山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

プリンターとインクの関係

2007-11-05 02:27:00 | 宵宵妄話

昨日と今日の2日間、旅の記録の印刷に振り回された。手作りの記録誌は、パソコンのワープロで作成したものをプリントアウトして作成している。今回は100ページを超す分量だったので、印刷枚数は3000枚を超える有様だった。この程度の量なら1日あれば完了するのだが、今回はそうは行かなかった。

我が家にはプリンターが3台ある。一つは事務用のものでA3ナビまでプリントすることが出来、かなり高速のものである。もう一つは写真のためのものでこれは専ら家内が管理している。そして3台目は携帯用の小型プリンターである。大量コピー時の印刷は大型のものに依存していたのだったが、何と今回はこの機械がゴネにゴネて、とうとう印刷を拒否してくれたのである。途中までは何とかなだめすかして動いてくれていたのだったが、半分にも至らない時点でどうにもならなくなってしまった。

機械物の修理には全く自信がない。ましてや電気や電子などという類は、触ったら最後決して元には戻さないという自信がある。修理に出しても時間がかかるだろうし、いまどきのプリンター類は修理の料金よりも買い替えの方が安いという感じがする。既に5年以上を過ぎており、元は取ったという気分もある。しかし、故障の度に買い替えるというのも如何なものかと、今回はやむを得ずスピードの遅い写真用の分を使って印刷を終えたのであった。

10日を超えるような旅の場合はその記録を小冊子にまとめて残すようにしているが、今回で13冊目となった。今まで一番分量の多かったのが写真の分を含めて80ページほどだったが、今回はそれをかなりオーバーしてしまった。余計なことを書きすぎるからなのかもしれない。これがプリンター故障の真因なのかも知れない。

途中でプリンターを換えたため、急遽インクを買わなければならなくなり、電気店まで往復したりした。予期せぬトラブルというのは、その解決に結構コストがかかるものである。時間の他にもこのようなインクの特別費などがあり、年金くらしの懐はますます軽く寒くなるのである。

ところで、今日言いたいのは、小冊子作りにおけるインクのバカにならない高さ(値段)についてである。ホンのちょっとしか入っていないインクが、何で千円もするのかと思わずにはいられない。インクジェットでないレーザープリンターのトナーなどは1万円くらいが普通となっており、あらゆるプリンターのインク類は全て高額だ。今回は100ページ余の冊子を30冊作成したが、これに要する費用の80%以上をインク代が占めている。紙代などは実に微々たるものである。どうしても一言文句を言いたくなるのである。

先日、インクの代用品を作って販売している会社が、特許権の侵害ではないかと提訴された裁判で、訴えた方の会社が勝訴したとの報道があったが、そのことの是非はともかくとして、消費者から見れば、ローコストの味方が一つ減ったなという実感は免れない。消費者のためにはならない裁定だった。世の中の全てが消費者のためにあるのではないと知っていても、プリンターとインクの関係を見る限りでは、消費者は明らかに巧みに虐げられているような気がしてしまうのである。

この業界では、プリンターが主ではなく、インクが収益の基盤となっているようだ。いわゆるセット販売と同じような発想だと思うが、こちらの方が数段上まっているような気がする。機械を売ればそれを使うためのインクという不可欠の商品が、その機械が使われなくなるまでずーっと売れ続けるのである。この基本関係をいかに巧みに作り上げ、継続させて行くかという考えは、新しい製品とインクの関係を見れば見え見えの明らかさだ。消費者はプリンターの値段の安さに気を許して買ってしまうのである。インクの値段などよりも、いい写真がプリントできるという機能に惹かれて買ってしまうのである。そのこと自体にはメーカーには何の責任も問題も無い。

しかし、しかしである。より多くその製品を使わせて貰おうとしたとき、消費者はインクの値段の壁に気がつくのである。ロクに使わない人にはインクの値段など大して問題ないかもしれない。まじめに使おうとしている者には高負担を強いるのである。ここに問題があるような気がするのだ。

プリンターの新製品が出る度に、インクの方も新しくなっていっている。確かに技術上の問題もあるのかもしれないが、それ以上に販売戦略上の発想が織り込まれているように思えてならない。インクタンクは小型化を指向し、色分けを増やして複雑にし、且つ独立タンクよりも一体型を優先させるというような考えで開発が進められているような気がする。

消費者のニーズに応えるという点では、確かにより鮮明な写真をプリントアウトするためには有効だとは思うけど、コストが高いという点ではニーズを汲んでいるとは思えない。機器本体の価格がコスト割れをしているのかどうか知る由も無いけど、より多く使う側からのニーズとしては、本体の価格が多少高くてもいいから、不可欠の消耗品であるインクについてはより低い価格を目指す工夫をして頂きたいと思う。

何はともあれ、とりあえずの印刷を終えてホッとしている。壊れたプリンターを修理に出すかどうか、新しく買い換えるとすればモノクロ印刷ならレーザープリンターの方がいいのかな、などと思いを巡らしているところだが、どちらにしても懐が痛むのには変わりが無い。本来の旅の話からは遠い、些(いささ)か、はらいせの話となりました。

コメント
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