06-18 05:54:25 | 文化
先日、JR東海がリニア新幹線の計画を発表しました。
リニア新幹線とは、超伝導磁石を利用して車体を浮上させたまま走行する、リニアモーターという新しい原理による鉄道です。レールと車輪の摩擦が無いので、時速500kmの走行が可能と言われています。走行ルートは東京と名古屋を直線で結ぶとしています。東京・名古屋間を僅か40分(現在の新幹線は96分)、東京・大阪間を67分(現在145分)で結ぶという画期的なものです。
工事費用は5.1兆円で、一応JR東海が負担するとしています。現行の新幹線が老朽化してきたこともあり、そのための保守や更新が必要で、それに対して余分な費用を投資するより、新しく別の線路を建設する方が合理的である、という判断があるようです。名古屋開業は2027年、大阪開業は2045年を予定しています。但しリニア新幹線の消費電力は、現行の新幹線の40倍ということが言われています。民間企業の活動に、いちいち口を挟む事は出来ませんが、今この時期に膨大な資金と資源を投入して、利便性を追求する必然性があるのか、疑問に感じます。現行の新幹線を補修しながら運用することで充分ではないかとも思われます。名古屋まで行くのに、96分かかるのに不満はなく、まして40分で行きたいとは余り考えられません。我が家から都心に行くのに、これに近い時間がかかっていますし、近隣の多くの人がこの時間に耐えつつ毎日通勤しているのです。(田舎者のひがみですが。)
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辞世の歌

2011-06-15 05:45:55 | 文学
辞世の歌には詠み人の人生が凝縮されており、味わいある歌が沢山あります。
世俗の些事を捨てた西行の辞世の歌などは秀逸です。
願はくは花の下にて春死なんその如月の望月のころ

一代の英傑 上杉謙信は次の漢詩を残しています。
四十九年一睡の夢 一期の栄華一盃の酒

織田信長は死を前にして「敦盛」を舞ったそうですが、その言葉は
人間五十年化天のうちを比ぶれば夢幻の如くなり 一度(ひとたび)生を享(う)けて滅せぬもののあるべきか
明智光秀ほどの武将に包囲されては逃れることができないと瞬時に悟り、潔い最期を遂げました。

庶民に生まれて天下を取った豊臣秀吉
露と落ち露と消えにしわが身かな難波のことは夢のまた夢

徳川家康
  先にゆきあとに残るも同じ事連れて行かぬを別れぞと思ふ
忠誠心の強い三河武士に追い腹を切るなという意味がこめられており、家康らしく自分の死後のことまで冷静に予測しています。なにしろ今後の徳川時代安泰のために盤石の布石を行ってきた人物です。

家康に同行して当時東国に赴いていた大名、細川忠興の館を大坂方が襲撃してきたのに対して、人質になることを拒み、家来に命じて壮烈に絶命した細川ガラシャ夫人、38歳の辞世の歌
  散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ
この報を聞き、大坂方は、大名の妻女の人質作戦を取り止めたということです。
関ヶ原で東軍が勝つと細川家は肥後に封ぜられて徳川時代を生き抜き、首相までを輩出して今日に至っています。

松の廊下の刃傷で切腹を命じられた浅野内匠頭
  風さそふ花よりもなほわれはまた春の名残をいかにとやせん
無念の思いが伝わってきます。

西軍の攻撃に対抗した會津鶴ケ城籠城戦の象徴的存在であった松平照子姫(容保公の姉)の十三回忌に際して、既に他界していた松平容保公の三男の松平健雄が父に替って贈った歌
   今更に返らぬものと知りながらかへしてしがな君ましつ世に
歌人としても優れていた松平照子の鎮魂のために詠まれた歌集「かつらのしずく」の中に、
この歌は北白川宮親王妃らの歌とともに載せられています。
  
 なお、辞世の歌ではありませんが、「史記・項羽本紀」によれば、劉邦に敗れた項羽が烏江にまで来て自決しようとした時、河畔の亭長が、「この川を渡って南に逃れれば、江東には才俊が多いから捲土重来ができましょう」と自決を止めました。しかし項羽は「天の我を亡ぼすに我何ぞ渡ることを為さん、我何の面目ありて江東の父兄に見(まみ)えん」と言って潔く自決したということです。
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緒方洪庵と医戒

2011-06-12 05:22:36 | 文化
緒方洪庵(1810-1863)は江戸末期の蘭医で適々斎と号しました。備中生まれで江戸、長崎で蘭学を学び、大阪で医業を行う傍ら、適塾という学問所を設けました。門下には大村益次郎、橋本左内、福沢諭吉、佐野常民(日本赤十字社を創設)、高松凌雲らの逸材がおり、種痘の普及やコレラの治療に成果を挙げ、日本近代医学の祖といわれています。江戸城の奥医師も勉め、将軍や天璋院も診察しました。この洪庵は、尊敬するドイツの医師で大学教授のフーフェラントの言葉を翻訳した「医戒」を残しています。今日まで医学生に広く読まれている医師の心得を示した言葉です。

扶氏医戒之略  (註・扶氏はフーフェラントの事)

一、 医師の世に生活するは人の為のみ、己がためにあらずということを其業の本旨とす。安逸を思はず、名利を顧みず、唯己をすてて人を救はんことを希(ねが)ふべし。人の生命を保全し、人の疾病を治し、人の患苦を寛解するの外、他事あるものにあらず。
二、 病者に対しては唯病者を見るべし。貴賤貧富を顧みることなかれ。長者一握の黄金を以て貧士双眼の感涙に比するに何ものぞ、深く之を思ふべし。
三、 術を行うに当っては病者を以て正鵠とすべし。決して弓矢となすことなかれ、固執に僻せず、漫試を好まず、謹慎して、眇看細密ならんことをおもふべし。
四、 学術を研精するの外、言行に意を用ひて病者に信任せられんことを求むべし、然れども、時様の服飾を用ひ、詭誕の奇説を唱へて、聞達を求むるは大いに恥ぢるところなり。
五、 病者を訪ふは粗漏の数診に足を労せんよりは、寧ろ一診に心を労して細密ならんことを要す。然れども自ら尊大にしてしばしば診察するを欲せざるは甚だ悪(にく)むべきなり。
六、 不治の病者も仍(よ)って其の患苦を寛解し、其の生命を保全せんことを求むるは医の職務なり。棄てて顧みざるは人道に反す。たとひ救ふ事能はざるも、之を慰するは仁術なり。片時も其の命を延べんことを思ふべし。決して其の死を告ぐるべからず。言語容姿みな意を用ひて、之を悟らしむることなかれ。
七、 病者の費用少なからんことを思ふべし。命を与ふるも、其命を繋ぐ資を奪はば、亦何の益かあらん。貧民に於ては茲に斟酌なくんばあらず。
八、 世間に対しては衆人の好意を得んことを要すべし。学術卓絶すとも、言行厳格なりとも、斎民の信を得ざれば、之を施すところなし。あまねく俗情に通ぜざるべからず。殊に医は人の身命を依托し、赤裸を露呈し、最密の禁秘をも啓(ひら)き、最辱の懺悔を告げざることは能はざる所なり。常に篤実温厚を旨として、多言ならず、沈黙ならんことを主とすべし。博徒、酒客、好色、貪利の名なからんことは素より論を俟(また)ず。
九、 同業の人に対しては之を敬し、之を賞すべし。たとひ然ること能はざるも、勉めて忍ばんことを要すべし。決して他医を議するなかれ。人の短をいふは、聖賢の明戒なり。彼が過ちを挙ぐるは、小人の凶徳なり。人は唯、一朝の過(あやまち)を議せられて、己生涯の徳を損す。其の損失如何ぞや。各医自家の流有て、又自得の法あり。みだりに之を論ずべからず。老医は尊重すべし。少輩は愛賞すべし。人もし前医の得失を問ふことあらば、勉めて之を得に帰すべし。其の当否は現症を認めざるは辞すべし。
十、 毎日夜間にあたって更に昼間の接病を再考し、詳びらかに筆記するを課程とすべし。積んで一書を成せば、自己の為にも病者のためにも広大の裨益あり。
十一、 治療の商議は会同少なからんことを要す。多きも三人に過ぐべからず。殊によく其人を択ぶべし。ただ病者の安全を意として、他事を顧みず、決して争議に及ぶことなかれ。
十二、 病者曽て依托せる医を捨て、せつに他医に商ることありとも、みだりに従ふべからず。先づ其の医に告げて、其説を聞くにあらざれば、従事することなかれ。然りといへども、実に其誤治なることを知りて、之を外視するはまた医の任にあらず。殊に老険の病に在っては遅疑することあるなかれ。

 上件十二章は扶氏医訓巻末に附する所の所戒の大要を抄訳せるなり。書して二三子に示し、亦以て自警を云ふ爾(のみ)。
安政丁巳春正月
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ほととぎす

2011-06-09 06:23:29 | 文化
梅雨入りと共に、ほととぎすが啼く時節になりました。この鳥は特徴のある鳴き方をします。「トッキョキョカキョク」とか、「テッペンカケタカ」「ホットンカケタカ・オトートコイシ」などという聞き倣しが知られていますが、確かに耳を澄ましていると「トッキョキョカキョク」と聞こえます。またこの鳥はなかなか見つけにくいのですが、梅雨の合間に空高く「キョキョキョキョ」と、啼きながら飛ぶ小さな鳥を見つけたら、ほととぎすかも知れません。

ほととぎすは古来、文学に頻繁に出てきます。
例えば百人一首にも有名な歌があります。
ほととぎす鳴きつる方を眺むれば ただ有明の月ぞのこれる  (後徳大寺左大臣)

また、ご存知の通り、喀血した正岡子規の雅号「子規」はほととぎすのことです。他にもほととぎすは「杜鵑、時鳥、不如婦」などとも書きます。
不肖私も数年前に退院の時、ちょうど外からほととぎすの声が聞こえて来ましたので、次の駄作を詠みました。
退院をおくりくれしやほととぎす

ほととぎすの初音ひと声聞こえけり雨ふと止みたる夕べの空に (家内作)
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お礼

2011-06-07 06:36:31 | 近況
いつも、私のブログをご覧いただきありがとうございます。
お蔭さまで、6月4日に、アクセス数が13万5千になりました。
平成18年の3月に書き始めてから5年を少し過ぎました。
引き続き、ご愛読いただければ、有り難く存じます。なお、折々にコメントを頂戴できれば大変、励みになると存じます。
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ちまきと屈原

2011-06-05 05:47:17 | 文学
童謡の「背くらべ」には「ちまき食べ食べ兄さんが計ってくれた背の丈」とあります。
このちまき、現代ではあまりポピュラーではなくなりましたが、昔から郷里の長岡には三角ちまき(写真下)があり、毎年5月、6月頃に食します。ちまきは餅米を笹で巻き、藁紐で結び、三角形に形を整えてから蒸します。いただく時には笹の葉を剥いて蒸し上がった餅米に黄粉をつけます。季節感豊かな美味しい食べ物です。
 「ちまき」と言えば中国が起源です。周代、楚の貴族で詩人の屈原(BC343―278)は、讒言にあって江南に放逐され、 汨羅(べきら)の淵に身を投げました。古来より忠臣の象徴的な存在となった彼の命日が5月5日です。供養のため、人々は供物の米を川に投げ入れました。その際、むき出しでは竜が食べてしまうので、茅で巻いたということです。これがちまきの由来とされています。
 次の詩は屈原の一代の絶唱、「離騒」の最初の部分です。まず自己紹介から始まります。

    離騒

帝高陽之苗裔兮
朕皇考曰伯庸 
攝提貞於孟陬兮
惟庚寅吾以降
皇覽揆余於初度兮
肇錫余以嘉名
名余曰正則兮
字余曰靈均

帝高陽(ていこうよう)ノ苗裔(びょうえい)
朕(わ)ガ皇考(こうこう)ヲ伯庸(はくよう)ト曰(い)フ 
攝提(せってい)孟陬(もうすう)ニ貞(ただし)ク
惟(こ)レ庚寅(こういん)吾レ降(くだ)レリ
皇(ちち)ハ覽(み)テ余ヲ初度ニ揆(はか)リ
肇(はじ)メテ余ニ錫(たも)フニ嘉名(かめい)ヲ以ツテス
余ヲ名ヅケテ正則(せいそく)ト曰ヒ
余ヲ字(あざな)シテ靈均(れいきん)ト曰フ

「訳」
私はかの名高い高陽帝の子孫
今は亡きわが父の名は伯庸という
生まれは寅歳の寅の月 時はまさに新春の庚寅の日であった

父はこの生まれ合わせを見て
よき名をつけて下さった
どこまでも正しく生きよとその名を正則と付け
将来この国を治めるほどの人になれと字(あざな)は靈均と付けた

屈原の詩を含む「楚辞」は、北方の「詩経」と共に中国古代文芸の双璧となっています。

   
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