高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

「この料理を作れる料理人ではなく、この味わいを作れる料理人になりたい」

2013-07-04 | 料理メモ

「この料理を作れる料理人ではなく、この味わいを作れる料理人になりたい」
しばらく日記が滞っておりました。 満月Pubまではそれなりに好調だったのですが、イベント代休の日に限ってたくさんのお客様をお断りにすることに。 仕方ないとはいえ、流れを自らたってしまった感がありとても残念。 その後はまさにジェットコースター営業。暇な日と忙しい日の差が激し過ぎ。。。 今週もそんな感じで、明日・明後日はまだまだ席に余裕がございます。

ここ最近、なかなか感情が落ち着かない日々。お店のこと、料理のこと、スタッフのこと、自分自身のこと。 そんな時、お隣の偉大なシェフにご教授頂きました。 自分が目指したい道。「この料理を作れる料理人ではなく、この味わいを作れる料理人になりたい」ということ。 良く看板メニューとか名物とかありますが、それってホントなのでしょうか。本当の意味でのそれはお客様が求めて、しかも何十年も愛されるからこそのもの。そんな簡単なものではないのに、そんなものが巷に溢れてる。 分かりやすくないとウケない、では寂し過ぎる。 私がぼんちゃんの時にはおやっさんだけじゃなく、お客様にも怒られたり、導かれたり。 お客様はしっかりと素養があって、しかもお店の成長の過程を楽しんでいたように思います。 そんな余裕やこだわり、教養がお客様側にあっても良いと思う。
おすすめされたものを楽しむおまかせは確かに完成度は高いかもしれないけれど、お客様の個性を発揮するアラカルト(お客様のチョイス)をもっと楽しんでもらたいと思う。 そんな思いから桜花は料理はお任せとアラカルト、ドリンクも良質なものを取りそろえて、後はお客様が大人のたしなみで楽しんでもらいたいと思っています。
日本料理という総合文化に携わっているという自負があります。自負は人と比べるものではなく、自分の中から生まれるもの。 知れば知るほど、自分の足らずを知る。今の自分を卑下することなく、足りないものは自分で埋めていくしかない。 40歳にしてこのことに気づくのは遅すぎるのかもしれないし、このような書くことも本当に生意気なこと。 でも、この覚悟無しには、料理人としても人としても一歩を踏み出せないなと思いました。 悩みながら、もがきなら、恥をかきながらも自分の理想 を追い求める。言っていることと現実との差はいつか埋めます。
そして偉大なシェフのように自分の歩みを語れるようになりたいと思います。

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