おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

PST Hα望遠鏡用 Binocular Platformを製作しました

2013-01-31 19:06:15 | Hα太陽望遠鏡関係

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去年の秋頃からご依頼をお受けしていたのですが、やっと形になりました。基本構造は「Howie Glatter Solar Telescope Binocular Platform」に類似していますが、調整方法は独自で考えて一からの製作です。そのまま真似をして作れば簡単でしたが、それでは物づくりの楽しさが半減することもあり、敢えてしんどい一からのデザインをしました。

製作後に太陽観測で機能と使い勝手を検証しましたが、概ね良好です。今回ご依頼いただいた方は、画像のように片方のみダブルスタック仕様にしたい、とのご要望でPSTとPSM40も当方で良い個体を探しました。使った結果、片方のみダブルスタックでも十分その効果があることを確認できました。片方の眼にしかそのイメージは見えていませんが、ちょっと慣れてくるとさも両目でダブルスタックPSTを見ているようなイメージに見えてきます。

これは新しい発見でした。当初片方だけはどうかと思いましたが、十分これで使えることが分かりご依頼者様にも喜んでいただけるはずです。ダブル+シングルでは中間的な明るさで見ることができました。両方ダブルだと口径40mmなのでかなり暗くなり、細部の状態が分かりにくいですが、片方がシングルの明るさを保っているので、その暗さを補ってくれるようです。

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本来なら本家本元のHowie Gratterの製品を購入すれば、わざわざ作るまでもなかったのですが・・・、同社の社長さんが体調不良だそうで、もうしばらくは販売できないということを米国ディーラーを通じて知ったことが製作するに至ったきっかけです。

しかし、今回製作してみて分かったことは、この種の構造を応用していけばいろいろな双眼望遠鏡などにも使えるようなBino-Platformを作れるということです。ただし望遠鏡を2本並列させただけでは機能しないので、接眼部も双眼仕様にする必要があります。この部分はちょっとハードルが高そうです。

いずれにせよ、僅か40mm口径の太陽望遠鏡ですが、2本並べて双眼で観測することで単眼では見えなかったものが見えてくることもあるでしょう。人の眼は二つあるのが普通ですので、本来片方の眼だけで観測しているのはいかにも不自然です。眼が二つあるなら覗くところが二つ、望遠鏡も二つ・・・あるのが自然でしょう。

このPST用Bino-Platformは、近日中にカラーアルマイト処理をしてご依頼者様の元へお届けすることになります。


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