少し前ですが、今回の農塾に新規就農者の立場からの講演をして頂く、手塚さんを訪問しました。
手塚さんは今年二年目を迎かえる、有機農家さん。大学時代に里山保全のボランティアをしていて、里山の保全を維持するのには有機農業が不可欠だと感じられたそうです。
京阪交野市駅で待ち合わせ後、まずは手塚さんの師匠である中嶋さんを訪問させて頂きました。
訪問して初めて分かったことなのですが、なんと中嶋さんは大有研の会員さんでした。昔は、活動の中で尾崎さんや植木さんとの交流も持たれていたそうです。中嶋さんが有機農業を始めたきっかけは、有機の日本的な、循環的な流れが好きだからそうです。
今では大阪と京都の中間地点という便利な立地のために都市化が進んだ枚方ですが、昔は肥沃な土と豊かな水に恵まれた農作地帯です。(今でも田畑には水路を使って、多くの水が流れています。) そして、昔は各農家で黒牛と乳牛が飼われていて、農作業の軽減、牛糞の堆肥化、藁を餌にと循環的な農業を営んでいたそうです。(都市化が進んで、住宅地に囲まれるように。稲は大阪で多く栽培されているヒノヒカリです。)
現代の農業はかなり厳しい状況にあります。戦前の米の価値は現在の10倍ほどの価値もあり、食費は収入の1/3を占めていたそうです。それが工業を優先させた経済成長の政策の結果、日本の目覚しい発展のしわ寄せは農業に。多くの人手が農業から離れていきました。そして、農業を生業としていくことは、とても困難になってしまったのです。
中嶋さんは言われました。「農業を楽しんでいる姿を伝えたい。」 早朝に起きて一仕事して、昼休みしながら一献。夕方まで休んで暗くなるまで働いて、また一献。こんな贅沢な時間を過ごせるのは今の時代農家だけ、自分のペースで生きられる贅沢はお金では買えないと笑いながらおっしゃっていました。純粋に農業を楽しんでいる方も珍しいですよね。
中嶋さんの畑を後にして、いよいよ手塚さんの畑へ。
車でしばらく山を登り、里山を感じさせる環境へ。有機農業のきっかけが、大学時代の里山保全のボランティアというのがうなずけました。そして、里山の環境をまもるための有機農業というのにも。
有機農産物は比較的簡単に買えますが、それを育てるのはとても大変です。しかも新規就農で農業の経験自体もあまり無い中、本当に頑張ってるなと思わせる畑でもありました。画像の手前にあるのは、畑よりも高い位置にあるため池から水を引いている手作りの水路です。
手塚さんが枝豆をかじりながら、枝豆は大きくなるより若い方が美味しいと僕は思いますとふっとおっしゃいました。味の好みはひとそれぞれですがこうやって深く観察をして、自分自身でいろいろと感じることがとても大切なのだと思いました。一番野菜に向かい合う時間が長くて、野菜の状態をいろいろ観察できることが出来るのが農家さんなのですから。そして、その中で感じたことを料理人を始め、消費者は知りたいと思っているのです。手塚さんが
大阪での新規就農者は、本当に大変だと思います。でも、手塚さんのような方が経験を積んで農家を生業にできないようでは、くいだおれの大阪としては寂しいですよね。
お久しぶりです。
Kojiさんも、新展開ですね。
また、新しい何かをつかんでくださいね。
今後も、御贔屓にお願いします。
ご無沙汰しております。
講演など、色々お忙しそうですね。
追記、楽しみにしております。
また改めてお邪魔させて頂きますね。