おやじねこのテレスコ日記

ー八ヶ岳の登山口に住んでいる、テレスコ工作工房の店長のおやじねこが日々の出来事などをタイムリーに伝えています

超巨大なプロミネンスが出ています!

2021-01-30 11:15:17 | Hα太陽望遠鏡関係


先ほどまでHα太陽望遠鏡で太陽を見ていましたが、今まで見た事が無いような巨大なプロミネンスが2箇所から出ています。小さなものも含めると数カ所から出ているので驚きました。太陽望遠鏡をお持ちの方はぜひ見てください。この感じだと明日までは無いと思います。この画像はZWOカメラでライブイメージでタブレットPCの画面を撮っただけですが、きちんと撮影すれば凄い写真になるでしょう。

ここんところ毎日のように太陽面を見ていますが、以前のような大人しいつまらない太陽面ではなくて、ダークフィラメントやフレアーなども良く見られるようになり、プロミネンスも大きなものが見えるようになってきました。素人目から見ても太陽面が活発化していると感じます。BFが劣化しているとプロミネンスは見えないので、ぜひ交換されて太陽望遠鏡を復活させてください。当店に検品済みのBF10の在庫があります。



お客様からBFのご注文をいただいていたので、交換して納品しましたが、望遠鏡側の問題で良く見えないとの事で、SM40とSM60の異種ダブルスタックにしてみましたところ、とても良く見えるようになりました。SM60同士のダブルがベストですが、たまたま当店にあった旧コロナド製品があったので、それを試しに取り付けてみたところ、非常に良くマッチしていたので、このままお譲りしようと考えています。ちなみに他にあった良く見えるBFとも交換してみましたが、シングルでは結果は変わらずでしたので、やむなくこの異種同士のダブルスタックを考えました。もちろんSM60同士のダブルよりは極わずかに暗くなりますが、ダブルでのイメージなので、それほど気にする事もありません。



先の画像から2時間ほど経過してプロミネンスを見てみたら形状が変化しており、ループ状になりつつあるようです。この後どうなっていくのか楽しみですが、動画で撮っておきたいものです。画像はPowerShot G9Xとお気軽撮影ズームアイピースで撮ったワンショット画像です。眼視ではもっと彩層面も良く見えているのですが、経緯台な事もあってなかなか上手く撮れません。

お店をグレードアップしていきます

2021-01-29 16:47:19 | ブログ


当店は長野県で唯一の実店舗を持つ天体望遠鏡販売店ですが、少しづつお店をアップグレードしています。初期の頃に来られた方が見えれば良く分かるほど変わっています。双眼鏡類も常時展示しておりますし、望遠鏡も最新の機種を常時展示して使う事もできるようにしています。まだこの他に店には出しておりませんが、安価に買える自動導入望遠鏡なども在庫として持っています。まだまだこれで終わりではなく、これからさらに展示する機材なども増やしていきますが、八ヶ岳まで来られる方々が必要とされるような機材を常時持つようにしたいと考えています。当店の良さは「その場で直ぐに使える環境である」という事で星も野鳥も自然も豊かで美しい場所ですので、それを活かせるような商品を置きたいと考えて準備しています。当店が参考にする店は日本にも世界にもありません。自分の感性を信じて、またご来店されるお客様のアドバイスをいただいて世界で唯一のお店にしていこうと考えています。

来週から大工さんに入ってもらい、去年から依頼していたギャラリー兼 アトリエの建築工事に入ります。工事は2週間程度で終わると思いますが、これができればさらに仕事が増えて忙しくなりますが、お店をより進化させるために必要な工事ですので、良いものにしたいと思っています。



昨日届いたステライメージ9のアップグレード版とガイドブックです。ガイドブックは7の時に買いましたが、これを機会にきちんと画像処理を基本から学びたいのでガイドブックも合わせて購入しました。まだしばらく海外撮影には行けないので、その時間を勉強に使って当店の初心者のお客様をサポートできる程度には勉強したいと考えています。ZWOカメラもそうですが、いくら良い機材でもそれを使いこなす技術が無いと宝の持ち腐れです。電視観望に使うだけならそれほど勉強する必要はありませんが、画像処理まで考えると、少し勉強しないといけません。忙しいのは忙しいですが、好きでやっている事ばかりですし、人様に使われている訳でもないので、自分でやった事は良くも悪くも自分に戻ってくると考えてやっています。

ところで、今スカイメモ用の雲台ベースをあたらに作るために図面を書いています。2種類作る予定ですが、どちらが良いかまだ判断できませんが、来月から製作へ入るので、プロトタイプが仕上がったらお知らせ致します。

ポラリエ雲台ベースへの機材搭載方法

2021-01-26 18:22:32 | ポータブル赤道儀関連


当店のポラリエ/ポラリエU用の雲台ベースは、これまでに多くの方々にご愛用いただいております。機材を乗せる際に必要となるのは、自由雲台やその他のカメラ用部品の多くの商品が使えます。その部品の使い方によって、ポラリエは多くの目的を達成してくれる万能のポータブル赤道儀になります。まさにPCB-EQは、”シンプルイズベスト”を形にした商品です。最近になって機材の搭載について聞かれる事がありましたので、ここで説明させていただきます。



まず最もシンプルな使い方としてデジカメを乗せる場合ですが、自由雲台を取り付けてその上にカメラを乗せる方法が誰でもやっている事です。私も星景色の撮影や星空だけを撮る場合でも自由雲台を使ってカメラを乗せています。自由雲台には色々な種類があり、剛性の高い大きなボール式のものや、アルカスイスベースの付いたクォリティの高い商品もあります。ボール雲台を選ぶ時にはクランプを緩めて突然大きく動くものは構図決めの際に苦労するので、若干粘り気のある動きをする物の方が特に重量のあるレンズとフルサイズ機を使う方には使いやすいでしょう。



この大型のボール雲台は1万円程度で買えますが、とても良く作られています。上下にパノラマ回転ができる部分があり、動きもとても滑らかです。ただしボール部の動きの調整がノブで行う際にとても微妙なのでもう少し粘った動きが欲しいところです。しかしこの雲台も気に入って使っています。上に乗せているのはビクセンFL55SSですが、パノラマ回転の動きとPCBU-EQの動きがとても良くマッチしているので、全体のバランスさえ取れていれば、天体の導入と構図決めは楽です。ほとんど赤道儀のような感覚で使えます。



こちらもFL55SSを乗せていますが、アルカスイスベースの付いたパノラマ雲台を取り付けています。この使い方は海外で望遠鏡を使った撮影で良く用いています。これだとほぼ赤道儀と同じ感覚で望遠鏡を対象に向けてシャッターを切れるので、バランスをペットボトルアダプターでとっておけば完璧にガイドしてくれます。もちろん極軸はしっかり合わせてあります。この状態で天体を次々と変えて撮影していくので効率も良くて楽です。ポラリエUに対しても負荷をかける事なく最適な追尾精度を保ってくれます。

ビクセンからも雲台ベースが販売されておりますが、実のところ一度も使った事がありません。当店はビクセンの正規代理店なので使っても良さそうですが、お客様からも問い合わせも無かったので、使わずに今に至っています。



先日もポラリエで極軸望遠鏡を使わずに星雲星団の撮影ができる事を書きましたが、その際にこのアングルメーターがあれば、とっても便利です。その土地の緯度が予め分かっていれば、その緯度になるまで極軸の傾きを調整して、後は方位をできるだけ正確に合わせれば先日のような撮影が簡単にできます。方位磁石と実際の方位の誤差についてはネットでも調べられると思いますので、そこで誤差を修正できれば完璧です。



当店では今後「SVBONY」社の製品を扱いますが、まずはこの60mmのファインダースコープというかガイド鏡筒を販売しております。1万弱のお値段ですが、先日の電視観望はこれとほぼ同じ60mmのガイドスコープでやりました。写りも悪くありません。このガイドスコープはORIONや他のネーミングで販売されていますが、製造会社は全て同じだと思います。この商品にはビクセンなどのファンダーベースに取り付けができるアリガタが付いているので、ファインダー代わりに乗せて電視観望に使えます。主望遠鏡で眼視観察をすれば一台の望遠鏡で眼視と電視の2wayの利用が可能です。ぜひお試しください。

こんな雪ですが. . .

2021-01-24 16:34:02 | ブログ


今日は昨夜からの雪が結構積もっていたので、朝から雪かきをしておりました。店の看板もこんな感じで埋もれています。メジャーで測ったら20cmほどでした。この地に移住してきた最初の冬は50cm以上降る事が冬の間に何度かありましたが、ここ数年はせいぜい10cmくらい積もったらいいところです。一昨年も去年も10cm以下しか降りませんでした。しかし、今年はすでに10cm以上積もった日が今日で2度目だったので、今年はもう少し降りそうです。



雪は降っていましたが、外気温はマイナス1度と暖かいです。ここでこの温度は寒中水泳ができるくらい暖かいという事です。マイナス10度くらいになって冬らしい気温という事になります。ですから、今日は雪かきをしているだけで暑くて汗が出てきたほどです。東京でマイナス1度というと酷寒の冬みたいな気温ですが、ここでは暖冬です。



ここ最近は電視観望を良くやっているので、外にAXJ赤道儀とVMC200Lを出しっ放しにしてあります。もちろん最強のTeleGizmosカバーはかけてあります。カーボン三脚も雪ざらしですがとりあえず問題なしです。



このT3R4カバーでは、赤道儀の下まで被さらないので、架台の下部分は丸出しになっています。しかしそれより上はカバーがかかっているので、電子部品に雪があたる事はありません。ただこの状態では流石に雨はまずいので、降れば撤収します。たまたまT3R4しか使えるのがなかったので使っています。仮に雨が降ってもこれだけ開口部を空けておくと内部に水蒸気がこもることがなくて、赤道儀に水滴がついているというような事はありません。しかしこの状態では良くないので、後20cmくらい下までカバーがあった方がいいでしょう。ちなみにこの状態ですでに1週間は放置しています。内部にスターブックTENも入れたままです。それは流石に良くないので明日にでも外します。

大型微動雲台 TK-ALZM5は本日発送します!

2021-01-23 11:47:22 | ポータブル赤道儀関連


大変長らくお待たせしましたが、ご注文のTK-ALZM5は、本日発送致します。近場の方には明日午前中に届きますので、宜しくお受け取りください。
今回初めてのロットで製作しましたが、正直もう作りたくないと思ったほど手間と時間がかかりました。私の作業時間を計算するとほとんど赤字販売の商品です。しかし、世界にどこにも無い商品を一からデザインしてお客様に使ってもらえるようにまで作り上げる喜びはお金には変えられません。元々当店のものづくりの原点は「自分が使いたい物を作る」というところからスタートしているので、その考えはこれからも変えずに続けていきます。この次は来月以降にTK-ALZM Jr2を作り上げていきますが、かかる手間はそれほど変わりませんが、今回同様にしっかり作っていきます。

何れにせよ、本日発送致しますので、今少しだけお待ちください。これからのお時間指定などはお受け出来ませんので、後ほどお知らせするクロネコヤマトの番号からご自分で指定などをしてお受け取りください。



ZWOのASIAIR PROの電源が元々付属していなかったのですが、電源を必要とする商品に電源ケーブルが付いていないのは信じがたいです。ZWOの商品は高価なCCDカメラでも電源ケーブルが付いていません。まぁ、それはともかくとして、これまでは電源を大型のリチウムイオンバッテリーからセレストロンの赤道儀用DCケーブルを使って電力を供給しておりましたが、あまりに不便なので、USBモバイルバッテリーから電源を供給できる「DCDCコンバータケーブル」を作ってもらいました。製作者の話によると"前回提供させていただいたDCDCコンバータケーブルはタカハシEM200Bだったのですが、負荷電力は大きくなく通常の給電能力タイプのコンバータユニットを用いた物で、このASIAIR PROでの使用は対応が難しいため給電能力が大きく発熱も少なくなるコンバーターユニットを用いたケーブルになったとの説明でした。

しかしモバイルバッテリーから電源供給できるようになったので使いやすくなりました。ただし、ASIAIR PROから赤道儀などに電力を供給するのは、大きな電力が必要な機種は無理のようです。

ポーラーメーターでどこまで撮れるか-2

2021-01-21 17:53:27 | ポータブル赤道儀関連


昨夜ブログを書いた後に撮影した画像です。これもポーラーメーターだけでセッティングして撮っています。30秒露出ですが、300mm以上の望遠レンズに匹敵する機材でも何とか追尾が出来ています。つまり極軸望遠鏡を使わなくてもポラリエでこれだけの撮影が誰でもできるという見本の写真です。



使った機材はこれですが、三脚の上についている微動雲台もこの撮影では不要です。三脚とポラリエの間には自由雲台で問題ありません。ただしポラリエ純正の雲台プレートに望遠鏡を取り付けてこの撮影はちょっと苦しいですが、当店のポラリエ雲台ベースPCB-EQ3を使う事で撮影時の構図決めが楽になり、ビクセンFL55SSを使う場合でも簡単に天体へ向けて撮影が可能です。FL55SSは、300mmの焦点距離ですが、レデューサーを使って230mmになるので、それをAPS-Cサイズで使うので、実質380mmの望遠レンズを使って30秒露出で撮れています。ちなみにISO 6400です。カメラはHKIR改造をしたEOS M6です。改造カメラは一般的ではないですが、オリオンM42くらいなら改造しなくても綺麗な姿が撮れます。

380mmの望遠レンズがポーラーメーターで使えるので、広角レンズ〜中望遠レンズくらいまでなら十分ガイドができるという事です。

ポーラーメーターを使ったセッティングでは特別難しい事は全くせずに、室内から三脚に付けた状態で持ち出して庭に設置して方位と高度の調整をしただけですので、時間にしたら1分程度です。昨日も書きましたが、ポーラーメーターでは正確に北極星の方角を示してくれないので、極軸を合わせるという感じではなく、あくまで目安として使う事を忘れないでください。ポラリエUには簡易的な極軸調整用ファインダーが付いていますが、ある意味ポーラーメーターよりは正確に極軸に合わせる事が出来ます。ポーラーメーターは北極星の見えない環境でポラリエやポラリエUをセッティングする際に役立ちます。見えているところでは逆に使わない方がいい場合もあります。

とりあえずこんなところですが、初心者でもその使い方によっては星景色から星雲星団の撮影が標準的な機材で結構やれるものだという事を理解していただければと思います。



それから、去年からお待たせしております、新型の大型微動経緯台TK-ALZM5ですが、やっとここまで組み上がりました。できれば明日発送したいところですが、多分日曜日になりそうです。お待たせして申し訳ないですが、今少しだけお待ちください。また発送しましたらお知らせ致します。

ポーラーメーターでどこまで撮れるか

2021-01-20 18:46:01 | ポータブル赤道儀関連


久しぶりにポラリエを使って撮影をしましたが、今日は極軸望遠鏡を使わずにビクセンのポーラーメーターだけでどのくらいまで写せるのか試してみました。これまでポラリエは海外も含めて相当使ってきましたが、最近になって”星の撮影をするのに極軸望遠鏡が必要か?”という質問があったので、久しぶりにポラリエ+PCB-EQ3を持ち出して庭で撮影してみました。



カメラは、EOS RのHKIR改造したもので、レンズはシグマの35mm /1.4 DGを使いました。極軸のセッティングは全てポーラーメーターに任せましたが、実際に北極星が見えている環境で見るとコンパスの北と北極星の方角が若干ずれています。念の為ポラリエの右上に設けられている北極星をみるための小さな穴を使って北極星を導入しました。これならポーラーメーターは無くても良かったかもしれませんが、実際に海外でも星景色の撮影で北極星が見えない環境はいくつもありましたので、その場合はポーラーメーターに頼っていました。しかし実際に使ってみると、星景色の撮影では極軸望遠鏡は無くてもいい事がほとんどなので、使う場合は望遠レンズなどで星雲などを狙う場合のみに使っていました。



それで実際の結果ですが、オリオンの中心部を200%まで拡大してトリミングした3枚の画像です。左から30秒、中央が90秒、右が180秒つまり3分露出です。拡大して見てもガイドはほとんど成功しており、ほぼ点像になっています。流石に3分は無理かな〜と撮る前は考えていましたが、意外にも成功しています。ちょっと驚きです。ポラリエの追尾精度など大した事は無いとネットで良く書かれていますが、私が使い込んだ限りでは高価な赤道儀を買うよりはポラリエで気軽に星空を撮った方が遥かに簡単で面白いです。

この続きはまたやりますが、ポラリエとポラリエUでやって見たいと考えています。久しぶりに初心に戻って素人なりの写真を撮ってみようと思っています。



昨日もコロナドのブロッキングフィルターの不良品について書きましたが、今日CCDカメラで撮って見て検証しました。アメリカの販売店へ返品する際に必要なのでデーターとして撮ってみました。このタブレットのイメージはSM90DSで良く見えるBFで撮りましたが、ライブでもこんな感じで見えます。



これが不良品のBF15のイメージです。全く違っているというか、彩層面もプロミネンスも見えません。知らずにこんなBFに当たったりすると泣くだけです。当店でご注文された方にこのBFが行く事はまずありません。不良品は全て自分で引き受けて対処しないといけないので、太陽望遠鏡を扱うにはそういったリスクをお客様に変わって当店が引き受ける必要があります。今日も多くのBFや太陽望遠鏡を発送しましたが、いずれもきちんとその性能が出ている事を確認した商品ですので、当店から買っていただいた方にはそのリスクを負う必要はありません。

何れにせよ不良品のBFや修理品は近いうちに米国へ送りますが、今は国際郵便で送れないので、ヤマトかUPSで送るしかありません。またアメリカへ着いてもいつ修理が完了するかも全く不明です。とにかく気長に待つしかありません。

ブロッキングフィルターが入荷しましたが . . .

2021-01-19 16:54:11 | Hα太陽望遠鏡関係


去年から発注していたCORONADOブロッキングフィルターBF10とBF15ですが、今日無事に届きました。そして早速Solar Max90で検品をしたところ、2点のブロッキングフィルターが問題である事が分かりました、特に酷かったBF15は、プロミネンスも彩層面もシングルではほとんど見えない状態で、さすがにこれをお客様へお届けできないので、外しました。

従ってご注文いただいたお客様へは明日以降きちんとその性能が出ているブロッキングフィルターをお送りします。



本来なら上の最初の写真の状態で未開封で納品すべきものですが、太陽望遠鏡関連だけはそれをすると国内販売と同じになってその状態を正しく把握しないまま納品する事になるので、これまでの経験からそれはできないので開封して検品をしました。太陽望遠鏡をいくつも持っている方やそのイメージがどんなものなのか理解できている人はまだいいですが、そうでない方は不良品を送っても”こんなものか”と考えて使い続ける事になるのでとても気の毒です。それ故に敢えてどこもやらない検品をやって間違いない商品をお届けしています。



このSM60は、お客様から修理でお預かりしていたものですが、BFの修理がコロナ禍の現状では進んでいないので、やむなく新たなBFを買っていただきました。それで検品をして問題なく機能するようになったので望遠鏡共々お返しとなります。

ここんところ太陽面を良く見ていますが、徐々に活発な太陽面が見られるようになってきました。今日も大きなプロミネンスやダークフィラメントもいくつか出ていましたし、彩層面の見え方も賑やかになっています。当店には展示用としてSolar Max 90のダブルスタック仕様がありますが、とても素晴らしい見え方をするので、Hα太陽望遠鏡がどんな見え方をするのか知りたい方は土日のご来店時に晴れていればご覧になれます。

ところで、今日入荷したブロッキングフィルターですが、BF10のみ余分にあります。2点しかありませんが、在庫品となりましたので、ブロッキングフィルターが劣化して使えないで困っている方は購入をご検討ください。無くなっても次は5月以降まで入りません。



それからもう一つお知らせがあります。最強のテレスコープカバーTeleGizmosのT-309 ,T-311、T-306、T3R6の4種類が入荷しました。これで大体の売れ筋モデルが全て揃っています。ただしT3R6とT-306だけは明日入荷します。このカバーは、単に雨や雪への防御だけでなく、冬場は凍結するのも防止できます。当地は特に寒いので分かりますが、赤道儀を数時間使っていると、表面が凍結してザラザラになってきます。それが朝には日が当たって溶けて内部に入り込むので、凍結させるのも電子部品に良くありません。カバーを被せているだけでも全然違います。

4 Wayの大型雲台 TK-ALMZ5を組み立てています

2021-01-18 18:12:13 | ポータブル赤道儀関連


明日やっと全ての部品が揃うので、TK-ALZM5の組み立てに入ります。綺麗に仕上がったブルーメタリックカラーのボディにアルマイト梨地処理された部品類を組み込んで最高の一台に仕上げていきます。



TK-ALZM5の主要部品類ですが、この他にネジ類が多くあります。一見すると部品点数が少ないように見えますが、細かい部品を増やせば増やすほどコストが上がって当店のような小さな店で大手企業と同じ物作りをしていると直ぐに終わってしまいます。そこでいつも苦労しているのは、コストをかけずにしっかりした商品を作る事です。部品が2点機能上必要な物を1点で済ませるために知恵を絞っています。



この部品搭載の部分は相当考えて知恵を絞ってそれぞれの部品を作りました。この状態でポータブル赤道儀を搭載して微動雲台として使う事とサイドにM8P35仕様のタップ加工をしたプレートを載せているので、このままでアリガタサドルをつけて経緯台として機能します。まだこの状態で調整ネジなどはありませんが、各部の回転がいい感じで回ってくれるので、フリーストップの経緯台として使えます。その動きを実現させるために4個のベアリングを使っています。単に微動雲台だけなら無くても問題ありません。フリー操作時の回転のスムーズさを考えて作っています。今作っているTK-ALZM jr2も基本構造は同じですが、ベアリングが2点だけにしています。それでも同じ機能を有しています。

剛性の高さを良く経緯台のテストで望遠鏡を乗せた状態で指で叩いて振動の収まり具合で良し悪しを判断している物がありますが、このTK-ALZM5は仮にそういったテストをしても最高の結果になると考えています。なぜなら長いアームがある訳でも無いですし、不必要に肉抜きもしていないので、振動性能を正しく評価できるのであれば、良い結果が出せるのでは無いかと考えています。もちろんそれだけで判断はできません。



TK-ALMZ5には標準でスカイメモR/RSに対応した雲台プレートが付属します。ポラリエUなどのポータブル赤道儀が色々と発売されていますが、スカイメモをしっかり保持してくれる強度と剛性を持った微動雲台は今の所知りません。純正の大型微動雲台はもちろんありますが、専用三脚でしか使えない事や持ち運びが面倒などで使わない方も多いでしょう。
その微動雲台は当店にも展示してありますが、ほとんど使っていません。そもそもスカイメモRS自体を使わなくなったので、展示しているだけとなっています。年明け直後に販売した「TK-ALZM jr2」専用のスカイメモプレートは仕上がって在庫品になっています。



このサイズの雲台プレートも付属品になるのでトータル大小2枚のプレートが付いています。



このプレートは左右どちらにでも向きを変えられるので、ポラリエなどを乗せてスマートに使いたい場合には、画像の向きで使えばいいですし、スポッティングスコープやカメラ用の雲台として使いたい場合には逆向きに取り付ければいいでしょう。要は使う機材やポータブル赤道儀、極軸ユニット、或いは望遠鏡を乗せて経緯台として使える4 Wayの大型微動雲台がTK-ALZM5なのです。今回作った分は完売しているので、次にまた作るとしても春以降になります。一度に沢山作れないので基本は今後もご注文分しか作りません。

画像でブルーのボディからネジが飛び出しているのが見えますが、あれはこれから入れ込む「イリサートネジ」です。ネジ部の強度と耐久性を上げるのに使っています。

TK-ALZM5は、当店に私が使っているものと展示用がありますが、ご要望があればお貸し致します。購入判断のためであれば無料で一晩お貸しします。ただし今はコロナ禍の最中なのでどこからお越しになるのか次第ではあります。

CORONADO Solar Max III 70DS Hα太陽望遠鏡

2021-01-16 15:46:12 | Hα太陽望遠鏡関係


去年に発注していた「CORONADO Solar Max III 70DS-10」ですが、今日届きました。これまでは自分で直接アメリカへ行って現地で太陽望遠鏡の検品をやっていましたが、今のコロナ禍では渡航自体が不可能なので、代理店の太陽望遠鏡エキスパートに依頼して検品をしてもらいました。通常在庫品なら発注して1週間もあれば届くのですが、検品作業があるので、最低でも1ヶ月以上の余裕をみて発注しています。この鏡筒はお客様からのご注文があって取り寄せていますが、それでも国内価格よりはリーズナブルな価格で販売しています。現在は、特に店頭では販売しておりませんが、ご要望があれば対応します。ただしご注文から最低1-2ヶ月はお待ちになる事だけはご了解ください。

Solar Maxに関しては、もうかなり前から言っていますが、個体差があります。ただその個体差が実用に支障の無いレベルのものならいいのですが、太陽望遠鏡としての性能が出ていない個体が過去に数多くあり、検品をせずにそのまま届けてしまうと、良く分からずにそのまま使い続ける事になります。それを防ぐために最低限の実視による検品を販売店では唯一行っています。

とりあえず今日午前中に薄雲を通してですが、当店での最終検品ができました。この個体は幸いにもシングルでもダブルでも良く見えるのでご注文された方には安心してもらえるでしょう。ただ、出来れば良く晴れている時にもう一度見てみたいので、その後にお届けしようと思っています。



SM70は、フォーカシングが1:10のクレイフォード式になっており、ブロッキングフィルターが2インチでこの部分を引き出して大まかにピントを合わせられます。この構造はLUNTとほぼ同じです。LUNTはクレイフォードとフェザータッチの2種類選択できますが、CORONADOはクレイフォードだけです。しかし以前のヘリコイドよりはいいかもしれません。



このSM70はダブルスタックですので、対物レンズの前に2個のエタロンフィルターが付いています。以前と違って内部には入れていません。調整は2箇所のティルトダイヤルと先端のリッチビューチューナーリングの3箇所で行います。ダブルからシングルにする場合には、ちょっと面倒なのですが、ジョイントしている部分に3箇所のイモネジで固定されていますので、それをゆるめてからでないと外せない構造のようです。以前だと単純に対物レンズの筒側にねじ込んであるだけなので、着脱は簡単でした。



ファインダーは、SM60や90と同じタイプですが、鏡筒バンドが2本式に変わっています。バンドの下部にはビクセンアリガタが標準で付属しているので、わざわざ後から買って取り付けたりする必要がありません。SM70の全体的な重量は、SM60より結構あります。持つとズシリときますが、この70はダブルなのでそう感じるのかもしれません。

ところで、去年からご注文いただいている、Hα太陽望遠鏡のブロッキングフィルターですが、早くて明日、遅くても18日に届きます。ご注文の方々にはそろそろお支払いのご案内をしないといけませんが、とりあえず届いて内容を確認してから個別にお知らせいたします。今回入荷分では、BF10だけが1点余分にあります。今回はBF10とBF15が入りますが、去年の秋から頼んでいたものがやっと入ります。これが終わったら次は5月以降まで入荷は無いと思います。その入荷分は今発注しないと5月に仕上がらないので、仕上がってから発注しても既に遅しでまた数ヶ月待つ必要があります。