yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

長恨歌

2008-04-28 06:58:09 | 文学

周知の通り長恨歌は白居易の作品です。中唐の詩人白居易(772-846)あざなは楽天です。<o:p></o:p>

平易で流麗な詩を作り、人民の苦しみや政治をうたった所などは杜甫に似ていました。白氏文集は我が国の平安文学に強い影響を与えたと言われます。<o:p></o:p>

「長恨歌」「琵琶行」は特に有名です。下記は長恨歌の一部です。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

漢王(かんおう)色を重んじて傾国を思ふ 御宇(ぎょう)多年求むれども得ず<o:p></o:p>

揚家(ようけ)に女(むすめ)あり初めて長成す養はれて深閨にあり人未だ識らず<o:p></o:p>

天成の麗質自ずから棄て難し一朝選ばれて君主の側(かたわら)に在り<o:p></o:p>

頭(こうべ)を回(めぐら)して一笑すれば百媚生ず六宮(りくきゅう)の粉黛顔色無し<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

(途中略)<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

天に在りては願はくは比翼の鳥となり地に在りては願はくは連理の枝とならん<o:p></o:p>

天長地久時有りて尽くるもこの恨みは綿々として絶ゆる期無からん<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

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早春

2008-04-25 07:50:28 | 文学

天街小雨潤ほふ)て酥(そ)の如し<o:p></o:p>

草色遥かに看()るも近づけば却つて無し<o:p></o:p>

最も是一年春の好き処(ところ<o:p></o:p>

絶(はなは)だ勝(まさ)る煙柳の皇都に満つるに<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

中唐の詩人、文章家、韓愈の七言絶句です。<o:p></o:p>

韓愈は柳宗元と共に古文復興を提唱しましたので韓柳と並び称されました。「酥」はクリームかバターのようなものと言われています。「斉民要術」という古書によれば、脱脂発酵乳と考えられる記述があるそうです。日本にはあまり知られていないようです。<o:p></o:p>

同時代の白楽天が民衆にもわかる平易な詩を詠んだのに対して韓愈の文は難解なことで知られていました。しかし、この詩「早春」のように平易で気の利いたのもあります。<o:p></o:p>

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江頭(こうとう)に哀(かな)しむ

2008-04-22 07:23:59 | 文学

 盛唐の詩人、詩聖と言われた杜甫の詩です。<o:p></o:p>

 唐詩選の七言古詩の部に採録されています。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

少陵(しょうりょう)の野老(やろう)聲を呑んで哭す<o:p></o:p>

春日潛行す曲江の曲(くま<o:p></o:p>

江頭の宮殿千門を鎖し<o:p></o:p>

細柳新蒲(さいりゅうしんぽ)誰が爲にか緑なる<o:p></o:p>

憶ふ昔霓旌(げいせい)南苑に下りしとき<o:p></o:p>

苑中の萬物顏色を生ず<o:p></o:p>

昭陽殿裏第一の人<o:p></o:p>

輦を同じうし君に隨ひて君側に侍す<o:p></o:p>

輦前の才人弓箭を帶び<o:p></o:p>

白馬囓(しゃっけつ)す黄金の勒<o:p></o:p>

身を翻へし天に向ひて仰ぎて雲を射る<o:p></o:p>

正に墮とす雙飛翼<o:p></o:p>

明眸皓齒(めいぼうこうし)今何くにか在る<o:p></o:p>

血は遊魂を汚して歸り得ず<o:p></o:p>

清渭は東流して劔閣は深し<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

去住彼此(きょじゅうひし)消息無し<o:p></o:p>

人生情有涙臆(むね)を沾ほす<o:p></o:p>

江水江花豈に終に極まらんや<o:p></o:p>

黄昏胡騎塵城に滿つ<o:p></o:p>

城南に往かんと欲して城北を忘る<o:p></o:p>

 国破れて山河有りの「春望」と同じころの作で、白楽天の「長恨歌」につながる作です。江頭は長安の近くを流れる渭水のほとり、少陵(しょうりょう)の野老は杜甫自身です。事件直後の生々しい迫力が伝わって来ます。<o:p></o:p>

学生時代に、この詩の詩眼(詩の中心となる文字)は初句の「」であると教授に教わりました。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

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芹澤博文九段

2008-04-19 08:00:52 | 将棋

棋士 芹澤博文九段は昭和11年生まれ、沼津市に生まれ、14歳で高柳敏夫九段に入門して内弟子となりました。、内弟子生活は男 女中のようなもので、大変厳しいものであったそうです。しかし、専門棋士になるためには当然のことと考え、それに耐えることは苦痛でなかったとのことです。そして24歳の若さで八段に昇段しました。棋界きってのユニークで多才な存在であり、テレビ、講演、著作など多方面で活躍しましたが1987年に51歳の若さで他界しました。<o:p></o:p>

小学校4年生の頃、将棋を覚え、2年後の11歳の時、沼津の将棋大会に訪れた木村義雄14世名人に二枚落ち(飛車、角落)で快勝し、神童と騒がれました。<o:p></o:p>

芹澤九段は、才能に溢れていたので、いつも天才芹澤という表現で呼ばれた自由人でした。口も悪いでしたが、明るい性格であり、憎めない存在でした。<o:p></o:p>

若くして、将棋界の頂点、名人を狙う地位に昇ったので、「将棋とはこの程度のものか」との慢心があったのでしょう、この頃から進歩が止まってしまったと自ら語っています。逆に、弟分の中原誠青年(芹澤さんに言わせると眼鏡をかけた豆狸)は丁度その年代(20歳前半)で「将棋は難しいものである」ことを悟り、研鑽を重ねて、大山名人と数々の名勝負を繰り広げたあと、名人を5期をつとめて第16世名人になりました。<o:p></o:p>

 二人の師匠、名伯楽の高柳九段によれば、「芹澤には麻雀も競輪も何でも教えたが、芹澤にしたことの逆をやったら中原名人ができた。」とのことです。<o:p></o:p>

中原名人に将棋を叩きこんだのは師匠の高柳九段ではなく兄弟子の芹澤九段で<o:p></o:p>

あったことは周知のことです。<o:p></o:p>

芹沢九段は色紙を頼まれると、「将棋は苦し、酒は楽し、人生は哀し」「歩が命」とよく書きました。酒に溺れましたが、本性は繊細でやさしい人柄であり、心を許した友人、知人とは濃密に交際しました。葉に衣着せぬ言動のために敵も多かったと思われますが、家庭では良い奥方(和子夫人)と一姫、二太郎に恵まれました。沼津の大家族の家庭で両親と叔母さんに可愛がられて伸び伸びと育てられました。(芹澤博文著『ぼくんちは萌黄色』)こうした事が後の芹澤家の温かい家風の基であったのかも知れません。<o:p></o:p>

芹澤九段と娘の和美さんはよくテレビのCMにも出ていました。<o:p></o:p>

自分の死後の夫人の生計にも気を配り、意を尽くしました。<o:p></o:p>

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 夫の一周忌直前に出版された 芹澤和子著 「忘れざる優しさの証に」という良本もあります。<o:p></o:p>

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陽春

2008-04-16 07:26:08 | 文学

古人燭を(と)つて夜遊びしは良(まこと)

(ゆえ)有る也<o:p></o:p>

況(いわ)んや陽春我を招くに煙景を以つてし<o:p></o:p>

大塊(たいかい)我に假すに文章を以つてするをや<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

詩仙と言われた盛唐の詩人 李白(701-762)の「春夜桃李園に宴するの序」の中にある一文です。<o:p></o:p>

桃李の園に宴して、霞たなびく春景色(煙景)を愛でて作った即興文です。<o:p></o:p>

大塊(たいかい)は、天地すなわち造物主のことです。<o:p></o:p>

造物主が自分に文章を作る才能を附与したと自負しています。<o:p></o:p>

漢詩のみではなくて、文章に対する強烈な自信を吐露しています。<o:p></o:p>

詩とも思えるこの文章には李白の本領が発揮されています。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

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将棋の段位免状

2008-04-14 07:36:22 | 将棋

たった一枚の紙を目指して、皆が精進して懸命に将棋を指します。<o:p></o:p>

段位免状は紙にすぎないとは言え、もらうことができると嬉しいものです。<o:p></o:p>

(他の分野でも同じことでしょう。)<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

将棋の段位免状は作家の滝井孝作氏が味わいのある文を書きました。<o:p></o:p>

文章は段位によりすべて異なっています。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

アマチュア初段<o:p></o:p>

夙に将棋に丹念にして研鑽怠らず進歩顕著なるをみとめに初段を允許す<o:p></o:p>

アマチュア二段<o:p></o:p>

夙に将棋に丹念にして研鑽怠らず進境顕著なるをみとめに弐段を允許す<o:p></o:p>

アマチュア三段<o:p></o:p>

夙に将棋に丹念にして研鑽怠らず上達明らかなるをみとめに参段を允許す<o:p></o:p>

アマチュア四段<o:p></o:p>

夙に将棋に丹念にして研鑽を積み練達に長けたるをみとめに四段を允許す<o:p></o:p>

アマチュア五段<o:p></o:p>

夙に将棋に堪能にして修行宜しく熟達益々厚きをみとめに五段を允許す<o:p></o:p>

アマチュア六段<o:p></o:p>

夙に将棋に堪能にして修行宜しく精巧極めて深きをみとめに六段を允許す<o:p></o:p>

プロ七段<o:p></o:p>

夙に将棋に堪能にして所作正しく精妙上手の域なるによりに七段を免許す<o:p></o:p>

プロ八段<o:p></o:p>

夙に将棋に天賦の資有り蘊奥を極め明識の師範なるによってに八段に推す<o:p></o:p>

プロ九段<o:p></o:p>

夙に将棋に天賦の資有り蘊奥を極め明哲の師宗なるによってに九段に推す<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

アマチュア用の免状とプロの免状は異なります。<o:p></o:p>

アマチュア用  氏名は 将棋太郎殿   (殿が付きます。)<o:p></o:p>

        述語は「允許す」 です。<o:p></o:p>

発行者直筆署名は 発行の時の名人(例えば森内俊之名人)    <o:p></o:p>

プロ用  氏名は 将棋太郎       (殿が付きません。<o:p></o:p>

        述語は「免許す」、または「推す」 です。<o:p></o:p>

発行者署名は 発行の時の将棋連盟会長(例えば米長邦雄) です。   <o:p></o:p>

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清明

2008-04-10 16:30:06 | 文学

清明の時節 雨紛々(ふんぷん<o:p></o:p>

路上の行人魂を断たんと欲す<o:p></o:p>

借問(しゃもん)す酒家何(いずれ)の処にか有る<o:p></o:p>

牧童遥かに指さす杏花の村<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

<o:p>晩唐第一の詩人 杜牧の漢詩です。 </o:p>

清明は24節気の一つで4月5日、今頃です。日本でも雨が多い季節です。<o:p></o:p>

西欧でもエープリル・シャワーと言います。<o:p></o:p>

杜牧は26歳で進士(科挙)に及第した秀才で順調にエリートコースを歩みましたが一時、辞職したこともあり、不本意な生涯を送ったとのことです。<o:p></o:p>

若い頃、江南地方に赴任して芸妓と浮名を流すなど風流才子でもありました。<o:p></o:p>

「清明」の詩もその当時の作であろうと言われます。<o:p></o:p>

彼の代表作の一つです。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

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お礼

2008-04-10 07:18:10 | 近況

いつも、このブログをご覧いただきありがとうございます。<o:p></o:p>

お蔭さまで、本日、アクセス数が15,000に到達いたしました。<o:p></o:p>

平成18年の3月に書き始めて約2年が経過いたしました。<o:p></o:p>

この2年間で15,000アクセスは、望外のハイペースではないかと思っております。<o:p></o:p>

引き続き、お読みいただければ、有り難いと存じます。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

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春秋左氏傳

2008-04-08 08:07:26 | 歴史

春秋左氏傳の作者は中国魯の左丘明と言われています。<o:p></o:p>

孔子が編纂した春秋の3つの注釈書、春秋公羊伝『』春秋穀梁伝春秋左氏傳(通称左伝)を合わせて三伝と言います。現代の日本ではあまりポピュラーではありませんが、春秋時代の歴史を知るための重要な資料です。<o:p></o:p>

「食指」「波及」「君臨」「落成」「未亡人」「鼎の軽重を問う」「牛耳る(ぎゅうじる)」などの出典は、皆、左伝であり、現代日本語とも深く関わっています。<o:p></o:p>

「千羊の皮は一狐の腋(えき)に如かず」<o:p></o:p>

千枚の羊の皮も一匹の狐の脇の下の白い毛皮には及ばない。すなわち、凡人がいくら集っても一人の賢人に及ばないということの譬えです。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

最近、春秋左氏傳を読んでわかったのですが、「義」という字は、「ただしい」という意味があるそうです。「義」は、字源として上に羊、下に我と書きます。我は鋸の象形。羊に鋸を加えて犠牲にするという意味です。犠体に犠牲としての欠陥がなく、神意にかなうものとして義(ただし)いと言う意味になります。

参考 小川環樹「鑑賞 中国の古典⑥春秋左氏伝」 角川書店

                            <o:p></o:p>

                      <v:shapetype id=_x0000_t75 coordsize="21600,21600" o:spt="75" o:preferrelative="t" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe" filled="f" stroked="f"> <v:stroke joinstyle="miter"></v:stroke><v:formulas><v:f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></v:f><v:f eqn="sum @0 1 0"></v:f><v:f eqn="sum 0 0 @1"></v:f><v:f eqn="prod @2 1 2"></v:f><v:f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></v:f><v:f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></v:f><v:f eqn="sum @0 0 1"></v:f><v:f eqn="prod @6 1 2"></v:f><v:f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></v:f><v:f eqn="sum @8 21600 0"></v:f><v:f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></v:f><v:f eqn="sum @10 21600 0"></v:f></v:formulas><v:path o:extrusionok="f" gradientshapeok="t" o:connecttype="rect"></v:path><o:lock v:ext="edit" aspectratio="t"></o:lock></v:shapetype><v:shape id=_x0000_i1025 style="WIDTH: 102pt; HEIGHT: 201.75pt" type="#_x0000_t75"><v:imagedata src="file:///C:DOCUME~1OwnerLOCALS~1Tempmsohtml11clip_image001.jpg" o:title="義の字"></v:imagedata></v:shape><o:p></o:p>

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加藤治郎九段

2008-04-05 09:30:53 | 将棋

棋士 加藤治郎九段(1910-1996)は早稲田大学を卒業してから将棋界に入りました。大学出身で初の棋士になりました。「将棋は歩から」という名著もあります。1945年には八段にまで昇りましたが、A級順位戦でA級から降級が決まると、30歳代の若さで第一戦から潔く引退しました。後に「三象子」等のペンネームで観戦記者としても筆を振るい、日本将棋連盟の会長を2期勤めました。弟子に原田康夫九段、木村義徳九段、真部一男九段等がいました。弟子達に人間としての基本的な礼儀だけはしっかり教えたとのことです。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

髪が薄かったのですが、はげについて、次のように言いました。<o:p></o:p>

「禿(はげ)のことを禿と言ってもいいが、チビのことをチビと言ってはいけない。なぜなら禿は元は毛があったが、チビは昔からチビである。」<o:p></o:p>

直すことができない身体状態を侮蔑的に言うのは不公正だという意味でしょう。卓見の持主でした。将棋界に数多くの貢献をなさって86歳で永眠されました。<o:p></o:p>

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