おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

米国Meade Instrumentsの破産保護等について

2019-12-24 17:53:02 | ミード関連の加工改造
ここ最近天文業界で大きな話題となっているのは、米国大手天体望遠鏡メーカーのMeade Instrumentsの大きな破産についてです。私も最近知ったニュースですが、聞いた話では米国Orion Telescopes&Binoculars社から不当に価格操作をしているとの事で訴えられて敗訴した事により巨額の負債を抱えてしまったという事です。それにより破産保護申請をしたそうで、その債務が数千万ドルにもなるそうで、他から聞いた話では1600万ドルにもなるそうです。これ以上の詳しい事は分かりませんが、今後色々なところから新たな情報が出てくるでしょう。

この件ではまだ日本の代理店が正式にアナウンスしていないようですが、今朝米国のMeade代理店に聞いてみたら、業務は現在も継続しており、実際の営業には大きな影響は無いとの事でした。ただ一番心配だったのは、現在修理に出しているCORONADO関連の部品ですが、それも半数は既に修理が終わっており、残りも修理を行っているので年明けくらいには終わるだろうとの事でした。何れにせよ、心配は無いので引き続き製品の修理対応は可能であるとの事でした。その話を聞いて安心しました。現在修理を受けている物については、来月渡米した際に引き上げてきます。

Meade社は、その長い歴史の中でアマチュアが使う天体望遠鏡を安価に供給し続けてきましたが、幾つもの驚くような新製品を市場に送り続けて、またその価格も驚くべきものでした。日本ではあり得ない構造と機能を持った製品を多く作り続けてきたメーカーとしては世界一の望遠鏡メーカーと言ってもいいでしょう。Meadeと肩を並べて優秀な天体望遠鏡を作り続けているCelestronも同様な製品づくりで天文の世界をリードしてきました。そのCelestronは日本のビクセンと共同で今後のビジネス展開をしていくと思いますが、世界のファンを驚かせるような新製品を作って市場に出して欲しいものです。

来月末に渡米した際にさらなる情報が得られると思いますが、しばらくは静観して見守っていこうと思っています。

Big News

2013-05-23 19:01:55 | ミード関連の加工改造

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先日、米国から驚くようなニュースが入ってきました。

光学機器メーカーとしては世界有数のMeadeが合併吸収されたようです。資金を提供したのは、日本でも知っている人は知っている中国の光学メーカー「JOC」だそうです。ここで製造された光学製品は日本でも販売されているので、その世界で仕事をされている方なら知っているメーカーでしょう。その買収に必要な金額は450万ドルだそうです。

これにより、MeadeがJOCに社名変更をすることは無さそうですが、問題はこれまで販売してきた製品のサポートや従来品の販売が続けられるかです。また太陽望遠鏡のCORONADOもMeadeですので、引き続き販売やサポートが継続されるかユーザーさんには心配でしょう。しかし、今朝米国の友人と話した際には、SyntaがCelestronを買収した際と同じで、社名も内容も変わらず続けられるだろう・・・との意見でした。


また、渡米した際には食事をしたりいろいろ意見交換しているExproler Scientificの代表スコット・ロバート氏が、合併後にはMeadeの経営、管理に関わってくるそうです。彼は2007年までは同社の副社長だったこともあるので、彼が経営陣に入り込むことには何の違和感もないでしょうし、それを遮ることもないでしょう。彼の経営手腕とその人柄は、天文業界では良く知られています。

いずれにしても、JOCとMeadeの合併は業界的には歓迎されると思いますし、より大きな資金が投入されることになるので、これまで出来なかった新たな物づくりが期待できるでしょう。またES社の代表がそれに加わることで、今までは良くなかったその管理体制も一新されて、よりよい製品を私達に提供してくれるのではないでしょうか。そうなることを願ってはおりますが・・・。


Meade 改造ライトブリッジ40のその後

2010-12-28 09:54:52 | ミード関連の加工改造

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先日無事に完成してお渡しした「改造ライトブリッジ40」の画像を使用感と共に送っていただきました。元々中に納まっていた主鏡と斜鏡をそっくり入れ替えるという改造でしたが・・・、当初40cmのF値が異なるだけなので簡単に考えておりましたが・・・、実際にやってみると意外と面倒でした。しかし、幸いにもきちんと観測できるものに仕上げてお届けできたことは幸いでした。ご依頼いただいた方にも喜んでいただけたようで、こういう改造や製作は最終的にきちんと使えてご依頼者様が満足してくれることが大切です。


今後はさらに自動導入化を進めて、さらに使いやすい機材にされることを目指されるそうです。当日引取りに遠方から来ていただきましたが・・・、ご家族もご一緒されておられました。こういった趣味の世界はご家族の理解と協力が不可欠です。今後も末永くご愛用されてご家族共々楽しまれて欲しいものです。


改造ライトブリッジ40その後ーバランスウェイトの製作

2010-12-15 17:50:09 | ミード関連の加工改造

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ほぼ完成している状態ですが、最後に延長することでバランスが大きく崩れたものを調整するためのウェイトシャフトとウェイトを製作して装着しました。3個写っていますが、それぞれが約2kgありますので、トータルで6kgあります。この状態でほぼ完全にバランスが取れています。手でホールドせずとも、同じ位置を保っています。ウェイト3個のうち、1個はビクセンGP用を代用しています。

これで、改造ライトブリッジは何とか無事に完成して、月末に納品予定です。このライトブリッジ40の元鏡筒は前所有者様が内部やパイプのあらゆるところまで植毛紙を貼っていますので、大変良く出来ています。貼り方も非常に綺麗で、まるで元からあったような感じです。

これが無事に納品できれば、来年早々から40cmトラベルドブソニアンの製作にとりかかります。もう、デザインはだいたい出来上がっていますので、加工に入れば早いです。当初予定していた、20kgというのは、厳しいかもしれませんが、何とか近い数値にはしたいと思っています。私の場合は、オセアニアへの渡航で、マックス23kgX2=46kg受託手荷物、また機内持ち込みも7kgX2個=14kgは許可されますので、トータルでは60kgの機材を持っていくことが可能です。普通はこの半分の30kgです。ということで、パッキングした状態で23kg~25kgが目標値です。


改造ライトブリッジ40その後-加工関係が終了しました

2010-12-12 10:41:26 | ミード関連の加工改造

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昨日、やっとジョイントのアルマイト加工が終了して本体を組み上げました。パッと見ても、どこを改造したのか直ぐには分からないくらいに仕上がっていると思います。以前より20cm以上延長しておりますので、天頂付近は脚立が無いと接眼部が届きません。今日は、いよいよ主鏡セルを取り付けて、斜鏡も取り付けての調整作業に入っていきます。これで問題なければ近々納品となるでしょう。本加工をお受けしてから約3ヶ月を要しましたが、ようやく完成となります。何分にも慎重な作業をしておりましたので、予想以上に時間がかかってしまいました。今日は天候も良いのでじっくり作業をしていきます。

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飛び出したイモネジは最後に短い目立たないものに交換します。この部分も調整時にレンチを不用意に主鏡に落下させないように外側に位置するようにしています。まあ、こんなのは常識ですが・・・。


改造ライトブリッジ40その後-鏡筒延長ジョイント

2010-12-09 18:59:38 | ミード関連の加工改造

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本日やっと、鏡筒を伸ばすためのジョイントが完成しました。明日、アルマイト加工へ出してから、切断したオリジナルの鏡筒パイプに圧入して組み上げていきます。このジョイントだけでまるまる2日かかって加工しました。当初、パイプのどの部分を切断して装着するか考えていましたが・・・、鏡筒を延長することで、バランスが筒先へ移動しますので、主鏡側から20cmのところからカットして装着することにしました。たぶん、それでもバランスが十分でないので、主鏡側に何らかのウェイトを取り付ける必要があるでしょう。それは、完全に組み上げてから考えていきます。

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このジョイントはパイプの数だけありますので、6本あります。それぞれが2つのパーツからなっておりますので、トータルで12個のパーツ数になります。この1ジョイントだけでも普通に製作すれば2万円は最低でも請求される加工です。しかし、現実にはそこまでの請求をするつもりはありません。私自身も勉強を兼ねてやらせていただいているような改造製作ですので、自分でも楽しみながら、ご依頼者様に満足していただけるものをお作りしたいと思って、日々やらせていただいております。これで実質的な機械加工は終了しましたので、後は調整作業に入っていきます。完成間近です。


改造ライトブリッジ40その後-鏡筒の伸長作業

2010-12-08 18:53:26 | ミード関連の加工改造

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ライトブリッジの鏡筒パイプがこんなになってしまいました。F4.5-F5.0の主鏡に載せかえたために、鏡筒の全長を20cmほど伸ばすことになって、そのためにパイプを切断しました。伸長作業をするのに、何処を伸ばすのが良いか、いろいろ悩んでおりましたが・・・、最終的にパイプを作り変えるか、パイプ自体を何らかの方法で伸ばすことにしました。

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結果、パイプを一旦切断した上で、その中間にジョイントを製作して伸長した上で繋ぐことにしました。ただ繋ぐだけでなく、後から微調整ができるように調整機能を持たせた構造にしています。このジョイントは全部で12点のパーツになっており、既成品はありませんので、全て加工製作します。今週中にはジョイントも出来て、いよいよ組み立てに入ります。その後に調整してから問題なければ納品となります。長いことお待たせいたしましたが・・、何とか年内にお渡しできそうです。


改造ライトブリッジ40その後-主鏡セル金具

2010-12-04 16:50:52 | ミード関連の加工改造

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先日も書きましたが、主鏡が厚くて従来の主鏡押さえ金具が使えませんでしたので、新たに製作しました。画像の左が標準金具です。主鏡が7mm厚いために、その分金具を長くして同じように作りました。材質は鉄ですので、外気に触れると錆びますので、加工後に錆び止め、黒塗装をしています。

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サイズはドンピシャで主鏡を固定できました。また、主鏡が1mm大きいのは、セル内側に貼ってある1.5mmのコルク板を異なる素材で1mmにすることで、セルと主鏡をピッタリにすることができました。

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これで、完全に主鏡がセルに収まりましたので、ネクストレベルへ進むことができます。来週からは鏡筒の延長作業に入っていきます。最も重要な作業ですので、調整しながらきっちりやっていきます。今日は土曜日ですが、私の場合は休みというのがありません。つまり年から年中仕事やら何やらやっているわけで、酷いときには寝ている時でも製作品のデザインを考えています。そういったリラックスしている時のほうが良いアイディアが浮かぶものです。


双眼望遠鏡用にLX-200GPS-30自動導入架台(2)

2010-11-14 12:13:40 | ミード関連の加工改造

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この架台にどの鏡筒を載せるか考えてみました。できれば5インチED屈折鏡筒を載せたいのですが・・・サイズが32cmほどしかないので、5インチ2本となるとフード部が大きいと互いに干渉するかもしれません。また、F値が大きいと長いので、それもダメです。

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今考えているもので、身近にあるものはエクスプローラー・サイエンティフィック社の「ED102」鏡筒です。トリプレット3枚玉で、これと同種の鏡筒は日本でも販売されているようで、「MAXVISION」と同型鏡筒だと思います。価格的にもケース、バンド、ファインダー付きで1000ドル程度で購入できます。架台の耐加重も12インチが約15kgほどですので、この鏡筒2本とバンド類でも10kg程度でしょうから、全く問題ありません。


この架台には当然三脚があるのですが、20cm/25cm用より大きく、かなりゴッツイものです。12インチを載せるにはこれくらいでいいかもしれませんが、双眼望遠鏡用にはもっと小さくていいので、手元にあるLX-200/20用の新品三脚があるので、これを使う予定です。


この種の改造はアメリカなら結構あるのではないか・・・と考えていたら、実際にはそうでもないようで、スタッフが言うには、日本同様でエンコーダーとデジタル表示器を使ったスタイルが一般的だそうです。GOTO仕様というのはあまり見かけないそうです。しかし、このアイディアは間違いなく受けるので、”製作したら米国のスターパーティーでお披露目をしたら大好評だよ!”と言ってました。


9月の「PATS」でビクセンのブースで「ミードのBT80AをLX-200クラシック架台に載せ変えた」ことを話したら、”それはいいアイディアだからミードから架台だけを出してもらって、BT80などを載せて米国で販売すればいいよ”とかなり乗り気でミードのブースで話をしてくれたのですが・・・、”良いアイディアだけど、架台だけを出荷することはできない”と断られてしまいました。


この話も需要があるものであれば、最初からミードの製品として製造販売するのでしょうが、業界的には高価な製品で扱いも難しいものになってくるので、需要ということを考えると厳しいのかもしれません。いずれにせよ、帰国したらじっくり考えてデザインをするつもりです。


双眼望遠鏡用にLX-200GPS-30自動導入架台

2010-11-13 12:18:41 | ミード関連の加工改造

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以前から欲しいと思っていたLX-200GPSの30cm用架台です。本来は12インチACF鏡筒が載っていましたが・・・、双眼望遠鏡を載せかえるために敢えて架台から外しました。そうでもしないと架台だけでは売っていません。20cm用のクラシック架台は結構前にこのブログにもビクセンBT80Aを載せて状態でお披露目しましたが、さらに大きな機材を載せるには30cm以上の架台が必要でした。新品はさすがに気がひけるので、中古が入るのを待っておりましたところ、運良く入手できた次第です。


以前にもセレストロンCPC、ネクスター架台で同じことをしようと思っていましたが、肝心な導入精度が全然良くなかったので、3台持っていたCPCは全て処分しました。この種の改造をするには経験上ミードのLX-200が最も導入精度が高くで最適でした。今使っているLX-200/BT-80Aは視野中央にドンピシャです。LX-200GPSもほとんど同じな上にGPS付きなので、さらに期待できる上に、ワイヤレスコントローラーも使えますので、さらに便利使いやすいです。


この架台は自分が使うというより、鏡筒を載せるベースを製作した上で希望される方にお譲りしようと考えております。或いは、今使っているBT80AーGOTO架台もろとも放出して新たにこの架台を使ったものを製作して使うかもしれません。興味のある方がおれらましたらお知らせください。