以前から新たに作る事をアナウンスしていた「Kenkoスカイメモ用雲台ベース」ですが、ようやくプロトタイプが2種類できました。色々と悩みましたが、自分で使うならこのくらいの物は欲しいと思い、その思いだけで作ってみました。最初のタイプは、以前はDU-5簡易赤緯軸ユニットを別売りにしていましたが、新型ではこのユニットを標準で付属させて完成品として作ってみました。以前のようにこの赤緯軸は回転しませんが、この軸に色々な機材や部品を取り付けられるように汎用性を高めて設計しました。当然のことながら以前のタイプよりはかなり手間と工作時間がかかっているので、同じ価格での販売はできませんが、望遠鏡や重量級の機材を乗せて使うハードユーザーにはきっと満足してくれると考えてこのタイプを作りました。
赤緯軸ユニット部分にはM8P35のタカハシ規格のネジ穴を設けてあり、中央は1/4インチネジ穴となっており、オスネジメスネジのいずれでも使えるようになっています。ただ、作ってから気がついたのですが、この部分にアリガタベースを付けても意味がそれほど無いので、M8はやめて自由雲台などの回転防止用のネジ穴にした方が良いと考えています。もしこのタイプを製作する場合にはそうします。
方々に機材を取り付ければ必然的にもう片方はウェイトを乗せる事になるので、ウェイトシャフトも作りました。φ15mm径のスカイメモ用のウェイトに対応するようにしています。先端には当店のペットボトルアダプターが取り付けられるように1/4インチネジ穴を設けています。ここをオスネジにすればダブルで機材を乗せて使えます。片側に望遠鏡、もう片側にカメラを乗せてという使い方に対応します。
この赤緯軸部品には当店でも販売しているパノラマ雲台がピッタリ取り付けができます。外径も同じなので全く違和感なく装着できます。納品時にはこの部品は黒アルマイト処理をするので、見た目完全にパノラマ雲台とマッチします。この雲台にしておけば小口径の写真鏡筒をアルカスイスプレートに乗せて取り付ければほとんど赤道儀と変わらない使い方ができて構図決めが飛躍的に楽になります。
赤緯軸部品は簡単に着脱できるので、将来的に自分だけのオリジナル部品が必要となった時には当店で特注で製作して交換して取り付けできるように考えて作っています。
もう一つのタイプは、これまで作ってきた「ポラリエ用雲台ベース」を基準に作った物ですが、これが今のところ最もシンプルイズベストという形で、販売価格もポラリエ用と大差ないお値段で販売できると思います。先の赤緯軸のあるタイプも欲しい方はいらっしゃるとは思いますが、販売価格などを考えるとこちらを製作して販売する方がいいかもしれません。最初から両方を作ってユーザーさんに選択してもらうのが良いかもしれませんが、常時2点を置いておくというのはちょっと考えてしまいます。
この雲台ベースは、出来れば販売時にシャフトとウェイトをセットにした方が良いかと思いますが、例えば既にポラリエ用をお持ちの方はシャフトとウェイトは兼用できるので、雲台ベースを単体で売る必要もあるかもしれませんが、そういう方が極少数派だと思います。もちろん単体での販売もする予定ですが、セットよりは若干お高くなるかと思います。
2点の新型雲台ベースは、いずれも焼き付け塗装仕上げで完成させますが、色についてはまだ悩んでいます。スカイメモRSに合わせるなら「白」でしょうし、Rに合わせるなら「ライトグリーンカラー」にすればいいですが、どちらの色が出るのか未知数なので、オンリーホワイトで統一しようとも考えています。
実はもう一つ悩んでいる事があります。それぞれの雲台ベースの固定軸をどうするかという事ですが、その固定方法で悩んでいます。これまではM4のイモネジでスカイメモの極軸部分に固定していましたが、使っているうちにどうしても傷がつくので、それを回避するために部品にスリ割を入れて横からネジで固定する方法でも作ってみました。これだと軸部品には全く傷をつけないので、ユーザーには喜ばれるかもしれませんが、余計に手間がかかるので、それを販売価格にも反映させる必要があるので、そこも悩んでいます。
何れにせよ、2種類のスカイメモ雲台ベースができましたが、正直まだ少し作り変えるかもしれないので、販売できるようになるのは3月に入ってしばらく経ってからになると思います。まだプロトタイプですので、金属の削り出し状態ですが、塗装して仕上がればよりスカイメモにマッチするようになると思います。今回作ってみてから思ったのですが、もっと早く作るべきだったと思っています。
販売価格については、まだ決めておりませんが、形状と作るタイプが確定したら改めてお知らせ致します。
タカハシNJP/JP回転架台が仕上がって今日ご注文の方へ発送しました。今回もまた少し改良しましたが、自分で使っていないので、ユーザーさんにどこまで気に入っていただけるか分かりません。しかしより良い物を作りたいと常に考えた結果のものなので、役立ってくれると願っています。1点だけ在庫品としてあります。無くなってもまたしばらくは作りません。