おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

CORONADO製品の劣化症状

2023-07-31 19:42:14 | Hα太陽望遠鏡関係


今日お客さんから送っていただいたブロッキングフィルターで撮影した太陽面ですが、ほぼ真っ黒なイメージです。撮影しているのでまだ明るいですが、太陽を導入した際に真っ黒なので、どこに入っているのか一瞬見失うほどです。こんな状態でもユーザーさんはブロッキングフィルターが劣化しているとは気がつきません。毎日見ていれば徐々に暗くなってくるので、何かおかしいと気がつくかもしれませんが、何年も放置してあった状態で突然見ても気がつかない人がほとんどです。



それで他の問題無いブロッキングフィルターで同じ露出で太陽を撮影すると、大きく露出オーバーになります。太陽が真っ白になって完全にオーバーになっています。これを適正露出で撮影した同じ露出で劣化したBFで撮ると真っ暗で何も写りません。正常なBFとそうでないBFとではこれだけ明るさが変わるという事です。この劣化したBFの状態はほぼ末期症状です。これと同じ事がPSTでもあります。当店へ送られてくるブロッキングフィルターもPSTも基本的にはイメージが非常に暗くてまともに彩層面の状態が分かりません。

しかし、当店へ預けていただければ、新品時の状態くらいまで正常化されて本来の太陽望遠鏡の性能を発揮できるようになります。ここ最近になってご依頼が増えています。ご自宅で見えなくて放置されているものがあったらぜひ当店へ預けてください。太陽活動が大変活発になっています。こんな時こそ太陽望遠鏡を使わないともったいないです。



夕方の東空ですが、太陽光が当たって幻想的なイメージになっています。入道雲で良く見ていると上部がどんどん高く盛り上がっています。この雲の下は雷雨で大変です。昔、登山をよくやっていた頃は、東の空に積乱雲が現れたら注意するようにしていました。テント泊だったりするので、その場合は山小屋へいつでも逃げられるように、予め用心しておきます。標高が高い場所での雷雨は非常に危険です。カミナリは下界だと上から下へ落ちてきますが、山上では稜線を這って落ちてくるので、テントにいても安全ではありません。夏山でそんな常識を知らずに登っていると大変危険です。このところ高齢者の山岳遭難が非常に多いのが気になっています。最近の高齢者は経験が圧倒的に少ないので、若い頃から登山で育った人間と違って山の危険を察知する能力がほとんどありません。それが遭難に繋がっているような気がしています。

2023志賀高原天空フェスへ発射します!

2023-07-29 11:34:43 | 国内イベント


今年も志賀高原の天空フェスへ呼ばれたので出かけてきますが、7月〜9月の3度の開催でラストを飾る9月23日にアストロカーで出演してきます。去年も行ったのですが、その時は二日間でしたが、今年は23日の一日限りです。昨年は二日間とも大雨と霧でアストロカー室内が水浸しで帰ってきてから対物レンズを見ると内部まで水滴で曇っていて取り去るのが大変でした。その時にはドームは開閉していなかったにも関わらず入り口から入り込んだ水蒸気が内部に籠って望遠鏡がベチャベチャになりました。今年はそういうことが無いように、特にレンズ等にダメージを与えないように考えて行きたいと思います。

それで今年は、サイトロンジャパンのシュミットスタッフさんと何かコラボしてやりたいと考えて伝えています。アストロカーでは170インチスクリーンで電視観望ができるので、晴れてくれるのを願ってそれで何か面白い事ができないかと考えて提案しています。9月はこの他にも国の観光庁の補助金制度を使ったツアーでインバウンドを対象にしたスターウォッチング関連事業が6日間行われる上にホテルのスターウォッチングも6回あって、一ヶ月の半分はスターウォッチングをやっているので忙しいです。当然の事ながら全て仕事として受けているのでボランティアではありません。まぁ、星フェスは完全なボランティアというかスポンサーの一人として参加しています。



CORONADOの太陽望遠鏡PSTの修理依頼が細々とあります。それほど多くはありませんが、継続して毎月何台かのご依頼があります。仕事の合間に作業をやっていますが、状態を見るために検品しますが、ほとんどが太陽面が真っ黒に近い症状で彩層面などもまともに見えません。しかし修理完了すると劇的に見え方が変わって元の状態か新品以上の見え方に復活します。本来ならもっとご要望があっても良さそうですが、多分ほとんどの方は、良く見えなくなってから国内代理店(販売したところ)へ問い合わせても修理不可と言われるので、諦めて物置にしまってそこで終わってしまうのが普通だと思いますが、当店へ出してくれれば僅かな費用で復活しますので、ぜひご利用ください。

しかし、昨日もSolar Max 90を近くの別荘へ納品しに行きましたが、30年前以上は天文ファンで大型赤道儀も持っていたようですが、たまたま当店へ他の用事で来た際に太陽望遠鏡を見せてあげたら、それでまた天文熱が復活したようで、いきなり90を欲しいとの事で納品してきました。赤道儀やZWOのカメラ類も全てセットだったので、費用的には大きかったですが、支払いは全て物品のトレードで成立しているので、お金の支払いは一切発生していません。しかし、ようやく機材を全て納品できたので手元にある引き取り品を販売する事ができます。お客さんにとっては不要な機材を全て処分できて新しい機材に生まれ変わるので良かったと喜んでいました。



スターウォッチングで6台のポルタIIを使っておりますが、カートに乗せて降ろす際に僅か30cmほどの高さから倒してしまったら、微動のノブハンドルが折れてしまいました。この折れる症状は方々で聞いており、本当に簡単に折れてしまうのでどうしてかな〜と材質を見たらウォームギアが真鍮製なので粘さが無いので簡単に折れてしまう事が分かりました。一般的なビクセン赤道儀は全て真鍮製ですが、経緯台も同じウォームを使っているので、コストを抑える為に大量に作って用いているのは理解できますが、ポルタIIは赤道儀よりは無茶な使い方をされる事が多いので、もう少し頑丈に作って欲しいものです。この破損を避けるには、ウォームギアを鋼材で作るしかないと思われますが、それも簡単ではないので、メーカーでは既に多くの問い合わせがあっても対応が難しいのかもしれません。修理はできてもその費用は高額になると思われます。もしSPやGPのものと交換ができるのであれば、交換してみようと思います。

今夜もまたいつものガトーキングダム小海でのスターウォッチングですが、今のところ30名弱の参加者がいるそうです。まだ少しだけ入りますが、後はチェックイン後に天気が良ければ当日参加が入って満席になるでしょう。今月はまだ一度もまともに出来ていないので、何とか今日は屋外でフルにやりたいと願っていますが、問題は今の天候から考えて雲がいつ発生して雷雨になるかです。それが早ければ早いほどその後に晴れる可能性が高くなるのですが、今の天候を考えると夜は曇りそうな気がします。

スカイウォッチャー Sky Watcher EQ8-Rを展示しています

2023-07-27 19:00:32 | ブログ


昨日は、サイトロンジャパンの所沢の配送センターまで「Sky Watcher EQ8-R」を引き取りに行って、その後にビクセン本社へ寄って担当者と昼食をご一緒してから戻ってきました。埼玉を車で走っていた時の車外温度は、何と44度もあって驚きました。多分アスファルトの照り返しによるものだと思いましたが、それにしても尋常な暑さではありません。



車に搭載する際には、センターで元箱から出してもらい、赤道儀は立派なケースのまま入れて、三脚は裸の状態で入れました。元箱のままでは大きすぎて入らないので、箱は全て処分してもらい、ケースと三脚類だけもらってきました。赤道儀がケースに入れた状態で50kg程度あり、三脚も25kgくらいあるので、結構な重さです。これにウェイトが2個あるので、トータル80kg程度はあります。夏は特に気をつけないといけないのは、タイヤのエアーが減った状態でさらに重量物を入れて炎天下の中高速走行すると、タイヤバーストの危険があるので、重量物を乗せる時は事前にエアーをチェックしてからにしています。



三脚というかピラーというか、流石に25kg+20kgウェイトに50kg機材を乗せるだけあって、相当頑丈に出来ています。人が乗ってもビクともしません。ただ、これを移動観測に使うというのは、若い人はいいですが、年寄りには厳しいものがあります。もはや固定観測で天文台仕様の機材です。これなら安心してC14HDを乗せて使えます。



ピラーの搭載面は、テフロン素材のシールを貼ってあるので、方位調整などがスムーズにできるようになっています。



ただ一つ困ったのは、赤道儀の両サイドに仮で固定するM8ボルトが一箇所入れるともう一箇所が固くて入りにくい事です。赤道儀側のバカ穴がネジサイズギリギリで開けてあるので、少しでもずれるとネジが締められなくなります。これはシュミットさんに連絡したら、対応策を教えてくれましたので、それで対処してみたいとは思います。この穴は、鋳物で作ったままで塗装しただけなので、寸法的にはどうしても曖昧になりますが、これが日本製だとその後に機械加工で仕上げるので、こういう事はありません。まぁ、これだけの商品を5000ドル程度で販売するので仕方ない事かもしれません。



しかし組み上げながら一つ感動したのは、このピラーの下部に見える緑のハンドルですが、これを回す事で赤道儀をしっかりとピラーに固定できるように内部にギア部品が入っています。こういう部分は日本製品ではやらないでしょう。日本だとピラーに穴を空けて下からナットで固定するように作ったと思います。



最初にこのホイールの大きさを見てビックリしましたが、天文台クラスの大型機のようなホイルサイズです。歯数は435枚ですが、その数値からして大型機と言えます。しかも内部の駆動スタイルはハイブリッドマイクロステッピングモーターを使ったベルトドライブです。それがあって動作音は極めて静かです。これならベランダなどで使っていても苦情になるような事もありません。



搭載ベースは、幅広のCGEロスマンディー方式ですが、3箇所もクランプが付いているのが良く分かりません。2箇所でも良さそうですが、乗せる機材が機材なので、過剰と思われるほどクランプの数を設けているのでしょう。3箇所のクランプは、全て独立しているので、全てを締めて固定できるようになっています。しかし、このサイドからアリガタを締め付けて固定する方法は、そろそろ新しい形に変えた方が良さそうです。特に一人で重量機材を乗せて固定する時には、片方で鏡筒を支えてもう片方でクランプを締めるので、かなり大変です。できればベースに乗せるだけである程度の固定ができるようになれば、楽にそれができると思います。



三脚先端には、アジャスター機能を持ったフラットナーがあります。ただ設置する地面が砂利だったりすると安定しないので、使用中に動いたりしそうです。設置する場合には安定したアスファルト面にすべきでしょう。



アリガタサドルの前後にはUSB端子や外部への電源出力端子がいくつもあって、とても便利に機能的に作られています。ここは今風の用途に見合った設計となっています。ただ、その使い方を考えないとタコ足配線状態になって、ケーブルを切断してしまったりするので要注意です。



一般的な大型赤道儀には無いハンドルですが、持ち運びの際にはとっても便利です。このサイズの赤道儀でハンドルが無いとどこをどう持っていいのか分からないですが、ハンドルが付いていると、常にその持ち方が同じなので不用意に落としたりする事もなく安全に移動ができます。

Sky Watcher EQ8-Rは、まだ使うのはこれからですが、赤道儀の移動は何とかできても、問題は鏡筒を乗せる時です。それも考えるとその都度設置と撤収をするのは骨が折れます。

Sky Watcher EQ8-Rを実店舗で展示しているのは、サイトロンジャパンショールームかシュミットになりますが、これに当店も入ります。長野県の方で実機を見て触ってみたい方は、ぜひ当店へお越しください。貴重な展示機となります。もちろん販売もしますので、お店に来てご相談ください。現在、100万円以下で買える大型機で50kgの機材搭載ができるのはこの赤道儀だけです。最近の海外品は故障もしにくくなっているので、無茶な使い方さえしなければ末長く使えるでしょう。

巨大なプロミネンスの出現 . . .FCT-150のその後

2023-07-24 17:54:50 | ブログ


今朝の太陽面はとても活発で大きな黒点とプロミネンスが出ていました。珍しい形のプロミネンスだったのでちょっとビックリしました。ここんところ太陽活動が活発で毎日見ていても飽きませんが、それでも流石に毎日見ているだけだと飽きてきます。太陽の継続観測はとても重要ですが、そのデーターを価値あるものにするには、地道に観測データーを収集して然るべき機関に報告するなどすれば、その意味もあるでしょう。最近はネット上にスタッキングした画像処理バリバリの太陽面が転がっていますので、流石に見飽きてきました。しかし、この夏の炎天下では太陽を見ようという気になりません。それが撮影とかになると、熱射病の危険もあるので、夏の太陽観測も考えものです。



タカハシFCT-150を分解して白い鏡筒とフードとキャップは、板金屋にお願いして塗装処理をしてもらいます。今日出したので今週中には仕上がる予定ですが、その後組み上げてタカハシへレンズ清掃へ出します。問題はそれでどこまで復活してくれるかですが、それはやってみないと分からないそうです。綺麗に曇りが取れるのもあれば、そうでないものもあるので、そこは博打のようなものです。多分綺麗にならなくても作業代金としては全額請求されると思うので、できれば綺麗になって戻ってきて欲しいものです。そしてできれば秋の星フェスで皆さんにお披露目をしたいと願っております。乗せる赤道儀は、自動導入化したNJP赤道儀になると思います。

塗装に出した鏡筒が戻ってきて組み上げる際には、塗装の厚みが増すと思われるので、セルを旋盤で削らないと入らないかもしれません。接眼側はメス型なので外す時と同様に作業をすれば入るはずです。できればライトグレーの部品も塗装したいですが、接眼体を全て分解しないとできないので、それはしないで外観を綺麗にクリーナーで仕上げようと思っています。タカハシへメンテへ出す前に@5,000円の箱を送ってもらう必要があります。それに入れてタカハシへ送るのですが、結構面倒です。



先日引き取ったフジノン Meibo 25 x 150 / 2.7°大型双眼鏡ですが、一応売りに出しています。中古相場が分からないので、敢えてお値段は設定しておりません。その年代から考えても状態は良いので、それなりのお値段を提示してくれる方がいればお譲りしたいと思います。純正三脚が不要な方で観測所などへ設置される方は、アダプターなどは当店にてお作りします。純正三脚はデザインも素晴らしく頑丈で機能も良いですが、とにかく重たいので、使い方としては常時設置しておいて見たい時に見られるようにTeleGizmosカバーを被せて使うのがベストのようです。ご要望の方はぜひ当店へのお問い合わせからオファーしてください。ブログへされてもお答えできません。

FCT-150の続き . . .今夜もスターウォッチングですが

2023-07-22 18:25:39 | ブログ


昨日の続きですが、タカハシFCT-150の対物レンズセルを外して内側を見てみましたが、やはり内側が曇っています。拭き跡があったのは、前所有者が曇った状態で拭いて綺麗にしようと思ったが、結局は拭き取れないので、諦めたという感じです。私も少し周辺部を拭きあげてみましたが、簡単には取れそうにありませんのでそこで止めました。ただ、曇りの状態としては完全とはいかなくてもある程度は薬液で綺麗にはなってくれるのではと考えているので、近いうちにタカハシへ出す事にしました。分解清掃費用は、11万円かかるそうですが、綺麗になるのであれば決して高いものではありません。



ただ、もしレンズが綺麗になるのであれば、鏡筒も綺麗にしたいので、対物レンズを出す前に分解して鏡筒の再塗装をしてから再度組み上げて修理清掃へ出そうと思います。FCT-150のフードは、鋳物で作られているので相当重たいです。一般的なフードなら既製品の引き抜きパイプで作られていますが、このフードは違います。キャップも贅沢に作られています。流石に200万円もする製品です。価格的には今のTOA-150より高かったようで、40年前に200万円も出して趣味に没頭できる人は少なかったでしょう。



他にもこの製品が高級品である事が分かる部分がありますが、接眼部のラック&ピニオン装置です。ハンドルを触った感じがとても滑らかで素晴らしいです。このラック&ピニオンは、タカハシ製品の専売特許のようなもので、その精巧さが良く分かります。この部分は国内光学メーカーの高額製品とは一線を画する部分です。万が一対物レンズが元の状態に戻らない場合には、この接眼部を他の製品に利用したいものです。とにかく、このFCT-150が使えるようになるには半年くらいはかかりそうです。



スカイウォッチャーAZ-EQ5を大型カーボン三脚に乗せて使いたいとの事でご依頼があって作りました。当初、ビクセンのAPP-130TLに取り付けて欲しいとご要望があったのですが、より汎用性もあって使いやすいカーボン三脚をお勧めしたら、それでご依頼を受けて作りました。



こちらも同じGITZOカーボン三脚用にiOptron赤道儀を乗せて使いたいとの事でご依頼があってお作りしました。



先日お作りして納品したスカイウォッチャーAZ-GTiXマウントですが、画像を送ってくれたのでご紹介します。ご本人曰く、とても使いやすくて楽しめているそうです。最初に双眼鏡を乗せて使いたいとの事で該当する機材選定から考えて、部分的に改造をしてこの形になりましたが、初めての事だったのできちんと機能してくれるか心配でしたが、今日のメールで安心しました。片方に16x70mm双眼鏡をもう片方に80mmガイドスコープを乗せて使うという理想的な星空観察の機材になっています。



とにかくお役に立って良かったです。

今夜はこれからまたホテルでスターウォッチングですが、今日は今の所12名ほどの参加です。しかし天気がいただけません。多分室内になると思いますが、万が一晴れると困るので屋外仕様のセットも持っていきます。ここ連日参加者が多い状態で開催したので、今日は少し楽にできそうです。

昨日は、地元の旅行会社の営業さんとJTBの担当者が数名で来店されました。9月に国の補助金制度を使ってインバウンドを対象にしたツアーを行うという事で最後にスターウォッチングをやって締めくくるという事でご依頼いただきました。合計5回開催するそうで、初めての事ですができるだけの対応はしたいと思っています。

とっても珍しい名機「タカハシFCT-150」を買い取りしました

2023-07-21 16:29:06 | ブログ


昨日は、伊豆半島まで行って、名機中の名機「FCT-150」を引き取ってきました。重量が25kgくらいあるので、望遠鏡としてはかなりの大物ですが、直接自分の手に触れるのが初めてでした。このFCTシリーズは、65〜200まであって、一般的にアマチュアが使っているのは、65、76、100、125くらいまでですが、150となると公共の施設などに入っている以外で個人で所有しているのはごく僅かだと思います。最初に買い取りのお話を聞いた時には、FCTの話は一切無くて、フジノンのメイボー25 x 150双眼鏡とタカハシ160型赤道儀を引き取って欲しいという問い合わせだけでした。しかし、その後に写真を送ってきたら、その中にこのFCT-150が入っていたという訳です。



それでこのFCTシリーズの事をご存知の方ならまず心配するのは、対物レンズの状態ですが、やはりというか、僅かに曇りのような汚れが付着していました。ただ、接眼側から覗いてみると、同心円上に拭き跡のようにも見えるので、3枚のレンズ内側では無いようにも見えます。外側ならクリーナーである程度は綺麗になるかもしれませんが、もしダメならタカハシへ送ってレンズの分解清掃と光軸調整などをやってもらう事になるでしょう。



この鏡筒には、純正のレデューサーも付いていて、それはとても状態が良くて新品のように綺麗でした。全く使っていなかったと言っても過言ではないような状態でした。なので、余計に鏡筒本体はメンテして綺麗になればと思っています。ついでに鏡筒も再塗装して新品状態にまでレストアしたいと考えています。



他にもフジノンメイボー25 x 150対空型双眼鏡を引き取りましたが、純正のごっつい三脚も健在でした。今のフジノン双眼鏡は、ミードなどの既製品を代用して使うようになっていますが、この当時のは純正品でこんな立派な三脚がありました。しかもエレベーター付きなので、高さ調整がとても楽です。状態も非常に良くて対物レンズも未使用品のように綺麗です。フジノン150mm双眼鏡の中でもこの対空型は、非常にレアで中古市場にもあまり出てきた事がありません。しかし現在当店にはこの双眼鏡が2台もあります。150mmが計4台あるので、置く場所が狭くなってきています。

この双眼鏡類を引き取ってきたところが伊豆の大きな別荘に置いてあって、地元の不動産会社がその物件を買い取った際に望遠鏡類があったとの事で双眼鏡の事をネットで調べていたら、うちのブログがヒットして問い合わせをしてきたという経緯です。対応してくれた社長さんは、アウディーに乗ってその物件まで案内をしてくれましたが、買い取りの際に代金を渡してもお金を数えようともしませんでした。その時の表情からこんな古い機材がそんなに高値で売れるとは考えもしなかったのだと思います。

ただ一つお話の中で勿体ないと思ったのは、他にも大型の双眼鏡があったそうですが、それは見た目も汚かったのでガラクタとして捨ててしまったそうです。もう少し早くその話を聞いていたらタダでくれたかもしれません。

7月17日の太陽イメージ 大きな黒点の出現

2023-07-18 22:14:52 | Hα太陽望遠鏡関係


昨日撮った太陽のHαイメージですが、太陽黒点の大きなのが2箇所で出現していました。Hαイメージだとグジャグジャで分かりにくいですが、白色光で撮れば直ぐに分かるくらい大きい黒点です。撮影は、Solar Max II 90を使っています。ただ、困ったことにAZ-EQ5を使っていたのですが、コントローラーで修正をしても、直ぐに暴走して一気に90度くらい動いてしまいます。RATEボタンを押してスピードを落とそうとしても、全く反応せずに直ぐに暴走します。仕方ないなのでシュミットさんへ連絡したら送ってください。と言われました。聞いた話では今まで聞いた事がない症状だとの事ですが、本体側の問題なのかコントローラーの問題なのか比較対象が無いので判断できません。赤道儀はお客さんに納品するためにテストしていたのですが、これでは納品もできません。

しかし、屋外が30度以上ある炎天下での太陽観測は、地獄そのものです。気をつけないといけないのは簡単に熱中症になる事ですが、そのためのSolar Observing Hoodがあることですが、使っていませんでした。太陽を観測する時は、直射日光に晒されないような観測所を作った方がいいかもしれません。一般的な天文台では光が入り過ぎるので、望遠鏡の先端だけ外に出るような工夫があれば、夏でも安全に太陽観測ができるでしょう。太陽専用の観測所を持っている方は、まずいないと思いますが、仮にあったとしても普通の観測所に太陽望遠鏡を設置してあるだけでしょう。

今夜はまだ少し涼しいので助かっていますが、昨夜がメチャクチャ暑かったです。まだ猛暑は始まったばかりなので、これが8月一杯くらいまでは続くだろうと考えています。以前なら8月お盆を過ぎると夜はだいぶ過ごしやすくなっていましたが、最近はお盆を過ぎても暑さが和らがないので、とにかく暑くなっています。

また中古品の買い取りをしてきました . . .セレストロンC14

2023-07-17 16:35:42 | ブログ


昨日は、近くの知人の天文台へ行って遊びがてら往年の名機「セレストロンC14鏡筒」を引き取ってきました。まだお支払いをしていないので当店の物ではありませんが、お店には置いてあります。天文台を作られてからその主砲として30年ほど活躍されていた物ですが、状態的には実用できるレベルの商品です。光学系には全く問題はありませんし、きちんとメンテナンスもされていたので異常もありません。近いうちに販売する予定ですが、またアトリエが狭くなっているので早めに嫁ぎ先を見つけたいと思います。C14では珍しい鏡筒バンド仕様ですが、このバンドだけでも欲しい方はいらっしゃるかと思います。



このケースもついているので、発送ができるかどうか分かりませんが、このケースに入れてお渡しします。シュミカセもこれだけのサイズだと、外気温への慣らしが数時間くらいかかると思いますが、出来ればどこかにファンを取り付ければその性能も発揮しやすくなります。それをしっかりやれば古くても素晴らしい撮影ができるでしょう。

今週は、まだ他に中古品の引き取り依頼があって、結構な大物です。また珍しい商品もそこに含まれておりますが、状態が悪そうなので値段をつけるのが難儀しそうです。しかし、ここん所買い取りばかりやっているので、少しづつでもいいので販売していかないと場所が無くなってきます。ヤフオクも利用できるのですが、10%近い手数料が高額品だと厳しい上に消費税を乗せられないので、そこも利用を躊躇する原因になっています。とにかくこの夏の間に処分しようと考えています。当店では大物は基本的に発送はできないので、引き取りが最低限度の条件となりますが、これから夏にかけては八ヶ岳は普通に遊びなどで来られる方も多いと思いますので、そのついでにお引き取りいただければと思います。



それから、今日新たに出した商品で以前に即日売却された「スカイウォッチャーソーラークエストマウント」と中古品で良く見えるPSTのセットを販売しています。PSTは、ブロッキングフィルターを交換済みなので今後しばらくは安心して使えます。まだ新しいタイプのPSTなので外観もとても綺麗です。ソーラークエストマウントは三脚も当然付属していますし、こちらは新品です。新品でも見えるか見えないか分からないPSTを新品で買うよりは遥かにお得で安心です。
ソーラークエストマウントは、電源を入れてしばらくするとGPSと交信して太陽を自動で導入してくれてそのあとの追尾もしてくれるのでとっても便利です。もちろん撮影もできます。太陽観測をこれからやりたい方はぜひご検討ください。



昨夜のスターウォッチングは、参加者40名弱ありまして何とか屋外でやったのですが、開始して直ぐに曇ってきてほとんど星を見せられないうちに終わってしまいました。最後にはゲリラ豪雨の洗礼まで受けました。開始までは順調だったのですが、お客さんが来てから分かったのは電視観望で使うタブレットPCの充電をすっかり忘れており、自動導入をしようとした瞬間電源が落ちてそれに気がつきました。それに天候も悪くなってきてあっと言う間に星も消えてしまって、お客さんも呆然と立ち尽くしていたような感じになってしまいました。とりあえず悪天候用の用意をしていたので、スクリーンに投影する内容をPCからのパワポに切り替えてお話をして何とか終わらせました。

これまで長い事スターウォッチングは方々でやってきましたが、途中で雨が降ってきたのは初めてでした。そのお陰で機材撤収が雨の中でやっていて、昨日初お披露目したフジノン双眼鏡も雨でびしょ濡れになって20cmクーデ式もドームを閉めるのが遅くてびしょ濡れになりました。先ほどまでそのための対物レンズの清掃などをやっていましたが、正直ウンザリでした。そんなこんなでしたが、今日の午後に突然5人の家族連れのお客さんがお店を訪問されて驚きましたが、うちの店を調べて来たそうです。聞いた話ではご主人の仕事でビクセンの部品を作っているそうで、その関係もあって星には興味があるそうです。娘さんが昨日やる予定だったクイズの内容が知りたいと言われたので、内容を見せてあげたら熱心に見ていました。昨夜は午前1時に起きてホテルの外へ出たら晴れていて星空も見られたので良かったと言ってました。最後に今年の秋の星フェスの話をしたら、とても興味を持ってくれたようで来てくれるかもしれません。

今週末からいよいよ夏本番です。スターウォッチングも徐々に知名度が上がって来て、毎回満席になりつつあります。去年の夏はそうでもなかったですが、今年は今の所とても好調で機材も充実せてソフト面でも充実させて来ているのですが、まだまだ天候の不安定さについて行けていないので、そこをどうアドリブでこなしていけるかがこれからの課題です。経験が物を言うといいますが、まさにそれだと思っています。アストロカーでのスターウォッチングはまだスタートしてから2年ですので、10年くらいやればそれなりに仕上がってくるでしょう。

フジノン 25x150 大型双眼鏡をカーボン三脚に乗せました

2023-07-15 13:19:56 | ブログ


スターウォッチングで活用できるように、フジノン150mm双眼鏡をMoreBlueさんの大型カーボン三脚に乗せました。元々あった、Nikon 10cm用のピラーに乗せて使うには、あまりに大変なので、移動観測を考えて軽量で頑丈なカーボン三脚に乗せる事を考えました。カーボン三脚は軽いので大型の双眼鏡には安定性が欠けるという心配はありますが、実際に乗せてみるとそんな事は感じられません。



この搭載で作ったのは、300mmのハーフピラーです。高さ的にこのくらいの高さなら一般的な大人なら空を見られますし、子供でも覗く場所によっては台をおけば大丈夫です。直視型の大型双眼鏡では標準的な高さになっていると思います。ハーフピラーはこの後塗装して仕上げますが、色をどうするか悩んでいます。架台に合わせて調色して色を作ってもいいですが、どちらにしてもカーボン三脚には合っていないので、以前に調色したアストロカーの20cmクーデ式の色で塗装しようと思っています。これなら架台の色に近いので違和感無く使えるでしょう。



架台とハーフピラーの固定は、Nikon 10cm赤道儀と同じように4本のボルトをベースに差し込んで少しだけ回してからボルトを締める方法です。ハーフピラーは、φ120mmで作っているので、上下のフランジを同じ径で作るとその取り付け方法が使えないので、一部径を細くして支障が無いように作っています。φ100mmで作っていればその心配は無かったのですが、それだと架台とのバランスが良くないのでやめました。



この状態に組み上げるのはワンタッチで工具も要りません。後は18kgある双眼鏡を乗せるだけで組み立て完了します。以前にスターウォッチングでビクセンのBT-125をSXG-HAL三脚に乗せて使っていましたが、お客さんによって倒された事がありました。双眼鏡が軽い上に三脚も安定感がやや欠けるので、ちょっと引っ張れば簡単に倒れました。今回は、カーボン三脚は軽いですが、上から18kgの双眼鏡で支えているので、簡単には倒れないと思います。特に心配なのは、子供さんですが、無理に引っ張ったり体重をかけて接眼部を持ったりするので、最初にその事をしっかり注意してもらうようにします。万が一倒れたりすると、その重さだけで大怪我をする事があるので、場合によっては地面にペグを打って固定しようと考えています。

ところで、今夜と明日は、ガトーキングダム小海でのスターウォッチングですが、昨日の時点で既に予約が各日40名以上入っています。@1500円と有料でこれだけ入るというのは、本当にありがたい事ですが、困った事にまだ予約を入れようとしているので、それは流石にやめて欲しいと申し入れしました。人数に無関係で私のギャラは決まっていますが、しかし入れるだけ入れるというのは、許容量を超えているのでクレームを発生しやすくなって結果的に全体の質を落としかねないので、それはやめてもらいたいところです。ただGWの時もあったのですが、60名以上ご要望が合って半数近く断った事があったので、これから夏にかけてご要望は多くあるので、これからはその人数に応じて2回に分けて実施するのも考えていくべきでしょう。私がこれまでやったマックス人数は100名ですが、それは2回に分けて50名づつにしてもらいました。この時も有料で@1,000円だったので、一晩で10万円を稼げるので良いかと思われますが、人数が増えただけ個人の満足度が下がるので、やはり今のやり方では、40名が限度だと思います。



今夜から新たにフジノン双眼鏡を加えていきますので、その満足度を高めるスタッフとして役立ちますが、それでも40名程度にしておくのがベストです。今年から新たに機材を増やして、80MFポルタIIを6台設置していますが、それは20cmクーデを覗くのに待っている方々のために用意した機材なので、定員を大幅に超えたりすると、人でゴチャゴチャになってそれぞれのお客さんに対応する時間が無くなってきます。そのために今回はまた新たにフジノン双眼鏡を増やしましたが、それでも50名とかになると流石に対応ができません。これが無料でやっているものであればいいですが、有料なので細かい気遣いが必要です。まぁ、何れにせよ今夜は晴れる気配が無いので室内開催になりますが、明日は屋外でできそうです。

Sky Watcher AZ-GTiXを動かしてみました

2023-07-12 18:35:41 | ブログ


仕入れてから初めて部屋で電源を入れて動かしてみましたが、予想通りというか、WiFiが繋がりません。この種の機材はいつもそうですが、一発で繋がった事がありません。繋がらない場合は、あ〜して、こ〜してとか書いてありますが、それでも全然ダメなのですが、何度も限りなくやっていると、突然思い出したように繋がります。しかし不思議な事に、一度繋がると次からは一発で繋がるようになるのは、他のスカイウォッチャーの機材では同じです。

とりあえず接続さえできれば、外での観測では自動導入も問題なくできているので、心配は要らないのですが、今回は突然に厳しい使い方というか、その能力をマックスで使うやり方なので、ちょっと心配だったのでその搭載を想定して動かしてみました。



動作は特に問題なかったですが、鏡筒とのバランスが良くないと、クランプを締めていてもスリップして回転しないような事がありましたが、バランスをきちんと直してから動かしてみたら問題なく動いてくれました。そもそもクランプのきき方があまいようで、本体側に負荷をかけないという意味で多少はスリップするように設計されているのかもしれません。とりあえずこの状態できちんと動いてくれているので、鏡筒が双眼鏡に入れ替わっても問題なく動いてくれるでしょう。現状、この状態で左右の機材総重量が6kg近いので、ほぼマックスの搭載で使っています。ビクセンのポラリエもそうでしたが、初期の頃の搭載重量は2kgでしたが、今は6kgに訂正しているくらいなので、この架台も同様と考えると、10kg程度でも大丈夫かもしれません。ただその場合でもバランスの取り方次第で変わるので、可能な限り駆動軸には負荷をかけない使い方が必要です。

まぁ、そうは言ってもAZ-GTiXで電視観望の基本セットを考えた場合には、10万円でお釣りがくる程度で揃うので、これから始めたい方々にはかなりお得かもしれません。



ところで、スカイウォッチャー繋がりでお知らせがありますが、今月中に当店に展示機として同社のAZ-EQ8R赤道儀が入ります。長野県にお住いの方で実機を実際に見たい方には、好都合かと思います。店舗として展示しているのはシュミットさんなどのサイトロンジャパンの営業所だけでしか展示されていないので、そういう意味では貴重な一台です。できれば展示だけでなく、実際に動かして使ってもらいたいので、庭に設置してもいいのですが、そのスペースが無いのでどうするか悩んでいるところです。何れにせよ、また来たらお知らせします。