yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

富岳 世界一

2020-11-30 07:23:39 | 文化
スーパーコンピュータの性能を競う世界ランキング「TOP500」の最新版が11月16日(中央ヨーロッパ時間)に発表され、日本の理化学研究所と富士通が開発した「富岳」(写真 下)がTOP500(演算速度)、HPCG(シミュレーション計算)、HPL-AI(AIの学習速度)、Graph500(ビッグデータの処理性能)の4部門で、2期連続の世界1位を獲得しました。今回の偉業達成は「A64FX」という画期的なプロセッサ-を開発できたことがおおきな理由です。このプロセッサ-はソフトバンクの子会社であるイギリスのARM社の技術を、富士通がス-パ-コンピュ-タ-向けに拡張し、富士通社の独自技術と融合させて完成させました。インテルやAMDのプロセッサ-に比べて処理性能が高く、消費電力が低く製造コストが安いという驚異的なプロセッサ-です。勝負事と科学技術の進歩は「2位でもいい」というものではなく、1位になってこそ、圧倒的なインパクトがあります。1位を目指して研鑽して、初めて、難関な壁をブレイクスル-ことができるように思われます。世界一はすばらしいことです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金谷園 杜牧

2020-11-27 06:13:56 | 文学
晩唐の詩人、杜牧の七言絶句、金谷園を紹介します。 

        金谷園

      繁華事散逐香塵
      流水無情草自春
      日暮東風怨啼鳥
      落花猶似墜楼人


繁華(はんか)ノ事 散ジテ香塵ヲ逐(お)ウ
      流水無情 草自(おのずか)ラ春ナリ
      日暮東風 啼鳥ヲ怨ム
      落花猶ホ似タリ 墜楼ノ人

「訳」
昔、ここ金谷園でくりひろげられた豪奢な遊びは、香ぐわしい塵のあとかたなく消 えるのを追って散じ、今はしのぶよすがもない。流れる水は、人事の興亡をよそに無情 
にせせらぎ、草は春のよそおいをこらして生い茂るばかり。日の暮れがたにたたずめば、春風に吹かれて鳥の啼く声も怨みぶかく聞こえてくる。おりしも、目の前を花びらがハラハラと落ちてゆく、そのさまはかつてここで楼から袂をひるがえして落ちていったあの緑珠に似ているようだ。

「鑑賞」
晩春の夕暮、いにしえの金谷園のあとに立ち、懐古の情に沈んで作った詩です。杜牧の得意な懐古の詩です。かつての金谷園の繁華と、今日の荒れた情景とがうまく相対してとらえられています。

吟剣詩舞道漢詩集 「絶句編」日本吟剣詩舞振興会




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小柴昌俊

2020-11-24 06:01:37 | 文化
ノ-ベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士が、去る11月12日に、94歳で永眠されました。ご冥福を祈ります。一高時代は落ちこぼれで成績が悪かったそうです。ある日、寮の風呂場裏で教師が小柴氏を貶める雑談をしていたのを聞き、一念発起して勉強に励み、難関の物理学科への進学を果たしました。「優優良良良良良良良良良良可可可可」は1951年春の全成績だそうです。「東大の物理学科をビリで卒業した」と言っても信じてもらえなかったそうです。
小柴氏が主体となって進めていたハイパ-カミオカンデは建設途上であり、2027年から実験が始まる予定です。これは岐阜県神岡市の鉱山の地底、650メ-トルに大水槽を作って中に超純水を溜め、飛来するニュ-トリノが水と衝突して出る光(チェレンコフ光)を超高感度の光電子増倍管で検出できる設備です。この設備により、物理の大統一理論や宇宙の成り立ち、CP対称性の破れの解明に役立つとされますが、小柴氏は、残念なことにハイパ-カミオカンデの完成を見ることはありませんでした。
ご自宅の周辺、東京杉並区下井草は小柴氏の散策路でした。この途次に自筆の記念碑があります。(下 写真)この碑には「宇宙 人間 素粒子」「夢を大切に」とあります。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

名香

2020-11-21 06:33:36 | 日記
僧侶で仏教学者の千葉公慈氏が、一度は嗅いでみたい香りを3つ挙げられています。伽羅香、竜涎香、蘭麝待で、名香といわれるものです。「伽羅香」は、
沈香という香木のなかで、特に上質の物が伽羅(きゃら)と呼ばれました。
熱帯アジアを原産としています。
「竜涎香(りゅうぜんこう)」、別名アンバ-グロス(英語名)は、マッコウクジラの腸にできる結石です。ギリシャの海岸などに流れついて、その香りが珍重されました。中国では、深海にひそむ竜が安息の眠りの中で香り高い涎をたらしたと考えられ竜涎香といわれました。クレオパトラや楊貴妃が愛用していたとされます。現在、人工の竜涎香も出回っていますが、天然の竜涎香は稀少で、その香りの高さから支持されており、大変高価なものだそうです。
「蘭奢待(らんじゃたい)」は、沈香(じんこう)の一種です。奈良時代、聖武天皇が唐から入手され、東大寺の正倉院に収蔵されました。「蘭」の字の中には「東」があり、「奢」の字の中には「大」、「待」の字の中には「寺」があることから、蘭奢待は「東大寺」の隠語ともいわれ、その香りは時の最高権力者のみに楽しまれました。今日まで、足利将軍の足利義政公、織田信長公、明治天皇等だけがこの香を利(き)かれ、切り取った場所にはそれぞれ付箋が付けられました。超上質な香りといわれます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不易流行

2020-11-18 06:42:05 | 文学
「不易流行」は江戸中期の俳人として最も後世に名を遺した「松尾芭蕉」の蕉門の「去来抄(きょらいしょう)」にある俳諧理念から来ています。
芭蕉の俳諧理念とは「俳句の趣向や表現に目新しさがないのが不易、そして、その時々、その場所場所で、人の好みによって斬新さを発揮したものを流行」と説くものです。俳諧が新鮮さをもって命を授かることから、新しさや奇抜さを望み、常に変化を重ねていく風潮や趣向などの「流行性」こそが、俳諧における不易の価値であると考えられています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最古の論語写本

2020-11-14 12:47:44 | 歴史
中国、南北朝末から随の時代(6~7世紀初め)に書かれた論語義疏の写本を慶応義塾大学の関係者が日本の古本屋で発見しました。(写真 下)中国では12世紀以前の写本を喪失しているので、今回、日本で見つかった写本は現存する最古の写本ということになります。この写本には藤原氏の所蔵の証である、「藤原之印」が押されています。現在、東京丸の内の丸善本店に展示されているそうです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和光同塵

2020-11-12 06:06:49 | 文学
「和光同塵(わこうどうじん)」は老子の言葉です。和光とは、光り際立つところを和らげること。同塵とは、目立たない塵のようにいることです。つまり、目立ちたい注目されたいという欲を抑え、偉そうな顔はせず、謙虚にしていなさいということです。
釈迦は、いつも偉ぶらず、俗界という塵にまみれながら、民衆の中に分け入って教えを説かれました。自慢したり威張った態度の人ほど、偉く見えないものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

難読漢字

2020-11-09 06:06:36 | 文学
テレビでクイズ番組を観ていますと、難読漢字の問題が沢山出てきます。問題を作る能力にも感心するのですが、すらすら解く秀才がいることにも驚きます。
最近見た難読漢字を以下に列挙します。

鉄葉         ブリキ
鉄気         かなけ
原ねる        たずねる
原す         ゆるす
谷める        きわめる
親から        みずから
将いる        ひきいる
雪ぐ         すすぐ
検べる        しらべる
困しむ        くるしむ
断める         さだめる
演べる         のべる
卒わる         おわる
資ける         たすける
議る          はかる
特け          とりわけ
低れる         たれる
輸る          おくる
管る          つかさどる
準る          なぞらえる
周く          あまねく
絶だ          はなはだ
億る          おしはかる
 団い          まるい
俳           たわむれ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花押

2020-11-06 06:13:33 | 日記
花押は、署名用の氏名を図案化したものです。起源は、中国、南北朝、南朝の斉の時代(479~502)に遡ります。日本の花押の最古の例は10世紀の中葉(平安時代)といわれます。主に武士が使用し、戦国時代には花押の様式が多様化しました。中でも織田信長の花押は、芸術的で洗練されたものです。(写真 下)この花押は、至治の世を象徴する霊獣、麒麟の「麟」の字を形象したものと言われます。時代が下ると次第に使用されなくなりましたが、明治以後、歴代の総理大臣などの政治家が使いました。閣議の後の大臣の署名には、現在も花押が書かれているそうです。河野太郎行政改革担当大臣によれば、閣議後の署名には、脱はんこは行わず、花押を存続する予定だそうです。デジタル化と花押の組み合わせには違和感をおぼえます。。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

エデンの東

2020-11-03 06:15:42 | 文学
エデンは「旧約聖書 創世記」2章から3章にある、アダムとイブが暮らす理想郷で、神が創った地上の楽園です。
エデンは、この世の楽園であってもエデンの東は荒涼とした砂漠地帯である可能性が高いのです。

「エデンの東」はジョン・スタインベックが書いた小説で、1952年に発表されました。聖書における、カインとアベルの確執、カインのエデンの東への逃亡の物語を題材に、父親からの愛を切望する息子の葛藤、反発、和解を描いた作品です。1955年に「エデンの東」というタイトルで映画化されました。主演は24歳の若さで自動車事故により他界したジェ-ム・、ディ-ンでした。あたら、人気の高い男優の早すぎる死に世界が悲しみました。なお、この映画の音楽は、
映画音楽を代表する名曲です。

 




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする