おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

Meade LB40の抜け殻の嫁ぎ先が決まりました!

2010-09-30 18:17:30 | ミード関連の加工改造

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先日このブログでLB40の抜け殻の引き取り手を募集したところ、早速希望者様が現れました。ミラーはお持ちだということで、それ以外のパーツを既製品を用いて40cmドブソニアンを作り上げるということでご依頼をいただいております。ただし、F値が若干大きいので全体の長さを伸ばす加工が必要となります。いくつか方法がありましたが、それぞれ費用がオーバーしそうなので、ご依頼者様のご予算に従った方法で製作することになるでしょう。費用的にはちょっと厳しい部分がありますが、何とか無い知恵を絞ってご要望にお答えすべくこれから図面を書いていきます。


製作自体は来月からになりますが、月末くらいまではかかりそうです。完成しても実際にテストしてからでないと納品はできません。これが完成したら、次は自分のLB40の主斜鏡ユニットを使って40cmのトラベルドブを製作していきます。使用するカーボンファイバーチューブが日本で入手できそうにないので、米国から取り寄せることになりそうです。


スカイメモR極軸望遠鏡改良 for GP/GPD赤道儀

2010-09-30 17:57:24 | 南天遠征用の改造製作

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以前に何度かご依頼がありました、ビクセンGP/GPD赤道儀へのスカイメモR用極軸望遠鏡のコンバート加工です。最初に製作したものはシンプルなアダプターで気に入っていただいていたのですが、その後”センター調整をもっとし易いものを作って欲しい”というご要望にお答えして新たに改良して製作いたしました。

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今回製作したものは赤道儀装着後に極軸望遠鏡単体でセンター出しができるように工夫しているために、以前に製作したものより構造がやや細かく製作が面倒です。本日加工が終わりましたので、GPD赤道儀へ装着して調整してみました。結果は良好できっちり根気良く調整していけば赤道儀の性能を最大限引き出せるだけのセッティングが可能でしょう。


今回極軸望遠鏡についていろいろ見てチェックしてきましたが、スカイメモの極望単体で入手するとパターンのセンター調整がきちんとされていないことに気がつきました。当たり前かもしれませんが、赤道儀など本体に装着してから調整するために単体での調整はしていないようです。パターンのセンター出しだけならご自身で使っていればそれほど難しいことではありません。


GP赤道儀やスカイメモのような極軸望遠鏡を手前のリング1点だけで固定保持されている構造では、どうしても極望先端が中空に浮いて遊んでいるので、赤道儀の極軸センターと一致させること自体に無理があります。当方が現在製作中の新型ポータブル赤道儀はそれをふまえ極望は手前と先端の2箇所で極軸にしっかり固定されるような構造にしています。今回製作した新型アダプターも極軸に対して2箇所で保持するような構造にしています。センター出しは手前の調整ネジで調整するようにしています。


スカイメモの極軸望遠鏡は暗視野照明装置が付いている上に調整がパターンを回転させて指定位置に星を入れることで極軸合わせが完了します。他社だと時間、日付を目盛りで見て合わせる上に明視野照明なので、特に南天では暗い星を使って調整するので分かりにくいと思います。私の場合は常にスカイメモのパターンで極軸合わせをしていますので、GPの極望などは使ったことがありません。もちろん南天での話しです。


P-2Z赤道儀/TG経緯台の三脚架台の抜けとめ加工

2010-09-27 16:43:42 | 特注製作品(タカハシ)

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先週からお受けしていた三脚架台の抜けとめ加工を行いました。単純にネジを差し込むだけなのですが、横からボルトを通した時に抜けとめネジとの間に隙間ができないようにきっちりネジ先端部も旋盤で仕上げています。純正品は固体差も考えて多少の隙間を持たせていますが、単体で特注加工なのできっちり作ったほうがガタの解消になります。

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最近のタカハシ架台には標準で抜けとめが付いていますが、旧タイプの架台では付いていませんので、必要な方は御知らせください。画像と同じようなローレット加工をしたハンドル付きボルトを取り付けてご返送いたします。


他にも遠征用などでタカハシ赤道儀などを市販の大型三脚などに取り付け加工が必要な方はアダプターの製作もいたします。P-2用三脚アダプターはかなり好評でした。また今もお問い合わせいただいておりますが、H-50型赤道儀の三脚アダプターも製作可能です。2012年のケアンズ日食のための機材のカスタマイズもいたしますので、”〇〇の赤道儀に〇〇鏡筒と〇〇の機材を搭載したい”というような感じでご要望いただければ大抵のものは作れます。コメントより御知らせください。


自動導入経緯台ETX-LS6でお気軽天体写真

2010-09-26 17:56:10 | Astro Photography

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上の画像はオートガイダーなど使わずにETX-LS6で撮影したものです。僅か30秒露出ですが、色も形も良く分かりますし、経緯台特有の視野回転も全く気になりません。さすがにASA3200ですのでノイズが多いです。実は経緯台で撮影するのは初めてのことで、これほどきちんと点像になって写るとは思っておりませんでした。視野回転を最小限度に押さえて撮影すればかなり良い結果が得られそうです。通常初心者はこういった星雲星団の撮影はハードルが高いのでやらないと思いますが、この撮影スタイルなら誰でも簡単に撮影ができそうです。

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他にも自動導入経緯台がありますので、いろいろ試してみたいと思います。こういったお気軽撮影ができるのもデジタルカメラの高機能化によるものでしょう。テレスコ工作工房へ機材製作をご依頼いただいたゲストさんでコンパクトデジカメで手持ちでお気軽撮影をされている方がおられます。この方はNikonの8cm屈折を使われておられますが、大変興味深いことです。私も見習っていろいろトライしてみたいものです。


今日も素晴らしいBlue Skyです!

2010-09-26 09:30:43 | ブログ

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海外の話題から突然キノコが出てきて驚かれるかもしれませんが・・・、おかしくなった訳ではありませんのでご安心を!


最近ややお堅い話題ばかりでしたので、田舎ならではの話題を一つ。帰ってきてから数日雨が降っていて昨日は嘘のような青空でしたのでキノコを探しに山へ行ってきました。少しでしたが食用キノコの「ジコボウ(ヌメリイグチ)」を採りました。山のキノコでは最も安心して食べられるもので、地方ではそれぞれの名前で呼ばれていて親しまれています。最近は都会からもわざわざキノコ採りに来るくらいで、そんな方々にも安心して採取できるキノコとして有名です。


昨日は思った通り、R299の狭いスペースには所々に県外ナンバーの車が止まっていました。もちろんキノコ採りです。キノコなんかわざわざガソリン代を出して時間をかけて採りにくるより一パック100円で買えるのに何で・・・と思われるかもしれませんが、キノコ採りはキノコを採る作業が楽しいからで、且つ肉体的、精神的に良いのでしょう。ただしそうばかりも言えませんが・・・、私は間違いなく前者です。


それより、そろそろ紅葉が始まりますが、まだ麦草峠は始まりかけで完全に色づくにはこの感じだと10月に入って初中旬くらいでしょうか。来週早々から北アルプスへ登山に出かける予定です。加工がいくつか頂戴しておりますので、それを仕上げてからになります。


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今日も素晴らしいBlue Skyです!

夜まで天候が続けば八千穂高原へ上がって購入したばかりの「iOptron Mini Tower Pro」のテストをする予定です。iOptoronはほぼ全ての機種を使いましたが、唯一この機種だけが使っていませんでした。月齢は良くありませんが、話題の「ハートレイ103P彗星」を観測してみようと思っております。


Lightbridge40からUltra Portable Lightbridge40へ

2010-09-25 09:51:03 | ミード関連の加工改造

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先日から書いているMeade Lightbridge40の抜け殻です。今回の改造はこの部分は使用しませんので、欲しい方がおられましたらお安くお譲りいたしますので、コメントから御知らせください。台座部も揃っております。ただし、斜鏡スパイダー類、主鏡セルは使いますので付きません。40cmクラスのミラーと斜鏡などがあればドブソニアンが作れます。主鏡セルは木工工作でも作ろうと思えば作れるでしょう。斜鏡スパイダーなどもそれほど難しいことはないでしょう。


たまたま最新号のスカイ&テレスコープ誌を読んでいたら面白い記事が載っていました。「Ed's Tracking Travelscope」という記事で、25cmドブソニアンを小さな木箱のケースに収めて飛行機に乗せて旅行に行けるという私にとっては大変参考になる面白い記事です。まさに私の目指しているものです。ただし40cmドブですのでどこまでコンパクトなトラベルスコープに出来るかですが・・・。その筆者のアドレスは下記ですのでご覧になってみてください。

http://www.garyseronik.com/?q=taxonomy/term/10

一般的なドブソニアンの構造はこういったパイプを使ったトラス構造のものですが、私の考えているものは先日書いたエレベーション式で伸ばして組み上げるタイプかカーボンチューブを中間にリングを介して組み上げていくタイプのいずれかです。製作費が低いのは後者のほうですが、製作してみてもらうに面白いのは前者のほうでしょう。いずれのタイプを作るにしても全体の美しさも考慮した形状のものを作りたいと思っています。基本的には全てのパーツは機械加工できっちり仕上げていきますので、デザイン通りに仕上がれば良いものが出来ると思います。


肝心なカーボンチューブ(パイプ)を扱っているところがネットを検索してもなかなかヒットしません。用途がフィッシングロッドかフライト用のものしか見つかりません。最悪見つからなければ海外から取り寄せて製作するしかありません。価格も海外のほうが安価に買えるようです。こういう特殊材料は日本より海外のほうが割合簡単に手に入ります。


日本に1週間ぶりに帰ってきましたが、出国する前と帰国した後の寒暖差の激しさに驚いております。行く前はクーラーが欲しいくらい暑かったのですが、帰ってきたら真夏から秋に変わっていました。昨夜も寒くて暖房の心配をしたくらいです。これで一気に紅葉に色づいていくでしょう。周辺の山々がかなり近く見えてきました。今日も美しい青空です。


Pacific Astronomy & Telescope Show(9)+LB40

2010-09-24 18:21:02 | pacific astronomy & telescope show

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Lunt Systemsの新型ソーラーテレスコープの80mmプレッシャーチューナー、フェザータッチフォーカサーです。プレッシャーチューナーが2個付いていますので、より細かいチューニングが可能になっています。この上にダブルスタックモジュールを取り付けてダブルスタック仕様になります。一番安価な3000ドルのB1200にダブルスタックを付けても5000ドル以下です。80mmでダブルスタックが40万円台で買えるのですから驚きです。実際に観測してみましたが、かなり暗く感じてまるでダブルスタックのようでした。ただし見え方自体はシングルの見え方だったと思います。この80mmも当初予約するつもりでしたが、価格等も考えて結局はSM60IIのダブルとシングルをそれぞれ予約しています。来月中には入手できると思います。


先日書いたSM90IIも安価ですが、購入されるならSM60IIのダブルスタック仕様がお勧めです。或いはSM90IIのシングルを購入されて、余裕が出てきたらダブルスタックにするかです。


昨日無事に戻ってきましたが、しばらくはいろいろすることがありますので忙しいです。加工自体はご依頼があればいたしますので、コメントから御知らせください。現在は製作所が忙しいので、極望アダプターの製作とミードのライトブリッジ40のコンパクト化改造をしています。今日も製作所へ行って打ち合わせをしてきました。私が米国へ行っている間に図面を作ってくれておりました。驚くことにバックを開けてハンドルを回していくと30cmほどの高さから1.8mくらいまでエレベーター状に伸縮して40cmのドブソニアンに立ち上がる構造になっておりました。私も頭にはありましたが、本当に作れるとは思いませんでした。構造的には製作は可能とのことですが、肝心な費用がかなりかかるようで、ある程度の希望者が居ればコストダウンは図れるそうです。元のLB40を海外で購入して、その費用を入れても50万円を切ることができ、且つ出来が良ければ海外でも購入希望者が居ると思いますが、どうでしょう。


Pacific Astronomy & Telescope Show(8)

2010-09-23 18:02:54 | pacific astronomy & telescope show

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お待たせしました。新型ソーラーマックスIIです。60と90のダブルスタック仕様で展示デモしておりました。サイズはほとんど旧タイプと同じですが、チューニング方式が変わっています。シングルでは上のレバー状のチューナーで微調整をします。旧タイプは、先端部のティルトダイヤルで微調整をしていましたが、ダブルスタックではティルトダイヤルでダブルスタック特有のゴーストを調整してから先端のチューニングリングと鏡筒中間にあるチューニングレバーで微調整します。これは私個人の感想ですが、チューニングレバーだけでは従来方式より調整幅が小さいような気がしました。また、これまでSM40、60、90それぞれ使いましたが、表面の細かい部分の見え方が若干見えにくくなったような気がしました。


当然ながらデモは屋外で行われていましたが、なぜだかダブルスタックでデモしていました。それで、スタッフに頼んでシングルで見せて欲しいと言って先端のダブルスタックユニットを外してもらいました。私が思うにはソーラーマックスIIはダブルスタックで使用するのを前提で設計されているような気がしました。それにしても、旧機のシングル価格でダブルを買えるというのはこれから購入される方には嬉しいことでしょう。


旧SMAXをお持ちの方は、余程古い機種でない限りはダブルスタックフィルターの新型は使えるそうです。また、ダイヤゴナルBFも最近のものは使えるそうですが、古い初期型などはマッチしないので使えないそうです。


Pacific Astronomy & Telescope Show(7)

2010-09-23 17:04:36 | pacific astronomy & telescope show

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Starizonaのブースです。ご存知の方も多いと思いますが・・・、「Hyper Star」です。私もこれまで数種類のHyperStarを使ったことがあり、その良さは良くわかっています。初期のものはCCDの小さなチップではそこそこ使えましたが、DSLRでは使い物にはなりませんでした。しかし3~4世代のHyperStarはかなり良くなりDSLR対応となりました。8インチ用~14インチようまでありますが、DSLRに対応するのはC-11からです。最近のHD鏡筒にも対応しているそうです。


また、聞いた話では近いうちに日本のショップが扱うようになるそうで、その橋渡しをしたのが今回ブースを持っていたAstro Hutecだそうです。いずれ天文雑誌等に広告が載ると思うので何処のお店が分かるでしょう。価格的にはどの程度になるのかわかりません。下の写真はCPC-1100で経緯台モードで僅か20秒で撮影した画像だそうです。画像は小さいですが、実際にStarizonaさんから頂いた画像は大きいサイズで、その素晴らしさが良く伝わるものです。

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上の画像の左がC-8用のHyperStarで、右がC-14用です。使い方は簡単です。副鏡を外してHyperStarユニットと交換するだけです。先端にはT-ネジが切られているので、市販のカメラマウントが付けられます。カメラを取り付けるとバランスが悪くなるので、接眼部に取り付けるウェイトも付いていますので、それを取り付けます。フォーカシングは当然ですが、ファインダーを覗いて合わせるのですが、F2の明るさなので、何処にピントがきているのか非常に分かりづらかったです。私が使った頃はライブビューが付いていないカメラを使っていましたので結構面倒でした。いずれにせよ、その速写性能は大変魅力的です。オートガイダーも不要なので、国内販売されるようになったら試しに使われてみるといいでしょう。


Pacific Astronomy & Telescope Show(6)

2010-09-21 13:55:55 | pacific astronomy & telescope show

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Celestronの新製品「X-Cel LX」アイピースです。見かけ視界60度だそうです。まだ出荷日未定だそうです。価格は一般向け商品なので100ドル以下です。見口がヘリコイド式に伸縮します。結構使いやすいアイピースのようです。

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これも同社の新製品「Sky Sync GPS」です。これまでのセレストロン製品にGPS機能を持たせるものですが、既にGPSユニットを販売しているので、どの程度需要があるのか不明です。しかし、価格が安くなるようなのでこれまで使っていなかったユーザーが購入することはあるでしょう。

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先日も少し紹介した「NexGuide」です。スタンドアローンのオートガイダーです。面白いことにコントローラーも付いています。ガイド星の修正などに使用するものかと思います。赤い部分のLCDには実際の画像は出ないようですが、星の位置を示してくれる上にフォーカシングも状態を数値化して表示してくれるようなので使用するにはそれほど苦労はしないでしょう。セレストロンのブースでも実際に使ったことのあるのは一人しか居ませんでしたが、セレストロンの赤道儀などでは全く問題なくガイドしてくれたそうです。またショップスタッフにも聞きましたが、残念ながらアイオプトロンの新型赤道儀で使うつもりだったがケーブルが適合せずに見送ったので実際には使用していないそうです。


いずれにせよ、出ている数が少なくショップでも私が買ったものを含めて3台しか無かったそうです。その1台を入手できたので大変ラッキーでした。ただ、残念なことにセレストロン赤道儀が手元にありませんので、実際に使用するには変換アダプターなどを介して他社製品で使用するしかないでしょう。できれば手元にあるP-2Zを改造してもらいコンパクト化してBORG71フローライトを載せて使いたいところです。海外遠征には最適な機材となるでしょう。


ただ、ショップスタッフが言っていましたが、現状を考えるとこの製品は5年は遅れているそうで、今のようにPCが小型軽量化高機能化されて、Webカムでオートガイドするようになっている時代に必要な機材かどうか疑問に感じるそうです。しかし、スマートガイダーも新製品が出たりしていますので、そうは言っても欲しい方はいるでしょう。また価格もかなり劇的に安くなっていますので、そういう意味でも利用価値は十分あるでしょう。後は肝心な実使用に際しての性能です。