「三つ山崩し」というゲームがあります。碁石などを使って、それを適当数取って三つの山を作ります。例えば、第一の山は11個、第二の山は12個、第三の山は13個とします。個数は適当な他の数でも構いません。先ず、先手がどこか一つの山から好きな数だけ取ります。続いて後手が、取ります。必ずどれかの山から1個以上取らなければなりません。これをくりかえすと三つの山の碁石の数は次第に少なくなって行きます。最後の一つを取った人が勝ちとなります。この遊びの勝ち方は数学的に求められます。<o:p></o:p>
例えば、3つの山の碁石の数が11個、12個、13個の場合について説明します。説明のために、この状態を(11,12,13)と表現します。<o:p></o:p>
このケースは先手が必勝です。13個ある山から6個の石を取り(11,12,7)<o:p></o:p>
とします。以後、(3,12,7)、(3,0,3)、(3,0,2)、(2,0,2)、(1,0,1)という風に進むと、後手は1個の山から1個を取らざるを得ませんから、先手は最後の1個を取って勝つことができます。<o:p></o:p>
代表的な勝ちパターンには、(0,1,1)や(0,0,2n)や(0,n,n)があります。2nは偶数のことです。 以上は前回12月4日に掲載した「三つ山崩し」に書いた<o:p></o:p>
文と同じです。<o:p></o:p>
何故(11,12,7)が勝ちパターンかを説明します。<o:p></o:p>
11と2と7を2進数で表現すると次のようになります。<o:p></o:p>
11=8+2+1 001011<o:p></o:p>
12=8+4 001100<o:p></o:p>
7=4+2+1 000111<o:p></o:p>
合計 002222<o:p></o:p>
このように、10進法的に各位の数を合計した答の数が偶数のみになっているのが勝ちパターンの条件です。<o:p></o:p>
後手はここで。どこかのの山から少なくとも1個の石を取らなくてはなりません。たとえば、7個の山から1個を取って6個とします。次に先手は11個の山から1個を取ります。 10=8+2 001010<o:p></o:p>
12=8+4 001100<o:p></o:p>
6=4+2 000110<o:p></o:p>
合計 002220<o:p></o:p>
この合計パターンは偶数のみですから勝ちパターンです。<o:p></o:p>
後手がいかなる取り方をしても、先手は最終的に(0,1,1)のパターンにすることができて勝つことができます。<o:p></o:p>
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関沢正躬著 『数の理論 入門』丸善<o:p></o:p>