おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

Pacific Astronomy & Telescope Show(9)+LB40

2010-09-24 18:21:02 | pacific astronomy & telescope show

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Lunt Systemsの新型ソーラーテレスコープの80mmプレッシャーチューナー、フェザータッチフォーカサーです。プレッシャーチューナーが2個付いていますので、より細かいチューニングが可能になっています。この上にダブルスタックモジュールを取り付けてダブルスタック仕様になります。一番安価な3000ドルのB1200にダブルスタックを付けても5000ドル以下です。80mmでダブルスタックが40万円台で買えるのですから驚きです。実際に観測してみましたが、かなり暗く感じてまるでダブルスタックのようでした。ただし見え方自体はシングルの見え方だったと思います。この80mmも当初予約するつもりでしたが、価格等も考えて結局はSM60IIのダブルとシングルをそれぞれ予約しています。来月中には入手できると思います。


先日書いたSM90IIも安価ですが、購入されるならSM60IIのダブルスタック仕様がお勧めです。或いはSM90IIのシングルを購入されて、余裕が出てきたらダブルスタックにするかです。


昨日無事に戻ってきましたが、しばらくはいろいろすることがありますので忙しいです。加工自体はご依頼があればいたしますので、コメントから御知らせください。現在は製作所が忙しいので、極望アダプターの製作とミードのライトブリッジ40のコンパクト化改造をしています。今日も製作所へ行って打ち合わせをしてきました。私が米国へ行っている間に図面を作ってくれておりました。驚くことにバックを開けてハンドルを回していくと30cmほどの高さから1.8mくらいまでエレベーター状に伸縮して40cmのドブソニアンに立ち上がる構造になっておりました。私も頭にはありましたが、本当に作れるとは思いませんでした。構造的には製作は可能とのことですが、肝心な費用がかなりかかるようで、ある程度の希望者が居ればコストダウンは図れるそうです。元のLB40を海外で購入して、その費用を入れても50万円を切ることができ、且つ出来が良ければ海外でも購入希望者が居ると思いますが、どうでしょう。


Pacific Astronomy & Telescope Show(8)

2010-09-23 18:02:54 | pacific astronomy & telescope show

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お待たせしました。新型ソーラーマックスIIです。60と90のダブルスタック仕様で展示デモしておりました。サイズはほとんど旧タイプと同じですが、チューニング方式が変わっています。シングルでは上のレバー状のチューナーで微調整をします。旧タイプは、先端部のティルトダイヤルで微調整をしていましたが、ダブルスタックではティルトダイヤルでダブルスタック特有のゴーストを調整してから先端のチューニングリングと鏡筒中間にあるチューニングレバーで微調整します。これは私個人の感想ですが、チューニングレバーだけでは従来方式より調整幅が小さいような気がしました。また、これまでSM40、60、90それぞれ使いましたが、表面の細かい部分の見え方が若干見えにくくなったような気がしました。


当然ながらデモは屋外で行われていましたが、なぜだかダブルスタックでデモしていました。それで、スタッフに頼んでシングルで見せて欲しいと言って先端のダブルスタックユニットを外してもらいました。私が思うにはソーラーマックスIIはダブルスタックで使用するのを前提で設計されているような気がしました。それにしても、旧機のシングル価格でダブルを買えるというのはこれから購入される方には嬉しいことでしょう。


旧SMAXをお持ちの方は、余程古い機種でない限りはダブルスタックフィルターの新型は使えるそうです。また、ダイヤゴナルBFも最近のものは使えるそうですが、古い初期型などはマッチしないので使えないそうです。


Pacific Astronomy & Telescope Show(7)

2010-09-23 17:04:36 | pacific astronomy & telescope show

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Starizonaのブースです。ご存知の方も多いと思いますが・・・、「Hyper Star」です。私もこれまで数種類のHyperStarを使ったことがあり、その良さは良くわかっています。初期のものはCCDの小さなチップではそこそこ使えましたが、DSLRでは使い物にはなりませんでした。しかし3~4世代のHyperStarはかなり良くなりDSLR対応となりました。8インチ用~14インチようまでありますが、DSLRに対応するのはC-11からです。最近のHD鏡筒にも対応しているそうです。


また、聞いた話では近いうちに日本のショップが扱うようになるそうで、その橋渡しをしたのが今回ブースを持っていたAstro Hutecだそうです。いずれ天文雑誌等に広告が載ると思うので何処のお店が分かるでしょう。価格的にはどの程度になるのかわかりません。下の写真はCPC-1100で経緯台モードで僅か20秒で撮影した画像だそうです。画像は小さいですが、実際にStarizonaさんから頂いた画像は大きいサイズで、その素晴らしさが良く伝わるものです。

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上の画像の左がC-8用のHyperStarで、右がC-14用です。使い方は簡単です。副鏡を外してHyperStarユニットと交換するだけです。先端にはT-ネジが切られているので、市販のカメラマウントが付けられます。カメラを取り付けるとバランスが悪くなるので、接眼部に取り付けるウェイトも付いていますので、それを取り付けます。フォーカシングは当然ですが、ファインダーを覗いて合わせるのですが、F2の明るさなので、何処にピントがきているのか非常に分かりづらかったです。私が使った頃はライブビューが付いていないカメラを使っていましたので結構面倒でした。いずれにせよ、その速写性能は大変魅力的です。オートガイダーも不要なので、国内販売されるようになったら試しに使われてみるといいでしょう。


Pacific Astronomy & Telescope Show(6)

2010-09-21 13:55:55 | pacific astronomy & telescope show

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Celestronの新製品「X-Cel LX」アイピースです。見かけ視界60度だそうです。まだ出荷日未定だそうです。価格は一般向け商品なので100ドル以下です。見口がヘリコイド式に伸縮します。結構使いやすいアイピースのようです。

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これも同社の新製品「Sky Sync GPS」です。これまでのセレストロン製品にGPS機能を持たせるものですが、既にGPSユニットを販売しているので、どの程度需要があるのか不明です。しかし、価格が安くなるようなのでこれまで使っていなかったユーザーが購入することはあるでしょう。

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先日も少し紹介した「NexGuide」です。スタンドアローンのオートガイダーです。面白いことにコントローラーも付いています。ガイド星の修正などに使用するものかと思います。赤い部分のLCDには実際の画像は出ないようですが、星の位置を示してくれる上にフォーカシングも状態を数値化して表示してくれるようなので使用するにはそれほど苦労はしないでしょう。セレストロンのブースでも実際に使ったことのあるのは一人しか居ませんでしたが、セレストロンの赤道儀などでは全く問題なくガイドしてくれたそうです。またショップスタッフにも聞きましたが、残念ながらアイオプトロンの新型赤道儀で使うつもりだったがケーブルが適合せずに見送ったので実際には使用していないそうです。


いずれにせよ、出ている数が少なくショップでも私が買ったものを含めて3台しか無かったそうです。その1台を入手できたので大変ラッキーでした。ただ、残念なことにセレストロン赤道儀が手元にありませんので、実際に使用するには変換アダプターなどを介して他社製品で使用するしかないでしょう。できれば手元にあるP-2Zを改造してもらいコンパクト化してBORG71フローライトを載せて使いたいところです。海外遠征には最適な機材となるでしょう。


ただ、ショップスタッフが言っていましたが、現状を考えるとこの製品は5年は遅れているそうで、今のようにPCが小型軽量化高機能化されて、Webカムでオートガイドするようになっている時代に必要な機材かどうか疑問に感じるそうです。しかし、スマートガイダーも新製品が出たりしていますので、そうは言っても欲しい方はいるでしょう。また価格もかなり劇的に安くなっていますので、そういう意味でも利用価値は十分あるでしょう。後は肝心な実使用に際しての性能です。


Pacific Astronomy & Telescope Show(5)

2010-09-21 13:05:34 | pacific astronomy & telescope show

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Meadeのマックスマウントです。搭載重量は150kgほどです。大変美しいメカニカルな作りです。日本の大手メーカーの赤道儀はホーロー焼付け塗装の芸術的美しさでいずれも異なるものです。このマウントはミードが何処かの精密加工下請け会社に依頼して製作したものだと思っています。セレストロンも以前にロスマンディーに依頼して作っていた赤道儀がありましたので、同じような流れでしょう。このマウントはオートスターIIコントローラーで操作します。さすがに50cmRCXが載っていると操作するのは怖いですが、数年前に使わせてもらったことがあります。おかしな話ですが、今使っているLX-200GPSより駆動音が静かで滑らかでした。価格は3万2千ドルです。今は円高なのでこの搭載重量でこの価格は魅力的かもしれません。ただし、購入しても後のメンテナンスがいろいろ大変でしょう。

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Meadeの新製品はソーラーマックスIIだけです。後は従来ある商品を展示しておりました。スタッフの数はセレストロンと並んで多くいましたが、結構暇そうでした。以前にスタッフだったES社のスコット・ロバート氏が居た時はブース自体は凄く雰囲気が良かったのですが、彼が辞めてからはいつも静かで活気がありません。やはり彼のような陽気で真面目なスタッフは必要です。彼が同社に居た時に残した功績は計り知れないでしょう。


Pacific Astronomy & Telescope Show(4)

2010-09-21 12:33:12 | pacific astronomy & telescope show

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Astro Havenのユニークな開閉式のドームです。ドームは手動でも電動でも開閉できます。この大きさならシュミカセ25cm経緯台か短焦点屈折くらいならいいでしょう。デザイン的に素晴らしいので輸入費用が安価にできるなら輸入して使ってみたいと思いますが、その前に天文台をつくらないといけません。興味がある方は同社のHPを参照されるといいでしょう。

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Vixen Americaのブースです。ここのブライアンは私の旧友の元同僚です。いろいろな光学メーカーを転々としてビクセンに落ち着いたようです。この辺の構図は日本と同じでしょう。ブースのスタッフと話していると世界は狭いことが痛感させられます。特に天文の世界はですが・・・。新型AXDマウントを展示していました。夏の星祭りでビクセン担当者が”米国へ送ったから9月のイベントでは見れるよ”といっていました。驚くことにAXDマウントの価格が1万ドル以下だそうです。日本での価格で計算すると1万2千ドルになりますので、日本の実売価格が100万弱なら米国のほうが安くなる勘定です。残念ながらスターブックのハードウェアーの規格に若干の法的問題があるそうで、このままでは米国では販売できないようなことを言ってました。それを解決するにのまだ時間がかかるので来年以降になるそうです。

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JMIの新型双眼望遠鏡です。8インチですが、モーター駆動で眼幅、フォーカシングが可能です。まだプロトタイプなので格好良くないですが、製品にすればもっとちゃんとなっているそうです。ただし価格が5000ドルです。20cm双眼でこの値段はどうでしょうか。ショップ担当者も首をかしげておりました。20cmドブが5~600ドルで買えるところで双眼鏡で電動だから・・・と言って5000ドルというのはいささか疑問です。ちなみに12インチなら9000ドル弱です。


Pacific Astronomy & Telescope Show(3)

2010-09-21 11:51:50 | pacific astronomy & telescope show

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ADMは日本ではあまり知られていないかもしれませんが、欧米では良く知られているメーカーです。主にアリガタベース、アリガタ、ガイド鏡筒保持リング、などの撮影観測用のベースを作っているメーカーです。日本ではこういうものだけ扱っているところはありませんが、しっかりした良い製品を作っています。ちなみに私も愛用しています。

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Riverside Astronomical Societyのブースです。カリフォルニアで活発に活動されておられる主要な天文クラブです。このPATSやRTMCもこのクラブが立役者となって運営しているそうです。他にもいくつかのクラブ組織がブースを持っていました。日本の天文クラブは個人が窓口となり運営されているところがほとんどですが、こちらはきちんとした組織になっており、スターウォッチングなどのボランティア活動もかなり活発にされておられるところは大きく違うようです。クラブの中には会員が自由に使える広大な敷地の観測スペースを持っているところがあります。会費のほかに観測地の年間利用料を支払えばいつでもそのスペースを使えるようになっています。いつも誘われるのですが、いずれは会員になる予定です。

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日本でも購読者が居る「Astronomy」誌のブースです。たま~に買いますが、それほど面白い雑誌とは思いません。海外でいつも日本の天文誌の話題になりますが、日本の天文雑誌は大変良くできていると関心されます。ただ残念なことに紙面の半分近くが広告というのはいただけません。一般誌より売れないので仕方ない部分もあることは確かですが・・・。日本の天文誌を海外版として発刊すれば良いと思いますが、海外出版関係に強いところが協力者として居ないと厳しいでしょう。私的には出せば日本での数字よりは遥かに稼いでくれると思います。


Pacific Astronomy & Telescope Show(2)

2010-09-21 09:28:46 | pacific astronomy & telescope show

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2日間見ておりましたが、日本のようなイベント込み具合ではありませんでしたので、比較的ゆっくり見ることができました。ただ驚くのは上の画像のような巨大な機材を会場に運んで展示するところがアメリカらしいでしょう。

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70cmの変形型カセグレン経緯台です。これの凄いところは高度回転軸中心に接眼部があることで、それが両サイドにあります。片方は撮影ように、もう片方には眼視観測用の接眼部になっています。それぞれ中央の斜鏡をスイッチングすることで両方に焦点を結ぶことができます。言うなればクーデ焦点式のカセグレン経緯台という感じでしょう。このスタイルだと見る高さが変わらないので、贅沢ですが、台座部に椅子を固定して一緒に回転するようにすれば障害者なども楽に観測することができるでしょう。

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確か、西はりま天文台の”なゆた”がこのスタイルだったと思います。この機材に興味があったのは、望遠鏡もそうですが、鏡筒を形作っているフレームで、カーボンファイバーを多用して軽量化を図っています。驚くことにこの70cmや50cmなど数台ありましたが、ほとんど手作業で搬入搬出をしていました。一般の天文ファンが使うことを考えて製作しているのでしょう。価格は聞いておりませんが、日本で70cmを購入するよりはたぶん遥かに安いでしょう。良し悪しは別ですが・・・。 


Pacific Astronomy & Telescope Show(1)

2010-09-19 15:23:34 | pacific astronomy & telescope show

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かなり大遅刻をしてPATS会場へお昼を大きく過ぎて到着しました。時差ボケで寝過ごしたこととフリーウェイの渋滞が原因です。そのおかげでセミナーのほとんどを見ることができませんでした。見たいものがいくつかありましたので少し残念でしたが、いつもの顔が会場にはありましたのでホッとしました。


会場へは直ぐに行けたのですが、駐車場が最初分からなくてミードのスタッフに聞いてやっと分かりました。シェラトンホテルの地下にあったので入り口も分からず少しウロウロしました。会場への入場料は1日だけなら20ドル、2日間なら36ドルでした。駐車料金も9ドル50セントです。2日間利用するのでトータルで60ドルほどになります。日本と違って何かとお金がかかるのが米国の天文イベントです。

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Meadeのブースです。中央に50cmRCXとマックスマウントが鎮座しておりました。このマウントについては後に書きますが、巨大です。周囲を取り囲むように発売中のLXシリーズなどが並んでいます。5月のスターパーティーではこれだけの機材は展示されておりませんでした。やはり室内だと安心して精密機器の展示ができるということですね。手前には今回の目玉商品のソーラーマックスIIが展示してありました。もちろん実観測でデモンストレーションしていましたので、後ほど詳細を書きます。

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テレビュー社のブースです。今回の目玉はイーソスシリーズの見かけ視界110度の3.7mmアイピースでしょう。今日は前述のように遅刻しましたのでまだきちんと見ておりませんので、明日朝からしっかり見て回ります。明日は目覚ましをかけて休みますので、大丈夫でしょう。まだ他のブースなども紹介します。