自然の中で暮らすということは不本意ながらもネズミや蛇との共生も覚悟
しなければならない。
家や倉庫を改築する際、「ネズミが入れない建物に」と棟梁さんに懇願し
てはみたものの、所詮それは無理な注文でしかなかった。
そもそも、厚い石の壁で囲い鉄の扉で文字通り「鉄壁の守り」となってい
る石蔵でさえ、いつの間にかネズミが入り込むぐらいだから「他は推して知
るべし」となる。
それでも、床をウロチョロするネズミは「強力な粘着式ネズミ捕り」で駆逐
することが可能だが、天井に棲みついたネズミを捕獲するのは簡単ではない。
昔の農家では柱を這い上ったり長押(なげし)に横たわったりしている青大将
を眺めながら食事をするのも稀ではなかったらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/85/7106c06d1327ee8cdc2bbeb33075e9f4.jpg)
(枯草焼きは順調に進んでいる)
就農当時、ジイチャンから「青大将を退治してはダメ」と注意されていた
が、蚤の心臓を抱える身としては蛇の姿を見るだけで心筋梗塞の心配をしな
ければならない。
また、奥様も田畑で蛇と出くわすと悲鳴を上げて「大騒ぎ」となる。
そんなことから「蛇を見たら退治すべし」を不文律としていたが、それが
ネズミ繁殖の手助けとなっていたようだ。
今年からは方針を大転換し、マムシを除き「蛇は農業の護り神」として崇
め奉ることとしたい。