おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

月/太陽観測に便利なバリアブルポラライザー

2019-12-31 16:51:37 | ブログ


月面の眼視観測やHα太陽望遠鏡に使うと便利な偏光フィルター「バリアブルポラライザー」を販売中ですが、1%〜40%の光の透過率です。太陽望遠鏡でもイメージが明るすぎて彩層面が分かりにくい時には若干落として見る事で見やすくなります。



サイズは1.25"と2"の2種類あります。いずれもアイピースなどにねじ込んで使います。



現在製作中のTK-ALZM Jr小型微動雲台に使うテフロンスペーサーを作っています。これ以外に今回からベアリングを2箇所に入れて各部の動きをスムーズにしています。設計通りに機能してくれるとは考えておりますが、まだ全ての製作が終わっていないので、最終的に問題無ければこの仕様で仕上げていきます。



テフロンスペーサーは、カッティングマシンで作っていますが、考えていたより正確にカットしてくれます。先日のNJP回転架台のものもこれで作っています。元々このマシンはその用途で買ったものではなかったのですが、結構厚手の生地もカットできる事からやって見たら出来たので、今ではとても重宝しています。こういう部品も全て外注していると製作コストが大きくなってくるので、塗装なども含めて自分でできる事で、商品としてのポテンシャルを上げられる事はこれからも積極的にやっていこうと考えています。

今日は今年最後の日ですが、本年も多くの方々に当店をご利用いただきました。また特注製作などもご相談や依頼が多くありました。当店のような小さな小さなお店が営業していけるのは、一重に色々な形で当店をご利用いただく方々のお陰であります。今は光学業界は大不況とも言える時代です。そんな中でもやっていけるのは奇跡と言えるかもしれません。お客様と日々やり取りをしている中で教えられる事も良くあります。ネットショップだけだとお客様の顔を直接拝見する事はありませんが、去年から営業している店舗に来られる方々も少しづつですが増えているようです。八ヶ岳の星を見るには絶好の場所にお店を構えておりますが、都会のお客様が来るには不便な場所です。それでも来ていただけるのは、とてもありがたい事ですし、当店でないと解決しない事などもあって来ていただけるのだと考えています。

来年は新たに作ったスペースでお客様をもてなしたいと考えてオンリーワンのお店作りをやっていこうと思いを新たにしております。年明け早々にカリフォルニアへ出かけますが、そのあと2月に念願だった夏のニュージーランドへ撮影に出かけます。今回はオークランドから入って北島だけで撮影をします。天文ファンはまず行かない夏の北島です。そんなこともあり、年の初めから忙しくしておりますが、来年も皆様に喜んでいただける物作りと営業をしていきたいと思っております。

本年もありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願い致します。来年が皆様にとって素晴らしい年になるよう願っております。

NJP/JP回転架台+SXG-HAL三脚

2019-12-29 16:38:45 | 特注製作品(タカハシ)


新たな当店オリジナル品に加わった「タカハシNJP/JP-SXG回転架台三脚」です。当店のNJP回転架台をご注文された方が三脚も必要との事で、ビクセンSXG-HAL130三脚をおすすめした結果、両者をジョイントした商品になりました。純正の木製直脚もいいですが、移動等考えるとこのSXG-HAL三脚とジョイントさせるのが私的にはオススメです。



これまでの回転架台と類似した構造ですが、クランプ時の部品固定は常に点で固定するようになっており、また内部にテフロンスペーサーを入れてあるので、回転もスムーズになっています。先日のMS-5用のようにベアリングを内蔵させてもいいですが、コストが上がるので価格も上がってしまいます。SXG三脚とは3箇所のネジで固定してあるので強固です。ネジを外せば通常のSXG-HAL三脚として使用可能です。



また上部3箇所で固定する以外に、下部からもM10ボルトで固定しているので使用中に動く事はありません。

この回転装置付きSXG三脚は完成品としてご注文をお受けしますので、SXG三脚をお持ちの方であっても三脚セットでご注文ください。仮にお持ちの三脚を送ってもらって、その改造費用や送料を入れると結果的にお高いものになってしまいます。現在の価格は回転架台単体とSXG-HAL三脚の価格をプラスしただけの金額で三脚の改造費用はサービスになっています。
ご注文いただいている方々には年明けに塗装等の仕上げ処理をしてからお届け致します。



TeleGizmosカバーが色々と入荷しています。先日まで在庫切れだった太陽観測用のシールドも入荷しましたので在庫品です。Hα太陽望遠鏡で長時間屋外で観測撮影をされる方には安全も考えると必需品だと思います。在庫のあるうちにぜひお買い求めください。

ところで本年も残り後2日で終わります。来年は1月末からアメリカへ出るのでしばらくまたお休みになります。それまでに頂いた特注製作やご注文いただいているTK-ALZM Jrの仕上げ作業があります。新たに作っているのは色々改良を加えてより使いやすいものになりつつあります。その分コストも上がっていますが、前回のままの価格で販売しております。仕上がりまで今しばらくお待ちください。

PENTAX MS-5用回転架台

2019-12-27 18:38:16 | PENTAX望遠鏡


ご依頼があって製作しておりますが、PENTAX MS-5用の回転架台が欲しいとの事で作りました。当初NJP回転架台を想定しておりましたが、搭載する重量が50kgを超えるような使い方をされるので、これまでの構造では機能しないと考えて、内部にベアリングを入れて作りました。また固定も従来の3カ所を先端がボール状のネジでの固定以外に上部から3カ所固定できるように追加加工しました。トータルでは6カ所で固定する仕組みなので、使用中に動いたりする事もありません。これまでに製作した回転架台では最強且つ高機能に仕上がっています。

これから年明けにアルマイト処理をした上で塗装部だけサンドブラスターで剥離させてからペンタックスカラーで焼き付け塗装をして完成させます。



この20kg以上の赤道儀保持架台を乗せた状態でも小指一本で軽く回転します。今回初めての製作でしたが、設計通りに機能するか心配な部分もありましたが、各部のクリアランスを厳しく作った事もあって想定通りに機能してくれています。今後ご要望があれば製作しますが、赤道儀の価格に見合った費用にはなってしまいます。

今もNJP回転架台を何点か作っておりますが、価格的にベアリングを内蔵させるのは無理ですが、新たに作っているのはテフロン材を回転の緩衝用として入れてあるものです。これまでの金属対金属ではないので、回転はこれまでのものよりスムーズだと考えています。三脚はSXG-HAL130とセットで作っています。もしご要望があれば、AXJ赤道儀用のASG-CB90三脚でもお作りしますので、ご要望があればお知らせください。またタカハシ用にASG-CB90を改造した商品も年明け以降に製作します。もちろんご要望があればのお話です。



こちらは今日納品したビクセンAPP-130TL三脚をタカハシ赤道儀用に改造した商品ですが、無事に納品しました。常時在庫しても良い商品なのですが、めったにお問い合わせも無いので受注製作に近い状態です。EM10/11くらまでならこの三脚でいいと思いますが、200以上ならASG-C90を使った製品がベストマッチです。

ところで一つGood Dealなお知らせがあります。1台限定になりますが、ビクセンAXJ赤道儀とセレストロンC9.25かC11のセットを1台限定で超お安く出せます。AXJ赤道儀は新品ですが、セレストロン鏡筒は展示品となります。屋外使用は無い綺麗な商品です。またAXJエンコーダーもセットでお出しできます。まだお値段は決めておりませんが、別々に買われるより遥かにお安いお値段です。赤道儀はASG-CB90三脚がセットになります。旧ビクセン製品とのトレードインもお受けしますので、さらにお安くお出しできます。下位機種からのアップグレードをご検討の方はご相談ください。

米国Meade Instrumentsの破産保護等について

2019-12-24 17:53:02 | ミード関連の加工改造
ここ最近天文業界で大きな話題となっているのは、米国大手天体望遠鏡メーカーのMeade Instrumentsの大きな破産についてです。私も最近知ったニュースですが、聞いた話では米国Orion Telescopes&Binoculars社から不当に価格操作をしているとの事で訴えられて敗訴した事により巨額の負債を抱えてしまったという事です。それにより破産保護申請をしたそうで、その債務が数千万ドルにもなるそうで、他から聞いた話では1600万ドルにもなるそうです。これ以上の詳しい事は分かりませんが、今後色々なところから新たな情報が出てくるでしょう。

この件ではまだ日本の代理店が正式にアナウンスしていないようですが、今朝米国のMeade代理店に聞いてみたら、業務は現在も継続しており、実際の営業には大きな影響は無いとの事でした。ただ一番心配だったのは、現在修理に出しているCORONADO関連の部品ですが、それも半数は既に修理が終わっており、残りも修理を行っているので年明けくらいには終わるだろうとの事でした。何れにせよ、心配は無いので引き続き製品の修理対応は可能であるとの事でした。その話を聞いて安心しました。現在修理を受けている物については、来月渡米した際に引き上げてきます。

Meade社は、その長い歴史の中でアマチュアが使う天体望遠鏡を安価に供給し続けてきましたが、幾つもの驚くような新製品を市場に送り続けて、またその価格も驚くべきものでした。日本ではあり得ない構造と機能を持った製品を多く作り続けてきたメーカーとしては世界一の望遠鏡メーカーと言ってもいいでしょう。Meadeと肩を並べて優秀な天体望遠鏡を作り続けているCelestronも同様な製品づくりで天文の世界をリードしてきました。そのCelestronは日本のビクセンと共同で今後のビジネス展開をしていくと思いますが、世界のファンを驚かせるような新製品を作って市場に出して欲しいものです。

来月末に渡米した際にさらなる情報が得られると思いますが、しばらくは静観して見守っていこうと思っています。

初雪が降りました!

2019-12-23 17:21:40 | ブログ


ニュースで流れているように、関東甲信越地方は大雪だったとの事でしたが、今朝の庭の積雪です。20cmちょっとありました。昨日の降りかただともっと積もると思いましたが、予想より少なくて良かったです。雪かきをして気がついたのですが、気温が高い状態での積雪だったので、雪が水分を含んでかなり重たかったです。軽トラック2杯分くらい取り除きました。今年は多分これで終わりだろうと考えています。



毎年恒例でこの画像を出していますが、庭のTeleGizmosカバーをかけたMS-4赤道儀です。雪が1メートル降った時も何とも無かったです。冬は雨が少ないのでカバーは必要ないと思われるかもしれませんが、低気温からも機材を保護してくれるので、冬も必要になるTeleGizmosカバーです。



これからこのSXG-HAL三脚のトップベースを改造してNJP回転架台を取り付けます。架台の改造はネジ加工だけなので、使わなくなれば元のビクセン赤道儀用として使えます。年内の仕上げは無理ですが、年明けにはご注文の方々へお届けできるように製作していきます。

それから、お待たせしている、当店オリジナルの「TK-ALZM Jr微動雲台」ですが、既に製作へ入っております。年内の仕上がりは無理ですが、1月中にはお届けできると思います。お支払い等については、納期が近づいてから改めて個別にお知らせ致します。



のら猫のウニちゃんですが、スクスクと育って大きくなってきました。最近は少しづつママから離れて行動しつつあり、それまで裏で生活していたのが表に出てくるようになりました。この子はミケ猫ですが、メス猫です。うちで引き取りたいところですが、既に11匹いるので、これ以上は厳しいです。



もう一匹のエビちゃんです。この地区では珍しいトラ猫です。ママの子育てが上手なので、元気に育っています。この子はオス猫です。もし引き取るなら兄弟で引き取ってあげないと可愛そうなので、悩むところです。誰か欲しい人がいたら連れて行って育てて欲しいところです。良くネットで里親募集をしていますが、本当に必要としている所で、大切に家族として育ててくれるところを探すのは至難の業です。子供が欲しいからと言って飼ってあげても、大きくなると邪魔になるからと捨てられてしまう子も沢山いるそうです。なかなか難しいところです。

新商品 PENTAX 60.2-M42Tアダプター

2019-12-21 18:56:34 | ブログ


また新たな商品を必要性に迫られて製作しました。もっと早く作るべき商品でしたが、あればとっても便利な部品です。PENTAX鏡筒で撮影をされる際に純正部品を持っておられない方には必需品だと思います。φ60.2mmの接眼部Cに装着して市販のカメラ用Tリング(P0.75)を装着してCanon, Nikon, PENTAXなどのデジタル一眼が純正部品無しで取り付けできます。
他社製品のカメラを複数台持っている方は、それぞれの規格のTリングを持っていればいいので、その都度純正部品などを探す必要が無くなります。



光路長は、純正部品とほぼ同じになるように作っています。近いうちにM42Tスレッド対応の31.7接眼アダプターを販売します。サイドからネジで固定しないタイプですので、アイピースにも傷を付けません。



このアダプターは、今日から在庫品として販売しております。既にご注文されている方々には明日以降発送致します。



来週26日の部分日食に間に合うように、Solar Max用アダプターを製作しました。しかしどうやら26日の天候は全国的によくなさそうです。今年も残り10日ほどになり、今週末からほとんどの企業が年末年始休暇に入ります。また今年も静かな年末年始になりそうです。

昨日から今日まで東京へ出張へ行ってました。ビクセン、サイトロンジャパン、最後にリコーイメージング新宿スクェアへ立ち寄って戻ってきました。新幹線を使うと東京までは家から2時間です。しかし都心部の電車に乗ったり、舗装道路を延々と歩くのは相当疲れます。小海町は田舎だと思われていますが、都心部へ2時間で行けるのは、長野県の中でも便利な場所と言えます。天文ショプの店員さんと話していて驚いたのは、通勤時間の長さです。家から2時間かかるという人や90分くらいかかる人もいます。2時間と言うと、まるで小海町から東京へ通勤するようなものです。佐久市には東京まで新幹線で通勤している人も沢山いるそうです。当然交通費は会社持ちだとは思いますが、満員電車で2時間よりは新幹線で通勤する方がまだ疲れないでしょう。とにかくご苦労な事です。

NJP回転架台+SXG-HAL130三脚

2019-12-17 19:34:26 | ブログ


ビクセンSPDX赤道儀をSXG-HAL三脚に乗せるアダプターと取り付け加工を行いました。アダプターは三脚架台に固定してあるので、他の赤道儀同様な感覚で使う事ができます。もう20年以上前の製品ですが、いまだに大切に使われている方がおられるのには驚きますが、今の簡単に中国で大量生産された赤道儀とは一線を画する製品なので、追尾精度もデジタル時代においては優秀なものです。



SXG-HAL三脚は、見た目以上にガッチリとしているので、最近はこの三脚にタカハシNJP赤道儀を乗せる製作も依頼されています。ただ乗せるだけでなく、当店のオリジナルの回転架台とセットにした商品も製作しています。純正の木製三脚もいいですが、昔のままのデザインなので、今の時代にはアンマッチです。この特注三脚はこれから製作しますが、年明けくらいに仕上がる予定です。



久しぶりにBORG 90FLにSolar Max 90を取り付けるアダプターを作りました。26日の部分日食に合わせて欲しいとのご要望から特急で製作しました。このアダプターは、ブラスト処理をした後にアルマイト処理へ出しました。

明日は冬なのに20度くらいの気温になるそうです。まるで今の南半球のようです。ニュージーランドは夏になっていますが、できれば一度夏に行きたいと思っています。いつも寒い冬しか行っていないので、20年ぶりに夏に行こうかと計画しています。

PENTAX XW3-40-Rのご注文が好評です。当店だけのオリジナル商品を無償でお付けするサービスですが、20日の発売以降も年内は継続するつもりです。しかしご注文があるのは、何故か40mmだけです。当然と言えば当然なのですが、30と40の価格差が小さい事と、40mmの方がより広い視野で天体を見られるので、必然的に多くの方は40mmを選ぶのだと考えています。大型のドブソニアンでこのXW40mmをぜひ使ってみて欲しいです。ニュージーランドで40cmのドブで見た南天の天体は想像を絶するほど素晴らしいイメージでした。ニコンの102度のアイピースも併用しましたが、40mmの方が倍率が低いこともあって、大マゼラン雲の中を見たりする時には圧倒的に良かったです。

懐かしい天体望遠鏡カタログ

2019-12-15 17:55:13 | ブログ


まだ使っている方もいらっしゃると思いますが、ビクセンのSP赤道儀です。今となっては珍しいシステム化された使い勝手の良かった製品です。これからこの部品を改造してMark-Xとジョイントした赤道儀に仕上げていきます。お客様からのご依頼ですが、SP赤道儀の極軸体と微動体をセパレートにするのは数年ぶりの事です。GPやGPDも同じ改造をした事がありますが、SPの方が若干やりやすいです。

今日もご依頼いただいた、PENTAX MS-5の回転装置の図面を書いていました。NJPの回転架台はいつも作っていますが、搭載する重量が50kgを超えるような重量物が乗るので、これまでの作り方ではダメなので、新たな構造を考えながら図面を書いています。しかし今日でようやく書き上げたので、材料を発注してから製作へ入ります。今は他にもSPDX関連の製作やSolar Max関連の製作など沢山あるので、年末から年明けまでは忙しく働いています。たまには1日何もせずに休みたいと思っていますが、朝起きるとついついPCを見て作業に入って忘れてしまいます。



懐かしい地人書館から隔年で発売されていた「天体望遠鏡カタログ」ですが、最近になってお客様から寄贈していただきました。とても有り難い事です。ちょっと読んでいると思わず時間が経つのを忘れてしまうほど入り込んでしまいます。この年代のものはプレミアがつくほど価値が出ており、その値段からも貴重な資料である事は間違いありません。



このカタログは、新たに作ったゲスト用スペースの書籍資料コーナーに常時置いておくので、当店へ来られた際には読んでいただいたりコピーを取ったりしていただいて構いません。寄贈された方もそういう役立て方をして欲しいと望んでおられたので、まさにピッタリです。これから少しづつ書籍を集めて充実して行こうと考えております。もし不要な書籍などどのような形であれお譲りいただけるのは大歓迎です。ぜひお知らせください。お譲り等いただいた書籍は一切販売は致しません。

それから昨日届いた EOS Rですが、まだ液晶保護フィルムが届いていないので使えていません。明日届くので、それ以降に使ってみようと思っています。天候も今日より明日の方がいいようなので、楽しみにしています。

New BORG 60 Tube Holder

2019-12-14 17:11:17 | ブログ


旧カラー製品が在庫切れとなったので、新たなカラーモデルを作りました。機能自体は変わっておりませんが、カラーがBlueになりました。黒と青のツートンカラーでシックな感じでいいかもしれません。

意外とこのホルダーの利点を理解されていませんが、使うととっても便利である事が理解できます。既製品のように鏡筒とホルダーの間にフェルトなどの緩衝シートを貼っていないので、回転などがとても正確で、このホルダーがあれば回転装置など不要です。金属対金属だと鏡筒に傷が付く事を心配される方にはおすすめしません。元々自分が海外遠征で必要と感じて製作して販売しているものなので、こんなホルダーを必要とされている方には役立つはずです。



このホルダーと鏡筒を固定する方法はふた通りあります。画像の手前の締め付け調整ネジをレンチである程度の所まで締め付けてから、2X2=合計4箇所のプラネジで鏡筒を固定しますが、調整ネジだけでも固定することが可能です。この調整ネジが必要なのは、鏡筒とのクリアランスを最小にして、鏡筒回転する際に視野移動を最小限にする、つまり回転装置として機能させるためのネジ調整でもあります。このホルダーを注文される方で実際に現行品のBORG純正ホルダーをお持ちの方からも注文いただいた事もあるので、純正品では満足できない方には必要な機能を有しているのだと考えています。



BORG 55FLをセットで使う時に、いつも困るのはヘリコイドの固定クランプネジの紛失です。ねじ込み量がとても少ないので、簡単に紛失させてしまいます。このホルダーを使うと、クランプネジは2箇所中一箇所しか使えません。しかし実際にはネジを2本とも外してしまい、画像のようなホールドにすると、ピント合わせをする際にカメラ側の固定ネジをフリーにしておいて、ピントが決まってからクランプする事でヘリコイドの固定ネジを使わなくてもピントのズレが出ません。

今は、BORG自体が以前のような勢いが無くて、55FLをどのくらいの人が使っているのか分かりませんが、それでもこんなホルダーを欲しいと思っている方には役立つはずです。



先日もEOS Raについて少し書きましたが、結局EOS Raは買わずにこのEOS Rを買いました。今月少しだけノーマル機の状態で使ってから、ハヤタカメララボにHKIR改造に出します。EOS Rは価格ドットで買いましたが、最安値で176,000円でした。これに改造費が30,000円かかるので、トータルでは206,000円です。EOS Raでもいいのですが、年明けにもう一台買って改造するので、予算から考えてEOS Rにしました。今晩が晴れているので早速使ってみようかと思いましたが、風が台風並みに吹いているので見送ります。

TKオリジナル PENTAX 60.2ーM42 Tネジアダプター

2019-12-13 16:24:28 | PENTAX望遠鏡


当店からPENTAX関連の新たな商品を作りました。PENTAXの接眼部60.2からM42P0.75にするアダプターですが、これがあれば純正カメラマウントに頼る事なく、市販の安価なカメラマウントを使う事ができます。機種はTリングがM42P0.75規格になっていればどのタイプも取り付け可能です。アダプターの光路長は純正の状態に合わせて決めてあるので、使用に際しては何の問題もありません。本来ならもっと早く作るべき商品でしたが、既に当店からカメラマウントなどを買っていただいた方々には申し訳なく思います。



現状ではブラスト処理をしただけですので、こらからアルマイト処理をして完成します。PENTAX 75SD/EDなどのPENTAX鏡筒専用です。精度も純正品に負けない程度には出しています。



純正のカメラマウントは、接眼部Cにねじ込んで使いますが、眼視から撮影に移行する時にはマウントを一旦外して接眼部Bを取り付けて使用します。しかしこのアダプターを使う事で、単純に交換作業だけで済むのでとても楽です。撮影ー眼視ー撮影がスピーディーに行えます。海外日食などで使う時にも威力を発揮します。このアダプターは、HP上からご注文可能になっています。



今年最後のポラリエ雲台ベースPCB-EQ3の塗装製作が終わりました。この雲台ベースは、来年発売となるポラリエUにも使えますが、外径が本体と比較してやや大きいので、それに合わせて新たな物を製作する予定です。ポラリエUについては、メーカーから既にアナウンスされていますが、追尾精度自体はポラリエと大差ないようなので、オートガイダーを併用する使い方をしない限りは多くを期待するのは無理があるかもしれません。多分年内かそれ以降にテストするチャンスがあると思うので、その時にでもお知らせします。



ところでまたSolar Max関連の話題ですが、画像は最近届いたSM60の旧製品です。お客様からBFが悪いようなので検品をしてその後の対応をお願いしたいとのことで送ってきました。昨日太陽を見た限りではブロッキングフィルターだけの劣化の問題かと思いましたが、今日改めて見てみると、外部エタロンフィルターも良くなさそうです。送ってきたそのままの状態で太陽をみるとイメージが暗くて彩層面が良く見えず、本来出ているプロミネンスも見えませんでしたが、BFだけ交換して再度太陽を見てみると、明るくは見えてきますが、彩層面の見え方が淡くて何が見えているのかよく分からない状態でした。プロミネンスも本来出ているのですが、それも見えない状態で、BFを変えても変わらずでした。



試しに今売りに出しているSM40を取り付けて見たところ、彩層面もプロミネンスもはっきりと見えて健全な状態である事がわかりました。取り付けた60mmの屈折鏡筒はコロナドオリジナルのものなので、それについては全く問題はありません。ここで言いたいのは、いくら60mmの口径のSolar Maxでも本来の能力が出ていない個体だと、下位機種のSM40より全然見えないのだということです。それはPSTなどでも言える事です。送っていただいた方には気の毒ですが、この状態ではBFだけの交換では元には戻らないので、他の方法を考える必要があります。

先日まで販売していたSM90については行き先が確定して、現在 アダプターを26日の部分日食に間に合うように製作しています。現在在庫としてあるのは、先にも書いたSM40のセットとブロッキングフィルターBF30のみです。いずれも1点物ですので、26日の日食で使いたい方はお早めにどうぞ。