戻ってきたらメールやご注文が沢山来ていて大変ご迷惑をおかけしましたが、今日この雪の壁のあるところから戻ってきました。火曜日に白馬へ泊りがけで出かけたのですが、水曜日に戻るつもりが、あまりの天気の良さに急遽予定を変更して、乗鞍岳へ撮影に行きました。白馬では「コートヤード・バイ・マリオット白馬」へ泊まったのですが、外資系のホテルだけあって素晴らしい内容でした。普段は1泊3万円以上する高級リゾートホテルですが、8,000円で泊まれたので用事もあって泊まってきました。国内にいながら海外に滞在しているような独特の雰囲気が味わえると思いました。もう1年以上海外へ行っていないので、とても懐かしい感じがしました。
話が脱線しましたが、この雪の壁を夜に撮るには必然的にどこかに泊まる必要があるのですが、位ケ原山荘さんにお世話になりました。去年から計画していたのですが、予定していた5月初旬は雪の為に中止となったので今になりました。昨日は私一人だけの宿泊者でしたので静かなものでした。標高2,350メートルにある山小屋ですから、午後8時45分には消灯となり全て電気が消されます。ネットも無ければテレビもありません。午後3時に山荘に着いたので、それから撮影場所までエコーラインを歩いて登って下見をしてきましたが、往復2時間はかかりました。初めて撮る場所ですので下見は必須です。
天気は申し分なく終日快晴でしたが、夕方には流石に乗鞍岳に雲が出てきました。しかし夜にはほとんどの雲が消えると考えていたので、山荘で撮影準備をしながら夜を待ちました。
雪の壁のある場所は、山荘から歩いて3箇所ありますが、一番遠い大雪渓直前の斜面が最も高くて10メートル程度ありました。ちょうどこの画像の場所です。立山アルペンルートの雪の大谷も今年は低くて今は10メートルくらいだと思います。画像では分かりにくいですが、雪の大谷は道路が狭いので余計に高く見えますが、エコーラインは倍近く広いので思ったよりは高く見えません。
雪の大谷では数年前に最高の条件で星空の撮影が出来ましたが、乗鞍エコーラインで撮りたいと考えたのは、雪の壁の方角です。雪の大谷は天の川を一緒に撮ると道路に対して直交しますので、壁を横切る感じに映りますが、エコーラインは南北に道路があるので、夏の銀河を撮ると南中前後だと道路に対して平行に天の川が撮れます。そこがとても貴重なのです。それを撮りたくで去年からそのチャンスを狙っていました。
これは最初の雪の壁で撮りましたが、とりあえずこんな感じです。まだ撮り始めたところなので銀河の傾きが真上に来ていません。しかし乗鞍の標高2500メートルの高地な事もありますが、いて座の銀河の写り方がハンパないです。まるでニュージーランドで撮った時の感じです。以前に立山で撮った時もこんな感じで写りましたが、乗鞍の凄いところは周囲に光害があまり感じられません。本来なら松本市側が明るいはずなのですが、薄いベール状の雲がかかっていたのかそれほどの明るさを感じられませんでした。
この撮影の為に午後10時過ぎに山荘を出て歩いて登って雪の壁まで2回行きました。最初の一回目は荷物が無かったので良かったですが、2回目は機材と三脚を背負っていたので舗装道路ではありますが、夜間に歩くのは疲れます。撮影の合間に雪の壁から見える星空を眺めていましたが、天然のプラネタリウムという感じで日本で見られる星空では有数の素晴らしいものでした。双眼鏡を持って来れば良かったと後悔しましたが後の祭りでした。
夜は完全防備でダウンの防寒着を上下で装着して上がりましたので全く寒くはありませんでした。風もほとんど無かったので暖かい夜でした。歩いている時は暑いくらいでしたが、撮影で止まっていると寒くなってくるのでしっかり着込んで撮影に臨みました。
今回持っていった機材は、いつもの「星空雲台ポラリエ」、「ポーラーメーター」、それにもちろん「ポラリエ雲台ベースPCB-EQ」です。カメラはEOS Rとシグマのレンズ2本とフィッシュアイズームの計3本です。ウェイトシャフトとウェイトは今回は使わずにPCB-EQに自由雲台を付けただけで常に上部にカメラが乗るような構図で使いました。こういう構図で撮影時間も短い場合にはウェイト類は基本要りません。もちろん星景色の撮影だけという条件です。ポラリエUでも良かったのですが、たま〜にポラリエも使ってあげないと寂しそうにしているのでこういう撮影の時には使います。
ポーラーメーターの問い合わせが最近多いですが、いまだにポーラーメーターが無いと撮影が出来ないと考えている方が多いようですが、今回も持って行ってはいますが、実際の撮影では取り付けてありましたが、使いませんでした。というか広角レンズだけなので極軸が適当にあっていればそれだけで十分です。撮影中どうしても極軸を動かす事がありましたが、そんな時でもきちんと追尾できていました。ポーラーメーターも極軸望遠鏡も要はどんな撮影をどんな環境で行うかで必要かどうか決まります。無いと撮影ができないという事はありませんので、ポーラーメーターを探しておられる方はまずは何も無い状態で撮影をしてみてください。そうすれば必要かどうか理解できます。
本来ならもっと沢山の写真をアップしたいところですが、他に用途などがあるのでそれが決まらないと出せません。
今朝、食事の際に山荘のご主人が話していましたが、夜の撮影で雪の壁があるところまで車で送迎をしてくれないかとなんども頼まれた事があるそうです。お金も支払うのでやってくれないかとも言われたそうですが、全て断っているそうです。私は最初からそんな気はなくて最初から歩いて登るつもりでいたので、その話を聞いて笑ってしまいました。海外でもそうですが、どうしても撮りたい絵があって、車で行けない場所なら日夜問わず歩いて行きます。車で行ける場所というのはともすれば撮影の邪魔をされてしまうので、敢えて歩いて行けないところでしか撮らない人もいるでしょう。最近はLEDライトを平気で照射して撮る人が結構いるので、それが困ります。
という事ですが、明日は発想が沢山あります。特注品なども仕上がっているので、明日は朝から梱包祭りです。夜には発送連絡を致しますので、お待ちの方々は今少しだけお待ちください。