志賀高原天空フェスへ行ってきました。会場には午後4時前に到着しましたが、凄い霧で雨も少し降っているような状況でした。しかし、上空には少しだけ青空も見えていたので、夜には晴れるだろうと見ていました。小海から志賀高原までは普通車なら2時間くらいで行けると思いますが、アストロカーだと3時間はかかります。また軽油の消費が半端じゃアありません。5km /リッターしか走らないので、行く前に満タンにして高速を降りてから再度給油して、後は帰ってきてからもう一度給油するので、トータルで3回給油します。一回あたり6,000円くらいなので、往復では10,000円くらいは燃料費がかかります。それに高速代が5,000円ですので、全体のギャラからそれを差し引くと、天空フェスの仕事は積極的に行きたいと思う事はありません。ただ、それだけが目的では無いので、単純にお金の事だけでは考えられません。
薄暗くなる前に機材をセッティングして午後6時のスタートを待ちますが、その時間からコンサートがあるので、お客さんがスタート直後はまばらな感じで静かです。しかし、コンサート以外の目的で会場を訪れる方々が来始めると徐々に活気が溢れてきて、小さな行列ができるくらいにはなりました。今回は嬉しいサプライズがありまして、当店のお客さんで11月の安中市のイベントを紹介してくれたFさんが手伝いに来てくれました。私がアストロカーの事で手が一杯のところを外に設置した数台のポルタ80を使ってお客さんに解説してくれていました。いつも一人でやっているのに、もう一人助っ人がいるだけでこんなに楽にできるとは思いませんでしたので、非常に助かりました。アストロカーの運用はどこでも3人以上でやっているので、その3人分を一人でいつもやっているので、慣れた事とは言え、一人で全てをやるのは厳しいです。
天候は薄明が終わる頃から雲が消えて少しづつ星空が見えるようになってきました。ただ去年は分からなかった会場全体の明るさがとても気になりました。キッチンカーの照明が強力なLEDライトを使っているので、それが星空サイトまでモロに影響があります。他にも目の前が駐車場で車が出たり入ったりする度に照明を煌々とつけるので、かなり邪魔になります。アストロカーの中へ入れば外の光を遮断してくれるので、望遠鏡を覗く時にはそれほど影響はありませんが、外で星空の解説をする時には相当影響があります。本来天の川も見えているのに照明の為にその都度瞳孔が閉じてしまうので、本来見えるものが見えない状態になっていました。
これは主催者が参加者に星を見せる事について、あまろ理解が無い事によるものです。昨夜もコンサートがあるとは言え、満天の星空状態でも20人近くいるスタッフの誰もアストロカーを見にきませんし、声さえかけてきません。これは私が考えるに、小海町と良く似た現象でスタッフが星などにはあまり興味が無いのだろうと考えています。またイベントの名前が「天空フェス」となっていますが、星を見たり楽しんだりする事はそれほど重要視されていない感じがします。ただしこのフェスは7月と8月もありますが、そちらがどうだか分からないので一概には言えないとは思います。
まぁ、それはともかくとして、100人以上のお客さんに望遠鏡を覗いてもらったようなので良しとはしたいと思います。170インチスクリーンを使った電子の目によるショーも上手くいきましたし、土星や木星、月も見せてあげられたので、これまでのスターウォッチングでは盛り沢山の内容でした。それも当然ですが、午後6時からスタートして午後10時までの4時間もやっているので見られるのが当たり前です。ガトキンのスターウォッチングは、長くても90分くらいなので、それを考えると相当長いです。おまけに標高が高い場所なので気温が低かったのもあり、ダウンジャケットを忘れたお陰で寒かったです。何とか動き回って体を温めましたが、流石に寒かったです。
天空フェスは去年から2度目の参加ですが、今年はきちんと出来たのは良かったですが、今まで見えなかった部分が多く見えてきたので、来年はお誘いを受けても行かないかもしれません。アストロカーの事も含めてSNSではスタッフがほとんど情報発信もしていないのは、イベントの主催者としてはどこまでやる気があるのか疑問です。天空フェスは、志賀高原の旅館組合の青年部が仕切っていますが、そのスタッフはホテルや旅館の若い方々で経験も知識もそれほど無い中でやっているので、正直あの規模でどれほどのメリットが地元にあるのかが疑問です。ただ、若い力が結集してより良くしようと動いている事は素晴らしい事ではあるので、できるならもっと勉強をして志賀高原でないとできないイベントに作り上げて欲しいものです。
追記ですが、志賀高原の星空
志賀高原の星空について少し書かせていただきます。今回はそれほど良く星空を見ておりませんが、数年前に松原湖高原の比較対象として志賀高原の横手山付近で撮影をしました。その時にはフィッシュアイレンズなども使って全天の撮影などもしましたが、長野市と群馬県側からの光害が予想以上に空を明るくしていたのが気になりました。特に見る事の多い南側に長野市があるので、特に今の時期は夏の天の川の最も濃い中心部が光害の為に見にくくなっているのがとても残念でした。今回の天空フェスの会場からでは、南側に上弦の月があったのと、小高い山があったので、実際には銀河の中心部分は見えていなかったのでその会場からの見え方は分かりませんが、横手山からの星空の見え方を考えると決して良いものではないと考えています。
小海町の松原湖高原の星空は最近になって注目されつつあり、レストハウスふるさとが天文ファンのメッカにもなっている事を考えると、「星空三大聖地」とされている野辺山よりは間違いなく松原湖高原の方が星聖地と言える状況です。また、志賀高原は標高の高いところに観光地が集中しており宿泊施設も多くありますが、星空環境の良さとしては松原湖高原に軍配が上がります。来月末開催の日本一標高の高い、星空環境も日本一の場所で開催される「八ヶ岳 星と自然のフェスタ」もそんな環境にあります。
最後にもう一つ、22日の「天空の星空観察ツアー」に参加された長野市のご夫婦が天空フェスへ来られました。確かに長野市から近いとは言え、わざわざ来ていただいたのは嬉しい限りです。