yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

山号 寺号

2024-06-27 06:09:51 | 文化
昔、寺院はよく山頂にあったので、寺院の別称に山名を使います。
  それが山号です。浅草の観音様は金龍山浅草寺、上野の寛永寺は東叡
  山寛永寺、成田山新勝寺、延暦寺は比叡山延暦寺、高野山金剛峯寺、巨福  山建長寺、乙羽山清水寺、龍宝山大徳寺、高尾山神護寺、栂尾山高山寺、  黄檗山万福寺、宝珠山立石寺(山形)、萬松山泉岳寺、松岡山東慶寺 (鎌  倉)、身延山久遠寺、少林山達磨寺(高崎)、乾徳山恵林寺(甲州)拙宅の  近隣には、海上山千葉寺、名刹の坂尾山栄福寺があります。
   
  また、落語の「大喜利のお題」にも滑稽な山号寺号(さんごう じごう)
   があります。

   おかみさん 拭きそうじ
   看護婦さん 赤十字
   車屋さん  広小路
   自動車屋さん ガレ-ジ
   時計屋さん 今何時
   肉屋さん ソ-セ-ジ
   お医者さん イボ痔
   清子さん 水前寺
   南無三 し損じ
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 春夜喜雨 杜甫

2024-06-24 06:24:47 | 文学
盛唐の詩人、杜甫の五言律詩を紹介します。

 春夜喜雨

好雨知時節
当春乃発生
随風潜入夜
潤物細無声
野径雲倶黒
江船火独明
暁看紅湿処
花重錦官城

  「読み方」

 春夜 雨ヲ喜ブ

好雨 時節ヲ知リ
春ニ当ツテ乃(すなわち)チ発生ス
風ニ随ヒテ潜(ひそ)カニ夜ニ入リ
物ヲ潤シテ細ヤカニシテ声無シ
野径 雲ハ倶(とも)ニ黒ク
江船 火ハ独リ明ラカナリ
暁ニ紅(くれない)ノ湿(うるお)エル処ヲ看レバ
花ハ錦官城ニ重カラン
 
「訳」

よい雨は降るべき時節を知っており、春になると降りだして、万物が萌えはじめる。雨は風につれてひそかに夜まで降り続き、こまやかに音もたてずに万物を潤している。野の小道も雲と同じように真っ黒であり、川に浮かぶ船のいさり火だけが明るく見える。夜明けに、赤くしめりをおびたところを見るならば、それは錦官城に花がしっとりぬれて咲くいている姿なのだった。

「鑑賞」

35歳の杜甫は官を求めて都長安を出て放浪しましたが、48歳で四川省の成都に到り、浣花渓(かんかけい)のほとりに草堂を築いてしばしの安らぎを得ました。この詩は浣花草堂での春の雨をうたって、もの静かなうちにも喜びのあふれた作となっています。前半は春雨に育まれる自然を、後半は夜と翌朝の景をうたい、いさり火の一点の赤から紅の花びらへと拡散していく。詩句の中に「喜」の語は一つもないが錦官城(=成都)の町いっぱいに咲く花に目を細める姿が偲ばれます。

 石川忠久 「漢詩紀行」日本放送出版協会
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あふげばたふとし

2024-06-20 06:23:42 | 文学
「仰げば尊し」を旧仮名づかいで書きますと「あふげばたふとし」となります。昔の子弟関係は、現代とはややおもむきが異なり、仰ぎ見て尊敬される師と、頭をたれて教えを聞く謙虚な弟子という関係であったと、教師役を多く演じた俳優の武田鉄矢氏も憧れをこめて語っています。「頭(こうべ)を挙(あ)げて山月を望み、頭を低(た)れて故郷を思う」という李白の詩「静夜思」の情景を思い起こします。

以下は、嘗て、卒業式の定番として歌われた「仰げば尊し」に関する話です。従来この歌は、明治初期に、文部省音楽取調掛、高遠藩士の子弟、伊澤修二の作詞・作曲いわれていました。伊澤は、貧しい家で育った後、東京帝大に進みました。アメリカ留学中、ベル研究所で、友人の金子堅太郎と共に日本人で初めて、電話器を使ったということです。従って、世界で最初に電話器で話された言語は日本語であったそうです。金子堅太郎は、後に外交官となり、伊藤博文総理の命で、アメリカ大統領と大学の同窓という縁をたぐって日露戦争の終結交渉に貢献しました。
「仰げば尊し」の原曲についてはわかっておらず、長い間、小学校唱歌集における「最大の謎」とされて来ました。ところが最近になって、一橋大学名誉教授の桜井雅人氏が、この歌の曲の出典を突き止め、アメリカで19世紀後半に初めて世に出た「Song for the Close of School」、所謂「卒業の歌」の旋律が、「仰げば尊し」の原曲であることが判明しました。原歌には「師の恩」「身を立て、名をあげ」という歌詞は無いそうですが、私は日本の「仰げば尊し」の歌詞、曲、共に愛着を感じます。

 1.仰げば尊し 我が師の恩
   教(をしへ)の庭にも はや幾年(いくとせ)
   思へばいと疾(と)し この年月(としつき)
   今こそ別れめ いざさらば
 2.互(たがひ)に睦みし 日ごろの恩
   別るる後(のち)にも やよ忘るな
   身を立て名をあげ やよ励めよ
   今こそ別れめ いざさらば
 3、朝夕馴(なれ)にし 学びの窓
   蛍の灯火 積む白雪
   忘るる間(ま)ぞなき ゆく年月
今こそ別れめ いざさらば
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