yoshのブログ

日々の発見や所感を述べます。

新宿、會津藩との縁

2017-09-29 06:38:54 | 歴史
東京都の新宿と、會津藩との縁について紹介します。それは内藤新宿と広沢牧場です。
内藤氏は、會津藩祖・保科氏と同じく信濃高遠の領主でした。江戸時代には新宿近辺に内藤氏の江戸中屋敷がありましたので、「内藤新宿」が新宿の通称でした。広沢牧場は、幕末に活躍した広沢安任が青森に開きましたが、後に新宿の地にも広沢牧場の出張所を開きました。
 広沢安任(やすとう)は天保元年(1830)に會津藩士の次男として若松城下に生まれ、学問優秀につき江戸の昌平黌に遊学し、舎長まで勤めました。藩主の上洛に随行して公用方として活動し、この間に、大久保利通などの諸藩の要人と知己になりました。會津落城のあと、青森県・斗南に移りましたが、農業に適さない土地であったため苦しい生活を余儀なくされました。そこで心機一転して、日本初の洋式牧場を始め、次第に軌道に乗りました。明治19年、安任は、東京豊島区淀橋村角筈(現在の伊勢丹デパート付近)に百間四方の土地を購入、小牧場と居宅を設けて住み、肉牛や乳牛を飼い、牛乳やバターやチーズを販売。いわば食生活の文明開化に貢献しました。道半ばではありましたが、明治24年に62歳の生涯を閉じました。安任の著書の一つ「開牧五年記事」には、福沢諭吉のめずらしい序文があります。「とかく文学者は理論に走り、議論するのみで実行力がない。広沢君は文筆家でありながら、最も困難な牧場経営を空論でなく実行して成果をあげられたことは誠に立派で、心から敬意を表する。諸人は見習うべきである」との大意の文で絶賛しました。

       塩谷七重郎 「悲劇の会津人」 新人物往来社
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九月十日 菅原道真

2017-09-26 05:20:04 | 文学
菅原道真公(平安時代)の七言絶句、「九月十日」を紹介します。

去年今夜侍清涼
秋思詩篇獨断腸
恩賜御衣今在此
捧持毎日拜余香.

去年ノ今夜清涼ニ侍ス
秋思ノ詩篇獨リ断腸
恩賜ノ御衣今此ニ在リ
捧持シテ毎日余香ヲ拜ス

「訳」
   思い起こせば、ちょうど去年の今夜は清涼殿で御宴に侍っており、他の臣たちとともに「秋思」の勅題を奉じて詩を作ったが、その折、心に憤り悲しむことがあったせいか、自分の詩だけが腸もちぎれんばかり悲しい思いに満ちていた。その詩が思いがけなく陛下の御感にあずかり、お召しの御衣を手ずから賜った。その御衣は今ここにあり、日ごとに捧げたてまつって移り香を拝し、ひたすら天恩の厚きに感じ入っているのである。
 
「鑑賞」
  九月十日は重陽の節句の翌日にあたり秋の好時節です。道真公が「秋思」の詩を賦して醍醐天皇の御感にあずかり、得意の絶頂にあったかのようですが、その実、宮廷において藤原一門に圧迫され、まったく孤立の状態に陥り、事ごとに悲憤の情に堪えないものがあったとのことです。「秋思」の一篇には、それが自然に表れていて天皇もいたく感動されました。しかし、この後、急転直下、道真公は讒訴により太宰府に左遷されました。

      「吟剣詩舞道漢詩集 絶句編」 日本吟剣詩舞振興会
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交友関係 あれこれ

2017-09-23 06:01:50 | 文化
交友関係を表現する言葉には色々あります。

「竹馬の友」  竹馬に乗る頃から共に遊んだ幼馴染。
「同窓、同門」 同じ学校で、または、同じ師について学んだ間柄。
「戦友、同志」 同じ目的を持って苦楽を共にする間柄。
「水魚の交」  水と魚のように切っても切れない関係。清潔なイメージがあります。
「同好の士」  趣味や志向が等しい友。客観的な表現に思われます。
「朋友」    「ぽん友」と読むと親しみがこめられます。
「刎頸(ふんけい)の友」 互いに首を斬られてもいいという程の深い交友。生死を共にする覚悟のある交友。普通、首を斬るなどということはありえないので、誇張表現とも考えられます。また、政治的、同志的な関係、時には悪事をも共にする関係というネガティブなニュアンスもあります。
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人事天命

2017-09-20 05:28:09 | 文学
「人事を尽くして天命を待つ」と読むのが一般的です。出典は南宋初期の儒学者、湖寅(こいん)が書いた「読史管見」の中にあります。「人事を尽くして天命に聴す(まかす)」です。

人間としてできる努力はすべて行った後、結果は天の命ずるところにゆだねると言う意味でしょう。運命に従うわけですが、努力を怠ることではありません。最後の結果は天の命ずることであるとして受け入れる覚悟をしています。
そのような心の持ち方を示しています。
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完全数

2017-09-17 05:20:36 | 科学
全数とは、その数自身を除いたその数の約数の合計がその数と等しい整数です。
例えば, 6,28,496などが完全数です。「万物は数である」と考えたピタゴラスが名付けた数の一つです。
6=1+2+3
28=1+2+4+7+14
496=1+2+4+8+16+31+62+124+248

大きい数ですと8128も完全数であり、1876年には77桁の完全数が発見されました。現在も大きい完全数を見つける競争がなされています。

物理学と完全数には、いろいろ縁があります。
  素粒子の元となっている、クォークの種類は、6種類あります。すなわちアップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、レプトンです。

宇宙を記述する方程式を導く計算の過程で496が何回も出現しました。それを見て、ある物理学者は、「神の啓示」と思ったり、神を感じたりしたそうです。
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リベラルアーツ

2017-09-13 05:09:36 | 文化
リベラルアーツ」の重要性に関して、榊裕之先生(豊田工業大学学長)が雑誌に、次のように書かれています。
我が国では、「リベラルアーツ」を「教養教育」と呼び、視野狭窄を防ぐために学ぶべき、理系人材向けの人文社会系の科目と文系人材向けの理数系科目の履修制度と誤解することが多い。しかし、元来は、論理学や哲学・数学や幾何学・天文を含む物理学など専門知識の基礎・基盤となる概念と方法論を学ぶものであり「基礎・教養教育と呼ぶべきものである。

 近年、大学の大衆化で学生定員と新設校が増え基礎・教養教育の質の維持が困難になっている。我が国は大学生の2割しか国公立大学に進めず、8割が私立大学に行く。私立大学では収入の過半を授業料に頼る実績から基礎・教養教育の質の維持が容易ではない。国公立大学
でも大学院重点化が進み、基礎・教養教育を軽視する傾向が強まっている。

 今後、日本や世界を先導する役割を果す指導者や専門家には、幅広く、深い学識を要する。
そうした高度人材を育成するには、急増する専門知識を履修させることは得策でなく、むしろ、多くの専門知識の基盤となっている基礎概念や方法論を習得させること、つまり、基礎・教養
教育をを行うことが最も有効であり、唯一の現実的な対応法である。国公立大学では、入試科目を見直すとともに、大学での基礎・教養科目の再点検と充実が必要となろう。

   榊 裕之 「電気学会誌」2017 Vol.137 No.9
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藤井聡太四段、森内九段に勝利

2017-09-10 05:25:35 | 将棋
去る9月3日(日)にNHK杯テレビ将棋トーナメント戦において、藤井聡太四段と森内俊之九段が対戦しました。森内九段は第18世永世名人資格保持者であり、将棋界のトップ棋士です。
重厚な棋風で、受けが強く、「鉄板流」(鋼鉄の受け)と言われている元・大名人です。この強敵に対して藤井四段は、「積極的に攻める方針」と言って戦に臨みました。そして、細いながらも、途切れるこののなく攻めを続け詰めあげて快勝しました。見事なものです。
 森内九段は「こちらが予想していない手を指され、感心した。」と振り返りました。
 藤井四段が公式戦で永世名人資格者と対戦したのは初めてだということです。しかも、全国への生放送という舞台で勝利したのは、衝撃的な出来事でした。
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全機

2017-09-07 05:39:25 | 文学
先日、仏教学者と物理学者の対談を聞きました。その中に「全機」「という言葉がありました。仏教学者は立教大学名誉教授の横山紘一先生、 物理学者は理論物理学を研究する東大の大栗博司先生でした。「全機」とは、道元禅師の「正法芽蔵」にある言葉だそうです。
「全機」は、すべての機能が完全に働いている状態。
  横山先生は、自然(動植物を含む)は、通常、全機で成立している、一種の理想状態
である、とのお話でした。人間にとっても幸せは全機。
  大栗先生も、ご自分の愛犬を含めて、すべての生きるものが全機状態は幸せという事に賛同されました。
  横山先生は全機に加えて、人が他人のために行動することが「幸せ」と述べられました。

  仏教と先端物理学は、異質の分野ですが、例えば「全機」という一致点があることを
教わりました。
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人工知能と人間

2017-09-04 05:29:26 | 文化
囲碁、将棋、チェスなどの知能ゲームの分野では、人工知能、AIが人間を圧倒していますが、他の分野でも、AIが人間を超えるか否かに関心が持たれています。
 AIにも不得意な分野もあります。AIに予め与えるデータは、おおむね「過去のデータ」のみです。従って、未来の予測は人間を上回るのが難しいという意見もあります。過去のデータから、どのような方策を発見し、将来に役立てるかを決定する過程には人間の力が不可欠かも知れません。
また、創造的な分野、すなわち、短歌、俳句、作曲、芸術などの分野は、AIが不得意な分野
だと思われます。
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千葉氏

2017-09-01 05:35:04 | 歴史
千葉氏は、板東八平氏(三浦氏、土肥氏、秩父氏等)の一つで、下総の豪族ですが守護大名からついで戦国大名になりました。平安時代の後期、1126年6月1日に千葉常重が、現在の千葉市中央区亥鼻付近に本拠を置いたことが千葉市の都市としての始まりと言われます。従って、千葉市は2026年に開府900年を迎えます。

なお、幕末の剣客、北辰一刀流の開祖、千葉周作は千葉氏の一族です。
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