おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

スカイメモR/RS 雲台ベースあります

2014-09-23 16:09:07 | Kenko ケンコー製品
Img_4266

今日仕上がってきたばかりですが、数台あります。スカイメモに取り付けることで、よりバランスがとりやすく、内部に別の回転軸を組み込んでいるので回転がスムーズです。バランスさえきちんととって使えば、サンニッパなどの重量機材でも楽に使えるようになります。収納も考えてこの形状にしているので、雲台ベースを付けた状態のままバックに入ります。


Img_4269

オプションとして赤緯延長軸も用意しておりますが、この商品も純正品を使った経験から小さな工夫を随所に取り入れています。純正では自由雲台を乗せる雲台コマが簡単に回ってしまい、そのために撮影中に三脚まるごと倒したことがあります。その経験からこの赤緯延長軸には不用意に回転しないようにネジでしっかり固定できるようにしています。それぞれロングとショートがありますので、上手に使い分けることでウェイトを使わないで機材を2台搭載することもできます。また付属の変換アダプターにより純正のウェイトシャフトを使うことが可能です。
                                                     
私が海外でスカイメモRを初めて使った頃には、当然こんな便利な部品は存在しませんでした。もしあったら真っ先に飛びついて購入したと思います。今回はたまたまオーダーがあったので余分に製作しましたが、また売り切れると何時製作するか分かりません。ポラリエばかりクローズアップされていますが、スカイメモのユーザーは相当いらっしゃるはずです。まだご存知ない方も大勢いらっしゃると思いますが、ぜひこのスカイメモ用雲台ベースを使っていただければと思います。



激安 20cmドブソニアンとは・・・

2013-06-26 19:04:14 | Kenko ケンコー製品

Img_1389

この画像を見て直ぐに”ドブソニアン”と分かるのは一般の天文ファンでしょう。これから組み立てるところです。昨日届いたばかりです。あまりの安さに思わず注文した・・・というより、かなり以前からこの口径のドブソニアンに興味があったので買った次第です。

届く前から分かっていましたが、やはりバラバラで梱包されて来ました。

Img_1392

この鏡筒一本だけ箱に入っていました。鏡筒まで組み立てないといけない・・・と思っていましたが、それは回避できました。

見た目もコンパクトでなかなか格好良いです。観測時には上に引き上げて使うようになっています。デザイン的にも良く出来ています。ファインダーも50mmが付いています。安っぽさが全くありません。これには驚きました。お値段がサンキュッパ-39,800円です。こんな値段で20cm反射望遠鏡が買えるようになったことは驚くべきことです。本当に良い時代になったものです。

Img_1393

組み立てるのは、この架台だけです。のろまな私でも30分で組み上げました。残念なのはマニュアルを見ても組み立て方が理解できないことでしょうか。結局組みあがった図面だけ参考にして何とか組み上げました。図面にそれぞれのモデルごとの組み立て方があるのですが、類似しているのでちょっと分かりにくいと感じました。日本語版が付いているのですが、8インチには8インチだけの組み立てずが1枚だけでもあれば、それで十分な気がします。

まぁ、サンキュッパの商品にそれだけの手間をかけてしまうとこの値段では売れないかもしれません。分かる方は分かるので十分なんでしょう。

Img_1395

組み立てるとこうなります。

回転もスムーズですし、フリーストップでの使い勝手が大変良いと思います。これなら気軽に持ち出して星空を流して楽しめるでしょう。重量的には20kg程度ですので、大人一人で楽に持ち運びができます。回転ベース部にストッパー付きのキャスターがあるとさらに便利かもしれません。この辺は自分でいくらでも改造ができるので、必要と思われる方はやったらいいでしょう。

今回このスカイウォッチャーのDOB8を購入したのは、これでいろいろ遊びたいと考えたからで、これを利用してさらに発展させてみたいと思ったからです。使いながらあちこちいじって、壊して変なものを作るかもしれません。いろいろ壊しがいがあるDOB8です。

Img_1398

黒い棒状の部品が飛び出していますが、これが良く出来ていて、高度回転軸のクランプの役割を果たしています。結合部にベアリングをかましていますので、ある程度の固さ調整が可能です。こんな細かい部分まで良く考えて作られています。

Img_1399

鏡筒には先端にシールド(ダストカバー)と遮蔽キャップが付いています。先端を引き出す時の動きは大変スムースです。レバーもホールドしやすく見た目もお洒落です。接眼部は2インチと31.7の2種類部品が付いています。どちらかを交換して使うようになっています。しかし、どうせなら2インチにして変換アダプターにしたほうが良かったかもしれません。

Img_1401

反射望遠鏡ですので、当然のことながら光軸調整が必要です。慣れている方には面倒ではありませんが、初心者にはまずできない調整です。一応出荷時にはある程度調整されているとは思いますが、それがどの程度のレベルで、そのままの状態でどの程度使えるかが問題です。このくらいの望遠鏡をまず上級者さんが買うことはなさそうですので、購買層としては、初級者~中級者さんが中心となると思います。

タカハシ、ビクセンクラスの反射望遠鏡なら出荷時にはある程度は合わせてあるはずですが、この種のものではどの程度のものか分かりませんので、後は実際に使って検証してみるしかないでしょう。この構造上から見た限りでは、一度合わせれば普通に観望する程度であれば大きくは狂わないように見えます。

Img_1397

細かい部分の良し悪しはともかくとして、これだけの商品をこの値段で販売できるのは素晴らしいことです。私が天文を始めた高校生くらいの時では、MIZARの15cm反射望遠鏡セットが20万円もしていました。その当時売れていた20cm反射赤道儀が6~70万円ということを考えると、性能的には劣るかもしれませんが、大口径20cm反射望遠鏡が4万円を切って販売されているのは凄いことです。良い時代になったものです。

ドブソニアンというと、30cm、40cmは当たり前、50cm以上でないと星まつりでも見向きもされないくらいになりましたが、それでも20cmは時代が変わっても20cmの望遠鏡です。それだけの光学性能を発揮してくれます。ポラリエで星空を撮り始めて、より天文に興味が湧いてきた方は、最初に買う望遠鏡としては丁度良いサイズですし、懐もそれほど痛まないでしょう。


このDOB8は、東京のシュミットさんなどで扱っていますが、確か限定販売だったと思いますので、興味のある方はお問い合わせになられたらいいでしょう。


Sky Exploler EQ6proを使ってみました

2010-11-28 22:53:01 | Kenko ケンコー製品

Img_1621

極軸望遠鏡のコンバート加工をお受けした際に動作チェックをして欲しいということで、実際に使ってみました。これまでに市場に出ている自動導入機のほとんどは使っていますが、このEQ6proは使ったことはありませんでした。使ってみてまず驚いたのは、導入精度がこの種の赤道儀では大変良いことです。海外品の赤道儀はこれより高価な上級機でも視野から外れたりすることがありましたから、それを考えると予想外のことでした。


電源投入してからの初期設定はミードやセレストロンなどと同じく、観測地、日付け、時間、タイムゾーン、サマータイムなどの設定をしてアライメントの種類を選んでするのですが、アライメントに使用する星リストがファーストアライメントでは多いので問題ないですが、セカンドアライメントでは星数が2等星などのマイナーな星しか選択できないみたいです。何故なのかはちょっと理解できませんが・・・、それに近いのがアイオプトロンです。これもアライメントの数によって選択できる星が違ってきます。3スターが最も多く選択できるようで、マニュアルでも3スターを推奨しています。しかし、2スターでも十分視野中央に入れてくれますので、細かい観測をしない限りは十分だと思いました。


しかし、このEQ6proは重たいです。腰の弱い方にはお勧めできません。アトラクス並に重たいです。しかし、自動導入時のモーター音は思っていたより静かです。停止直前に”ガシャガシャ”と鳴る以外は気になる音ではありません。導入速度はビクセンSXWと同じくらいです。海外赤道儀はこれより早いので、鏡筒にいろいろ付けていたりすると、その向きによっては赤道儀と干渉して気がついた時には破損してしまうこともあるでしょう。また、ケーブル類をひっかけて切断してしまったりと速度が速いとそういうことが起こるので、要注意です。


Kenko スカイメモ極望アダプターの改良(1)

2010-09-06 18:50:41 | Kenko ケンコー製品

以前からご依頼いただいているのですが、何度か製作したKenkoスカイメモ極軸望遠鏡のGP赤道儀へのコンバート加工でセンター出し(赤道儀の極軸と極望の中心合わせ)をもっと簡単にして欲しいというご依頼がありまして、そのためのアダプター改良を考えております。既にアイディアは固まっておりますが、まだ製作には至っておりません。今週中には試作しますので、結果が良好だったら手持ちのGPD赤道儀でテストと調整を行って納品する予定です。


今回の製作予定のアダプターは前後2つのパーツから成っており、先端部を極軸へ固定して、後方から極望が付いたユニットを差し込んで後はネジで微調整をしてセンターを合わせていくという方法です。そのために一部のパーツをプラスチックを用いています。強度的には問題ないですが、設計通りに機能してくれるかどうかです。


今晩からしばらくぶりで関西へ所用で行ってきます。夜間のドライブなので睡魔との闘いですが、SAで休憩しながらのんびり行きます。


EQ6pro赤道儀のタカハシ用赤緯ヘッドの製作

2010-08-18 16:28:14 | Kenko ケンコー製品

Img_0306

先日ご依頼をいただきました、KenkoのEQ6pro赤道儀にタカハシM8タップを立てた赤緯ヘッドを製作しました。この赤道儀は一般的なアリガタ付きやM8タカハシタイプとはやや異なり、アリガタヘッドがサイドのネジで簡単に取り外しが可能になっています。ただし、タカハシ鏡筒を載せようとすると、鏡筒側にアリガタレールを取り付けておく必要があり、それでは面倒ということで、今回のご依頼となったようです。

Img_0308

M8タップが4個十字についているのは、縦横いずれでも取り付けが可能にするためのようです。タカハシ鏡筒だけを載せるのであれば、中央にφ52mmの凹みを入れるとより格好良いのですが・・・、他製品を載せる場合には端面とフィットしないので、不必要とのことでした。

Img_0307

上面のM8タップ部は、それこそボール盤でもできる作業かと思いますが、下部の赤緯ヘッド装着部は2箇所のテーパーがあるので、旋盤で正確に仕上げないといけません。本来こういったヘッドは寸法がわかっていれば見本などなくても製作可能ですが、図面がなかったので、オリジナルのアリガタヘッドを送ってもらって、それと全く同じように製作しました。まあ、ご要望通りに製作するにはこの方法が最も確実で安心できます。


今も、かなりのお問い合わせなどが来ておりますが、来週早々からかなりお待たせしている他メーカー同士のカメラアダプターを製作していきます。ご依頼者様には本当に申し訳ないことですが、良くご理解いただいて根気良くお待ちいただいております。小さなパーツですが、ある程度の精度も要求されるものですので、時間を作ってきっちり仕上げていく必要があるために、お待ちいただいております。


テレスコ工作工房では、基本的には順番に製作しておりますが、工作の難しい時間のかかるものは今回のようにお待ちいただくこともあります。しかしながら、これまではほとんどのご依頼品は1週間前後で納品しております。夏だけは多忙なので仕方ありません。ご依頼品以外で製作したいものが山ほどあり、それもまだ着手できません。来週からはまた通常通りに製作していきますので、よろしくお願いいたします。