yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

中国の詩人の没年

2023-02-27 06:16:35 | 文学
有名な中国の詩人の没年を調べてみました。

   杜甫 59歳  西暦770年
   李白 61歳  西暦762年
   王維 62歳  西暦759年
   杜牧 50歳  西暦853年
   
高適 63歳  西暦 765年
白居易 74歳  西暦 846年

陶淵明 62歳  西暦 427年
蘇軾  65歳  西暦1101年
 
     現代の日本人に比べると短命ですが、当時の中国人の平均に近いのでしょう。享年はほとんどが60歳台です。因みに、古稀という語の元になった「人生七十 古来稀なり」と言った杜甫でさえ、享年59歳でした。白居易の長命は別格として、王維、高適、陶淵明、蘇軾も60歳台でした。
     なお、杜甫の没後二百五、六十年たった北宋の時代に、王安石、蘇軾、黄庭堅らが杜甫の詩を愛し学び、蘇軾は「古今に詩人衆議(おお)し、而して杜子美(杜甫のこと)を首と為す」と言って尊敬しました。詩壇における杜甫の地位は、北宋の代表的詩人によって確立されたと言われます。

          石川忠久 「杜甫100選」NHK出版
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将棋  永世名人

2023-02-24 06:14:43 | 将棋
現在の将棋界においては、名人というタイトルを5期獲得すると「永世名人」という資格が与えられます。歴代の永世名人資格者で最近の方々は次の6名です。
木村義雄14世名人、大山康晴15世名人、中原誠16世名人、谷川浩司17世名人、森内俊之18世名人、羽生善治19世名人。

原則として永世名人は引退後に名乗るものだそうです。木村義雄氏、大山康晴氏、中原誠氏などは既に引退されていますが、不肖が不思議に思うのは、現在、永世名人を名乗る棋士がいないことです。永世名人はタイトルではなくて名誉称号ですので、遠慮されて自ら名乗る棋士はいないということでしょうか。つまり、中原氏は16世名人、谷川氏は17世名人であり、「○世名人」という言い方には、既に「永世名人」という意味も含まれているので、敢えて永世名人を名乗る必要がないようです。なお、谷川氏も森内氏も羽生氏も現役九段であり、同時に、17世名人、18世名人、19世名人でもありますが、引退されていないので、勿論永世名人を名乗っておられません。

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斯文(しぶん)

2023-02-21 06:18:32 | 文学
湯島の聖堂の管理団体を「斯文会」といいますが、ここに使われている「斯文」の意味を調べてみました。「斯文」とは「この学問、この道」ということで、儒教の学問、道徳を指します。出典は論語「子罕(しかん)篇」です。
 
  子、匡(きょう)ニ畏(おそ)ル。曰(のたま)ワク、文王既ニ没シタレドモ、文茲(ここ)ニ在(あ)ラズヤ。天ノ将(まさ)ニ斯(こ)ノ文ヲ喪(ほろ)ボサントスルヤ後死ノ者、斯(か)ノ文ニ与(あず)カルコト得ザルナリ。天ノ未(いま)ダ斯(か)ノ文ヲ喪(ほろ)ボサザルヤ、匡人(きょうひと)其レ予(わ)レヲ如何(いかん)。

  「訳」
先生が匡(きょう)の地で危険にあわれたときにいわれた。「文王はもはやなくなられたが、その文化はここに伝わっているぞ。天がこの文化を滅ぼそうとするなら、後代のわが身はこの文化にたずさわれないはずだ。天がこの文化を滅ぼさないからには、匡の連中ごとき、わが身をどうしようぞ。」

  金谷治 訳注 「論語」岩波書店
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将棋AI あれこれ

2023-02-18 06:13:45 | 将棋
近年、将棋のAIが大いに進歩しましたので、計算という点で、人間はAIの敵ではなくなりました。「AIが人間のプロに勝つ日が来ますか」という質問に対して、当時一流のプロは下記のように答えています。

      米長邦雄氏   永遠にない
      加藤一二三氏  来ない
      谷川浩司氏   私が引退してからでしょう
      羽生善治氏   2015年

      米長さん、加藤さん、谷川さんの予測は見事に外れました。
      羽生さんの回答は、その後の展開に近いものでした。

      2013年に佐藤慎一四段(プロ)が将棋AI(ポナンザ)に初めて敗北。
2017年に佐藤天彦名人(プロ)が将棋AI(ポナンザ)に敗北しました。
2020年に渡辺明竜王(プロ)は将棋AI(ポナンザ)と戦い、勝利しましたがAIの強さを認めました。

なお、「AIがプロに勝つ日は永遠にない」と語った米長さんも、引退当時の2012年にAIに敗北しています。
現在、最強と言われるAIは「水匠」ですが、開発者の杉村達也氏によれば、
    「水匠」は1秒に6000万手読め、レ-テングは約4300もあり、ポナンザと戦ったら99%勝てるというのです。(「NHK 将棋フォ-カス」より)
    プロ棋士のレ-テングは、最低が1200であり、最強の藤井聡太五冠のレ-テングが2050点ですから、AIがいかに強いかがわかります。段位に換算したら20段超になるかも知れません。
    因みに、将棋のプロの養成機関の奨励会を経ることなく、このたびプロ編入試験に合格した小山怜央氏も、AIを武器に研鑽を重ねたということです
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漢詩 石川忠久 子規と漱石

2023-02-15 06:17:32 | 文学
石川忠久先生の漢詩を紹介します。

          子規與漱石

陵上相親弟與兄
豫州才子武城英
青春十歳切磋好
勝得文豪俳聖名

「読み方」
子規与漱石

陵上相ヒ親シム弟ト兄ト
予州ノ才子 武城ノ英
青春十歳切磋好(よ)シ
贏(か)チ得タリ 文豪 俳聖ノ名


「鑑賞」
豫州は愛媛県。武城は東京都

下の写真は、正岡子規の墓(東京都田端)と夏目漱石の墓(東京都雑司ヶ谷)です。

石川忠久「學士会会報」No. 958 2023-Ⅰ






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漢詩 石川忠久 登鶴鵲楼

2023-02-12 06:15:20 | 文学
石川忠久先生の漢詩を紹介します。
          登鶴鵲楼

年来素志始登楼
楼上懐公凝両眸
千里空濛何所見
黄河白日自悠悠

「読み方」

鶴鵲楼(かくじゃくろう)ニ登ル

年来ノ素志始メテ楼ニ登ル
楼上公ヲ懐イテ両眸ヲ凝ラス
千里空濛何ノ見ル所ゾ
黄河白日 自ラ悠悠

      「鑑賞」

「公」とは、「鶴鵲楼に登る」という詩を詠んだ「王之渙」を指します。
写真下は現在の鶴鵲楼です。


石川忠久「學士会会報」No. 958 2023-Ⅰ







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漢詩 石川忠久 石原裕次郎記念館

2023-02-09 06:37:12 | 文学
石川忠久先生の漢詩を紹介します。

        石原裕次郎記念館

颯爽東都白面郎 
藝能兄弟盛名長
不知今日胞兄事
亡弟遺香尚満堂

「読み方」
石原裕次郎記念館

颯爽タリ東都ノ白面郎
藝能ノ兄弟盛名長シ
知ラズ今日胞兄ノ事
亡弟ノ遺香尚オ堂ニ満ツ

下の写真は小樽市にある石原裕次郎記念館です。






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漢詩 石川忠久 詠杜牧

2023-02-06 06:14:37 | 日記
石川忠久先生の漢詩を紹介します。
 
          詠杜牧

誰道青春徒酔沈
多情字字盡千金
鬢絲霜葉茶烟裏
写得風流才子心

「読み方」

        杜牧ヲ詠ズ

誰カ道(い)ウ 青春徒(いたず)ラニ酔沈ス
多情ノ字字尽ク千金
鬢絲霜葉茶烟ノ裏(うち)
写シ得タリ 風流才子ノ心

       「鑑賞」

    鬢糸、霜葉、茶烟は杜牧の詩の中に使われている語です。
    「茶烟鬢糸(さいんびんし)」は後世、成語となりました。淡白に余生を過ごすことを指します。


石川忠久「學士会会報」No. 958 2023-Ⅰ   


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漢詩 石川忠久 聖堂老梅

2023-02-03 06:10:01 | 文学
石川忠久先生の漢詩を紹介します。

          湯島聖堂老梅

入徳門前一老梅
寧王往昔所親栽
多年遮日双楠仆
可看迎春花始開

「読み方」
湯島聖堂ノ老梅

入徳門前ノ一老梅
寧王ハ往昔親シク栽(う)ウル所
多年日ヲ遮リシ双楠仆(たお)レ
看(み)ルベシ春ヲ迎エテ花始メテ開クヲ

「鑑賞」
伏見宮博恭王(寧王)は昔、湯島聖堂を管理する団体、斯文会の総裁でありました。    徳川家の元当主や石川先生も会長や理事長を務められました。

石川忠久「學士会会報」No. 958 2023-Ⅰ
下の写真は湯島の聖堂です。




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