星フェスでも大変お世話になっております、野鳥画家の「谷口高司」先生の作品と生徒さんのグループ展が東京吉祥寺で23日から28日まで「ギャラリー永谷」で開催されているのに合わせて見に行ってきました。生徒さんは全国にいらっしゃるので、それをテーマにして「旅に出よう、鳥に会おう」というのでそれぞれの場所で見られる野鳥を色鉛筆で生徒さんが描いた作品を展示しています。
作品数は多くはありませんが、その一枚一枚に生徒さんの思いがこもったもので、その作風は個性豊かなものばかりです。ギャラリーへ行くのにどこに駐車しようかと悩みましたが、上手いことにヨドバシカメラの駐車場が向かいにあったので、そこに入れてついでに買い物もして3時間ほど無料で利用できました。普通なら90分がマックスらしいのですが、沢山購入したので店員さんが気を使って無料になるようにしてくれました。こういうところはヨドバシです。ヨドバシで買い物をしていていつも感じる事は、何かを聞いても”知りません”というフレーズを聞いた事が無くて、分からなくてもその場で調べて教えてくれます。
このギャラリー永谷は、2部屋使っていて一部屋は生徒さんの作品、そしてもう一部屋では谷口先生の作品を展示しています。内部での撮影は当然不可ですが、先生にはきちんと許可をもらって撮影しています。何度見ても先生の作品はリアルで緻密です。余計な作風は加えずに忠実に鳥の姿を描いているので、図鑑などには最適です。
会場には、先生は当然ですが、奥様のりつ子さんも常駐していて接客を丁寧に楽しくやっています。北海道の根室から観光協会の有田さんがお手伝いにきておりました。小海の星フェスにも来ていただいておりますが、とっても気遣いのできる方です。私の事も良く覚えていただいてました。本当なら今年の根室のバードランドフェスティバルでもお会いできていましたが、見送ったので残念でした。しかし来年こそは参加しようと思っています。彼には小海町の現状も話してありますが、同じ役場の観光協会の人間として驚く事ばかりだそうです。
23日は、奥様のりつ子さんが気を使って名物の「のり弁注文しておくから食べましょう!」と言ってママチャリに乗って行列に並んで買ってきてくれました。奥様は先生の著作物のほとんどに文章を書いたりして大きく関与しており、それがある事で先生の本がさらに素晴らしいものに仕上がっている。という方なのにチャリに乗って弁当を買いに行く、なんて事をされるほど気遣いが素晴らしく腰が低い方です。天文台の先生方にこの姿を見せてあげたいものです。谷口先生も書籍を40冊以上出している先生には見えないですが、決して偉そうな姿を見た事がありません。ところでこののり弁ですが、あまりの美味しさにビックリでした。道理で予約していても行列ができる訳です。中に使っている調理品は全て一から調理したものばかりだそうで、冷凍食品など一切使っていないそうです。
ところでこの作品展に合わせるように、吉祥寺ジュンク堂で「谷口高司、私の野鳥紀行」として谷口先生とそのお仲間たちの書籍を特別コーナーで販売しています。ジュンク堂はギャラリーから徒歩2分ほどの所にあるので、その前後に気軽に訪れて欲しいそうです。
嬉しい事に、星ナビ2月号も展示してくれています。これは谷口先生が2回目から星フェスへ参加協力してくれているので、先生のお仲間として認めてくれて置いています。書籍の一箇所一箇所に作家についての説明をしてくれているところがまた素晴らしいです。書籍を展示するだけなら天文書でもありますが、こういう細かい気遣いをして展示しているのは非常に珍しいです。そんな谷口先生ご夫妻だからこそ、多くの友人や協力者がいらっしゃいます。私もその小さな一人として認めてくれていますが、去年は星フェスの準備開催で非常にお世話になりました。4回の実行委員会には全て自腹でバスに乗って小海町へ来てくれました。普段からとても忙しい方なのですが、星フェスのために本当に尽力してくれています。感謝という一言では語りつくせません。
これまでの星フェスには、野鳥写真家の菅原さん、動物写真家の中村さんも手弁当的な対応でも参加してくれています。これも全て先生と奥様が頼んで小海に来てもらっていますが、去年は特に講演会の参加者がとても少なくて本当に申し訳なかったと思っています。普通ならこういう時は関係者がサクラで入って盛り上げたりするのだと思いますが、それは逆に失礼なので敢えて考えておりませんでした。
特設コーナーでは、きちんと中村さんの写真集を置いてくれていました。中村さんは元は大手航空会社のCAだった事もあり、お話しするととても穏やかで素敵な女性です。それはこの作品集を見れば良く理解できます。
何れにせよ、これからも谷口先生ご夫妻には健在で無理をせずにお仕事に励んで欲しいものです。
実は、ギャラリーの後にパシフィコ横浜のCP+へ行ってきました。宿泊もそれに合わせて近くのホテルに泊まりました。会場に最初に入って驚いたのは、サイトロンジャパンの展示ブースです。大きくて人だらけで近寄り難い雰囲気でしたので、直ぐには中に入らずに他のブースへ行きました。
それとは対照的なビクセンブースです。サイトロンの1/4くらいだろうと思いますが、駅の新聞売り場みたいな感じで展示していました。場所も小さいので人も少なかったですが、ちょっと寂しい現状を物語っているような展示でした。新製品のVSD90はありましたが、星フェスでも展示していて見ていたので特別珍しい事はありませんでした。一番気になっているワイヤレスユニットについて担当者へ聞いてみましたが、いつになるか分からないが、ZWO製品との連携ができるようになるそうです。つまりASIAIRからワイヤレスユニットを介して自動導入などもできるようになるという事でしょう。それは素晴らしいですが問題は接続です。それもアプリの改良でより繋がりやすくはなると言ってました。またAP赤道儀での対応ですが、それも今よりは使いやすくなるそうです。
サイトロンジャパンの新型AZ-GTiをツイン鏡筒で自動導入ができるマウントです。用途としては片方で電視観望をして、もう片方で眼視観測をするとかが可能になります。お値段は聞いておりませんが、AZ-GTiから考えると5万円以下だとは思います。ただ赤道儀モードには対応しないのだと、本格的な撮影は難しいかもしれません。
これも近日発売される自動導入経緯台です。サイズも手のひらに乗るくらいなので、お値段は2万円くらいかと思います。AZ-GTiと同じようにSynScanからコントロールできます。これはさすがに赤道儀モードでは使えないでしょう。しかし、自動導入ができる経緯台では確実に最安値になるでしょう。旅行などに持って行って気軽に星空観測ができるので、これから望遠鏡を買うような初心者には確実に売れると思われます。当店でも当然販売します。これまでは自動導入ができるマウントで一番安いと言われると、AZ-GTiか卓上の経緯台しかありませんでしたが、これからはこのマウントが選択肢の一つに加わるので、販売店としても来店される方にオススメしやすいです。導入精度などは分かりませんが、そこそこだと思います。後はその使い方次第です。
最後に、サイトロンジャパンのアドバイザリースタッフのWさんと話しましたが、新たな技術スタッフを数名入れて最強の開発陣を整えて国内でも新たな工場で製作体制を作っているので、これまでとは違った新たな製品作りが始まるそうです。最近の同社の勢いを考えると当然予想された事だと思いました。最近は国内ので光学企業の元気が無いように見えていたので、この話は業界にとっては歓迎される事です。今は海外製品に押されてしまって、昔のような活気が既に無くなっていますが、この話に触発されて他のメーカーなどが活気を取り戻してくれれば良いと思いました。
当店もそれに伴い、同社の製品の品揃えを増やしていって、欲しい商品がいつでも当店で現物を見て買えるようにしたいと思っています。せっかくお店に来ても展示している商品が高額なものばかりだと、せっかく来てもらってもそれほどお役に立てないので、気軽に買える価格帯の商品を時代の流れに沿って充実させていきたいと思っています。