今日は朝一番のバスで乗鞍岳の大雪渓まで行って、そこから大雪渓を歩いて肩の小屋まで行ってきました。小屋はまだOPENしていなかったので、上で撮影だけして1時間ほどで降りてきました。バス停から30分ほどで肩の小屋まで行けますが、登山道のほとんどが雪の上なのでアイゼンが必携です。それにピッケルも使いました。単にストレートに登るだけならストックがあれば安全に登れますが、私は最短コースで傾斜の最もきついところから登ったので、ピッケルが必要でした。
肩の小屋で休んでいると、二人の若い女性が登ってきました。聞いてみると剣が峰まで上がるそうですが、驚いたことにここまでアイゼンもストックも無しで上がってきたそうです。剣が峰へ上がるには、途中30度以上の傾斜がある斜面をトラバースする雪渓を通らないといけないのですが、アイゼンが無い状態ではとても危険です。軽く注意をしてきましたが、何事もなければいいです。おせっかいだとは思いますが、見ていて危ないと感じた登山者には極力注意をして教えてあげるようにしています。
登山バスで登る途中雪の壁がありましたが、立山ほどの高さはありません。それでもこの時期で7-8mくらいあるのは多いほうだと思います。
肩の小屋と乗鞍コロナ観測所です。かなり昔に乗鞍岳に登ったことはありますが、随分近いところに見えるものだと再認識しました。
標高3000メートルの高地だからこそ精密な太陽観測ができるのだと思いますが、地上で使っているHα太陽望遠鏡も見え方がどのくらい違うのか実際に見てみたいものです。
こちらは、東大の宇宙線研究所ですが、実際にどんな研究をやっているのか分かりませんが、高山でないとできない観測結果に影響がある宇宙線を精密に捉える研究をしているのだと思います。
もう明後日から7月ということで、高山植物も咲き始めています。
シャクナゲも咲いていました。
ラッキーなことに天然記念物の雷鳥も見られました。岩の中央付近に見えています。
上で撮影に夢中になっていたらバスの発射時間まで30分を切っていたので、慌てて最短コースをグリセードで滑って駆け下りました。こんな事ができるのも、危険なクレバスが無い日本の山だからです。しかし、雪渓の場所によっては、下が空洞になっているところがあるので、歩く時には注意が必要です。特に近くに大きな川などがあるところは要注意です。
乗鞍高原の案内所付近にある「湯けむり館」という天然乳白色の温泉です。硫黄泉なので温泉に入った実感がわきます。長野県で硫黄泉に入れるところは数少ないので、乗鞍高原に来たら必ず入るところです。家の近くにも硫黄泉がありますが、歩いて1時間かかる本沢温泉へ行かないと入れません。
この湯けむり館には、廊下の壁などに乗鞍高原で撮られた星空の写真が沢山飾られています。その写真は乗鞍高原のポスターなどにも使われており、地元の天文写真ファンが撮っているようです。最近は、長野県の観光パンフやポスターには、やたらと星空の写真が使われていますが、その後押しともなっているのが、「長野県=宇宙県」というキャッチコピーです。正直どうでもいいことですが、何でもかんでも星に結びつけて大騒ぎするのにはどうかと思います。あまりに単純明快すぎて面白くありません。