南宋の詩人、「真 山民(しん さんみん)」の五言古詩です。
山中月
我愛山中月
炯然掛疎林
為憐幽独人
流光散衣襟
我心本如月
月亦如我心
心月兩相照
清夜長相尋
我ハ愛ス山中ノ月
炯然(けいぜん)トシテ疎林二掛ルヲ
幽独ノ人ヲ憐レムガ為ニ
流光衣襟ニ散ズ
我ガ心本月ノ如ク
月モ亦我ガ心ノ如シ
心ト月ト兩ツナガラ相照ラシ
清夜長(とこしな)エニ相尋ヌ
「訳」
私は山中にかかっている月が、木のまばらな林を照らしているのを愛する。この隠士である私を憐れむかのように、月光は私の襟のあたりを照らしている。私の心はもともと月のように自然で無欲、時勢にへつらうことなく、月もまた私の心と同じで、わが心と月とともに照らしあって、このすばらしい美しい夜をいつまでも尋ねるのである。
「鑑賞」
月の光に照らされて孤独な心を歌っている。澄みきった心が、月の光と照らしあっているのを平明に賦している。真山民の出身地などの詳しいことは不明。宋末の遺民で世を逃れ、人に知られることを求めず、自分で山民と呼んだのでこの名前が残っています。
「吟剣詩舞道漢詩集 律詩・古詩編」日本吟剣詩舞振興会
山中月
我愛山中月
炯然掛疎林
為憐幽独人
流光散衣襟
我心本如月
月亦如我心
心月兩相照
清夜長相尋
我ハ愛ス山中ノ月
炯然(けいぜん)トシテ疎林二掛ルヲ
幽独ノ人ヲ憐レムガ為ニ
流光衣襟ニ散ズ
我ガ心本月ノ如ク
月モ亦我ガ心ノ如シ
心ト月ト兩ツナガラ相照ラシ
清夜長(とこしな)エニ相尋ヌ
「訳」
私は山中にかかっている月が、木のまばらな林を照らしているのを愛する。この隠士である私を憐れむかのように、月光は私の襟のあたりを照らしている。私の心はもともと月のように自然で無欲、時勢にへつらうことなく、月もまた私の心と同じで、わが心と月とともに照らしあって、このすばらしい美しい夜をいつまでも尋ねるのである。
「鑑賞」
月の光に照らされて孤独な心を歌っている。澄みきった心が、月の光と照らしあっているのを平明に賦している。真山民の出身地などの詳しいことは不明。宋末の遺民で世を逃れ、人に知られることを求めず、自分で山民と呼んだのでこの名前が残っています。
「吟剣詩舞道漢詩集 律詩・古詩編」日本吟剣詩舞振興会