年末はこのところずっと好天に恵まれているので、昨夜も久しぶりに「ポラリエU+Vixen FL55SS」の組み合わせで撮影しました。毎年冬になるとひたすらM42オリオン大星雲ばかり撮っていますが、年間を通じて最も美しくて撮りやすい被写体なのでフィルムカメラの時代からずっと撮り続けています。露出は90秒ですが、本来なら180秒露出でも点像を維持してくれるはずでした。しかし、しばらくぶりに極軸望遠鏡PF-LIIで合わせたところ、望遠鏡がグラグラだったので、きちんとセッティングが出来ず、故に120秒露出が一杯でした。以前に海外で頻繁に使っていた時には、180秒露出は常に成功させていましたので、信頼して使っていました。
Vixen FL55SSは、フラットナーHD for FL55SS+レデューサー付きでFL=237mmですが、APS-CのEOS M6で使うと実質380mmの望遠レンズになるので、そこそこの望遠レンズになります。
撮影に使った機材は、いつもの海外遠征用の組み合わせです。微動雲台は南半球では粗動のできるTK-ALZM Jr2です。これにポラリエUを乗せて機材はポラリエU雲台ベースPCBU-EQ3です。シャフトは200mmとウェイトが1kgを1個で大方バランスが取れていますが、やや足りないです。海外にはシャフト2本とペットボトルアダプターを常に持っていきます。他にFL55SSとPCBU-EQの間にパノラマ雲台を取り付けてあります。回転がスムーズなので構図決めがとても楽で、天体望遠鏡の赤道儀を使うのと同じ感覚で使っています。
当店で作っている微動雲台は、既製品のようなガタツキやたわみなどはほぼありません。現行品で販売しているのには粗動機能はありませんが、日本国内で使う分には支障は無いはずです。
冬の星座でもこのオリオン座を中心とした一等星が8個も同一視野に入る構図は冬の星空撮影の醍醐味です。撮影はEOS R+24mmで撮っていますが、これでは収まらないので上下に2枚撮った画像をモザイク合成して一枚に仕上げています。撮影場所は、当店から車ですぐの畑の道で撮っていますが、周囲に一つも街灯が無いので星空撮影のベストスポットです。先日の富士山の本栖湖周辺も良かったですが、空の暗さはこちらの方が遥かに暗くて良いです。唯一気になるのは南の空の甲府方面から来る光害ですが、それ以外は悪くはないです。そうは言っても暗闇で手を伸ばしても自分の手がはっきりと見えるので、周囲の町からの光害による影響は確実にあります。
ここ数日は夜間も日中も気温が高めだったので、撮影をしていても寒いことはありませんでした。風もほとんど無かったので、一晩撮影していても辛いことはなかったと思います。今日も夜から明日朝にかけては好天に恵まれそうなので、撮影に出かけたいと思っています。ここんところ電視観望もやっていないので、久しぶりにやってみたいですが、店にあるRASA 8"を全く使っていないので、PENTAX MS-4に乗せてRASAで電視観望をやってみたいと思っています。
この太陽面は昨日撮ったものですが、SKY90+SM90ダブルスタックでのワンショット画像です。ダブルスタック時のゴーストが写っていますが、この調整での写りがとても良かったので撮りました。ワンショットでもSM90とBFの最高のマッチングを実現しているので、最低でもこのくらいは撮れます。ZWOのカメラでしっかり撮ってスタッキング処理をすれば、素晴らしいイメージになります。
ところで、昨日知ったのですが、天文界では著名な藤井旭さんが亡くなられたそうです。81歳だったそうですが、私も彼の書籍で天文にのめり込んできた人間で高校生の頃にはお世話になっていました。私が佐久穂町に移住してきた時に彗星捜索家のTさんの家に遊びに行った際に言われたのは「あの人の本はただでも要らない」と言われたのがショックでしたが、単に本が嫌いというより本人と何かあったのだろうと考えていました。藤井さんが愛用していたのと同じフィルターは、もう30年くらいの間使い続けています。とても素晴らしいフィルターですが、今はもう製造されていないので、貴重な商品です。他のフィルターを色々と使いましたが、これ以上の製品は今とのころ見つかっていません。とにかく今もお世話になっています。氏のご冥福をお祈りいたします。