おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

GOTO Mark-X用極軸調整架台

2021-06-29 17:23:00 | ブログ


昨日の状態から今日は塗装処理をして仕上がりました。ここ最近はご要望が多いので、毎月数台作っています。塗装もMark-Xと同じカラーのハンマートーンカラーでしっかり焼き付けて仕上げているので綺麗になっているはずです。この1台を作るだけでも機械加工も入れると1日ではまず出来ないので、数日かけて作っています。この1台は明日ご注文の方へお送りしますが、まだバックオーダーがあるので、引き続き製作します。



それだけこのMark-Xのユーザーさんがとても多い事が分かります。もう30年以上前の製品ですが、五藤光学さんが真面目にしっかり良い物をアマチュア天文家の為に作り上げた逸品です。そのサポートなども未だに継続されておられるので、ユーザーさんには喜ばれています。今愛用されている方の中には昔は学生で高くて買えなかったが、今なら中古で安く買えるので、昔を思い出しつつカスタマイズなどもして愛用してくれています。当店の商品はそういった方々のお役に立てばと考えて細々と作っています。それもメーカーさんの理解もあって続けられているのだと思っています。

未だに昔の機材を愛用されているのは、単に懐かしいとか中古で安いからという理由ではありません。今のデジタル化された機材には無い機械的な美しさや機能美など、これに精度が伴っているので、それを今のデジタル機器と組み合わせて最高の機材にカスタマイズして使われています。

ここんところ毎日の天候が梅雨らしくなってきました。毎日雨が降っています。その降りかたも南国のスコールです。何れにせよ、しばらくは星を見ることも撮る事も出来ないでしょう。コロナの状況がオリンピックと重なって先の状況が見えにくくなっています。オリンピックが終わってからが本当の正念場という感じです。夏の星イベントは皆中止かネット中継ですが、問題は秋の星フェスです。ワクチンの接種速度が速くなっているので、秋には収まってくれるだろうと見ていますが、それも新たな変異株による感染者の動きがどうなるか次第でしょう。これまでは台風の心配ばかりしていましたが、今度はコロナの心配です。とにかく前途多難です。

初代ポラリエ雲台ベースは今も好調です

2021-06-28 17:45:43 | ブログ


当店の大人気オリジナル商品「ポラリエU用雲台ベースPCBU-EQ2」が今は在庫がありません。しかし製作しておりますので、7月初旬頃には仕上がる予定です。このポラリエU用があっても、未だにポラリエ用PCB-EQのご注文が絶えません。とても不思議な現象です。多分その理由はポラリエUの販売価格からくるものだと思っています。他社製のポータブル赤道儀は数ありますが、販売店で売れるのはもっぱらビクセンのポラリエだそうです。当店でも初代のポラリエ雲台ベースから作り始めてもうかなりの数を販売しました。当初これだけ売れるとは予想しておりませんでしたが、 ポラリエが売れれば雲台ベースも売れるという相互関係が実にうまくいっているのだと考えています。

ポラリエ用雲台ベースPCB-EQ3も残数が少なくなってきたので、また次のロットを作らないといけません。PCBU-EQ2もそうですが、ウェイト、シャフトも含めてローレットネジも全てオリジナルで製作しています。使っている既製品は小さな皿ネジとイモネジ、クランプ用のネジだけです。塗装も当店で焼き付け塗装を行なっているので、大手光学企業のように販売している商品のほとんどがOEMみたいな事はありません。例え会社規模が小さくとも地道に自社商品を作り続けている企業は素晴らしいと言えるでしょう。



こちらもお待たせしている「Mark-X用微動架台」です。最近良くご注文があるので、ひたすら作っています。明日塗装して仕上げる分が終わってもまだご注文があるので、また次を作らないといけません。しかしこれだけ必要としている方が多くいらっしゃるという事ですので、それはそれで嬉しい事です。ご注文の方には明後日発送致しますので、少しだけお待ちください。



最近はお店に色々なバードカービングが展示してありますが、最近また新たにモモンガ、リス、ヤマネが仲間に加わりました。これらのカービングは安曇野の工房で作ってもらっていますが、とても丁寧に可愛く作られています。一度オーダーすると数ヶ月待たされますが、その値段以上に価値ある一点ものばかりです。また近いうちに安曇野へ行くので新たな作品を作ってもらうつもりです。

オンリーワンの撮影に必要な道具

2021-06-25 16:38:45 | ブログ


色々と作っていた物が機械加工が終わって仕上がりました。PENTAX 60.8-BORG M57アダプターも久しぶりに作りました。他にも在庫切れだったAZ-GTi経緯台用のウェイトシャフトも仕上がりました。最近はあまり特注製作品はありませんが、それに近いオーダー品は作っています。



今ご依頼があるちょっとした人気商品の「Mark-X用微動雲台」の加工などが終わったので、これから塗装作業へ入っていきますが、土日に入ってしまうので、仕上がりは来週早々になってしまいます。土日は極力音を立てる作業はしないようにしていますが、ご近所の動向次第で変わってきます。この微動雲台はSP赤道儀が入った時にしか作れないので、そのタイミングで作るようにしています。



ある写真家の方から間接的にご依頼があって作っていますが、PENTAXの800mm望遠レンズに持ち手を付けて欲しいとの事で特注で製作しています。大方仕上がったので残り塗装仕上げをして完成します。単なるハンドルでも特注で作ると時間も費用もかかりますが、自分だけの用途にあった道具の一部なのでそこは仕事として使っている物にはお金をかけても使いやすい物にするという事でしょう。当店で特注品について聞いてくる方はとても多いですが、だいたい7-8割くらいの方は回答後に何も言ってきません。聞かれる前に既製品を使って工夫して作れるかどうかも考えてみたらいいでしょう。



これもある意味特注品ですが、PENTAXの15-30mmレンズにフィルターを取り付ける為に作ったフィルター枠です。このレンズはレンズ後部にゼラチンフィルター枠が無いので、やむなくレンズ先端に150mmのフィルターを取り付けるようにアダプターを作りました。ただ当然というか、15mmで撮ると四隅がけられてしまいますので、撮影後にトリミングするか、20mmくらいに絞って使うかになります。しかしこれで今まで使えなかったフィルターが使えるので、自分的には新たな作風で撮れるので良かったと思っています。
このフィルター枠も先の話と重複しますが、自分で必要な道具は費用がかかっても必ず作って使う。というスタンスでいつも作っているので、そこは既製品しか使えない方よりは恵まれていると思っています。星の写真は同じ条件で同じ場所、同じカメラで撮ればプロでもアマでもあまり大差無い写真が撮れますが、どうしても自分で表現したい絵を撮りたい場合には、撮影方法を工夫するか道具を使うかで撮影結果に差が表れます。

CORONADO製品の修理等について

2021-06-21 16:17:28 | Hα太陽望遠鏡関係


CORONADOのSolar Max用のブロッキングフィルターの修理が終わったので、最終検品を兼ねて太陽を見てみました。今日の太陽面はやや大人しくなっていますが、大きな黒点とその近くに長いダークフィラメントが見られました。シングルで見ているので淡いですが、ダブルで見るとより黒くコントラストが高くなって見えてきます。そこがダブルスタックの醍醐味です。



ブロッキングフィルターの修理については、現状では国内正規代理店でもMeadeの対応に合わせてSolar Max全般の修理は出来ないようです。以前からも書いているように当店で修理対応は可能ですし、以前よりお値段も大分お安くなりましたので、BFが劣化して太陽望遠鏡として機能しない状態の方はいつでもご相談ください。修理できるのは、ブロッキングフィルターBF5/10/15の他にBF30の修理も可能です。エタロンフィルターも落下などでお困りの方はご相談ください。またPSTについてもBFの交換により修理が可能ですが、接眼部品がボンドで固着している個体があるので、それが外せる事が最低条件となります。PSTに限らず太陽望遠鏡製品は安全のために簡単い分解出来ないようになっていますが、固着しているボンドを軟化剤等で対処できれば何とかなります。



リコーイメージング社から新たなユニークなネイチャー仕様のカメラが発売されました。WG-7です。マクロリングライトがついてマクロ撮影に有利になりました。最短1cmの距離から撮影できるので小さな花や虫、苔などを撮ったりよりコントラストの高い撮影が可能です。他にもGPS電子コンパス内蔵で撮影画像と地図を連携させる事などができるので、記録用として用いたり撮影場所を覚えておくのにも役立ちます。カメラボディーも耐衝撃、防水防塵、耐寒などアウトドアで過酷な使い方ができるフィールドカメラとして威力を発揮してくれそうです。当店にも展示デモ用として常時置いておくので、当店へお越しになった際に触ってください。

安い、早い、凄いのAZ-GTi GOTOマウント再入荷しました!

2021-06-19 13:14:07 | 初心者のための電視観望


電視観望をする上でお安くシステムを構築できる最強の自動導入機「スカイウォッチャーAZ-GTiマウント」が先ほど入荷しました。かなり前に発注していた商品ですが、当初夏まで入らないと言われておりましたのが、今日突然入荷しました。このマウントの発売元のサイトロンジャパンさんでもほとんどがバックオーダーで処理されてしまうので、在庫品として販売できるのがどのくらいあるのか分からないそうです。幸い、当店はほとんどバックオーダーを受けておりませんし、注文されても納期があると待てない方がキャンセルされるので、それもありません。

従って本日以降は少しの間は在庫品として販売しておりますので、他で入手できなかった方は当店へご注文いただければと思います。今回売り切れてしまうと次は年内に入るかどうか分からないそうです。他に自動導入赤道儀などを持っていても1台くらい持っていても役立ちます。

電視観望をこのAZ-GTiで行う場合にポイントとなるのは、どこまで正確に自動導入ができるかがキーとなります。CCDカメラは単に視野に捕らえられている星や天体をイメージ化するだけなので、そこが出来ないと電視観望そのものができません。これはAZ-GTiに限らず赤道儀でも同じです。AZ-GTiは、自動導入の精度は決して高くはありませんが、天体を導入するポイントをしっかり押さえて使えば後は慣れで電視観望ができるようになります。当店が安価な60mmガイドスコープをお勧めしている理由がそこにあります。ですから電視観望をする前にAZ-GTiで確実にその天体を望遠鏡の視野中央に導入できるようにする事から始めてください。カメラのコントロールはその次に考えればいいでしょう。

電視観望にAZ-GTiの在庫ちょっとだけあります!

2021-06-17 17:32:37 | ブログ


電視観望用のセットとして長い事在庫を持っていたスカイウォッチャーのAZ-GTi自動導入経緯台の単体を本日より販売しております。数台しかありませんので、お探しの方はぜひご注文ください。セット用は次の入荷で対応します。お気軽電視観望の機材をお安く揃えるにはこのAZ-GTiを主体にしてセットを組むのが最もお安くなります。残念ながら国内にはこれに匹敵する機種が存在していないので、とても寂しい事です。今はコロナ禍でどこも厳しいはずですが、海外部門がかなり好調のはずですので、新たな物づくりをする余裕くらいはあるはずです。日本の望遠鏡企業にはもう少し冒険をして欲しいものです。



去年から細々と作って販売している「TK-ALZM Jr2 中型微動雲台」ですが、ご注文があったので未塗装の部品を一緒に仕上げました。残り少ないですが、ご注文があればまた組み上げます。もう微動雲台は二桁くらいは作りましたが、今のところこれが最終形だと思います。十分な汎用性とフリーの操作性を考えて作り込んであるので、星空撮影以外にも役立つはずです。



五藤光学の20cmクーデ式望遠鏡の接眼部を2インチ仕様にしました。これまでのツァイスサイズだと覗き口がとても小さくて暗いところで探すのが大変です。それをペンタックスのXWアイピースを使えるようにアダプターを作ったので、これでレンズを探す必要が無くなるでしょう。接眼部が恐ろしくしっかり頑丈に作られているので、セレストロンの1kgオーバーのアイピースでもビクともしません。巨大なアイピースを使うと時に天頂ミラー丸ごと回転して落下するという事故もあるのですが、シュミカセでは良くあって本当に困りましたが、この接眼部はそれが一切無いので安心して巨大なアイピースが使えます。

Unisteller EVscopeが来ました!

2021-06-16 18:56:40 | 初心者の為の電視観望


ついにというか、やっとというか、あの話題の「Unisteller EVscope」がやって来ました。たまたま縁あってお譲りいただいたのですが、あまりお使いになっていなかったような状態です。梱包内容はとってもシンプルで、三脚と本体と電源用ケーブルと工具だけです。もちろんマニュアルは簡単なものが付属します。



三脚に乗せるとこんな感じです。三脚はカーボンかと思いましたが、それはさすがに違いました。380,000円もする超高価な天体望遠鏡ですので、三脚はカーボンでも良いかと思いました。これがビクセンの赤道儀ならSXD2が三脚付きで余裕で買えるお値段です。望遠鏡自体は結構な重量がありますが、設置が大変なほどではありません。

このEVscopeが欲しかったというか購入したのは、当店の法人のお客様がかなり興味を持たれており、電視観望についてマニュアルなどを作る過程でどうしても一度は使ってみる必要があると感じたのがその理由です。



とりあえずスマホにアプリを入れてから簡単な動作確認をするところまではやりましたので、これから晴れた日に実際にこのUnisteller EVscopeを使って電視観望をやってみようと思っています。当地なら星空も素晴らしいのでその能力もマックスで発揮してくれると考えています。



日本語マニュアルとクイックスタートガイドは付いていますが、ちょっと簡単すぎて EVscopeを使いこなすには十分ではないかもしれません。足りない部分はネットなどで情報を収集しながら使ってみようと思っています。マニュアルをザッと読んだ限りでは一般的な自動導入望遠鏡のアライメントなどの事は一切書かれていないので、スマホから得られるGPSによる位置情報などから望遠鏡を動かして星を導入して後はCCDに写り込んだ星の情報から望遠鏡の向いている方向を察知して天体を導入する仕組みなのかもしれません。
だいぶ前に販売されていたMeadeのアライメントから天体の導入まで全て自動でやってくれるETX-LSがありましたが、望遠鏡にCCDカメラが装着されており、そのカメラが星空の位置を認識して修正してアライメントを完了させて自動導入をしてくれたので、とっても簡単でした。しかし曇っていて全ての星が見えない時には全く役に立たなかったので、日本のような環境では使うのが難しい画期的な機材でした。Unisteller EVscopeはその機能をさらに進化させたものなのかもしれません。



うちにもついにコロナワクチンの接種券が届きました。2回分ありますので、とりあえず申込書を書いて管理している役場へ送ってその後接種日程が決まって連絡が来る仕組みだと思います。ご近所の親父さんらはもう今月中に2回接種するそうなので、多分7月には私も2回ワクチン接種を受けられると思います。当初今年は無理だと考えておりましたが、オリンピックの開催が後押しして一気にスピードが加速しました。小海町の星フェスは11月ですが、その頃にはほぼ全国民のほとんどがワクチンによる抗体が体内にできるので安心してマスク無しでイベントが楽しめるかもしれません。

ポラリエ/ポラリエUでの星空の撮り方

2021-06-13 16:06:07 | ポータブル赤道儀関連


まず、先日の乗鞍岳の星空を撮影する際に持っていった機材をご紹介します。画像がそれです。三脚はVelbonのUTC-63Cカーボントラベル三脚です。ここ数年前から国内外での撮影には必ず持って行っているお気に入りの三脚です。軽くて持ち運びが楽なので、登山する人にも人気の高い三脚です。これとは別に海外にはもう1本の大型カーボン三脚を持っていきます。

三脚の強度をやたらと気にする人がおりますが、メーカーが公表している対荷重などの数値はあくまで基準値なので、それより重量物であっても使い方によっては全く問題ない事がほとんどなので、私は全く気にせずに使います。登山などの極限状態だとテーブルトップ三脚でフルサイズ機を乗せて星空の撮影をする事もあります。要は道具を使う人次第なのです。レンズ類ももっとカメラも含めて持っていきたいところでしたが、持っていっても欲張り過ぎると思ったような絵が撮れない事も多いので、必要最小限の機材で撮影に臨みます。



ポラリエは、PCB-EQと共にこんな風に使っていました。見た目バランスが悪いですが、駆動軸の真上に負荷をかける搭載で使っているので、駆動軸の真横で使うよりは駆動軸に対する負荷がかかりにくいです。この使い方は海外で車で行けないような場所ではよくやります。これでウェイトのシャフトも不要です。しかしペットボトルを持っていく場合には、ペットボトルアダプターとシャフトを1本持っていきます。重量的には全く気になりませんし、構図決めの時が楽なのでそうしています。



それから先日も「ポーラーメーター」の事を書きましたが、使わなくても済む方法として画像の「アングルメーター」と「コンパス」を併用すればポーラーメーターの代わりにはなります。しかし先日の撮影ではいずれも使いませんでした。ポラリエの極軸穴を使っただけです。



極軸の角度はその土地の北極星の地平高度と同じですので、アングルメーターをクイッククランプベースに乗せて角度を決めます。



方角については、ビクセンのコンパスで合わせられます。しかし厳密には北極星の方向には向いていないので、大体合わせる程度です。極軸覗き穴から北極星を見て合わせた方が遥かに正確です。これができればアングルメーターも不要です。しかし北極星が見えないところでは、この方法が使えます。

ただ、その都度この両方で極軸合わせをやっているのは面倒ですので、ポーラーメーターがあればこれ一つで済むので、北極星が見えない場所では使う事が多いです。要は必ずしもポーラーメーターに頼る必要はないというお話です。



今回の撮影はとても良かったので、次回は7月にE-Bikeで行こうと計画しています。もちろんまた山荘にお世話になりますが、夏に入ればバスの乗客も増えてくるので、のんびりと三本滝から上がって行こうと思っています。高山植物の最盛期がいいのですが、そうなると8月になるので、8月はペルセウス流星群に合わせて上がろうと考えています。



久しぶりに我が家の猫たちです。今日はこの猫の遊び場の箱を作っていました。すっかり気に入ってくれたようで、今は中で寝ています。猫は基本外には出さないので、運動不足にならないように飼い主が色々と考えてあげる必要があります。猫を飼い始めた頃は当店へ来てくれる方々を癒して欲しいと考えておりましたが、猫カフェのようになるのは猫たちが可愛そうなので、今は敢えて猫部屋の外には出さないようにしています。猫好きの方が来られると申し訳ないと思いますが、ご理解いただければと思います。

乗鞍岳の雪の壁で撮影していました

2021-06-10 17:46:06 | ブログ


戻ってきたらメールやご注文が沢山来ていて大変ご迷惑をおかけしましたが、今日この雪の壁のあるところから戻ってきました。火曜日に白馬へ泊りがけで出かけたのですが、水曜日に戻るつもりが、あまりの天気の良さに急遽予定を変更して、乗鞍岳へ撮影に行きました。白馬では「コートヤード・バイ・マリオット白馬」へ泊まったのですが、外資系のホテルだけあって素晴らしい内容でした。普段は1泊3万円以上する高級リゾートホテルですが、8,000円で泊まれたので用事もあって泊まってきました。国内にいながら海外に滞在しているような独特の雰囲気が味わえると思いました。もう1年以上海外へ行っていないので、とても懐かしい感じがしました。



話が脱線しましたが、この雪の壁を夜に撮るには必然的にどこかに泊まる必要があるのですが、位ケ原山荘さんにお世話になりました。去年から計画していたのですが、予定していた5月初旬は雪の為に中止となったので今になりました。昨日は私一人だけの宿泊者でしたので静かなものでした。標高2,350メートルにある山小屋ですから、午後8時45分には消灯となり全て電気が消されます。ネットも無ければテレビもありません。午後3時に山荘に着いたので、それから撮影場所までエコーラインを歩いて登って下見をしてきましたが、往復2時間はかかりました。初めて撮る場所ですので下見は必須です。



天気は申し分なく終日快晴でしたが、夕方には流石に乗鞍岳に雲が出てきました。しかし夜にはほとんどの雲が消えると考えていたので、山荘で撮影準備をしながら夜を待ちました。



雪の壁のある場所は、山荘から歩いて3箇所ありますが、一番遠い大雪渓直前の斜面が最も高くて10メートル程度ありました。ちょうどこの画像の場所です。立山アルペンルートの雪の大谷も今年は低くて今は10メートルくらいだと思います。画像では分かりにくいですが、雪の大谷は道路が狭いので余計に高く見えますが、エコーラインは倍近く広いので思ったよりは高く見えません。
雪の大谷では数年前に最高の条件で星空の撮影が出来ましたが、乗鞍エコーラインで撮りたいと考えたのは、雪の壁の方角です。雪の大谷は天の川を一緒に撮ると道路に対して直交しますので、壁を横切る感じに映りますが、エコーラインは南北に道路があるので、夏の銀河を撮ると南中前後だと道路に対して平行に天の川が撮れます。そこがとても貴重なのです。それを撮りたくで去年からそのチャンスを狙っていました。



これは最初の雪の壁で撮りましたが、とりあえずこんな感じです。まだ撮り始めたところなので銀河の傾きが真上に来ていません。しかし乗鞍の標高2500メートルの高地な事もありますが、いて座の銀河の写り方がハンパないです。まるでニュージーランドで撮った時の感じです。以前に立山で撮った時もこんな感じで写りましたが、乗鞍の凄いところは周囲に光害があまり感じられません。本来なら松本市側が明るいはずなのですが、薄いベール状の雲がかかっていたのかそれほどの明るさを感じられませんでした。
この撮影の為に午後10時過ぎに山荘を出て歩いて登って雪の壁まで2回行きました。最初の一回目は荷物が無かったので良かったですが、2回目は機材と三脚を背負っていたので舗装道路ではありますが、夜間に歩くのは疲れます。撮影の合間に雪の壁から見える星空を眺めていましたが、天然のプラネタリウムという感じで日本で見られる星空では有数の素晴らしいものでした。双眼鏡を持って来れば良かったと後悔しましたが後の祭りでした。



夜は完全防備でダウンの防寒着を上下で装着して上がりましたので全く寒くはありませんでした。風もほとんど無かったので暖かい夜でした。歩いている時は暑いくらいでしたが、撮影で止まっていると寒くなってくるのでしっかり着込んで撮影に臨みました。



今回持っていった機材は、いつもの「星空雲台ポラリエ」、「ポーラーメーター」、それにもちろん「ポラリエ雲台ベースPCB-EQ」です。カメラはEOS Rとシグマのレンズ2本とフィッシュアイズームの計3本です。ウェイトシャフトとウェイトは今回は使わずにPCB-EQに自由雲台を付けただけで常に上部にカメラが乗るような構図で使いました。こういう構図で撮影時間も短い場合にはウェイト類は基本要りません。もちろん星景色の撮影だけという条件です。ポラリエUでも良かったのですが、たま〜にポラリエも使ってあげないと寂しそうにしているのでこういう撮影の時には使います。

ポーラーメーターの問い合わせが最近多いですが、いまだにポーラーメーターが無いと撮影が出来ないと考えている方が多いようですが、今回も持って行ってはいますが、実際の撮影では取り付けてありましたが、使いませんでした。というか広角レンズだけなので極軸が適当にあっていればそれだけで十分です。撮影中どうしても極軸を動かす事がありましたが、そんな時でもきちんと追尾できていました。ポーラーメーターも極軸望遠鏡も要はどんな撮影をどんな環境で行うかで必要かどうか決まります。無いと撮影ができないという事はありませんので、ポーラーメーターを探しておられる方はまずは何も無い状態で撮影をしてみてください。そうすれば必要かどうか理解できます。

本来ならもっと沢山の写真をアップしたいところですが、他に用途などがあるのでそれが決まらないと出せません。



今朝、食事の際に山荘のご主人が話していましたが、夜の撮影で雪の壁があるところまで車で送迎をしてくれないかとなんども頼まれた事があるそうです。お金も支払うのでやってくれないかとも言われたそうですが、全て断っているそうです。私は最初からそんな気はなくて最初から歩いて登るつもりでいたので、その話を聞いて笑ってしまいました。海外でもそうですが、どうしても撮りたい絵があって、車で行けない場所なら日夜問わず歩いて行きます。車で行ける場所というのはともすれば撮影の邪魔をされてしまうので、敢えて歩いて行けないところでしか撮らない人もいるでしょう。最近はLEDライトを平気で照射して撮る人が結構いるので、それが困ります。

という事ですが、明日は発想が沢山あります。特注品なども仕上がっているので、明日は朝から梱包祭りです。夜には発送連絡を致しますので、お待ちの方々は今少しだけお待ちください。

LUNT LS60-SM60ダブルスタック仕様

2021-06-06 18:23:04 | Hα太陽望遠鏡関係


先日お買い上げいただきました「LUNT LS60tha-Pt」にCORONADO SM60を取り付けて異社商品のダブルスタック仕様にするアダプターが仕上がりました。合わせてご注文いただいたのですが、今日加工が終わって残りアルマイト処理へ今日出しました。従って来週末にはお届け予定です。



CORONADOとLUNTのダブルスタック化は、普通はしないですが、当店ではこれまでもLUNTの太陽望遠鏡「LS60、LS80、LS100、LS152」の全てにCORONADO製品を取り付けてダブルスタック化してきました。しかしいずれもきちんとマッチしてくれて今も使われています。単なる屈折望遠鏡ならこれまでに100本以上はアダプターなどを作りましたので、そのほとんどがマッチして使えています。ですからその組み合わせも多種多様で、色々なご要望に応じて満足できる組み合わせのご提案やアダプター製作を受けてきました。多分当店ほどHαフィルターに特化したアダプターなどの製作をしている所は皆無だと思います。

ところで、現在お待ちいただいている製作品ですが、ほとんどが今週末にはアルマイト処理から仕上がってきますので、それ以降に発送致します。今少しだけお待ちください。