おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

名機 PENTAX ペンタックスMS-55i 赤道儀を自動導入化しました!

2024-11-05 15:49:05 | ブログ


8月にお客さんからトレードで譲り受けてから、自動導入化の改造へ出しておりましたが、ようやく仕上がって今日組み立てて動作の確認をしました。組み上げるのに30分もかかりましたが、一つ一つの部品が20kg以上もあるので、中々面倒です。星は入れていませんが、日中の動作については、特に問題なく正常に動作してくれているようでしたので、まずは一安心です。このMS-55iは、星フェスで出展社などに貸し出すので、会場で現物をご覧になれます。MS-5や55iなどをお持ちの方で改造後はどんな感じなのかを直接見たい方は、会場へお越しください。



コントローラーは、NJP赤道儀やアストロカーでも使っている、SR-20型のスマートでデザインも優れているコントローラーです。自動導入の改造では、MS-55は、元々も仕様が高速での自動導入ができるようになっているので、改造自体は、MS-5よりはまだしやすいです。MS-5は、そもそも自動導入に対応していないので、使っているグリスの粘度も高めで、あまり酷いものだろフリー回転しない個体もありますが、MS-55iは、300倍速に対応するように、グリスも柔らかめのものを使っています、本来なら、純正のモーターを使うこともできたかもしれませんが、この個体はそのモーターが無かったので、新たなモーターを取り付けており、最大600倍速くらいまで増速できます。



外見から見ても改造をしているようには、全く見えません。外観には全く傷なども付けずに純正のケーブルコネクターをそのまま使っているので、とってもスマートな改造をしています。



コンソールも部分的にコネクターの形状などを変えていますが、フロント部分は見た目純正のままです。MS-55iと55zで採用されている極軸照明装置のLEDライトも機能するように改造をしているので、トータルでスマートな改造になっています。



暗視野照明もきちんと点灯してボリュームもそのまま使えます。調光はコンソールパネルにボリュームがついているので、そこで細やかな調整ができます。



こんな感じで暗視野照明装置になっています。



赤道儀のコントロールは、基本はスマホのSkySafariで行いますが、ワイヤレスなのでとても快適です。ただし、極軸をきちんと合わせていないと、当然のことながら自動導入も正確に視野に入れてくれません。SkySafariから自動導入する時には、空の明るい星を望遠鏡で導入してからSkySafariでその星に同期させます。星の導入はクランプを緩めて手動で導入しますが、ビクセンのスターブックワイヤレスのように、望遠鏡を手動で動かしてのアライメントには対応していなくても、SkySafariではそれができるので、とても便利です。それができると目的の天体に近い星でアライメントをすれば例え極軸が狂っていてもその距離が短ければ導入できます。



このSR-20コントローラーには、USBケーブルが付属していますが、PCと接続をしたり、ASIAIRと繋げたりするのに使います。それにより、MS-55i赤道儀をASIAIRからコントロールして正確に自動導入や撮像ができます。極軸を正確に合わしたり、オートフォーカサーやカメラのコントロールも全てASIAIRからできるので、30年以上前の赤道儀がハイテク仕様に生まれ変わります。当店では4種類の赤道儀で同じ改造をして使っていますが、今もNJP赤道儀やMS-4赤道儀の改造を継続して受けています。特にアストロカーで使っているものは、今ではこれが無いと望遠鏡自体が上手く機能しないので、手放せないものとなっています。

今回改造した、このMS-55i赤道儀は、将来的に観測施設で使う予定で改造をしています。しかし、まだそれは先の話なので、星フェスが終わったらまたしばらくは店に展示されるだけになるでしょう。ちょっともったいないですが。


安中市のイベントは大成功でした!

2024-11-04 16:59:02 | ブログ


昨日や、11時〜19時までと長丁場のイベントで、流石に疲れました。普通のスターウォッチングならいいところ、2時間程度に準備と撤収でさらに1時間で済むのですが、安中市のスマイルパークのイベントは、午前中の天体望遠鏡工作教室から始まって、12時からアストロカーでのHα太陽望遠鏡による太陽観望に入り、最後は17時からは夜の部で土星などを見せて終わりです。タイトルは「あきまつり&収穫祭」ですが、施設の方が言うには、星を見せるアストロカーが主役のイベントだとのことでした。当初悪天候で中止も考えましたが、主役がいないのでは、イベントにならないので、悪天候でも来て欲しい。と言われました。しかし、結果的には快晴の素晴らしい天気だったので、トータルでは300名近い親子連れの方々に見ていただきました。工作教室は、星フェスにも来ていただく、元JAXAの西田先生が監修して教材も作ってくれたので、それを私が代行して行っただけなので、それほど大変ではなかったです。星フェスでもこの工作教室は開催されるのですが、次は西田先生が直に教えてくれます。500円の参加料なので、子供さんを連れて来られる方はぜひご参加ください。大人が参加してもとっても為になる教室です。



日中の太陽観測は、この日の太陽面があまりに素晴らしくて、巨大なプロミネンスや彩層面の活動が活発で太陽黒点も多数出ており、初めて見る太陽=恒星の姿に皆さん驚いていました。エタロンフィルターは、20cmED APOのクーデ式にSM90を取り付けましたが、ダブルスタックにはせずに、シングルでブロッキングフィルターは、BF30を改造したものを使いました。通常の状態では合焦しないので、スリーブを短くしたものを新たに作って、それを使っています。アイピースは、PENTAXのXW40mmの2インチです。とても見やすいので、参加者はすぐに見る場所を理解されて覗いて驚いていました。画像の男性は、安中市の市長さんです。昨年も会場にお越しいただき、太陽を見られました。昨年の太陽イメージを覚えていて、”今年の方が凄い見えますね”と驚いていました。大人は椅子に座って楽に見られるのですが、子供さんはその身長によって椅子の使い方をその都度教えて対応していました。一般的な望遠鏡と違って覗くところが常に同じなので、一度覗くとその覗き方を理解して次からは何も言わなくても正しく見てくれます。



今回素晴らしかったのは、土星の後に「紫金山アトラス彗星」を見せてあげられたことです。眼視でも当然ですが、170インチのスクリーンに立派な尾を描く姿を見た参加者はとても驚いていました。これぞ、電視観望の醍醐味でしょう。この映像は、Vixen FL55SSにZWO ASI 174MMカメラで撮影していますが、カラーカメラよりはノイズなどが目立たなくて高感度ですので、敢えてモノクロカメラを使っています。このカメラは元々太陽を撮影する為に購入したのですが、星雲や星団を撮ってみると、とても写りが素晴らしいので、今はこのカメラを電視観望用として使っています。



スターウォッチングで最も喜ばれたのは、紫金山アトラス彗星とのツーショットです。この撮影をしてもらう為にリングライトも用意しています。極力スクリーンに光が当たらないようにライティングをしますが、拡散光なので難しいです。しかし、多くの参加者に喜んでもらいました。この170インチスクリーンを使った電視観望は、まさにアストロカーによるスターウォッチングの独壇場です。他のアストロカーでは一切やっていない上に、星が見えない環境で使われているので、彗星を見せるなどは難しいでしょう。星フェスでもまだ彗星は見えているので、同じようにこの電視観望をやりたいと考えています。



夜は、土星と紫金山アトラス彗星を見せて終わりましたが、20cmクーデ式赤道儀は、結局は極軸を合わせずに大体北に向けた程度で使っていました。その状態でいくらアライメントをしても、SkySafariでは自動導入は上手く視野には入りません。そこで活躍してくれるのは、ASIAIRを用いたプレートソルブ機能を使った自動導入です。きちんとアライメントした上でやれば、ほぼ正確に彗星を視野中央に導入してくれました。どんな自動導入の赤道儀でも極軸が狂っている状態では、正確に導入はしてくれませんが、ASIAIRを活かすことでその誤差を補正して導入してくれるのには、本当に驚きます。以前は、度々エラーになって導入が出来なかったのですが、今はほぼ100%導入ができるようになったのと、プレートソルブの精度が上がってスピードも早くなりました。

安中スマイルパーク「あきまつり&収穫祭」へ出動します!

2024-11-01 17:49:02 | ブログ


小海の星フェスまで、いよいよ1週間となりました。天候は概ね良好のようですが、かなり寒いことは覚悟してお越しください。その前に11月3日開催の群馬県安中市で毎年開催されている「あきまつり&収穫祭」にアストロカーで出動します。去年も参加して今年で2回目ですが、去年は最高の天気に恵まれて良かったのですが、今年は今の所曇りか雨です。しかし、今日の予報では、午後から晴れてくれるかもしれない。という話でした。

昨年は、昼間にアストロカーの20cmEDAPOのクーデ式屈折望遠鏡で太陽のHα像を見てもらいましたが、今年も晴れてくれたら同様に見せてあげようと思っています。そして夜の部では土星を見せてあげたいですが、もしかしたら紫金山アトラス彗星が見せられるかもしれません。それも空の透明度次第です。もう5等星いかになっているので、肉眼では当然無理ですが、20cmの集光力を持ってすれば彗星の頭部だけは見せられそうです。日中の太陽は、90mmのSolar Maxをシングルかダブルで見せます。できればダブルで見せたいですが、彩層面の状態が素人では見にくいので、明るいシングルで見せようかと思っています。ブロッキングフィルターは、BF30を使って2インチのPENTAX XW40mmを使います。これで太陽面を全面見せられます。昨年は、昼と夜で315名の方々に見てもらいましたが、お客さんのほとんどが親子連れでしたので、さすがに子育て施設でやるイベントだと思いました。ちなみにこの315という数字は、アストロカーのスターウォッチングを始めてからの1日に見せた最大人数です。今年はどのくらいいくか分かりませんが、天気次第ではそれを超える可能性はあります。



それから、アストロカーでの観測会の前にすべきことがあって、それがこの工作教材を使う「天体望遠鏡工作教室」です。星フェスでも講座を担当する元JAXAの研究者の西田信一郎さんが監修して教材を作ってくれたものを、私が講師を務めて子供達に望遠鏡の作り方を教えます。できれば西田さんに来て直接やっていただきたかったのですが、この日は他に予定があるとのことで、私が変わってやることになりました。この望遠鏡教室の教材はとても良くできていて、望遠鏡の筒となるのが、チョコレートクッキーの箱ですが、中にはクッキーが入っているので、それを子供達が食べながら楽しく望遠鏡を作ろう。という趣旨で、さすがにこんな教材は西田さんだからこそ作れたものだと感心しています。星フェスでも子供たちに宇宙開発のお話などを分かりやすく砕いて話てくれるので、天文ファンの方でも子供連れで参加される方はぜひ聴講していただきたいと思います。

まもなく星フェスの開催ですが、Clear Skyです

2024-10-31 12:28:39 | 八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ


あと一週間ほどで今年最後を飾る甲信越最大の星を見るイベント「星と自然のフェスタ2024」ですが、当日の天候は概ね良好です。まだ先になってみないと分かりませんが、星フェスは確実に晴れる時期を最優先にして決めているので、3回連続くらいで晴れています。それも二日間のうちの両日とも晴れです。こんな星イベントは、日本では星フェスだけです。星を見るイベントで晴れなくても盛り上がるのは、逆におかしな話で、アメリカのNEAFのように望遠鏡の展示会なら晴れようと曇ろうとお構いなしですが、みんなで星を見て楽しむようなイベントなら、晴れることが絶対的に必要なことなんです。小海は、数ある星イベントの中でもそれを最重要視しているので、晴れる確率の高いこの時期に開催しています。しかし、今のところ天候は良さそうなので一安心です。

星フェスは今年から新たな運営方法を考えて実践していきますが、これまでどこの星イベントでもやった事のないものなので、手探り状態ではあります。しかし、お手伝いいただける多くのボランティアがしっかりとその準備をしておりますので、参加される方々は天文趣味の新たな楽しみ方があることを理解していただけると思います。



天気が良いのは、良いことですが、多くの方々が心配されているのは、雪の心配や気温の低さでしょう。この寒暖計は、今朝の6時過ぎの店の外で測定したものですが、マイナス2度でした。しかし、不思議なことに車についた夜露などは凍結していませんでしたので、実際にはそこまで下がっていなかったかもしれません。星フェスの当日は、もしかしたらもう少し気温が下がるかもしれませんし、店の標高より300メートル高い会場だと、さらに数度気温が下がっているでしょう。ただし、路面の凍結については、早朝は水のあるところは凍結する可能性がありますが、太陽が出てくれば直ぐに溶けてしまいますので、そこまで心配はしなくて良いでしょう。雪は当然雨が降らなければ降らないので、それも心配無用でしょう。

フリーサイトBでテント泊をされる方々は、ちょっと辛い朝を迎えることになるかもしれません。携帯バッテリーで電気毛布を使えば問題解決でしょう。夜は皆で星を見ているので、寒さなど平気かと思います。エーデルワイス会場は、暖房も入りますので、外よりは暖かいです。薪ストーブは昨年は使いましたが、今年は23時にはクローズしてしまうので、その使用はちょっと無理かもしれません。いずれにせよ、当日は暖かい服装でお越しください。



我が家の薪ストーブが稼働し始めました。ファンヒーターは、もう結構前から使っています。これからはまた高い灯油を毎月600リッターくらいは必要になるので、電気代も含めて家計は厳しくなります。以前は店に薪ストーブを使っていましたが、望遠鏡にススがついてしまうことや、温度管理が難しいのと、薪の価格が灯油以上に高いので、薪ストーブは売却してファンヒーターに変えました。しかし、リビングの方はまだ残してあるので、ファンヒーターと薪ストーブを併用して使っています。

まだまだ明るい紫金山アトラス彗星 . . .まだスマホで撮れます!

2024-10-27 10:16:39 | ブログ


10月13日の地球最接近以来、太陽から離れていって徐々に暗くなってきていますが、まだまだ大彗星の片鱗を残して見えています。昨夜は、ガトーキングダム小海でのいつものアストロカーを使ったスターウォッチングをやりましたが、20cmクーデ式望遠鏡のセッティングをして初期設定のアライメントの確認のために見えないだろうと考えていた紫金山アトラス彗星を導入してみたら、驚くことにど真ん中に明るい彗星核と尾がはっきりと見えていて、非常に驚きました。21日に初の撮影に成功してから一週間ほど経ちましたが、それでもこれだけ明るく見えているのは驚きです。撮影した時間は、午後8時前でしたが、西の森にかかりそうな状態だったのでかろうじて撮影ができました。撮影は、SVBONYのSV230スーパーズームアイピースの20mmで一枚撮りですが、彗星核と尾がはっきりと写っています。ZWOのカメラでしっかりと撮れば、さらに素晴らしい姿が撮れたと思います。しかし、全国に設置されている20cmクーデ式望遠鏡で彗星を撮影したのは、たぶん初めてのことでしょう。アストロカーを使い始めて3年ほど経ちますが、搭載されている20cmED望遠鏡の性能が素晴らしいということが、使うたびに分かってきました。

星フェスには、大口径の30cmフローライト屈折望遠鏡がやってきますが、できればそのイメージと比較させて欲しいものです。今年の会場の「第二星空観望サイト」には、これまでに無いほどの大型望遠鏡が並びます。それぞれ独特の機能を持ったオンリーワンの機材なので、それぞれ見比べて楽しめるでしょう。これまで7回開催してきた星フェスですが、その中では最大級の天体望遠鏡の観望ショーになるでしょう。そして宇宙観測車の周囲には、太陽望遠鏡が各種並んで昼間は太陽望遠鏡ショーになるでしょう。自慢の太陽望遠鏡をお持ちの方々は、ぜひ公式ホームページから設置のお申し込みをされてください。ただし、第二星空観望サイトは、もう満席となっているので、入れるかどうか分かりませんが、太陽観測サイトへのお申し込みなら受けてくれると思います。

ところで、本題から外れましたが、紫金山アトラス彗星は、まだ今ならスマホで写せると思います。ただし、ある程度の露出をマニュアルでコントロール出来て、10秒以上で高い感度の設定もできる機種でないと難しいかもしれません。私が使っている最新のXperiaなら30秒まで露出できるので、間違いなく写せます。撮影するポイントは、なるべく空が暗くなってから西側に明るい町明かりなどが無くて、太陽が沈んでから1時間以上経っていることです。空の条件と透明度が良ければ、彗星の頭部と尾が綺麗に写せます。ぜひお試しください。

いよいよ、あと2週間で星フェス開催です!

2024-10-26 10:45:24 | 八ヶ岳 星と自然のフェスタ in こうみ


今年最後の大きな星イベント「星と自然のフェスタ2024」の開催まで、残り2週間となりました。春先から着々と準備をしてきて、開催が間近に迫ってきました。当日配布するスケジュールマップも原稿が仕上がって来週には仕上がります。まだ開催までまだ細かい作業が残っていますが、日々できることから片付けていきます。

それで肝心な当日の天候ですが、天気予報の情報では、11月に入ると例年のように乾季に突入していって、晴れる日が多くなってきます。その分気温がかなり下がりますので、特に夜に活動される方々は、万全な防寒対策をやって参加していただきたいと思います。雪の心配は無さそうですが、会場の標高は、1,450メートル以上の高地です。皆さんが住んでいる多くの場所から考えると、10度くらいは低くなっています。特にフリーサイトBでテントを張る方々は、ダウンのスリーピングバッグを使用するか、高容量のバッテリーを使って電気毛布を使うなどして快適な環境を作ってください。

星イベントは、晴れて星空が見えることが大前提で開催されているので、たとえ暖かくても晴れてくれないと、展示や持ち込まれている多くの天体望遠鏡がただの展示品になってしまいます。星フェスが毎年観光のオフシーズンにやっているのは、一年のうちで最も晴れて、しかも雪が降らずに寒さもそこそこな今の時期に開催しています。よくある質問で「何で暖かくて人の多い夏にやらないのですか?」と聞かれます。開催主催者側でもそうしたいようですが、こんな理由から今はそうしています。観光シーズン最盛期の夏に多く行われる屋外イベントですが、今後地球温暖化の影響で、その開催が益々危険で天候的にも不安定になってきて、その開催自体を再考していく必要がありそうです。



今年は、星フェスの時期でもまだ紫金山アトラス彗星が見られそうなので、肉眼では難しいですが、大口径の天体望遠鏡や電視観望によって、地球から遠ざかっていく彗星の姿を見せてあげられるでしょう。画像は、SVBONYのSV230スーパーズームアイピースにコンデジのPowerShot G9Xのワンショットで撮影した彗星です。これなら特に知識などが無くても簡単に誰でも紫金山アトラス彗星を天体望遠鏡で撮ることができます。本来はもっと綺麗に写せますが、他の撮影をしていて気がついた時には西の地平線に沈みかけた際に撮影したので、こんな画像です。このお気軽撮影なら、まだしばらくは彗星を捉えられます。

今日は、2週間ぶりにガトーキングダム小海でスターウォッチングですが、今のところ参加者は一桁と少ないですが、チェックインの時間帯に晴れてくれればそこからまだまだ増えていくと思います。しかし、スタートが20時からなので、紫金山アトラス彗星を見せてあげるのは厳しいでしょう。



星フェスのアストロカーの周辺で太陽望遠鏡が沢山集まって太陽観測会になりますが、その際に使われるPENTAX 75SDHFによる太陽投影板システムを特注で製作して仕上がりました。使用するアイピースにもよりますが、20cmくらいの太陽像が円盤上に投影されます。投影された太陽をその場で子供達にスケッチしてもらい、貴重な体験をしてもらいたい。とガイドさんが言ってました。それをしたから謝礼がある訳でもありませんが、自分だけが楽しむのではなく、自分の機材で子供たちなどを楽しませようという高い志を持った方々が今回も星フェスを支えてくれます。とてもありがたいことです。

ついに撮れました! 紫金山・アトラス彗星

2024-10-21 21:35:51 | ブログ


今日、ようやく世紀の大彗星「紫金山・アトラス彗星」の撮影ができました。撮影場所は、小海町の隠れ星スポットですが、最初に驚いたのは、肉眼で彗星の尾がはっきりと分かったことです。Canonの50mm x 15倍の防振双眼鏡で見ると、かなりの明るさで尾が視野から完全にはみ出すほどで、こんなに明るい彗星は、ヘールボップ以来かもしれません。ステラナビゲーターで表示されている等級より実際の明るさの方が大きいと感じました。しかし、肉眼で尾を引いている姿を見たのは、ヘールボップ彗星以来です。撮影は、いくつかの機材で行いましたが、画像は、PENTAX MS-4赤道儀にCelestron RASA8で一枚撮りですが、EOS M6のライブビューでも彗星の姿がはっきり分かるくらいで、ピントも彗星で行えたほどなので、如何に彗星が明るかったかを如実に物語っています。露出は、30秒ですが、10秒以下でもはっきりと写りました。



今日の彗星の姿を見た限りでは、間違いなくスマホで簡単に撮れます。太陽が沈んだ方向を覚えておいて、地上の風景を入れた状態で午後6時〜7時くらいに縦構図でも横構図でも撮影をすればほぼ確実に撮れます。ただし、オートモードしか無いスマホだと、ちょっと厳しいかもしれません。EOS Rに24mmレンズでライブビューで見た時には、彗星がはっきりと映っていましたので、地球最接近から1週間程度経過しましたが、それでもまだこれだけの明るさがあって、素晴らしい尾が見えているので、まだしばらくは見られそうです。ただし、明日から天気が悪くなってくるので、しばらくはその姿を拝めないかもしれません。

EOS Rに24mmと35mmで撮ったものは、ポラリエUで追尾して撮っていますが、固定だけでは、星も彗星も流れてしまうので、できればポラリエかポラリエUに雲台ベースをつけて、追尾しながら露出をかけた方が写りは良くなります。これから徐々に尾も短くなってくるので、迫力ある姿を撮るには、ポータブル赤道儀の力を借りた方が良いでしょう。紫金山・アトラス彗星は、来月の星フェスのイベント会場でもまだ見られるので、大型望遠鏡やアストロカーでも見られます。

今日は、紫金山・アトラス彗星を狙います!

2024-10-20 13:36:12 | ブログ


まだ一度も見れていない、紫金山・アトラス彗星ですが、ようやくその時がやってきました。今日は今のところ空は快晴です。まさに秋晴れの素晴らしい透明度の空です。まだ夕方以降にならないと分かりませんが、明日の天候は分からないので、今日を逃すとまたしばらく天気が悪そうなので、何とか今日は撮影しようと思って、機材の準備をしています。撮影場所は、地元の八ヶ岳が良く見えるスケートセンター付近を予定しておりますが、状況によっては変えるかもしれません。なんとか八ヶ岳、天の川、彗星のスリーショットをものにしたいですが、西側の光害と被さらないかが心配なのと、月が東から昇ってくるのが重なるので、そこが不確実な部分です。

とりあえず、機材は、ポラリエU+PCBU-EQRDにCanon RにSIGMA 105mmの組み合わせで、彗星の尾と八ヶ岳を写切ります。空の条件が良ければ、24mmと35mmも使って撮影しますが、あまり余裕は無いので、テンポよく撮影していこうと思っています。明日も晴れることが分かっていれば、無理をせずにできるのですが、それは分からないので、とりあえずこの機材で撮影してみます。



そして、西側が完全に暗くなってきてから、彗星のアップと尾の細部を写すために、Celestron RASA8をPENTAX MS-4に乗せて撮ります。RASAだと尾がはみ出してしまうと思われるので、モザイク撮影にもトライしてみようかと考えています。RASAはF2.0と明るいので、露出時間も数秒〜で済むので、彗星の動きを気にせずに撮影ができそうです。

紫金山・アトラス彗星の今の明るさを考えると、まだスマホでも写せるくらいなので、スマホでも当然撮ってみますが、どの程度に写るかはやってみないと分かりません。昨日、松原湖でのイベントの会場で知人に「彗星を撮りたいのですが、どこに見えてどうやって撮ればいいですか?」と聞かれたので、分かる範囲で教えてあげましたが、果たして無事に撮れるかどうか分かりません。しかし、これだけ世間が大騒ぎしている彗星ですが、小海町の方からは、そのために観望会をやってくれないか?みたいな話が全くありません。アストロカーがあるので、学校などからもそんな話が来ても不思議では無いのですが、この町の住人は身近でない星のことなど、気にもしないのかもしれません。こういうのは、田舎より都会の人たちの方が敏感に反応するものなので、アストロカーで「紫金山・アトラス彗星大観望会」などやったら大変なことになりそうです。逆に静かなので、自分の撮影とかに専念ができるので、それはそれで悪くはないですが.。

紫金山・アトラス彗星はこれからが見頃です!

2024-10-18 16:08:54 | ブログ


明るくなって立派な尾が出てきて、世界中で撮影されている話題の紫金山アトラス彗星ですが、いまだに撮影ができていません。スマホで撮れることもあって、相当数の画像がネットに流れていますが、その多くは彗星を撮っただけの簡単なものです。これだけ撮りやすい絵になる彗星ですので、もう少し構図的に素晴らしいものがあっても良さそうなのですが、その多くが地平線や野山の上に写ったシンプルなものばかりです。ある意味一生に一度の記念写真と考えれば、それもまた良いとは思いますが、天文ファンや写真家が撮るのであれば、もう少し構図的に素晴らしいものがあっても良さそうです。そんな絵になる彗星を撮るには、まずは撮影場所ですが、探せば結構あるものです。富士山とのツーショットも多く撮られていますが、これが雪山だと絵になるのですが、シルエットだけなので、ちょっと寂しい感じです。彗星がいつも見えているものなら、撮影地を探したりする余裕があるのですが、一般の方々にとっては突然ニュースで流れてきたもので、とりあえず撮ってという感じでしょう。



このステラナビゲーターの星図は、10月21日の19時のもので、紫金山アトラス彗星の地平高度が15度くらいです。夏の銀河が横に見えているので、それを合わせて地上風景とセットにした構図も良いかと思います。今なら紅葉とのツーショット、スリーショットが狙えますが、長野県の紅葉は今年も全然綺麗では無いので、それを暗い中で絵にするのは至難の技です。オレンジのラインは、14mmのレンズをフルサイズで使った場合の画角ですが、14mmでも彗星は分かりますが、ちょっと小さくて主役になりきれないでしょう。天の川と地上の風景は大きく入りますが、バランス的には今ひとつかもしれません。彗星の尾が相当大きいものなら十分絵になりますが、これから益々暗くなって尾も短くなってくるので、可能なら彗星が大きく写るような焦点距離のレンズを選択して、それに周囲の風景などが上手く入ってくれる構図を考えるべきかもしれません。



これは、24mmですが、このくらいなら彗星もそこそこのサイズで写ってくれるので、星景色写真としては、まずまずでしょう。地上風景を上手に入れるためには、彗星の地平高度が大事ですが、時間の経過とともに彗星の高度が下がってくるので、下がってきた時に山の頂上だったり湖があったり、お花畑があったりすると、100mm以上の望遠レンズでも良い構図にできることもありますが、それは十分な下調べとその風景の方位と彗星の沈む方位などがきちんと分かっていないと、思ったような絵にはできません。

残念ながらこの週末は天候が良くないので、撮影自体が長野県内では無理だと思いますが、来週20日以降になれば、好天に恵まれそうなので、また撮影時間によっては月明かりの影響を受けないので、淡い彗星の尾を綺麗に写すにはこれからがベストかもしれません。彗星はこれから徐々に地平高度を上げて見やすくなりますが、合わせて光度が下がって暗くなってきますので、それ以降は天体望遠鏡を使った撮影が良くなってきます。しかし、風景的な撮影をしようと思ったら、来週末くらいまでに撮った方がいいかもしれません。望遠鏡で撮影するようになれば、肉眼で尾が見えなくなっても、背景が暗ければ露出をかければ尾が撮影できます。ただし、その場合にはある程度の露出をかける必要があるので、赤道儀もしくはポータブル赤道儀などで彗星を追尾しながら撮影する必要があるでしょう。20日以降の高気圧に覆われてきたら、どこかへ出かけて撮影にトライしようかと思っています。



久しぶりに、当店のオリジナルのポラリエUの雲台ベース「PCBU-EQRD」を組み上げてポラリエUと共に発送しました。ポラリエUに望遠鏡を乗せて彗星を撮るには、これ以上無いコンパクトなシステムで撮影ができるでしょう。ポラリエUだけなら、構図を決める場合でも望遠レンズだと結構苦労しますが、PCBU-EQRDなら左右上下に微動が付いているので、細かい構図調整ができるので、彗星のベストな構図で撮影できます。まだまだ彗星の光度があるので、露出時間はそれほどかけなくても綺麗に写りますが、それでも望遠レンズを使えば、その間に彗星自体が地球の自転により移動していくので、バルブで開放すれば星が線になって流れて写ります。それを防ぐためにポータブル赤道儀で追尾する必要があるのです。彗星を撮影するにわか天文ファンは、三脚とカメラとレンズだけで撮影していると思いますが、それだといずれは限界が出てきます。彗星の頭部は明るくても淡い尾は、ある程度の露出をかけないと綺麗には写りませんので、それをするためにポータブル赤道儀があれば便利です。何せ8万年に一度しか見られない彗星ですので、その世紀の一瞬を捉えるための出費は考えても良いでしょう。

今夜は、スーパームーン 月最接近

2024-10-17 18:35:18 | ブログ


先ほど庭で撮影したスーパームーンです。狩猟月とも言われるそうですが、普通の目で見ても特に変わったことはありません。ただの満月です。薄雲を通しているので、明るさが若干弱められているので、望遠鏡で見てもそれほど眩しくはありません。一番地球から離れた40万キロと比較すると、3割くらいは大きくなっているそうですが、月が地球に近いということは、それだけ月の引力の影響を受けるので、潮の満ち引きでも大きな差があるのでしょう。また時に人の精神状態にも影響を及ぼすことがあるのかもしれませんが、それは心理学者では無いので、分かりません。その辺は、「月の魔力」という書籍を読めば詳しく書いているかもしれません。いずれにせよ、今日はスーパームーンです。

紫金山・アトラス彗星を今日こそは見ようと準備していましたが、西側の雲がどうしても無くならずお目にかかれませんでした。こんな姿を想定できていたら、どこかの良く晴れる国へ行けば良かったかもしれません。インドネシアのバリ島ならまだギリギリ乾季でヤシの木の上に見られたでしょう。2019年以前ならそうしていたと思いますが、もうあれから5年も海外へ行っていないので、流石に空港まで行って飛行機に乗って移動するという気力がありません。海外旅行は、空港から空港の移動でその精力の半分くらいは失われてしまうので、特に海外空港は入国審査〜出国審査で疲れてしまって、それを考えるとなかなかその気になれません。しかし、そろそろ来年くらいから出ようとは考えています。



店の倉庫に入れたままになっている、Celestron HD1400鏡筒を箱から出して光学系をチェックしました。たま〜に出してみないとカビが生えたりすることがあるので、そうならないように、定期的にチェックして外の空気にあてています。もう購入してから5年は経つのですが、この鏡筒を乗せるPENTAX MS-55i 赤道儀がようやく自動導入の改造から仕上がってきますので、ようやく使えるかと思いきや、まだ観測所がありません。したがってまだまだ先にならないと赤道儀も合わせて使えないので、しばらくは箱で休んでもらうしかありません。もったいないですが. . .