花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

いちゃもん社会

2007-06-12 22:52:14 | Weblog
 「朝から嫌なものを読んじゃったなぁ」、そんな感じでした。今朝の朝日新聞の天声人語のことです。先週の天声人語で、学校の先生に理不尽な要求を突きつける「モンスター親」と、そのせいで疲弊する教師が増えていることが取り上げられていましたが、これはその続編でした。今日は、「何様のつもり」と言いたくなるような横柄傲慢な人と、そんな人と接するためにひたすら感情を押し殺して「感情労働」を強いられる人について書いてありました。「肉体労働」、「頭脳労働」はそれぞれ肉体や頭脳を主として使う労働ですが、それらとは違い感情を酷使する「感情労働」者がサービス業全般に広がっており、日夜、堪忍限界ギリギリの状況で働いているそうです。また、天声人語氏は、理不尽を言う人が言われる立場になることもあると言い、『弱い立場の者をストレスのはけ口にする、やるせない「堂々巡り」が透けて見える』と書いています。これぞ丸山眞男の「抑圧の委譲による精神的均衡の保持」にほかなりません。 確かに、一旦上下関係の上に立つ、あるいは相手が下手に出ると恥じらいもなく暴君になり、逆に自分が下になれば、また恥らいもなく阿諛追従の人となる、おそらくそのような人を、誰でも何人かは指を折って思い浮かべることが出来るのではないでしょうか。夜の新橋では、毎晩そういった人を肴に「堂々巡り」のはけ口を求めて酒を飲んでいる人がいそうです。
 朝から眉をひそめたくなるような気持ちになる天声人語でしたが、せめてこれら傍若無人の輩を他山の石として、少なくとも自分は「堂々巡り」の片棒は担ぎたくないし、他人に正当性に欠ける要求はしたくないと思いながら出勤の途につきました。