花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

なろう、なろう、明日は猛虎になろう

2007-07-06 23:27:14 | Sports
 5日、阪神タイガースは4安打の貧打でスワローズに連敗、借金7の4位に低迷している。でも最近、タイガースの試合を結構楽しんでいる。決して、マゾとか同類相憐れむとかじゃなくて、新顔の選手が続々と出てきているからだ。例えば、5日の敗戦投手、若竹はプロ初登板であった。今朝の朝日新聞には「若虎・若竹 手応え得た」と題して、「2年目の19歳、阪神の若竹は悔しさとともに手応えを得ていた。初登板は5回3失点。しかし、2回以外はすべて三者凡退に抑えた。緩急をつけて、芯を外す。136キロのあと96キロのカーブを空振りした鈴木健は苦笑い。首位打者の青木もカーブで空振りの三振。完全に泳がせた。・・・」とある。
 今年のタイガースは成績が振るわないせいか、若手の登場機会が増えている。投手で言えば若竹以外にも、ルーキー・上園がなんだかブレイクしそうな投球内容を見せている。野手では、今年クリーンナップの一角に一気に割って入った林が台頭若虎の代表格だが、怪我をした矢野に代わり、与えられたチャンスをしっかりものにしたキャッチャー・狩野もいる。昨日のゲームでスタメン出場した庄田、そのほかにも俊足・赤松、未来の大砲候補・桜井など、鳴尾浜で鍛えた若者が次々と上へあがってきている。負けが込んでも、Bクラスに落ちても、誰がレギュラーを掴み、虎の救世主となってくれるのかを想い描きながら、すぽるとを見ることが出来る。
 もっとも、沢木耕太郎の「敗れざる者たち」(文春文庫)所収の「三人の三塁手」や後藤正治の「私だけの勲章」(岩波同時代ライブラリー)に収められている「最後のひと振り」を読むまでもなく、プロ野球の世界が甘くないのは分かりきっている。「三人の三塁手」の難波と土屋、「最後のひと振り」のドライチルーキー・野上のくだりを読むと、プロの世界で生き残ることがどういうことなのかが、ひしひしと伝わってくる。1軍にあがってきて少しくらいいいところを見せたって、そんなもので喜んでられる訳はなく、いつまでたっても1.5軍の選手もいれば、2軍に戻されてそのままの選手もいる。と言うよりは、そういった選手の方が圧倒的に多い。難波、土屋、野上もそういう選手だった。でも、やはり新しい選手がレギュラーの座をもぎとろうと頑張っているのを見るのは楽しい。どっかから完成品を買い揃えてきて出来たチームでは味わえない楽しさだ。
 このところタイガースはずっとペナントに絡んできたので、一戦一戦の結果や1位2位のゲーム差に関心が行きがちだったが、今年はちょっとゆったりとした野球の見方が出来そうだ。朝日新聞の若竹に関する記事は次のように締めくくられていた。「一発の洗礼も浴びたが、次の登板に期待を膨らませる69球だった。」