おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

太陽観測にはLUNT SUNoculars

2017-02-16 17:53:19 | 海外遠征用機材


北米日食まで半年を切りましたが、まだレンタカーやホテルの手配はしておりません。レンタカーは、ロスからドライブしてオレゴンまで北上するので春以降になってもまだ予約はとれそうですが、ホテルは皆既帯周辺はもうかなり埋まってきています。価格も通常の3ー5倍は当たり前になって予想通り高騰しています。皆既帯から外れていてもこの値段なので、皆既帯の中にあるモーテルだと10倍以上でも不思議ではありません。それを考えるとツアー料金が80万円オーバーというのは驚くことではないのかもしれません。

日食関連の商品がまたチョロチョロと売れていますが、このLUNTの太陽双眼鏡も人気商品の一つです。しばらく動きがありませんでしたが、またここに来て売れ始めています。今日しばらくぶりに覗いてみましたが、8x32は本当に良く見えます。6x30も日食グラスの延長として持っているのがいいですが、より高いクォリティーの観測を目指す方には8x32の方がオススメです。在庫数も少なくなってきましたので、「日食遠征には太陽双眼鏡など要らない!」と思われている方は今一度ご検討ください。

南天遠征とPENTAX K-70+α

2016-08-11 15:31:43 | 海外遠征用機材


これまでペンタックスのデジタル一眼はほとんど使ったことが無かったのですが、2週間後に出発する「世界一美しい星空とオーロラが見れる国」へ行くに際してこの発売されたばかりの「PENTAX K-70」を持っていくことになりました。デジタル一眼では唯一の星空を追尾する「アストロトレーサー」機能を持った星景写真家さんには夢のようなカメラです。ただしK-70だけでは撮れないので別売りの「GPSユニット O-GPS1」がその撮影には必要となります。
これまでは星空の追尾撮影は、ポラリエなどのポータブル赤道儀を使っておりましたが、アストロトレーサーによりそれが不要となります。ただし厳密には使用レンズや露出時間などによってポータブル赤道儀が必要となるシーンがあるので、それはこれまで通り使って撮影します。アストロトレーサーの存在自体は以前から知っておりましたが、自分で実際に南天遠征で使うのは全く初めての経験です。



今回の遠征で使用するメインのカメラ類です。RICOH GRIIは主に比較明合成で星景を撮ります。EOS 6Dボディーは2台持っていきますが、その1台は購入してからほとんどまともに使っていない「Canon EF11-24mm F4L USM」を付けて使い、もう1台の6Dには「Canon EF 8-15mm F4L」などを付けて使います。今回の撮影は星景色写真がメインなので望遠鏡はBORG 55FLだけ持っていきます。



この南天の銀河、黄道光、オーロラが一つの画面に写っているゴージャスな写真ですが、これを撮ったのは2年前の9月です。撮影地はあの有名なテカポではなく、Twizelに近いプカキ湖周辺で撮影しています。またタイミング良くオーロラが出てくれれば素晴らしい写真が撮れるかもしれません。もう2週間しかないので、これから少しづつ機材等の準備をしていきます。その前に国際免許の更新をしないといけません。

遠征用に重宝するタカハシEQ用ペットボトルアダプター

2016-07-13 17:43:41 | 海外遠征用機材


当店の大人気商品「ペットボトルウェイトアダプター」ですが、ビクセン赤道儀用とタカハシ赤道儀用があります。タカハシ赤道儀用は3wayとなっており、それぞれ使い方の選択によってウェイトシャフトも不要になりより軽量な遠征を可能とします。



ウェイトシャフトを使わずにダイレクトに赤緯軸にこのアダプターを取り付けて使えます。延長用シャフトが付いているので、それほど重量のない機材であれば1リッターのペットボトルでも結構な機材のバランスをとることができます。



またウェイトシャフト先端に取り付けて使うこともできるので、搭載機材によってそれぞれ使い分けることが可能です。来年の北米日食やこの夏に南天遠征をされる方には数キロの重量節約となり、その分より多くの撮影機材を持っていけるでしょう。

超軽量のお気軽日食遠征機材

2016-03-04 18:15:30 | 海外遠征用機材


インドネシア日食の出発まで後2日となりましたので、今日からやっと機材の選定とパッキングに入りました。今回メインで使う機材は、タカハシFS60CBの改造版とBORG 55FL+RD仕様にSolar Max 40の改良版の2本体制で皆既日食に臨みます。
FS60CBは、接眼部をStarlight Feather Touch Micro Foucuserに交換した上で軽量化するためにファインダー台座と三脚台座の付いたアダプターを製作して装着しています。これだけで純正状態よりかなり軽くコンパクトになっています。この状態で純正レデューサーも差し込むだけで装着できるので、眼視から撮影までワンタッチで移行できます。軽量化と使いやすさを追求すると必然的にこの形状になると考えてのベストな選択です。

BORG 55FLには、Solar Max 40-BF5を装着して皆既前後の太陽面を撮影しますが、ブロッキングフィルターを使うにはレデューサーを外す必要があり、コンデジを使ったお気軽撮影をするためにブロッキングフィルターを直視型に改造しました。これにより画像の状態で既にブロッキングフィルターが内蔵されているので、太陽面のHα像を撮ることが可能です。もちろんレデューサーを内蔵しているので、太陽像が小さくて迫力に欠けますが、それはズームアイピースを使うので必要に応じて大きく写すことができます。



FS60CBでは、皆既直前まで露出倍数10000倍のNDフィルターを装着しており、皆既食になったら直ぐにフィルターを外して皆既中の動画を撮ろうと考えています。カメラはEOS M3です。今回の遠征ではデジタル一眼は一台も持っていきません。ミラーレスのEOS M3と数台のコンデジだけです。もったいないかもしれませんが、撮影より現場の雰囲気と眼で直接見たいので敢えて最小限の機材構成としました。これら2本の鏡筒でカメラを入れても3kg程度と超軽量の撮影機材です。



ファインダーは、2本の鏡筒のいずれも当店オリジナル製作品の「Sol-Sercher for Vixe Style」です。原状ではこれが最も最適と考える日食用ファインダーです。Sol-Sercherには光学ファインダーのような照準調整機能はありませんが、実際にファインダーベースに取り付けても大きくはズレていませんし、本体に僅かな調整機能があるので、それで十分です。太陽を直視せずに導入できるので安全且つ確実です。



2009年の時にはペンタックスの赤道儀を持って中国へ行きましたが、今回は優秀なポラリエがあるので、それを2台持っていきます。電源は携帯USB電源を2個持っていきますが、1個は予備です。Panasonicの5000mAh用で、ポラリエの電源だけでなく携帯の充電もできる多用途なので常に海外遠征には使っています。

準備できるのは明日1日だけですが、実際に機材を組み上げてシュミレーションをして不足しているものや問題なく機能するかなどをチェックしてからパッキングしていきます。パッキングの際には万が一破損したり紛失して困らないようにネジ類は予備を持っていきます。いつもの南天遠征なら慣れているので1日あれば十分ですが、今回は僅か3分しかない皆既時間で慌てないようにしっかり準備しないといけないので時間がかかります。

今回のインドネシア日食へは行かれないが、来年の北米日食には行く方が多いはずなので、これが何かの参考になればと思います。

日食観測に必需品のSolar Finder

2016-02-20 13:14:56 | 海外遠征用機材


肝心な物を忘れておりました。太陽観測には必需品のSolar Finderです。インドネシア日食等でファインダーをどう使われるのか分かりませんが、このSol-Sercherファインダーを用いれば太陽を見なくても導入できるので安全で確実です。ただし光学ファインダーのように視野調整が大きくできないので、このビクセンファインダー台座に取り付けて使うには若干の工夫が必要です。しかし機械加工を精密に行っているので大きく狂っていることはありません。



このSol-Sercherファインダーは本日から若干数量のご注文をお受けいたします。既にファインダーは日本へ向かっているので、来週早々に到着する迄にビクセンファインダーベースを仕上げておきます。もしファインダーの選定で困っている方がおられましたらぜひご注文ください。ちなみに、当店のオリジナルBORGφ60チューブホルダーを使われる方でアクセサリープレートもお持ちであれば、ビクセンファインダー台座を注文するだけでこの形になります。



それからこちらもお知らせですが、Good Newです。既にご注文いただいている次期製作分のPCB-EQ3セットですが、本日機械加工より仕上がってきました。以降仕上げ処理等へ入っていきまして、最終的なお届けは今月末頃の予定です。ただしこれは2月20日現在既にご注文いただいている方が対象となります。作業の進行状況によっては後数点は今月中のお届けが可能ですが、それを過ぎると次はインドネシア日食遠征のために3月下旬頃のお届けとなります。また今週末前後はCP+へ行くために作業ができません。従ってこれから2週間はかなりタイトなスケジュールをこなしていかないといけませんので、商品納期なども遅れたりすることもあります。良く良くご理解の上でおつきあいください。

もう一つお知らせがありますが、それについては本日夕方までにブログよりお知らせいたします。

Vixen GP/GPD用ユニバーサルアーム(2)

2010-11-23 12:36:49 | 海外遠征用機材

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以前からアナウンスしていたユニバーサルアームのプロトタイプが出来上がりました。市販品ではないいろいろな使用環境を想定してデザインしています。難点はやや大きいことでしょうか。

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このアームを長くしたのはそれなりに意味があり、ウェイトを使わずとも機材相互同士でバランスが取れるようになっています。遠征などでは、主鏡筒のほかにカメラレンズでの撮影と両方使うパターンが一般的です。そういった場合に鏡筒が占めるウェイトが高く、それをカメラとレンズだけでは一般的なポータブル赤道儀ではウェイト不足となります。それを補うのがこの長いアームです。

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画像で取り付けているのは「Vixen 80EDs」鏡筒です。この鏡筒は遠征用にしては大きめですが、これを乗せた状態で、もう片方にEOS 5D Mark IIとEF85mm/1.2Lレンズを雲台を介して乗せています。この状態でバランスが取れています。おまけにまだ鏡筒側のスライドに余裕があります。つまりもう少し重たい鏡筒とでもカメラの組み合わせでバランスが取れるということで、ウェイトは不要です。

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アームを固定しているのは極軸に付いているスライドロックナットです。ローレット加工していますので、しっかり固定できます。画像の上に見えているアリガタベースを取り付けてあるローレット加工したパーツは、これ単体で回転させることができますので、これとアリガタベースを組み合わせることで、微動無しの赤緯軸ヘッドとして機能します。また、このベースにはタカハシ鏡筒やポルタ微動ユニットが取り付くように加工しています。もちろん、1/4インチネジが付いていますので、自由雲台も乗ります。


まだ最初に製作したものなので、実際にご依頼があった場合には、さらにスリム化と軽量化を図って、ウェイト軸も伸縮式のものを装着できるように製作していきたいと思っています。ただ、見てお分かりのように部品点数が多い上にかなりの手間がかかっています。それ故に安価に供給できるものではありませんので、もちろんご依頼があれば製作はいたしますが、ショップオリジナル品のような販売などは全く考えておりません。いずれにせよ、これから使いながらより使いやすいものに仕上げていきたいと思っています。


ユニークなポータブル赤道儀「MusicBox EQ」

2010-10-15 13:52:19 | 海外遠征用機材

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先日の福島スターライトフェスティバルで見つけたユニークなポータブル赤道儀です。このポタ赤は何と、ゼンマイじかけ(オルゴール)で動作します。従って、電源は不要です。内部にはギアーとオルゴールしか入っておらず、大変シンプルで合理的な構造です。まだ実際には使っておりませんが、天候が許せば使ってみたいと思います。このMusicBox EQはスカイバードさんで扱っていて、価格は22,000円だそうです。http://www.skybird.jp/orugo-ru-p-munt.htm

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登山や海外遠征などの荷物を減らしたい時には活躍してくれるでしょう。ただし、最大でも6分までしか使えません。きちんと極軸を合わせて使えば、200mmクラスでも使用可能だそうです。この製品を購入するか否かを考える時に、単純に価格だけで見てしまうと・・・、”ただのオルゴールが2万円?”と考えるか、”登山や究極の場所で電源を必要としないシーンで役立つ”と考えるか、或いは、”電源などを気にせずにお手軽に星景写真を撮るために使う”と考えるかですが・・・、十分その用途はあるでしょうし、持っていれば面白い便利な機材であることは確かでしょう。下記に本機のデーターを公開いたしますので、参考にされてください。


名称:MusicBox EQ !
重量:700g  寸法:75×62×150mm
ウオームホイール:288歯/直径160mm相当の部分ギヤ
オルゴール:サンキョー製7分駆動の特注品 音楽はキラキラ星
実用最大駆動時間:6分  ゼンマイ:ノブ4回転でセットアップ
極望:視界8度の素通し穴
使用可能レンズ:50mmレンズを4分露出可能
価格:22,000円(自由雲台を除く)