yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

すばる

2009-01-29 08:50:43 | 文化

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日本発の、この題名の谷村新司さんの歌はアジアや中国などでも広く唱われています。古来、昴(すばる)は人類を大きく魅きつけてきました。日本では冬の夜空に瞬く代表的な星座です。すばると言う呼び名は純粋の日本語です。中国では紀元前2300年頃の「書経の堯典」に、「日は短く、星は昴(ぼう)、以て仲秋を正す」とありますが、これがすばるの名が出てくる世界で最初の文献です。以来、中国で昴宿(ぼうしゅく)という星座は28宿(28の星座のこと)の一つに挙げられています。日本では「和名類聚抄」(わみょうるいじゅしょう)に和名すばるが最初に現れていますが、これより7,80年おくれて清少納言が「枕草子」に「星はすばる」と書いています。星座の形から「羽子板星」の名もあり、日本の正月にふさわしい名です。イタリアでもラ・ラケッタ(羽子板)と呼ばれているそうです。<o:p></o:p>

 西洋名のプレアデスはホメロスの詩篇にも見られ、ギリシャ神話では、空を荷う巨人アトラスの7人の娘がこの星になったと言われています。<o:p></o:p>

序でながら、谷村さんが唱う「マカリー」(ハワイ語で、ハワイの船乗りで星を観て航路を決める人の意)という新しい歌もすばらしい歌だと思いました。ちなみに、その歌詞のなかに「ヨーソロ・ヨーソロ」という言葉がありましたが、これは「良く候」のことで、「面舵」や「取り舵」などと共に「直進せよ」を意味する日本の船乗りの言葉です。<o:p></o:p>

野尻抱影 著  『星座歳時記 Ⅱ』 恒星社<o:p></o:p>

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去華就実

2009-01-16 11:35:09 | 文学

「去華就実」は中国の古典にある言葉です。孟子』ではないかと思いますが確認しているところです。<o:p></o:p>

「華を去りて実に就く」と読みます。花を捨てて実を取る。形式・外観にとらわれることなく、内容・実質を重んじることです。これを校是としている中学、高校は<o:p></o:p>

全国に沢山あり、早稲田実業高等学校もその一つです。甲子園で活躍した斉藤祐樹<o:p></o:p>

投手は成人式に当たりこの校是を引用して、成人の日の決意としていましたが、<o:p></o:p>

好ましい姿勢ではないかと思いました。<o:p></o:p>

ちなみに私の母校、長岡高等学校の校是は「剛健質朴」「豪爽快活」です。この剛健質朴は「去華就実」と、相通じるところがあります。この校是は「和して同ぜず」と共に明治初期から今日まで連綿と受け継がれています。<o:p></o:p>

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蛍の光 窓の雪

2009-01-11 08:02:35 | 文化

一一、蛍の光 窓の雪

書(ふみ)よむ月日重ねつつ<o:p></o:p>

いつしか年もすぎの戸を<o:p></o:p>

あけてぞ今朝(けさ)は別れゆく<o:p></o:p>

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二、とまるも行くも限りとて<o:p></o:p>

かたみに思ふ千()よろづの<o:p></o:p>

心のはしをひとことに<o:p></o:p>

さきくとばかり歌(うた)ふなり<o:p></o:p>

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「蛍の光」は別れの歌として誰でも知っている歌で、このメロディーは世界に広く普及しているように思われます。原曲はスコットランドで生まれました。この曲は明治初年に伊沢修二によって日本に紹介され、「小学唱歌集」の中に採り入れられました。「蛍の光、窓の雪」の歌詞を創ったのは国文学者の稲垣千頴(いながき・ちかい)でした。<o:p></o:p>

 中国の史書「晋書車胤伝」によれば、官吏を志す車胤と孫康という二人の青年がいましたが、夜、本を読むために必要な灯の油を買うことができないほど貧乏でした。車胤は数十匹の蛍を集めて絹の袋に入れて灯とし、孫康は窓辺に雪を積みあげてこの雪の明かりで本を読んだと言うことです。この故事から、苦労して勉学に励んで志を果たすことを「蛍雪の功」と言います。日本語の歌はこれを引用しており、卒業式などの別れの時には決まって唱われてきました。<o:p></o:p>

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さて、この歌の原曲の生まれたスコットランドは、歴史上、多くの偉大な人物を生んできました。その中から一人だけ挙げよとスコットランド人に聞けば、躊躇することなくロバート・バーンズ(1756-1796)が選ばれるそうです。ロバート・バーンズはこの国では誰にも敬愛される詩人です。バーンズは単に詩人というにとどまらず、人々に勇気を与え、祖国への愛情をかき立たせてくれる偉大な存在です。これはバーンズの生誕を祝う「バーンズ・ナイト」と言う行事が今でも盛んに行われていることからも窺えます。この行事はバーンズの誕生日の1月25日前後に行われ、スコットランド国内にとどまらず、世界中どこでもスコットランド人のいる所ではスコッチウィスキーを飲みながらバーンズを讃え、最後に全員で「オールド・ラング・ザイン」を合唱する事になっています。なお「Auld Lang Syne」は「遠き昔」と題されたバーンズの詩です。<o:p></o:p>

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昔馴染の忘らるべきや、心に思い起こさずに。<o:p></o:p>

昔馴染の忘らるべきや、また遠き昔のことの。<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために、君よ、<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために 我等友愛の杯をとらん、<o:p></o:p>

いざ遠き昔のために。<o:p></o:p>

     バーンズ詩集 中村為治訳  岩波文庫より<o:p></o:p>

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夜郎自大

2009-01-04 07:39:50 | 文学

「夜郎自大」は「史記」の「西南夷伝」に出ている言葉です。昔、中国の西南部にいた部族である「夜郎」が、漢の強大さを知らずに、周辺の夷(えびす)のなかでは比較的に強かったので自分たちのことを自慢したという故事に因ります。<o:p></o:p>

自分の力量を正確に判断できずに、偉そうな顔をしていばること。「自大」は自ら尊大にかまえることです。「井の中の蛙」、「葭の瑞より天を覗く」、「お山の大将」、「鳥無き里の蝙蝠(こうもり)」なども同様の意味のことわざです。<o:p></o:p>

先人、先輩、両親、識者、専門家などの言はとても貴重なものです。そこから学ぶことがいかに多いかを認識して、他人の言行を真摯にとらえ、常に謙虚であることはとても大切だと思います。<o:p></o:p>

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温故知新

2009-01-01 09:59:55 | 文学

「論語」為政篇にある有名な言葉です。原典では、子曰く、故(ふる)きを温(たず)ねて而して新しきを知る、以つて師と為る可(べ)し<o:p></o:p>

 歴史・思想・古典など昔のことをよく調べ研究したり学びなおして、そこから新しい知識や見解を得て真理を悟ることです。学問、研究、新しい試みをする上で、採るべき基本的な態度だと思われます。味わいのある言葉です。<o:p></o:p>

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