おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

PENTAX MS-3/3n用カメラ三脚アダプター

2010-02-28 11:01:47 | ブログ

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何を思ったのか・・・、こんなものを製作しました。以前から作りたいと考えていたものです。海外遠征に持って行く方はそれほど多くはないと思いますが、あれば便利かと思って作りました。ペンタックスMS-3は私も使っていますが、大変良くできています。さすがに日本が誇る光学メーカーが作った製品です。内部構造も天体望遠鏡メーカーでは考えないような構造になっています。ハンドコントローラーも秀逸で、いかにもカメラメーカーが製作したというデザインです。

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このアダプターはカメラ三脚に乗せるためのものですが、P-2カメラ三脚アダプターより遥かに手間をかけて製作しています。パーツは上の2点からなっています。右のパーツをカメラ三脚に取り付けておき、MS-3に取り付けた左のパーツを三脚に取り付けた右のパーツ上に乗せて横のネジを締めて取り付け完了です。横の2箇所のネジを調節することで回転装置も兼ねています。ネジは少し緩めたくらいでは抜けないように抜け止め防止加工をしています。

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アダプターはアルマイト加工も可能です。実際に取り付けた感じですが、純正三脚とほぼ同じ強度は保っていると思います。もちろん使用する三脚にもよりますが、ベルボンマーク7クラスやジッツォーなどのハイクラス三脚を使うことでより強度は上がります。カーボン三脚は軽量で良いですが、使用する撮影システムなどを考えて最適なものを選択すればいいでしょう。純正三脚は組み立てが面倒で、重量規制の厳しいオセアニア方面に2本の三脚を持っていくのはあまりお勧めできません。しっかりしたカメラ三脚を1本と、小型の1kg前後の小さなカメラ三脚1本が最適な組み合わせです。オセアニア方面は既に十数回以上は遠征していますが、赤道儀の三脚を持っていったことは一度もありません。万が一の場合には海外現地のカメラ店で中古のカメラ三脚が買うことができます。

海外遠征時には常に万が一のことを考えて現地でも入手できるパーツを使うようにすることがトラブル防止上必要なことです。ウェイトなどもリフティング用のウェイトを使ったり、ペットボトルを使ったり・・・というのは、私以外でも多くの遠征経験者がそれぞれ重量節約などを考えて実践されていることです。


Meade LX-200/BT-80自動導入双眼鏡が完成しました!

2010-02-27 16:47:05 | ニュース

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やっと念願かなって大型双眼鏡の自動導入化ができました。LX-200クラシックの20cm用架台にビクセンBT-80双眼鏡を載せ変えました。思った通りベストマッチングです。BTの重量も20cmシュミカセとほぼ同じくらいなので駆動系に余計な負担にもなりません。電源を投入して動かしてみましたが、なかなかいい感じです。後は実際の観測で試してみるだけです。

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後は、BTのホルダー部分を黒アルマイト加工してファインダーを取り付けて完成です。BTの装着方法はいろいろ悩んだのですが、結果的にLXアームとBTホルダーを最適なこれ以上はない形で装着できました。水平もきっちり出ていますので、自動導入精度は元の改造前とほぼ同じでしょう。

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この改造で得られるメリットは大きいはずです。私は彗星捜索などはしませんが、緯度経度を指定してその場所の捜索をきっちり行えることや、天体を発見した時の赤経赤緯が正確に知ることができることは捜索者にとっては大きなメリットでしょう。他には広い範囲を双眼で観測しながら追尾もしてくれます。赤道儀に双眼鏡を載せると取り付け方によっては接眼部が横になったり斜めになったり・・・と大変見ずらいですが、経緯台なので常に接眼部は水平な状態で見ることができます。私の場合は観測会などで使ったりお気軽観望を楽しんだり・・・で使います。

今回初めてやりましたが、これを機にさらに大型双眼鏡などを載せて使えるような改造もしていきたいですね。もしブログを見てご要望があればコメントからお知らせください。LX-200/BT-80GoTo Mountはまた使ってみた感じをリポートいたします。


GOTOテレスコのワイヤレスコントロール

2010-02-26 12:00:11 | ブログ

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今話題になっているiPhone用の「SkyVoyager」アプリです。3GSを使っているのですが・・・、最近になって星ナビのHPでこんな便利なものが出ていることを知りました。プラネアプリは数種類あるのですが、テレスココントロール機能があるのはこのスカイボイジャーと「StarMap Pro」のようです。両方とも入れていますが、まだテレスココントロール機能は未体験です。

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2種類のアプリの内、スカイボイジャーはワイヤレスコントロール機能に対応しています。ただし、別売りの「SkyFy」ワイヤレスユニットが必要です。現在発売元の「Carina Software」でもバックオーダー状態のようで簡単には入手できそうにありません。一応、米国ショップへオーダーを出していますが、間に合えば来月中旬頃には入手できるでしょう。

現在はミードLX-200GPS/25をワイヤレスコントローラーで使っています。大変便利で、元には戻れないくらいです。最大30mほど離れてLXをワイヤレスでコントロール可能です。私の使い方は、TGV-Mにワイヤレストランスミッターで室内へ映像を飛ばして室内で星雲星団のお気軽観望をしています。ツアーモードを使うことでテレビの大画面に次次と映し出される星雲星団のアップに大感動です。

ワイヤレスコントローラーはミードの純正品ですが、スカイボイジャーのように星図表示機能などはありません。単純にオートスターコントローラーをワイヤレスにしただけです。実際のところ星図表示機能は私の用途ではそれほど必要としてはいません。

スカイボイジャーは旧LX-200でも使えるようなので、LX-200/BT80Aが完成したらワイヤレスにして使ってみたいところです。


ビクセンGPピアー脚のポータビリティー化

2010-02-25 22:39:22 | ブログ

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先日、ビクセンGPピアー脚のポータビリティー化の加工をお受けいたしました。ミードのピアー脚の同加工を見て同じようにして欲しいとのことでしたので、画像のような加工をいたしました。この加工をすることで、脚を付けた状態で車での移動が楽になるのです。ピアーを運ぶのに通常は脚を外してポール部と別々にすると思いますが、それでは観測地で暗いさなかに組み立てるのに時間がかかって面倒です。しかし、ポール部を画像のようにセパレートできるようにすることで、脚部は組み上げた状態でも場所をとらずに車に積み込みが可能になります。

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短いほうに脚が付きます。組み立ては右のポールを短いポールに乗せて手前のネジで固定するだけです。工具は要りません。基本的にどのピアーでも改造はできますが、あまり長いものは適しません。分割しても強度はほとんど問題はありません。私が使っているミードのピアーもLX-200/25GPSが乗っていますが、30kgを乗せてもビクともしません。

ピアーのポータビリティー化改造をご要望の方はコメント欄からお知らせください。ただし、現在他の加工ご依頼がいくつか来ておりますので、通常より少しお時間を頂戴いたします。


ビクセン赤道儀から製作した微動マウント

2010-02-24 11:05:19 | ブログ

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上の画像はSP赤道儀の極軸ユニットを極軸部から下を切断して新たな微動マウントとしたものです。同じものは以前にビクセンから販売されていました。このマウントはGOTO Mark-X極軸ユニットを乗せて使っている方が多いと思います。

極軸ユニットを切断した後にフライス加工できちんと仕上げた上でベースプレートを取り付けてからマークX用プレートを取り付けています。残った極軸ユニットはそのままではもったいないので、モーターを取り付けてSPポータブブ赤道儀として使えます。

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こちらはGP赤道儀の極軸ユニットをSPと同じように切断してプレートを乗せています。構造は基本的に同じですが、SPより若干加工が面倒で、切断箇所が極僅かしか幅が無いので切断時にミスをすると使えなくなる可能性があります。高度調整ボルトの前面部に固定プレートがあるので使い勝手は良いです。

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最後はご質問もありましたGPD赤道儀から製作したもので、これは以前にヤフオクで落札されました。上2機種よりガッチリしていますので、スカイメモNSかRにベストマッチです。ベースプレートはスカイメモ用に大きく作っています。こちらも構造的にはベースプレートと固定プレートのプレート2枚付いています。ただし、スカイメモを乗せる場合にはベースプレートだけで十分です。横のプレートはマークXかその他のポータブル赤道儀用です。ヤフオクで落札された方からは「以前からこんなものが欲しかった!」と喜んでくれました。

スカイメモ用の大型微動マウントは大きいだけで使い勝手は良くありません。三脚も強度的に大型レンズなどを保持するにはやや力不足の感じがします。かといって私も使っていますが、マンフロット410雲台はもっと弱いのでこういった改造をして強度とコンパクト化を追求する必要が出てきます。特に海外遠征ではそうです。私も春からの南天遠征用に新たな微動マウントを考えています。このGPDマウントも良いですが、難点はビクセンの三脚しか使えないということで、可能であれば一般的な写真用三脚を使えるようにすることです。

当初、どこかの製作所が作ったポータブル三脚を作ることも考えましたが、製作コストも考えるとちょっと難しいので、あくまで微動マウントのみ製作するほうが良いと考えました。ただし、全く諦めている訳ではなく、低コストでシンプルな構造のものは考えています。海外製品にヒントがありましたので、そこから発展させていこうと思います。

上記のような加工をご依頼の方がおられましたら、どうぞお気軽にコメント欄よりお知らせください。お待ちしております。


Nikon 10cmED屈折望遠鏡とNAV-SWアイピース

2010-02-23 22:16:35 | ブログ

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今日初めて先日発売されたニコンの新型NAV-SWアイピースを使って撮影をしてみました。もちろん鏡筒は名機「Nikon 10cmED屈折望遠鏡」です。かねてから試したいと思っていたものですが、天候などにも恵まれてやっと月面の撮影ができました。まあ、400万画素のコンパクト機による手持ちコリメート撮影ですが、手ぶれは仕方ないとして良く写っているようです。

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ニコン10cmは先日完全リストアして戻ってきたばかりで、最近やっと外で実観測ができるようになりました。やはり名機と言われただけあってことのほか良く見えます。ついでに火星も見ましたが、条件も良かったのかもしれませんが、NAV-7mmで見た像はしっかりしていて表面の模様やアイスキャップが良く分かりました。どうやら相性は素晴らしく良いようです。像面の端から端までフラットフィールドです。

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NikonのNAVアイピースは全種類購入した他に、来月12日に発売になる10mmと1.6Xテレコンも予約しています。ショップに聞いたところ、かなり売れているそうで、私のようにNikonの10cmEDなどで使いたいと購入される方が多いそうです。最近はヤフオクでも旧タイプのオルソーが高騰して手が出せないほどになっていますが・・・、同じ値段ならこちらのほうが使いやすく性能も優れているので良いと考えています。

3枚の画像はブレもあり単画像ですので、このニコン用のNAVが使える拡大撮影用アダプターを特注で製作する予定です。またWebカメラでの撮影もできるようにする予定です。


タカハシEM/GP架台は大好評です!

2010-02-23 18:51:49 | ブログ

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おかげさまで、EM/GP回転架台は大好評いただいております。オークションだけでなく、こちらのテレスコ工作工房からもオーダーを頂いております。以前に製作したTakP-2TADもかなりの数が出ましたが、それに匹敵するかもしれません。オーダーを頂いた方からは「こんな商品が出ないか・・・待ち望んでいました!」とメールを頂戴いたしております。有難いことです。まあ、ほどほどに売れればと思っておりましたが、思った以上の反応でした。

この架台は私自身も使っていますが、三脚設置後に極軸合わせをしたいときに方位調整では調整範囲を超えて回転が必要な時には回転装置としての機能を持っていますので、下部ボルトを緩めてある程度北へ向けてから赤道儀の方位調整ボルトで調整すればいいので、三脚の向きを気にする必要が全くありません。せっかく水平をきちんと出してからまた北へ向けるために動かすと再度暗いところで水平だしをする必要がありますので、大変面倒です。タカハシ純正の回転機能付き架台は3万円もします。また従来の木製三脚を使わないといけないので、汎用性にかけますのであまり欲しい方はいらっしゃらないかもしれません。

このEM/GP回転架台はGP系のHAL110、HAL130WT、HAL70、AL三脚とビクセンのほとんどの三脚に装着可能です。ただし、取り付け面を方位調整ピンを切除した上で、中心穴をφ13mm開ける必要があります。ちょっとした工具類があればご自分でもできますし、できなければこちらで旋盤加工で綺麗に仕上げます。また、GP赤道儀も乗せて使いたいというご要望の場合には方位調整ピンは一旦削った上で再度着脱可能なピンを取り付けます。ご要望がありましたら、コメント欄からご連絡ください。お待ちしております。


セレストロンの新型鏡筒 CGEM 800 EdgeHD Telescope

2010-02-20 11:55:06 | ニュース

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去年の春5月にアメリカ本国で初めてこのEdgeHD鏡筒を見ました。現在800/1100/1400の3機種が発売されていますが、去年の秋口に出荷開始してから半年以上経過しますが、現地では未だにプリオーダー状態です。特に人気があるのは1100です。まだ日本でもアナウンスさえされていなかった頃に現物を直接覗かせもらいました。夜間に星雲星団などを実際に見ましたが、従来のシュミカセとどこが異なるのかビジュアルイメージでは分かりにくかったことを覚えています。

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セレストロンスタッフにも聞きましたが、このEdgeHD鏡筒はフォトヴィジュアル仕様で撮影時の周辺像を良くするフラットナーが内臓されているので撮影がメインのユーザーには喜ばれているそうです。

発売当初、購入してみようと考えておりました。しかし、なかなか市場に情報が出回っていなくてEdgeHD鏡筒の良し悪しがつかめなかったので先送りしました。しかし、そろそろ入手しても良さそうなのでとりあえず800タイプを購入してみようと考えております。少しの間使ってみて良さそうならまたヤフオクに出品するかもしれません。実際に欲しいのは1100ですが、現地価格が2800ドルほどします。旧XLT鏡筒がクリアランス価格になっているので、30万円以上でこのEdgeHD鏡筒を買われる方がどのくらいいるのかいささか疑問ではあります。ただし、国内でもたぶん春先から発売されると思いますが、値段は1100で50万円前後になるでしょう。800だと30万円弱くらいでしょうか?。

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EdgeHD鏡筒の接眼側です。シュミカセでは14インチ、ミードでは25cm以上でないと付いていない「ミラーロック」機構が付いています。これを使うのは主に移動時ですが、移動した後にきちんと外しておかないと後々面倒ですが、フォーカスノブが何だか固いな~と思った時はミラーロックを外していないと考えて直ぐに解除すればいいでしょう。実は私もたま~にやります。他に鏡筒内の空気を循環させて温度順応しやすいように通気口が付いています。特にC11以上では温度順応にかなり時間がかかるので必需的なものです。

今後も海外の新製品が出れば現地で見てリポートさせていただきます。


Meade LX-200/BT-80A自動導入架台の製作(3)

2010-02-19 18:57:40 | ブログ

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またまたBT-80自動導入双眼鏡架台のことです。

昨夜自動導入の精度などの確認ができましたので20cmシュミカセ鏡筒を外しました。画像は完成イメージですが、ベストマッチングです。25cm用LX-200もありますが、BT-80にはやや大きすぎます。

鏡筒を外したのはいいですが・・・、これからどうやってBTを取り付けるかが問題です。私の猫ほどの脳では今ひとつ良いアイディアが涌かないのでいつも製作を依頼している製作所へ持っていって取り付け方法を相談したところ、直ぐに良い方法を導き出してくれました。来週から早速取り掛かってもらいます。

これが完成すればBT-80を自動導入で使えますのでいろいろ面白い使い方ができそうです。この双眼鏡は普通のアイピースが使えますので星雲星団から月惑星まで使えます。見掛け視界100度のアイピースもいいですが・・・、やはり双眼で見る天体の姿は一種の宇宙旅行をしている擬似感覚を味わうことができるので一般の人たちに観測会で見せるには最適な方法です。


ユニバーサル・アリガタマッチプレート(2)

2010-02-19 13:00:59 | ブログ

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まだ未完成ですが、タカハシEM系赤道儀に取り付けるために画像のように赤緯ヘッドを取り付けてフィッティング性を向上させています。このヘッドは移動できませんが、その分上部に付いているアリガタが左右に移動します。良く市販されているマルチプレートは単純にM8用のバカ穴を開けているいるだけなので暗い所でプレートを乗せる時には面倒です。このプレートはヘッドが付いていますので、EM赤道儀のヘッドの凹みにフィットするので暗い所でも難なく取り付けができます。

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このアリガタは左右にそれぞれ移動するので、プレート上でのバランスを取ったり、異なるサイズのアリレールにも対応します。画像ではビクセン規格になっていますが、後日セレストロンCGE規格(ロスマンディー)にも対応するようにアリガタを削ります。アリガタの高さもまだ調整する予定です。いずれにせよ、まだ試作品ですのでこれから使いながら少しづつ完成された形に仕上げていきます。こういった製品は使う立場にたって設計していかないと良いものはできません。従って完成しても自分である程度使ってみて改良を加えて完成度を高めていきます。

こういったプレートで市販品で満足されない方がおられましたら、テレスコ工作工房にて製作のお手伝いをいたします。ご要望がありましたら、コメント欄からメアドをご記入いただきご連絡ください。追ってご連絡いたします。