これが新型微動雲台「TK-ALZM3」です。パッと見ても分かりにくいかもしれませんが、
旧製品との比較ですが、はっきり分かるほど高さが変わっています。重心が低くなることで、安定すること。また持ち運びもしやすくなると思います。高さが110mmから85mmになって、25mmも低重心になりました。
また、重量も1kgあったものが850gに軽量化しました。僅か150gだと言われるかもしれませんが、それぞれの部品が100g以下の小さなもので、そのトータルから150gを落とすのは至難の業です。今回のモデルはステンレスを多用して強度と耐久性を向上させているので、サイズが小さくなっても強度的には旧TK-ALZM2よりは高くなっています。
底部の3/8インチネジ部は耐久性を高めるために、ステンレスを使っています。以前のはアルミ合金に1/4インチアダプターを取り付けていました。今回のモデルからアダプターは付けずに太ネジ仕様のままといたしました。1/4インチで使われる方もいらっしゃるかと思いますが、その場合には市販の変換アダプターを使ってください。ただし、市販品にはいろいろなタイプがあるので、中には適合しないものもあります。
他にもこの底部には工夫がしてあり、旧製品ではサイドのセットスクリューの使い方によっては僅かに持ち上がることがありましたが、今回のモデルではそれが一切ありません。2カ所のクランプと4本の調整ネジがきちんと締まっていれば、微動だにしません。もちろんタワミなど皆無です。
カメラ類を取り付ける雲台ベースは、旧製品同様に「雲台コマ」部品仕様としました。着脱がワンタッチでできる上に、コマ部だけでもクランプを緩めるだけで自由に回転できます。
またコマ部品のサイドに5mmの穴を貫通させてあるので、そこにドライバーなどを差し込んで強固に固定し、簡単に外すことができるように工夫しています。このコマ部品は、以前は1個だけ付属しておりましたが、今回から1個の他に予備としてもう1個お付けしようと考えております。その分当然コストアップとなりますが、この部品が無いと機能しなくなるので、予備は最低でも必要だと考えています。
このTK-ALZM3の最大の特徴は、360度フリー回転すること。また高度もフリーで120度以上回転することです。基本的にポータブル赤道儀用としては10度程度動けば使えるのですが、カメラ用の微動雲台として、また南半球での極軸合わせでは、私の経験からフリー操作できたほうが簡単に合わせることができることから、フリー操作できるように設計しました。
従ってこのTK-ALZM3は、普段はカメラ撮影用としてお使いいただき、天体撮影時にはポラリエなどのポータブル赤道儀を乗せて極軸合わせに使っていただき、また小口径天体望遠鏡や双眼鏡を乗せてフリー観望できる経緯台としても機能する「3 Way 微動雲台」となっております。調整方法がネジ4本で押し引きしてするので面倒かもしれませんが、確実で長期間使っていてもガタつきな緩みなど出ないので、この方法にしています。慣れないと戸惑うかもしれませんが、使っているうちに馴染んでくると思います。
ネイチャーフォトなどで下向きの構図で撮影する際にも三脚に邪魔されなければ、かなり下までカメラを向けられるので、便利です。一般的なネイチャーフォトの場合、上下高度だけ調整ネジで調整して、方位回転はクランプフリーにしておくのがベストです。高度も水平回転も内部数カ所にスラストワッシャーを埋め込んであるので、大変スムーズで均一です。旧タイプにはそれがありませんでしたが、動き自体はスムーズでした。
本体のサイズは、H=85mm、W =50(ネジ頭部を入れると96mm)、D=80mm、重量850gです。販売するモデルは、Black-RedとBlack-Blueの2タイプになる予定です。価格は、まだ確実ではありませんが、旧製品よりは若干上がります。部品点数が増えている上に各部の改良のために加工が難しくなっているからです。今回の商品は、これまで自分が使ってきて改良が必要と感じた部分やお客様から頂いた貴重なご意見を全て反映させて設計したもので、十分満足していただける商品に仕上がったと自負しております。
もちろん、これまで通りポラリエを乗せて使っていただけますし、安定感も抜群でPCB-EQ2に小口径望遠鏡を乗せて気軽に星雲星団の撮影が楽しめます。これまで天体写真は、一部の天文ファンだけのものでしたが、ポラリエを主体としたこれらの機材を使うことで、誰でも楽しみながら星空の撮影ができるようになります。それでも初めての方にはまだ難しい部分もありますが、当方では可能な限りサポートさせていただきたいと思っております。
TK-ALMZ3は、既に製作へ入っておりまして、7月4日から正式にご注文をお受けいたします。納期的には7月下旬となります。初回製作数量は少ないですが、その一部は8月7日からの「原村星まつり」会場にて販売いたします。初回のご注文ができなかった方は当日会場へお越しください。