一晩泊まりがけでビクセンの「SX2赤道儀 VMC200L望遠鏡セット」を静岡の施設へ納品に行ってきました。注文を頂いてから納品するまでに2ヶ月程度時間がかかりました。うちが静岡県内の業者ならもっと簡単だったかもしれませんが、県外なので、色々と書類を作ったり審査があって結果的に随分と時間がかかってしまいました。施設は民間なら県内外を問わずもっと簡単でしたが、市の施設だったので色々と大変でした。
単に望遠鏡を納品するだけなら県内の業者でも問題なかったのですが、既存のピラー脚にビクセン赤道儀を乗せるためのアダプター製作もあったので当店でないとできない作業があってうちに依頼がきました。しかしイザ設置してから赤道儀に極軸望遠鏡が付いていない事やウェイトが足りない、電源が12VDCしか使えないという事で、電源はKYOEIさんAC電源アダプターを発注して極軸望遠鏡は、とりあえず店の展示物を貸し出す事で解決しました。しかしウェイトが1.9kgの付属品だけでは足りなかったので、後から3.7kgのGP用を送る事にしました。
設置の際に市の職員や施設の職員などが立ち会って説明をしながら組み上げましたが、担当のガイドが望遠鏡の使い方を良く理解できていないようなので、今後しばらくは使い方についてのサポートが必要です。
この施設には元々アストロの8cmと15cmの屈折赤道儀がピラー脚仕様で設置されていましたが、15cmの方だけレンズが曇っているので赤道儀ごと取り外して代わりにSX2赤道儀を取り付けました。最初に施設を見た時に望遠鏡がシーツみたいな布で包まれていたのには驚きましたが、それは現在取り外しています。それが原因で15cm屈折が曇ってしまったみたいです。15cm屈折は当時は相当の値段だったと思いますが、曇ったままだとまともに使えないので、今後はそのメンテナンスも必要になるでしょう。ただし施設側がその必要性を感じていなければそのまま放置されるかもしれません。
この観測小屋は手動でスライドするのですが、恐ろしく重たくて一人では絶対に動かせません。二人でも力が無いと動きません。動かす場合でもコツがあるので、中々大変です。これが個人の施設ならウインチみたいのを取り付けて動かせるように考えればいいですが、市の施設なのでお金がかかる事は何でも面倒な手続きが必要のようです。施設の環境はとても素晴らしくて富士山も間近に見えます。空も開けているので、撮影もできます。
明日アメリカから入ってくる「CORONADO Solar MaxII 90」の望遠鏡類からこのお客様のSM90 Hα太陽望遠鏡をダブルスタックにする為に送ってもらいました。ダブルスタックフィルターを送ってから適合しなかったりするといけないので、事前にこちらで確認をしてから送るようにしています。今回2本のSM90ダブルスタック仕様が入荷しますが、来月早々にもう一度入荷してそれが最後になります。何度か最後のSolar Maxとして販売していますが、来月入荷分で本当に最後になります。CORONADO製品はSM3以外は新品で入手できないので、中古品を探すしか無くなります。
先日、ヤフオクで旧タイプのSM60とBF30が出ていましたが、落札された方は修理ができない事が分かっていればいいですが、多分どちらも使えない代物だと考えています。ヤフオクでたまにPSTも出ていますが、10年以上経過した物が多く、それがまともに使えればいいですが、出品者も落札者も知識が無いと不良品を知らずに使い続ける事になります。気の毒だとは思いますが、太陽望遠鏡は一般的な望遠鏡とは大きく異なるので注意が必要です。
ところで、ついに東京の感染者が300人弱/日にまで増加しました。それにより不評のGOTOトラベルキャンペーンも東京在住者が除外される事になりました。それでも行きたい人は旅に出ると思うので危険が去った訳ではありません。良識ある人なら東京だけ除外されずともこの時期の旅は見送るでしょう。しかし直前でこうなったのは正解です。もし世論の動向を無視して強行していたらパンデミック再びとなっていたかもしれません。
ただこんな事をいつまでも続ける訳にはいかないので、今後は「コロナとの共存」をテーマにした様々な政策を考えて実行していく必要があるでしょう。その為には少しでも早くワクチンを開発する必要があります。感染者増ー自粛ー感染者減少ー解除みたいな流れを続けていたら日本の経済がズタズタになってしまいます。その為にはそろそろコロナとの共存を視野に入れた政策を行っていくべきでしょう。