インドネシア日食の出発まで後2日となりましたので、今日からやっと機材の選定とパッキングに入りました。今回メインで使う機材は、タカハシFS60CBの改造版とBORG 55FL+RD仕様にSolar Max 40の改良版の2本体制で皆既日食に臨みます。
FS60CBは、接眼部をStarlight Feather Touch Micro Foucuserに交換した上で軽量化するためにファインダー台座と三脚台座の付いたアダプターを製作して装着しています。これだけで純正状態よりかなり軽くコンパクトになっています。この状態で純正レデューサーも差し込むだけで装着できるので、眼視から撮影までワンタッチで移行できます。軽量化と使いやすさを追求すると必然的にこの形状になると考えてのベストな選択です。
BORG 55FLには、Solar Max 40-BF5を装着して皆既前後の太陽面を撮影しますが、ブロッキングフィルターを使うにはレデューサーを外す必要があり、コンデジを使ったお気軽撮影をするためにブロッキングフィルターを直視型に改造しました。これにより画像の状態で既にブロッキングフィルターが内蔵されているので、太陽面のHα像を撮ることが可能です。もちろんレデューサーを内蔵しているので、太陽像が小さくて迫力に欠けますが、それはズームアイピースを使うので必要に応じて大きく写すことができます。
FS60CBでは、皆既直前まで露出倍数10000倍のNDフィルターを装着しており、皆既食になったら直ぐにフィルターを外して皆既中の動画を撮ろうと考えています。カメラはEOS M3です。今回の遠征ではデジタル一眼は一台も持っていきません。ミラーレスのEOS M3と数台のコンデジだけです。もったいないかもしれませんが、撮影より現場の雰囲気と眼で直接見たいので敢えて最小限の機材構成としました。これら2本の鏡筒でカメラを入れても3kg程度と超軽量の撮影機材です。
ファインダーは、2本の鏡筒のいずれも当店オリジナル製作品の「Sol-Sercher for Vixe Style」です。原状ではこれが最も最適と考える日食用ファインダーです。Sol-Sercherには光学ファインダーのような照準調整機能はありませんが、実際にファインダーベースに取り付けても大きくはズレていませんし、本体に僅かな調整機能があるので、それで十分です。太陽を直視せずに導入できるので安全且つ確実です。
2009年の時にはペンタックスの赤道儀を持って中国へ行きましたが、今回は優秀なポラリエがあるので、それを2台持っていきます。電源は携帯USB電源を2個持っていきますが、1個は予備です。Panasonicの5000mAh用で、ポラリエの電源だけでなく携帯の充電もできる多用途なので常に海外遠征には使っています。
準備できるのは明日1日だけですが、実際に機材を組み上げてシュミレーションをして不足しているものや問題なく機能するかなどをチェックしてからパッキングしていきます。パッキングの際には万が一破損したり紛失して困らないようにネジ類は予備を持っていきます。いつもの南天遠征なら慣れているので1日あれば十分ですが、今回は僅か3分しかない皆既時間で慌てないようにしっかり準備しないといけないので時間がかかります。
今回のインドネシア日食へは行かれないが、来年の北米日食には行く方が多いはずなので、これが何かの参考になればと思います。