今日届いたSolar MaxII SMT60DS-10 Hα太陽望遠鏡を検品しました。このSMT60DSは7年前に当店で販売したものなのですが、しばらくぶりに出してみたらイメージが凄く暗くて何も見えないとの事で送っていただきました。
見なくても大体は分かるのですが、どこに問題があるのか確認するために送って見させていただきました。その結果は以下の画像です。
この画像はコンデジで露出をこの暗さに合わせてマニュアルで決めてまずはシングルスタックでワンショット撮影しました。以下の3枚の画像は全て同一露出です。処理もしていません。
こちらはブロッキングフィルターを交換して全く問題のない修理完了品を使って撮影しています。同じシングルでもブロッキングフィルターの状態でこれだけ明るさが違います。先の写真は劣化した暗さに合わせて決めた露出なので、健全なBFだと当然こんなイメージになります。
次は露出はシングルと同じでダブルスタックにして撮影しています。ほとんど太陽面が見えません。よくみると辛うじて太陽面が見えます。
こちらはBFを健全な物に変えてダブルスタックにしています。明るさが全く違っています。
Solar MaxやPSTなどの太陽望遠鏡をお持ちの方は長い事使っていても比較対象が無いので劣化などしていてもほとんど気がつきません。なぜなら数年以上もかかって徐々に暗くなってきているので、例えば毎日見ていてもなかなか気がつかないものです。劣化の状態がどの程度にもよりますが、酷くなると彩層面も分かりませんし、プロミネンスも余程の大きなものでないと出ていても分かりません。
今朝もアメリカの代理店と電話で話しましたが、旧タイプのSolar Maxのエタロンフィルターの修理が可能かどうか確認してもらっていましたが、修理に必要な素材などがメキシコへ行かないと入手できないので、今現状ではコロナのために規制がかかっているので行く事ができないので直ぐには修理ができないとの事でした。ブロッキングフィルター自体は全く問題なく修理が可能との事なので、近々またいくつかのBFをアメリカへ送ります。
また近々アメリカへ行く用事が出来たのですが、今の状態だと行けたとしても7月以降かそれより先になってしまうだろうと考えています。アメリカに限らず今は何処の国へも行けませんし、国内も大きな移動はできません。とにかく今は辛抱強く待つしかありません。
Nikon 10cmED屈折赤道儀のピラーの脚の塗装剥離をしていましたが、後からハケで塗った塗料は剥げてくれたのですが、オリジナルの塗料までは剥げなかったので、あとはサンドブラストで表面を整えて調色してもらった塗料で塗装をして仕上げます。まだパイプ部分も作らないと行けないので、しばらくかかります。鏡筒はYOSHIKAWAさんの所で綺麗にしてもらっていますが、最後の塗装待ちとなっています。コロナの影響で業者が休んでいるそうで、その為に作業が遅れているとの事です。
昨日からゴールデンウィークならぬグレーウィークですが、私にとっては遠方へ行かないのは普段のGWと同じです。人で混雑しているところが嫌いなので、お盆正月もほとんど外へ出かけません。ただ勤め人の方は年に何度かのまとまった休みが取れる時なので、気分転換に国内旅行や海外旅行へ出かけるのでしょう。しかし今年はそれができないので、ストレス度はMaxだと思います。またそれも非常事態宣言が一ヶ月されに伸びるようなので、その度合いは針が振り切れてしまうほどでしょう。ここ数日は感染者がグッと減ってきましたが、このまま辛抱し続ければ最悪のパターンは回避できるかもしれません。