おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

カメラアダプター作っています

2017-03-29 17:12:20 | コンデジのお気軽天体撮影


デジタル一眼やCCDカメラをアイピースに取付けて拡大撮影などができるカメラアダプターの試作とテストをやっています。まだ試作の段階なので今後どのような展開になるか決めていませんが、しばらくはカメラやアイピースを変えていろいろテストしていきます。



2011年にCanon PowerShot S95で初めてコンデジを使ったお気軽撮影アイピースを作りました。その時にテストで撮影した場所はカリフォルニアの山岳地帯でした。この時は販売店から借りたMeade LX200GPS-25で撮影しましたが、光害が皆無の素晴らしい星空でテストができたので、コンデジでも驚くような写真が撮れました。木星はワンショットですが、日本の空と大きく違って惑星を高倍率で見ても像が落ち着いて良く見えます。今はCCDカメラで数千枚の画像をスタッキングして高精細な画像を得られますが、それにも限界があります。来年の火星大接近はセブ島かバリ島へ行く計画をたてています。

当店でこれまで製作したコンデジを使った「お気軽撮影ズームアイピース」ですが、いつのまにか相当の種類を作りました。その中でもCanon PowerShot S120で撮った画像が一番良かったと感じています。残念ながら昨日入院するためにCanon SSへ送りました。デジタル一眼でしっかりオートガイドして星雲星団の写真を撮るのも良いとは思いますが、コンデジで簡単に撮れるのは楽ですし、初心者さんにも受け入れられやすいと思います。コンデジのお気軽撮影については、原点に立ち返って新たな物を作ってみようかと考えています。



春以降にまたインドネシアのバリ島へ行く予定ですが、南緯8度の南半球での極軸合わせをどうするか悩んでいます。これまでも何度も現地でやって苦労しているので、今回はアングルセンサーとポーラメーターを使って極軸合わせをやってみようと考えています。バリ島での極軸合わせの難易度は、ニュージーランドを10段階の5だとすると8-9くらいになると思います。北天の極軸合わせは1-2くらいです。今年のGWは新月期近い良い条件ですので、南天遠征をされる方は多いと思いますが、何度行っていても面倒なのが極軸合わせです。ポーラマスターを持っていますが、恥ずかしながらまだ一度も使ったことがありません。ポラリエPCB-EQ3用のアダプターも作ってあるので、今年はそれでやってみようかと考えています。

話は一般的な話題になりますが、ここ数日前からテレビを賑わせているのが栃木の雪崩遭難事故のことですが、登山をする人間ですので気になっています。自然を相手にするスポーツですので、時に究極の判断が必要ですが、高校生には自分の身を守る判断ができず、引率する教師がその判断をしたことが8名もの命を失う結果となったことは本当に残念としかいいようがありません。団体での登山は個人の意思はほとんど尊重されることなく、自分で自分の命を守ることが難しいところがあります。私は学生時代の登山部以外ではほとんどの登山が単独行でしたが、それはそれで危険なこともありました。ニュージーランドの氷河でクレバスに何度か落下して奇跡的に生還した経験があるので、登山で命を失うことの恐れは常に意識の中にあります。今回の事故で亡くなられた生徒さんの親御さんのインタビュー映像を見るといたたまれなくなります。二度とこのような悲しい遭難事故が起きないことを願いつつ生徒さんらのご冥福をお祈りいたします。

The total solar eclipse war began !

2017-03-26 14:51:15 | ブログ


もう直ぐ4月で桜も咲く季節なのですが、当地ではご覧の状態で雪が降っています。もう気分は春のつもりでいたらこの有様です。ここ数日前から毎日のように雪が少しですが降っています。そろそろ寒さから開放されたいと思っていた矢先の出来事です。



ところで久しぶりに北米皆既日食の話題ですが、8月の本番まで残り4ヶ月ほどになりました。既に渡米される方はツアーに申し込まれているか、チケットの手配を済まされておられるかと思います。私は今日明日にでもレンタカー手配を済ませるつもりでおりますが、ホテルなどは全く手付かずです。日食前後は皆既帯周辺は全く無理なので最初から諦めてキャンプ場か車中泊を決め込んでいるので手配などは全くしておりません。

ところで題名にあるように既に米国本土では大変な事になっているそうです。いつもおつきあいしている天文ショップは数日前から電話もメールも全く受け付けてくれない状態です。今朝も友人と電話で話しましたが、連日日食関連の商品を買い求めるお客で店内は大忙しだそうです。2012年の日本で見られた金環日食の時も日本では日食グラスが飛ぶように売れて大変だったそうですが、今回の北米日食はそれを遥かに上回るどころか、過去の天文現象では前例が無いほどの史上最高の盛り上がりになると見ています。

米国販売店では、この空前の北米日食を見越してCORONADOへ太陽望遠鏡PSTを数百本発注しているそうで、その前にもLUNTの太陽双眼鏡を数千台発注したそうです。日本の天文ショップでは考えられない規模の数字ですが、十分販売できると見越してのことなのでしょう。

今回の北米日食がどの程度の盛り上がりになるか、メディア関係も予想しきれていないようです。私がロスへ入るのは皆既食の5日ほど前ですが、ロスからの移動となるので、正直道路の混み状況などは全くつかめておりません。たぶん道路が比較的すいている夜間に移動するつもりですが、それもどうなるか全く分かりません。国内線でポートランドへ飛ぶ事も考えましたが、国内線でロストバゲージやオーバーブッキングなどのトラブルに見舞われる可能性も高いので、敢えて一番大変ですが確実な方法で観測地入りを考えた次第です。

いずれにせよ、空前の皆既日食戦争は始まっておりますので、まだ準備などもされておられない方は直ぐにスタートを切られたほうがいいでしょう。

APP-130TLをEM赤道儀用に改造

2017-03-24 16:23:23 | 特注製作品(タカハシ)


当店オリジナルのタカハシEM赤道儀をビクセンAPP-130TL三脚に乗せるための製作が終わって仕上がりました。ご注文分は明日発送させていただきますが、数点のみ在庫品としてそれほどお待ちいただくことなくお届け可能です。EM200はさすがに無理ですが、それ以下のEM赤道儀には軽量で便利に使える三脚です。



この三脚は単にアダプターを作ればよいというものではなく、三脚自体の改造も必要となり、結構面倒です。移動観測を頻繁にされるような方や遠方へ遠征されるようなユーザーさんには重宝します。このAPP-130TLは、AP赤道儀用に設計開発された商品ですが、これまで無かった望遠鏡用三脚には無いカメラ三脚の利点を考えて作られた商品なのでとても使いやすくできています。AP赤道儀だけに使うのはもったいないので、今後はタカハシP2赤道儀用に使えるものも考えていくつもりです。



3月もあと1週間で終わりです。もうすぐ4月ですが、松原湖高原はまだ冬です。昨日も今日も雪が降っていました。薪ストーブもまだ朝から晩までつけっぱなしです。ここは5月の連休頃までは寒いので暖房はまだ必要です。

松原湖の氷も最近になってやっと溶けて水面が表れてきました。お店の方は、これから4月にかけて商品内容を大幅に変えていきます。特に観測、撮影用の小物類を増やすと共にその中に新たに製作中のオリジナル商品も入れていきます。これまで長期に渡って販売しておりました、CORONADO製品は今後販売を縮小していきます。もちろんサポート自体はこれまで通り行っていきます。



当店もOPENから6年が経過して、今ちょうどその転換期に入っております。これからどのようなビジネス展開になるのか、分からないところもありますが、試行錯誤を繰り返しながらこれまで通りのオンリーワンのお店を目指していく所存です。

Solar Max 60 + PENTAX K-70

2017-03-20 16:22:49 | ブログ


久しぶりにHα太陽像をSolar Maxで撮りました。カメラはPENTAX K-70です。ブロッキングフィルターとカメラの間にはPENTAX XW20mmアイピースを入れてリレーレンズ方式にて拡大撮影しています。画像はワンショットなので、こんなものですが、もう少し透明度の良い状態で多数枚スタッキング処理すればさらに高精細な画像になります。

XWアイピースとK-70を接続する拡大アダプターは市販されていないので、当方にて製作しました。これによりこの撮影が実現しています。他社製品でアイピースを使った拡大撮影アダプターはありますが、PENTAX XWアイピースが使えるものは無いので一から製作しました。



今日仕上がって発送した「TK-PLT コンパクト強化型経緯台」です。なぜかご注文が集中したので数台を一度に発送しました。組み立て時には回転を滑らかにするために調整もしてあるので、スムーズに動いてくれるはずです。ポルタのイメージはタカハシ製品のような高級イメージはありませんが、作りはシンプルでもきちんと調整して最適な状態で組み上げればとても良い経緯台になります。この状態でカメラバックなどにも収納でき、またしっかりした三脚と一緒に使用することで、より汎用性の高い商品になります。



当店でも割合良く売れている軽量且つ高剛性のシステマティックカーボン三脚にT-REX経緯台を乗せて使いたいとのことで特注でアダプターを製作しました。このアダプターはT-REX以外にもタカハシEM赤道儀が乗るように作ってあります。こういう商品はオンリーワンで使うのもいいですが、可能なら他社製品との汎用性も考えてデザインしたほうが良いと考えて図面を書いて作りました。

オンリーワンのMS-3n赤道儀

2017-03-19 17:51:05 | Australia


アルマイト処理へ出していた部品が仕上がってきたので、システマティックカーボン三脚に乗せて完成しました。これで世界で唯一のPENTAX MS-3n赤道儀になりました。赤道儀は高精度且つカメラメーカーが作った美しいデザインとなっており、大変使いやすくできています。従って赤道儀自体は全く手を加える必要が無いので、気に入らなかった三脚と鏡筒登載部のみ改良を加えて最高のポータブル赤道儀になりました。



今回製作した部品の中で、架台下ナットはシステマティック三脚仕様には無くてもいい改良ですが、純正三脚のままで使いやすくされたい方の事を考えて作りました。かなり以前にも作ったことがありますが、今回の物は表面にグリップしやすいようにゴムテープを巻いています。このクランプホルダーは余分に作ってありますので、ご要望の方がおられたらご注文ください。これがあることで工具レスで三脚に固定できるようになります。



この状態で鏡筒も全て組み上げるのにわずか1分程度です。純正三脚仕様だとさらに時間がかかり、それを夜間の暗いところで行うのは面倒です。このシステマティックカーボン三脚とアリガタベースがあれば海外遠征にも気軽に持って行けるようになります。また機材の着脱や交換が大変楽です。別売りのUP-300マッチプレートもあれば、観測からカメラレンズでの撮影を併用しながら使えるようになるので大変便利です。

GOTO Mark-X用アリガタベース仕上がりました!

2017-03-18 15:49:17 | GOTO Mark-X


今日仕上がったばかりですが、今なら在庫品となっております。またオリジナルのマッチプレートも仕上がっております。ただしこちらは数点しか作っておりませんので、売り切れたらまたご注文が無い限りは作らない商品です。このハンマートーンカラーで仕上げた部品を販売しているのは当店だけです。まだご愛用者様が多いMark-X赤道儀ですが、この部品を手にされて大変喜んでいただいております。有り難い限りです。



昨日の改造したEOS 6DにAstronomik CLS-CCDフィルターを装着して撮影してみました。はめ込みがちょっときつかったですが、何度か使っているうちに馴染んでくるので問題はありません。ただ一つ問題なのは、フィルター無しでは感じなかった上下のケラレがフィルターを入れることで生じてしまうことです。下の画像を見れば分かりますが、左右の端が光量落ちしています。望遠鏡に装着した撮影では発生するものらしいですが、改造時にミラー切れ対策をしてもらっているので大丈夫かと思っていました。しかし、数日前のフィルターオフでの撮影では表れなかったので、たぶんフィルターが原因だと考えたほうが良さそうです。まだ写真レンズでの撮影をしていないので何とも言えませんが、室内で撮った画像を見た限りではそういった症状は見られませんので、たぶん大丈夫だと思います。



昨日よりは馬頭星雲の写りが格段といい感じです。処理前の生画像でも良く写っています。ただし露出を倍かけて撮っているのでそれを考慮すれば無いよりはあったほうが若干良いといった感じです。しかしまだ使い始めたばかりなので、これからいろいろなシーンで使って検証していきます。ちなみにこの画像は7枚コンポジットで総露出21分です。ステライメージ7とフォトショップCCで仕上げています。

EOS 6Dを改造しました

2017-03-17 15:37:23 | Astro Photography


今さら珍しい話題ではありませんが、フルサイズ機のEOS 6Dの天体用改造をやりました。もちろん自分でやったのではなく、業者に依頼して昨日戻ってきました。EOS 6Dは2台持っているので、その1台を色調調整用フィルターを取り去ってIRカットフィルターに換装してもらいました。これにより無改造カメラでは写らなかったHα領域の天体などが写るようになります。これまでは、Astronomik社のCLSフィルターを装着して撮っておりましたが、いろいろ悩んだ結果改造することにいたしました。

カメラの改造は既にKiss D-X5をかなり前にやっているので、それについての抵抗は感じませんでした。しかし、カメラが一台しか無く、且つ一般の写真などを主に撮っている方にはオススメしません。私のように撮影のほとんどが天体写真の場合にはやってもやらなくてもいいでしょうが、天体オンリーで使うような方は改造したほうが良さそうです。



昨夜撮影した画像です。やはり赤い星雲などが写りやすいです。無改造カメラでは写っていてもほとんど分からない程度の写り方しかしません。しかし馬頭星雲の写り方はCLSフィルターを付けたほうが良さそうです。丁度手元に改造カメラ用のCLS-CCD EOS 5-6D用があるので、これを付けて撮ってみようと思ってます。Hα領域の天体はたとえ改造カメラでもある程度の露出が必要で、光害の影響から必要な露出がかけられないこともあるので、それを「Astronomik EOS XL CLS-CCDフィルター」でカバーしてもらいます。このフィルターを改造フルサイズで使うのは初めてなので、どんな写り方をするのか楽しみです。

今晩も天気が良さそうなので、また撮影をしますが、PENTAX MS-4を庭に設置したままにしてあるので、極軸合わせも不要です。カメラを装着した鏡筒を乗せれば直ぐに撮影開始です。機材は「TeleGizmos テレスコープカバー」で守られているので、カバーを外して電源ONで直ぐに使えます。このカバーで観測が格段と楽で効率良くできるようになりました。


天体望遠鏡博物館(2)

2017-03-15 16:43:34 | 旅行記


天体望遠鏡に置かれてある多くの望遠鏡は、一般のアマチュア天文ファンにはほとんど縁の無いある意味特殊な望遠鏡がほとんどで、ボランティアの説明を聞いても良く理解できない方が多いはずです。画像にある西村製作所で初期に作られた反射望遠鏡でも、マニアの方には現物を見ることができるだけでも貴重なことですし、その世界の事を知らない方でも日本の望遠鏡技術がどの程度のものだったかくらいは理解できるでしょう。



このブラッシャー反射赤道儀も西村製作所が1920年に米国ブラッシャー社の赤道儀をコピーして作ったものだそうで、以降日本の望遠鏡製造の基礎ともなった貴重な赤道儀だそうです。驚くことに、この25cmの鏡筒は鋼管から作られているようで、見た目が恐ろしく重量があると感じました。



Nikon 20cm屈折赤道儀が2台あります。これも現役で観測に使うことができるようです。F12と昔使っていた10cm屈折赤道儀と同じF値です。10cmもその当時驚くほど良く見えましたが、20cmで土星などは素晴らしい見え味だと想像できます。この望遠鏡は当時多くの学校や教育施設に納入されていたそうです。現在はまだ観望に使うのは無理みたいですが、いずれはこれで実際に星を見ることができるようになるでしょう。



天体望遠鏡博物館は2階建てになっており、2階の各部屋には小型のアマチュア用望遠鏡がそれぞれ展示されています。その一部屋にペンタックスで製造販売されていたMS-3やMS-5などの現在でも多くのユーザーが居る望遠鏡が展示されています。ほぼ一部屋全てが「PENTAX ROOM」になっています。ペンタックスの望遠鏡は展示されている他にも大型望遠鏡も観測スペースなどに設置されており、夜間のスターウォッチングに使用されています。



彗星捜索家で有名な百武裕司さんが使っていた15cm双眼鏡です。こんな貴重なものを見ることができるのも天体望遠鏡博物館ならではです。昔は日本人の彗星捜索家が活躍していましたが、今は探査衛星などが見つけるようになって、日本人の名前が彗星に付くことはほとんどなくなりました。これも時代の流れです。



今と違って昔は反射望遠鏡の鏡面研磨をされる名手が何人かおられました。その代表的な作家の鏡面が展示されています。私も若い頃に反射望遠鏡の自作を目指して鏡面研磨の講習会に参加したことがあります。中高年以上の天文ファンには自分で鏡面研磨をして望遠鏡を自作された経験をお持ちの方は多いはずです。今のように安価に天体望遠鏡が買える時代ではなかったので、お金をかけない分労力を費やして良い物を作りたいという思いから、天体用の機材は自作することが当たり前の時代でした。見てくれは良くなくても自分で労力を費やして作り上げた「オンリーワンの天体望遠鏡」は特別な逸品でした。



五藤光学の天体望遠鏡の部屋ですが、古い機種から現在も多くのユーザーがいる名機「Mark-X赤道儀」も展示されています。五藤光学はアマチュア用天体望遠鏡も作っていましたが、その多くは研究機関などで使われる特殊望遠鏡でした。この博物館にはその全てが展示されている訳ではなく、まだまだ名機と呼ばれるような機材がありますが、どこかから寄贈でもされない限りはここに展示されることはないでしょう。



この部屋は望遠鏡の工作室とも言えるスペースです。いずれは旋盤やフライス盤などを入れてメンテナンスや修理も並行して行っていくそうです。この天体望遠鏡博物館にはヨシカワ光器研究所も大きく関わっているので、難しいレンズの清掃や再研磨、再メッキなどの技術を要する作業をやってくれるそうで、ここでは無くてはならないものとなっているようです。



ここに展示収納されている望遠鏡のほとんどが、何らかの修理やメンテナンスが必要です。ただ展示するだけなら、敢えて修理などせずにそのままで良いとは思いますが、先にも書いたように、展示機材のほとんどが実際の観望に使われるということですので、修理メンテナンスはとても重要です。しかし、ここに展示されている数百の機材を全て修理して使えるようになるまでには多くの人手と時間がかかるでしょう。人手については、既に十分過ぎるくらいのボランティアや協力会社などがあるので、心配無用のようです。後は時間と費用の問題でしょう。費用については、入館料の300円だけでは何もできませんし、このお金は全て町へ渡しているそうです。



運営に関しては、全てボランティアスタッフ等によって行われています。あまり詳しいお話はしませんでしたが、今後この施設が有名になり国内外から多くの訪問客が来るようになれば、その形態も変えていく必要もあるでしょう。訪問客が多くなり、それがこの町の名物ともなってくれば、場合によってはその運営を町か県と共同で行っていくというのも考えられるかもしれません。



私が訪問した時は、館長さんでもある村山先生に館内の案内をしていただき、その中で施設などについていろいろとお話をお聞きいたしました。普段は天文とは全く異なるお仕事をされて多忙を極めておられる方ですが、週末などに博物館へ来てボランティアスタッフと楽しく有意義な時を過ごされておられるそうです。

短時間のおつきあいでしたが、村山先生は一見すると普通の年配の方ですし、その経歴からくるオーラなども見えません。しかし、これだけの機材を集めることができたのは、村山先生の一言では表現できない大きな功績であると感じました。またとりまきのボランティアスタッフが何の指示をしなくても、皆が各々の役割を理解しており、自主的に行動されているところが素晴らしいと思いました。その原動力となっているのが村山先生の人間的な魅力なのだと理解しました。

画像の望遠鏡は、京都大学から引き取った60cmリッチクレチアン望遠鏡ですが、60cmにしては巨大過ぎるのは、元々はシュミットカメラになる予定で製作したものが後に60cmリッチーになったとのことです。赤道儀はユーハン工業で作られています。この60cmもいずれは一般観望に使われるそうです。しかしまだまだこれから修復などをしていくので、公開はまだ先のことだそうです。この60cmが収まっている観測小屋は、驚くことに小屋まるごとスライドします。それも人が手動で動かします。私も手伝いましたが、4人で簡単に動きました。元はヨドコウの物置から作っているそうで、格安で作られているそうです。

天体望遠鏡博物館は、まだOPENして1年ですが、もう少しいろいろな機材が整備メンテナンスされて使えるようになってから、また訪れてみたいと思っています。まだ行かれたことのない方は、ぜひ一度ご訪問ください。その時代を知っている方には特に感動されることでしょう。またそうでない方にも日本の光学技術がどの程度であったかを現物を見て理解できます。




天体望遠鏡博物館へ行ってきました(1)

2017-03-14 18:18:53 | 旅行記


OPENから1年が経過した香川県にある「天体望遠鏡博物館」へ行ってきました。八ヶ岳からのロングドライブでしたが、出かけた甲斐は十分過ぎるくらいありました。可能ならもっと早く行くべきでした。ネットや雑誌の誌面で見ていたのとは大違いで、素晴らしい施設であることが良く分かりました。



まず初めに驚いたのは、そこに展示されている望遠鏡です。その一台一台が大変貴重なもので、その多くが天文ファンであっても写真でしか見たことの無い名機中の名機です。



さらに驚くのは、これらの展示機材を実際に覗いて星の観測ができることです。ただし全てでは無く、これからメンテナンス、修理を経てからになるとのことですが、いずれはその多くが実観測に使えるようにするとのことです。日本には多くの民間、公共の天文台がありますが、こういった博物館級の機材を使って星の観測ができるところは皆無です。



こちらは教室の一部屋にびっしりと置かれたアマチュア用の天体望遠鏡ですが、これも希望によって使わせてもらえるそうです。ただしレンタルではなく、ボランティアガイドが付き添っての事になるでしょう。それぞれの望遠鏡にはそれぞれの思いがあり、これらの望遠鏡を使ったことのある方は、その当時どんな思いで星を眺めていたかを思い出させてくれる貴重な望遠鏡ばかりです。



このMIZARのCX-150天体望遠鏡は、私がまだ十代の頃に使っていましたが、それまで使っていた6cm屈折赤道儀では不可能だった星の撮影が初めてできた思い出の望遠鏡です。その当時はこの望遠鏡に憧れておられた方も多かったと思います。今では反射望遠鏡も安くなり、ほぼ誰でも買えるようになりましたが、その当時は簡単には買えない高価なものでした。望遠鏡博物館にはそういった当時買えなかった望遠鏡が展示されているので、実際に見て使うことも可能です。ここにくれば当時叶えられなかった小さな思いを時を経て叶えられます。



大型望遠鏡が2台だけ一部屋に展示されているので、どんな意味でこの2台だけなのかと館長さんでもある村山先生にお聞きしたところ、突然壁にあるボタンを押して天井がこうなりました。つまりここは展示スペース兼観測施設でした。アマチュアが持っているスライディングルーフを巨大にしたもので、天井全てが開閉するように作られています。
この天体望遠鏡博物館は、望遠鏡を展示する施設であると同時に、一般に開放された観測施設でもあるのです。たぶんこれだけの施設は世界でも例が無く、収蔵している望遠鏡数やその内容を考えても「世界一の体験できる天体望遠鏡博物館」です。

************* ちょっと長いので明日また続きを書きます *********

久しぶりのロングドライブ

2017-03-12 17:27:53 | ブログ


数年ぶりに兵庫県へ来ております。明石海峡大橋を初めてマイカーで渡りましたが、楽しむ余裕も無くあっというまに淡路島へ渡りました。この二日間は好天にも恵まれて快適に長距離ドライブを楽しんでいます。昨日は旧友を訪ねたりしてあっという間に終わってしまいましたが、今日は四国の香川県にある去年OPENしたばかりの「天体望遠鏡博物館」を訪ねました。その様子については画像サイズが大きいので、戻ってからアップします。以前から行きたいと願っていたところでしたが、今日その念願叶って訪問することができました。

今は淡路島にいるので、明日神戸で用事をたしてから寒い八ヶ岳へ戻ります。ミニセールで沢山のご注文をいただきましたので、戻り次第発送等させていただきます。ご利用いただきありがとうございます。