昨日は、サイトロンジャパンの所沢の配送センターまで「Sky Watcher EQ8-R」を引き取りに行って、その後にビクセン本社へ寄って担当者と昼食をご一緒してから戻ってきました。埼玉を車で走っていた時の車外温度は、何と44度もあって驚きました。多分アスファルトの照り返しによるものだと思いましたが、それにしても尋常な暑さではありません。
車に搭載する際には、センターで元箱から出してもらい、赤道儀は立派なケースのまま入れて、三脚は裸の状態で入れました。元箱のままでは大きすぎて入らないので、箱は全て処分してもらい、ケースと三脚類だけもらってきました。赤道儀がケースに入れた状態で50kg程度あり、三脚も25kgくらいあるので、結構な重さです。これにウェイトが2個あるので、トータル80kg程度はあります。夏は特に気をつけないといけないのは、タイヤのエアーが減った状態でさらに重量物を入れて炎天下の中高速走行すると、タイヤバーストの危険があるので、重量物を乗せる時は事前にエアーをチェックしてからにしています。
三脚というかピラーというか、流石に25kg+20kgウェイトに50kg機材を乗せるだけあって、相当頑丈に出来ています。人が乗ってもビクともしません。ただ、これを移動観測に使うというのは、若い人はいいですが、年寄りには厳しいものがあります。もはや固定観測で天文台仕様の機材です。これなら安心してC14HDを乗せて使えます。
ピラーの搭載面は、テフロン素材のシールを貼ってあるので、方位調整などがスムーズにできるようになっています。
ただ一つ困ったのは、赤道儀の両サイドに仮で固定するM8ボルトが一箇所入れるともう一箇所が固くて入りにくい事です。赤道儀側のバカ穴がネジサイズギリギリで開けてあるので、少しでもずれるとネジが締められなくなります。これはシュミットさんに連絡したら、対応策を教えてくれましたので、それで対処してみたいとは思います。この穴は、鋳物で作ったままで塗装しただけなので、寸法的にはどうしても曖昧になりますが、これが日本製だとその後に機械加工で仕上げるので、こういう事はありません。まぁ、これだけの商品を5000ドル程度で販売するので仕方ない事かもしれません。
しかし組み上げながら一つ感動したのは、このピラーの下部に見える緑のハンドルですが、これを回す事で赤道儀をしっかりとピラーに固定できるように内部にギア部品が入っています。こういう部分は日本製品ではやらないでしょう。日本だとピラーに穴を空けて下からナットで固定するように作ったと思います。
最初にこのホイールの大きさを見てビックリしましたが、天文台クラスの大型機のようなホイルサイズです。歯数は435枚ですが、その数値からして大型機と言えます。しかも内部の駆動スタイルはハイブリッドマイクロステッピングモーターを使ったベルトドライブです。それがあって動作音は極めて静かです。これならベランダなどで使っていても苦情になるような事もありません。
搭載ベースは、幅広のCGEロスマンディー方式ですが、3箇所もクランプが付いているのが良く分かりません。2箇所でも良さそうですが、乗せる機材が機材なので、過剰と思われるほどクランプの数を設けているのでしょう。3箇所のクランプは、全て独立しているので、全てを締めて固定できるようになっています。しかし、このサイドからアリガタを締め付けて固定する方法は、そろそろ新しい形に変えた方が良さそうです。特に一人で重量機材を乗せて固定する時には、片方で鏡筒を支えてもう片方でクランプを締めるので、かなり大変です。できればベースに乗せるだけである程度の固定ができるようになれば、楽にそれができると思います。
三脚先端には、アジャスター機能を持ったフラットナーがあります。ただ設置する地面が砂利だったりすると安定しないので、使用中に動いたりしそうです。設置する場合には安定したアスファルト面にすべきでしょう。
アリガタサドルの前後にはUSB端子や外部への電源出力端子がいくつもあって、とても便利に機能的に作られています。ここは今風の用途に見合った設計となっています。ただ、その使い方を考えないとタコ足配線状態になって、ケーブルを切断してしまったりするので要注意です。
一般的な大型赤道儀には無いハンドルですが、持ち運びの際にはとっても便利です。このサイズの赤道儀でハンドルが無いとどこをどう持っていいのか分からないですが、ハンドルが付いていると、常にその持ち方が同じなので不用意に落としたりする事もなく安全に移動ができます。
Sky Watcher EQ8-Rは、まだ使うのはこれからですが、赤道儀の移動は何とかできても、問題は鏡筒を乗せる時です。それも考えるとその都度設置と撤収をするのは骨が折れます。
Sky Watcher EQ8-Rを実店舗で展示しているのは、サイトロンジャパンショールームかシュミットになりますが、これに当店も入ります。長野県の方で実機を見て触ってみたい方は、ぜひ当店へお越しください。貴重な展示機となります。もちろん販売もしますので、お店に来てご相談ください。現在、100万円以下で買える大型機で50kgの機材搭載ができるのはこの赤道儀だけです。最近の海外品は故障もしにくくなっているので、無茶な使い方さえしなければ末長く使えるでしょう。