山本馬骨の くるま旅くらしノオト

「くるま旅くらしという新しい旅のスタイルを」提唱します。その思いや出来事などを綴ってみることにしました。

百花繚乱の春

2008-03-29 02:07:34 | 宵宵妄話

人間の百花繚乱(ひゃっかりょうらん)の息吹は殆ど感ぜられないが、自然の方は桜の開花を始め、様々な樹木や野草たちが生命の輝きを放ち出している。この時期の散歩は格別に楽しい。今までその存在すらも目に入らなかった草たちが、いつの間にか新緑色に染まって、日溜まりの静けさを躍動の空間に変えていたり、裸坊主の枝しか見せていなかった樹木たちが、あっという間に蕾(つぼみ)を膨らませ、今日はその蕾を弾けさせて青空を染めている。

歳をとってきた所為か、春を待つ心が散歩の度に満たされるような気がしている。若い頃は春の物憂さや、けだるさのようなものが付いて回っていたのだが、最近は素直に大自然の移ろいを野草や樹木たちに感じて、それなりの感動を味わっている。

人間の生死とは無関係に、大自然は、逆らわぬものたちをそのまま受け止め、突き放している感じがする。それに耐えてここまで来た植物たちが、今年の春を迎え、今ここに生命の躍動を謳(うた)っているのであろう。そのありのままの姿が、何だか生死に大騒ぎをしている人間どもに警告を発しているようにも思え、立ち止まっては花に見入ったのだった。

今日も又一家無理心中のような悲惨な事件が起きており、人間社会の脆さ、危うさを改めて感じさせられた。もはや事件のコメントをする気にはなれない。ただ思ったのは、どんなに厳しい苦境に立たされようとも、もし、精一杯に花を咲かせているこの小さな野草に、生きることの意味を問うたのならば、無理心中などは決して起こらないのではないか。哀しいことである。

今日の散歩で出会ったたくさんの花の中から、幾つかを紹介したい。皆普通どこにでもあり、見かけるものたちばかりである。

  

  一番多い花のない草がヤエムグラ。右上の小さな白い花を咲かせているのがハコベ。そして右下の少し葉の大きいわずかにピンクの花を咲かせているのがヒメオドリコソウ。(判りにくくてごめんなさい)いずれもありふれた野草たちですが、この時期の鮮やかな新緑が目立ちます。

  

  守谷の遊歩道に多い白モクレンの花です。コブシの花も多いのですが、今日は青空に映える純白の花びらを強調したくて、この木を選びました。

  

  鮮烈な赤の目立つボケの花です。ボケは木瓜と書き、人間のボケとはとは無関係です。これも遊歩道に植えられているもので、毎年鮮やかに春を彩ってくれます。

  

  これも遊歩道にあるレンギョウの花です。黄色の花を咲かせる樹木の中では、トップ級でしょう。通常は短く刈り込まれていることが多いので、自由奔放な黄色を味わいにくいのですが、これは剪定を手抜きしてくれたおかげで、鮮やかさを堪能できました。

  

  コブシの仲間の、ヒメコブシのピンク花です。これは野生ではなく園芸用の改良種だと思います。民家の庭に植えられていたものを撮らせて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。

  

  道端に咲いていたスミレの一株。我が家の庭にもスミレは至る所に植えてありますが、この花の美しさは、このような忘れられたような場所にあるものが一番のように思います。春の到来を実感させてくれる野草の一つです。

  

  散歩道脇の土手に咲いていたキジムシロの花です。よく似た仲間にミツバツチグリがありますが、蔓を四方八方に伸ばすのがキジムシロの特徴です。ようやく花を咲かせ始めた状況のようです。

コメント
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