岸和田の酒蔵訪問、第2回目は寺田酒造さん。
嘉永年間からの歴史のある酒蔵さん。杜氏には但馬杜氏を向かえての酒作り。山田錦や五百万石の好適米を使い、水には和泉山系を水源とする井戸水を使用。今回は、突然のこともあり、また瓶詰め工程のピークということもありましたので、蔵の中は残念ながら見学できず。ただ、蔵のとなりで酒屋を経営されているので、そちらにお邪魔させて頂きましていろいろとお話をさせて頂きました。
メインブランドは、元朝。汎用性にこだわった、酒はエンターテイメントとおっしゃる寺田篤史さんらしく、手書き・似顔絵ラベルなど楽しい企画があります。もちろん、企画だけではなくて大吟醸・純米吟醸も作っておられます。(安かろう、不味かろうではない酒作り。)そして、寺田酒造珠玉・こだわりのブランドが「篁(たかむら)」。岡山県の契約栽培された五百万石を49%までに精米した吟醸 生酒。粒の小さな五百万石をギリギリまで精米して作られたお酒は、飲み口はスーと入って来て、最後にしっかりとお酒の旨みがグゥと伝わってきます。新酒なのに嫌なとんがりがなくて、今までに飲んだことの無いタイプのお酒。かなりオススめできるお酒だと思いますよ。
先程も書きましたが、寺田酒造さんは酒蔵さんでもあり、酒屋さんでもあります。今までにありそうで、ない酒屋さんです。五月には、和泉の4蔵合同(寺田酒造さん・浪花酒造さん・井坂酒造さん・北庄司酒造さん)での飲み比べセットが販売されるかもしれないとのこと。とても楽しみです。このように本当にお酒を大切にして、良く知っていている酒屋さんの存在はとても貴重だと思いまし、大阪の酒蔵が発展するためにはただお酒を売れるだけではなくて、語れることも大切なのだと思います。こだわりのある酒蔵さんが酒屋に流通させない理由として、どのように酒の管理がされるか心配だからだそうです。そういう意味でも、このように酒蔵さんがお酒の流通に携ってもらえること、またインターネットを通じてより身近に購入し易い環境が作られることはとても良いと思うのです。
お話をしてくださった寺田さんは、とてもバイタリティーのある方です。お酒を作り手としてだけでなく、流通を通じて消費者の立場でも見ています。なので、お酒はエンターテイメント、ただ美味しいだけでなくて、楽しい時間を過ごすためのものとおっしゃるのでしょうね。
今回は、岸和田にある2つの酒蔵さんを訪問させて頂きましたが、共に共通するのは地元の文化を愛して、とても大切にしているところです。4蔵合同のイベントでは、地元の郷土料理とのコラボレーションもあるとか。祭りの際のお神酒も日本酒ですが、だんじりの町・岸和田でも脈々とお酒作りが受け継がれています。
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