yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

薫風通ふ春五月

2012-04-30 04:52:37 | 文学
「薫風通ふ春五月」は旅順高等学校の最初の寮歌です。作詞は「北帰行」を作った故・宇田博氏です。今の季節にピッタリの題名です。「紅萌ゆる丘の花」や「春爛漫の花の色」などと共通する伝統の寮歌の気分が感じられます。

   薫風通ふ春五月

父祖奮戦の地に立てば
肉弾の跡 草萌えて
楊柳岸に陰淡く
渤海湾の波青し
旅順の海に船をやり
すずろに夢の櫓を漕げば
異郷の空に日が暮れて
陰茫々の海遠く
おお故郷の宵の星
異郷の日  (以下略)

戦時下らしい歌詞です。旅順高等学校を去った自由人、宇田氏は、この後、東京に帰り、東大文学部を卒業して東京放送に勤務し、1995年に73歳で永眠しました。葬儀には「北帰行」と「薫風通ふ春五月」が、くり返し演奏されたそうです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安政柑

2012-04-27 06:04:05 | 文化
先日、愛媛県出身の知人から安政柑をいただきました。大きくて美味しい柑橘です。
安政柑は、江戸時代の安政年間に伊予の国の政太郎という人が長崎に医学の修行に行った時、宿でこれを出されました。食したところ、蜜柑でもない、八朔でもない、伊予柑でもない不思議な味に驚いて宿の女将に尋ねたところ、「これは長崎名物で“ザボン”ばってんホレ!あそこに実(な)ってるばってん」と指を差した方角を見ると、今にも地面に着きそうな程に枝からぶら下がる大きい柑橘が見えました。
政太郎は帰路につく時、ザボンの枝を肌に忍ばせ関所を通り抜けて故郷の伊予に持ち帰り、伊予柑に接ぎ木をしてしに成功したもので、名前を安政柑としました。現在は瀬戸内海の小島にだけ成育しているということです。
柑橘王国と言われる愛媛県には文旦や、宇和島の美生柑、伊予蜜柑など美味しい柑橘に恵まれています。先日、テレビで、日本から渡った温州みかんが、地中海のバレアレス島(スペイン)で大々的に栽培されて欧州で食べられていることを報じていました。瀬戸内海も地中海も柑橘の栽培に適した気候・風土が共通しているのでしょう。ところで、温州(うんしゅう)は中国・浙江省にありますが、温州蜜柑は遣唐使が中国・温州から持ち帰った蜜柑の種から生まれたとも言われています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

囲碁ソフト 日進月歩

2012-04-24 06:49:47 | 将棋
昨年末に、「囲碁ソフト アマ四段に到達」という一文を書きましたが、以来、囲碁ソフトは日進月歩です。3月17日行われた試合で囲碁ソフト「Zen」は、元名人の武宮正樹九段に四子局で勝ちました。この事により、囲碁ソフトの棋力はアマ高段ということが証明されました。近い将来、互角の戦でプロに勝つ日が来ると推察されます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大江広元

2012-04-21 05:34:41 | 歴史
大江広元という人物はあまりご記憶にないかもしれませんが、鎌倉幕府草創期の功臣です。
福田定一(後の司馬遼太郎)は「サラリーマンの金言」の著書の中で、以下のように大江広元について書いています。

立場は違うが、源義経や武蔵坊弁慶、静御前などとは顔見知りの人物である。
鎌倉幕府の草創期に源頼朝は、学問はあるが上級公家でない彼に目をつけ、京都から招聘して幕府の公文所別当、つまり幕府の事務総長のような栄職を与えました。彼はサラリーマンの元祖です。(中略)
広元は「益なくして厚き禄をうくるは竊(ぬすむ)なり」を座右の銘としました。この言葉は『礼記』の普及版といえる『大載礼記(だたいらいき)』にあります。
鎌倉幕府の役に立つ、この一事のために大江広元は己の才能と努力をかけつくしました。しかも彼は、自分一個の私利のために才能を使わず、また一党一派の利のために走狗をつとめるということもしなかった。すべて彼の思考と行動の基準は、鎌倉秩序のためということにあったのである。

福田定一もこの本の中では触れていませんが、実は大江広元こそ明治維新の中心の一つであった長州藩・毛利氏の祖先であり、大江広元の四男、季光が毛利氏の鼻祖です。大江広元の血筋が明治維新の原動力となったと知り、驚きました。

福田定一 「サラリーマンの金言」 六月社(1955)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倜儻不羈

2012-04-18 05:30:39 | 文学
「倜儻不羈(てきとうふき)」は、同志社大学を創立した新島襄が愛したという言葉です。
「倜儻」というのは、自分の考えをしっかり持つこと。「不羈」というのは、馬の手綱がつかない放れ駒のような人のことを言います。人に御せられないこと、人の言いなりにならないことを言います。幕末から明治にかけての変革期には、このような人が多く現れました。例えば新島襄をはじめ、吉田松陰、坂本龍馬など、「倜儻不羈」の人々が活躍しました。

「司馬遼太郎の遺産」 朝日新聞社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お礼

2012-04-17 06:19:23 | 近況
日頃、私のブログをご覧いただきありがとうございます。
お蔭さまで、昨日、アクセス数が二十万に到達いたしました。
平成18年の3月に書き始めてから約6年になります。当初は二十万アクセスをいただける日が来るとは思っておりませんでしたので、とても嬉しく思っております。
まことに拙いブログではありますが、引き続きご愛読いただければ有り難く存じます。なお、折々にコメントを頂戴できれば、一層、励みになると存じます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢字クイズ 解答

2012-04-15 05:16:10 | 文学
4月13日に皆様に出題した漢字クイズの問題について、私が考えた解答です。

□ に同じ漢字を入れて熟語を作って下さい。

第1問  □屋、□数、□言
第2問  水□、□顔、簡□、□敵
第3問  採□、□団、特□、□計

解答は、上から小、素、集 だと思います。第3問が特に難問でした。

読み方の問題です。

第1問 徒骨
第2問 徒花
第3問 小火
第4問 音呼
第5問 札片

答は上から、むだぼね、あだばな、ぼや、いんこ、さつびら
だと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢字クイズ 問題

2012-04-13 06:07:39 | 文学
読者の皆様に漢字クイズを出題します。
新聞紙上にあったものですが、私にとってはかなり難しい問題でした。

□に同じ漢字を入れて熟語を作って下さい。

第1問  □屋、□数、□言
第2問  水□、□顔、簡□、□敵
第3問  採□、□団、特□、□計

読み方の問題です。

第1問 徒骨
第2問 徒花
第3問 小火
第4問 音呼
第5問 札片

答は次回にお知らせします。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会津若松 鶴ケ城

2012-04-10 05:46:54 | 歴史
落語の春風亭昇太さんは、お城巡りを趣味としており、その記事を「朝日新聞」に寄稿しています。3月29日の記事には会津鶴ケ城を取りあげていました。 以下に引用します。

築城名人蒲生氏郷や加藤嘉明たちが手掛けた名城が会津若松城。本丸に繋がる3ケ所の虎口(城の出入り口)を二の丸、北出丸、西出丸で守った好戦的な城で、北出丸なんて別名・皆殺し丸と呼ばれています。実際、戊辰戦争では籠城すること1ケ月。ついに西軍を寄せ付けず、開城はしたものの、籠城戦で城の実力を西軍にまざまざと見せつけた、不屈の会津人のシンボルだ。見事な石垣。天守閣の赤瓦。市内の阿弥陀寺には現存建物の御三階が移築されていますよ。

私も何度かこの城を訪れましたが、満開の桜が城の白壁や濠とよく調和してまことに美しく、天下の名城です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コンピューターは「成らず」を知らない

2012-04-07 06:07:25 | 将棋
コンピューターの将棋ソフトは、最近大いに進歩してプロ棋士に勝つまでになりました。将棋ソフトが「成らず」(裏になって、昇格することをやらない事)を知らないという話は、日本将棋連盟会長である米長永世棋聖の著書の中に書いてありました。米長さんは先日、コンピューター・ソフトと戦いましたが、戦う前にコンピューターの弱点を徹底的に研究しました。その際にコンピューターは「成らず」を知らないという事を発見しました。
つまり、下の図面の詰め将棋ですが、1秒に1800万手を読めるコンピューターでも解くことができないことを発見したからです。将棋を指す人間なら誰でも知っている「成らず」が、コンピューターにはプログラムされていない。従って、下の簡単な詰め将棋も解くことができないという事に気がつきました。
詰めるための第一手は「2三角成らず」でなくてはならないのです。
以下、2二玉、3二角成、1一玉、1二歩、同玉、2三飛成、1一玉、2二竜の9手詰めが正解だと思います。
さらに言えば米長さんと対戦したソフトの「ボンクラーズ」、このソフトの親ソフトである「ボナンザ」も「成らず」を知らないのです。また、私が持っているソフト「棋泉」も、「成らず」を知らないようです。
大駒(飛車と角)が敵陣の中で移動した時に、普通は「成る」ものなのですが、「成らず」を選択しなければならないことが稀にあります。それは「打ち歩詰めを禁ずる」(歩を打って玉を詰めてはいけないという将棋のルール)を回避して玉を詰める、極めて稀なケースにのみ有効になります。コンピューター・ソフトの開発者はこの事を失念しているようです。

米長邦雄 「われ敗れたり」 中央公論新社




コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする