高麗橋桜花 徒然日記ー料理人はどこまでできるのか ー

「高麗橋桜花」店主・「大阪食文化研究所」主宰森田龍彦のブログです。どうぞご贔屓にお願い申し上ます。

信楽 篠原さん訪問

2006-08-18 | 生産者訪問

 お盆の休みを利用して、信楽の陶工房 篠原さんを訪問。

 たまたま巡り合った篠原さんのHPの器を見て、一目ぼれ。そして偶然大阪で個展が開催されていて、短い休憩時間を使って訪ねました。運良く篠原さんにお会いすることが出来て、また展示して作品についていろいろとお話をさせて頂きましDscn1909_1た。ここからご縁が始まって、今回の訪問となったのです。

 篠原さんの穴窯。この篠原さん手作りの窯からいろいろな器が生み出されます。一度、窯に火が入ると不眠の作業が何日も続くそうです。薪の火力を調節は出来ますが、窯の中では灰が降り掛かったものがガラス化して出来た自然柚の柄などは自然の力が生み出す造形美です。

Dscn1911  窯を火を生み出す薪です。

薪も火力の強い松等を使い分けます。そして割った後には、しっかりと乾燥させます。また、同じ種類でも、日が良く当たって成長したものよりも年輪の幅が詰まっている薪の方が火力が強いそうです。試しに薪を割らせて頂きました。思ったよりは上手に出来ましたが、量をこなすはとても大変。料理もそうですが、クリエイティブな仕事のベースは地味は体力を使う労働です。

Dscn1913  案内して頂いた信楽ののぼり窯。

傾斜面を利用し、複数の長方形の焼成室がしだいに登っていくように築かれた窯。16世紀末頃、朝鮮半島から伝わったと考えられており、以後全国に広まったそうです。昔、火鉢のトップシェアを誇っていた頃には、この大きな窯が大活躍していたそうです。熱効率の良く、安定した温度を保てる優れた窯です。
Dscn1912
              
 篠原さんにご案内頂いた ギャラリー陶夢さん。
若手の陶芸家の作品も数多く展示されております。(もちろん、篠原さんの作品も。)
地元で頑張る陶芸家さんの作品をこのように取り扱ってくれるギャラリーの存在は、若手陶芸家さんにとってとても励みになるでしょうね。実際に展示されている作品はやはりどれも光るものあります。
  ギャラリーのご主人とも少しお話させて頂きましたが、信楽という陶芸の町をとても大切にしておられました。作り手にとっても購入者にとっても、陶芸を大切にしてくれる物販の方の存在はとても幸せなことですよね。最近は特に、物販の重要性を感じています。
 
 ギャラリー陶夢さんを後にして、篠原さんのご自宅へ案内して頂きました。
 自宅のリビングには、至る所に陶器がありました。それは自身のものだけではくて、他の作家さんの器も数多く購入されていました。そして、ご自宅で使用されている器は、ご自身の作品です。本当に陶芸が好きなんだなということが、ヒシヒシと伝わってきました。でも、この「好き」という思いを強く持ち続けることが一番大切で、一番凄いのだと思います。
 同じ職人として、篠原さんの話は共感できるところが多くありました。自分のしたいことが出来る環境を大切にしたいこと。造形美だけを優先しないで、使ってもらう人のことも大切にすること。作り手として、多くの悩みがあるからこそ前進できることなどなど。たぶん、何時間でも語り合えることが出来ると思います。
 篠原さんの作品は、篠原さんの熱い思いと、とても理解があって見守ってくださる素敵な奥様と生まれたばかりのお子さんへの愛情で、これからますます変化していくと思います。今から次に訪問させて頂くことが楽しみです。
 
 

                                                                                                    

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